昨日の夕方、仕事をしながら、「月曜に休みを取って、明日から3日間、旅に出よう」と決めた。突然の決断なので、東京からの移動があまり大げさでない距離圏…箱根・伊豆方面にしようと思った。10時頃まで残業に追われ、帰宅後の深夜、もう11時も回ってから、おおまかな行程を固め、ネットで宿を取った。あれこれプランの中身を詰めて下調べをし、1時過ぎに床に就いたものの、「ワクワクしすぎて」と言うより「寝る直前に頭をヒートアップさせすぎて」なかなか寝付けなかった。
それでも朝6時過ぎに目覚めた。ロマンスカーに乗ろうと新宿駅に着くと、ちょうど5分前に成城学園前で人身事故が発生したとのことで、電車が動かない。ロマンスカーの切符も発売中止。人から「チッ!」と舌打ちされるような死に方をしちゃダメでしょと言ったばかりなのになあ…。JRの湘南新宿ラインで小田原へ。
8:57 伊豆箱根鉄道大雄山線に乗る。
9:24 終点・大雄山駅。駅前からバスで「道了尊」こと大雄山最乗寺へ行き、そこを出発点に明神ヶ岳に登ろうと思う。
次のバスまで30分近く時間があったので、少し先のバス停まで歩くことにする。天気予報では今日は猛暑になると言っていたのに、空には雲が厚く垂れ込め、ぽつぽつと雨もぱらついている。
山麓から続く参道の坂道を登り、仁王門へ。沿道には、道了尊の参拝客を泊めていたのが由来と思われる宿も何軒かあった。青紫のアジサイが綺麗。
阿吽の金剛力士像。どことなく漫画っぽいユーモラスさがある。途中のコンビニで買ったあんドーナツをぱくつきながら、バスを待つ。
バスはアジサイの咲く道を山へ分け入って行き、7分ほどで終点・道了尊へ。
10:02 境内を行く。濃い緑に覆われた、霊験灼たかな場。
ここには小学生の時に遠足で来たことがある。「大きな下駄がある寺」だったのもよく覚えている。天狗の履物。下駄は左右一対が揃って役割をなすところから、「夫婦和合」の意味も持つという。
本堂をお参りする。僧堂を覗き込むと、紫色の饅頭のような座布団が縁台の上に並ぶ座禅の場があり、この寺が禅宗(曹洞宗)の修行道場であることを気づかせる。
さらに奥へ。
奥の院へ上がる階段。なかなか急なうえに長い。それでも、杖をついたお年寄りが前を行くのが見える。自分だって登らないわけにはいかない。
奥の院へ登って戻ってくると、あれ?さっきとは別の大下駄がもう1組。自分が小学生の時に見たのはどっちだろう?記されている奉納年を見るに、先ほどのが僕が小学校の遠足で見たもののようだ。
洗心の滝。水の満ちるところ、緑が美しく広がる。
10:34 境内の脇から登山道へ入る。頂上までの高低差は860m。雨はさほど降っていないが、梢からぽつりぽつりと水滴が滴り落ちてくる。風が強く、木々を揺らす音は嵐を思わせる。
11:40 木立ちが途切れ、開けた場所に出た。かつてはリフトでも通じていたのだろうか、鉄塔が立っている。
天気はぐずついたままだが、後ろを振り返ると、小田原市街、曽我丘陵、相模湾が見渡せた。僕以外に登山者などいない道のりに思えたのに、ここに来て何組かとすれ違う。
靄がたち込め、ますますしっとりとしてきた緑の中を行く。天気予報、徹底的にハズレだな…と思う。
(しかし下山後に宿でニュースを見たら、今日の関東は何百人も熱中症で救急搬送されたほどの猛烈な日照りで、梅雨明けも宣言されたという。山の天気は平地の天気と違うのだ、平地の天気予報を見てもダメなのだ、ということを思い知る)。
12:44 明神ヶ岳頂上(1169m)。この山には何年か前にも登ったことがあり、富士山や箱根外輪山の見晴らしが良かったのを覚えているが、今日は何も見えない。まして、稜線上に出てから風の勢いがいっそう激しくなり、ほとんど「突風」に近い。持ってきたおにぎりを食べるのも躊躇われる。すぐに歩き出す。
以前この山に登った時は、隣の明星ヶ岳まで足を伸ばし、来た道を元通りに明神ヶ岳、道了尊と戻ったのだが、今日はこれ以上歩き続けても楽しめそうにない。一番近い下山口、宮城野を目指す。お腹が空いていたので、風をしのげそうな途中の木陰でおにぎりを立ち食い。
13:54 だいぶ山を下りてきた。別荘地脇の山道を行く。水を流すために掘られた溝の横に「一握りでも結構ですから土砂の取り除きにご協力ください」と切実なメッセージの看板が。だが、溝はもはやどうにも手のつけようもないほど土砂で埋まり、植物が生い茂っていた。
14:35 宮城野の里に下り、早川の渓を渡り、対岸の急勾配の坂道を上がり(箱根登山鉄道もこの高みを登り詰めているのだな…ということがよくわかった)強羅駅へ。ひと気のない山道を歩き続けてきた身としては、カジュアルな観光客が大勢たむろする駅前には苦手意識をおぼえてしまう。今日の風の強さはやはり特別なようで、ロープウェイは運休しているという。
駅構内にはケーブルカーが乗り入れている。父の会社の保養所がこのケーブルカー沿線にあったから、子どもの頃の夏の旅行は箱根が定番だった。でも、ケーブルカーの車体はその頃とはだいぶ違って真新しい。
すでにホームに停まっていた電車は満席だったので見送り、次の電車まで15分待ったのに、なんてこと!来たのはロングシートの車両。しかも、先ほど出たのが3両だったのに対し、こちらは2両しかない。ナントカツアーのご一行も乗り、車内は立ち客もいっぱいの混み具合に。興が殺がれるなあ。いっそもう1本見送ろうかとも思ったが、次の電車がまたロングシートでない保証もない。これで我慢する。それでも、窓の外をこまめに眺めて、日本で最も急な路線勾配や、3箇所のスイッチバック、線路沿いに植えられたアジサイなどを堪能する。僕の腕時計には高度計測機能がついているが、ぐんぐん数値が下がるので、おーっ、と思う。強羅と箱根湯本の高低差は445m。
15:35 箱根湯本駅。朝方の人身事故の余波はこの時間も、そしてこのエリアにも及んでおり、小田原への電車(小田急の車両が箱根登山鉄道の赤色に塗られている)は10分遅れて出発した。
小田原から東海道線で熱海へ。熱海からは伊豆急行の車両「リゾート21」に乗る。海側を向いたシートなどがゆったり配置された「サロン」を思わせる車両で、1つ1つの座席もゆったり大きめにできている。これを特別料金なしの普通列車として走らせているのは実に立派。東急の通勤車両のお古も走っているが、こちらもきちんとクロスシートに改造されている。JRも含めた地方鉄道は、観光で興そうと思うなら特に、これをぜひ見習うべきだな。
16:59 たった20分の乗車、もう少し乗り続けたい未練に駆られながら、伊東着。
「お湯掛け七福神」のいる商店街を抜けて、ホテルへ。
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8:57 伊豆箱根鉄道大雄山線に乗る。
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10:02 境内を行く。濃い緑に覆われた、霊験灼たかな場。
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(しかし下山後に宿でニュースを見たら、今日の関東は何百人も熱中症で救急搬送されたほどの猛烈な日照りで、梅雨明けも宣言されたという。山の天気は平地の天気と違うのだ、平地の天気予報を見てもダメなのだ、ということを思い知る)。
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13:54 だいぶ山を下りてきた。別荘地脇の山道を行く。水を流すために掘られた溝の横に「一握りでも結構ですから土砂の取り除きにご協力ください」と切実なメッセージの看板が。だが、溝はもはやどうにも手のつけようもないほど土砂で埋まり、植物が生い茂っていた。
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