情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

一般的に、弁護士にどのように相談したらいいのでしょうか?また、その費用は?

2005-05-03 05:44:23 | 法律相談(一応…)
 弁護士に相談すると弁護料をぼられてかえって高くつくのではないか、あるいは、紹介者がいないといい加減な弁護をされるのではないか、などなど、弁護士に依頼されようとする方は、悲観的な予測をされることがままあるようです。でも、そういう心配は杞憂に過ぎません。基本的に弁護士に依頼をして損をするということはありません。まず、そのことを強調しておきます。

 では、現実に事件の流れを見てみましょう。
 まず、どの弁護士に相談をするかの選択です。ここで大切なことは、離婚事件ばかりしている弁護士や刑事事件ばかりしている弁護士、すなわち特定の分野に特化している弁護士はほとんどいないということです。多くの弁護士は、多種多様な事件をこなしています。ですから、裁判で結果が分かれているような難しい事案でなければ、得意な分野かどうかにそんなにこだわる必要はありません。ただし、もちろん、その分野での経験があることは非常に大切ですから、信頼できる紹介者がいればその人の知っている弁護士に相談をしてその弁護士からその事件を得意とする弁護士を紹介してもらうとよいでしょう。
 適切な紹介者がいない場合には、弁護士会の法律相談を利用するとよいでしょう。費用は30分5000円というのが一般的ですから、そんなに高くはありません(この相談料は直接弁護士事務所で相談する場合も同様であることが多いでしょう)。大都市の場合は、医療過誤、交通事故、消費者問題、サラ金問題、労働事件など分野別の法律相談も行われていますので、そこから選択するとよいでしょう。分野別の法律相談が行われていない場合には、とりあえず、相談に乗ってもらい、依頼するに足りるかどうかを判断するしかありません。その場合、きちんと話を聞いてくれるか、丁寧に説明をしてくれるか、その場で分からないことがあった場合には分からないと正直に言ったうえで後で調べてくれるか、などをチェックしてみて下さい。

 次に、相談の結果、事件を依頼する場合、費用の点については、どの範囲の仕事に対してどのくらいかかるかを説明してもらって下さい。この説明をしないか、説明を嫌がる弁護士は要注意です。
 一般的に弁護士費用は、事件を依頼する際に支払う着手金と事件が解決した際に支払う報酬とに分けられます。交渉では解決せず、裁判まで必要な場合には、着手金は請求金額の5%~10%前後、報酬は経済的利益の10%前後というのが普通でしょうか。逆に内容証明郵便で請求しただけで解決したような場合には、文書作成費用として数万円支払うだけという場合もあります。なお、少し前までは弁護士会ごとに弁護士費用の基準を決めていましたが、現在、費用は自由化されています。とはいえ、昔の基準からかけ離れたような費用を請求するようなことはないようです。説明された内容に心配があれば、別の弁護士に相談したり、弁護士のホームページなどを参考にチェックするとよいでしょう。

 事件の経過ですが、まず、弁護士が内容証明などを送って請求をし、だめなら交渉をする、それでもだめなら裁判をするというのが一般的です。それぞれの手続に依頼者が立ち会う必要は必ずしもありません。相手とやり合うのはほとんど弁護士です。もちろん、やり合う前に綿密に打ち合わせをしておかなればなりません。その際には、自分に不利なことも隠さず、話しておかないと、相手に足下をすくわれることになりますので注意して下さい。
 裁判になった場合、まずは、お互いの主張を裁判所に提出しあったうえ、証拠なども参考にしてその主張を整理し、争点がはっきりしたところで、証人尋問を行うというのが通常のパターンです。裁判所の日程(期日)は、1か月に1回くらい組まれるのが普通です。どうしても時間がかかってしまいますが、これは辛抱して下さい。時間を掛けているうちに相手が財産を隠してしまうかも知れないというような場合には、事前に相手の財産を仮に差し押さえるような手続もあります。
 めでたく裁判に勝っても、相手が払わないこともあります。そのような場合には、相手の給料や不動産を差し押さえることが必要になります。

 以上、弁護士への依頼から解決までの流れをざっと説明しました。しかし、一番のポイントは、できるだけ早く弁護士に相談して欲しいということです。契約書にサインする前に相談に来れば、相談料だけで片づきます。仮に、契約書にサインしたとしても、早く相談すればクーリングオフで契約を解除することができるかもしれません。それなら、文書作成費用だけで解決します。しかし、相手の言うがままになり、次々に契約してしまった後では、もはや裁判しか手段がないかもしれません。そうすると、弁護士の費用もどうしても一定程度かかってしまいます。弁護士とつきあうコツは、早め早めに相談するということです。

最高裁長官の裁判員についてのコメント

2005-05-03 05:14:15 | 適正手続(裁判員・可視化など)
読売新聞によると http://news.goo.ne.jp/news/yomiuri/shakai/20050502/20050502i211-yol.html

【最高裁の町田顕長官は、3日の憲法記念日を前に記者会見し、4年後の2009年5月までに施行される裁判員制度について、「非常にたくさんの国民が消極的。より参加しやすくなるような広報などを行いたい」と危機感を表明した。
 先月16日に内閣府が発表した裁判員制度に関する世論調査結果では、7割の人が「参加したくない」と答えた。町田長官は「裁判員は1人で何もかも決めるわけではなく、社会の一般常識から見た判断が期待されている」とし、過大な負担感を抱く必要はないとの考え方を示した。】
とのこと。

【また、連日開廷を目指して刑事裁判の改革が進む中、世論調査では「週に1回」の開廷間隔を希望する回答が多かったことについて、「毎日では困るということであれば、そうした声をくみ取って対処していきたい」とも述べた。】
とも伝えられた。

「日常の正義感」(南野法務大臣発言)よりは「社会の一般常識」の方がいいけれども、適正手続を確保するなど、制度上、市民から信頼される手段を高じて頂きたいところ…。


5月2日

2005-05-03 05:02:35 | 日記(事件など中心に)
朝、有罪判決が出た被告人(新聞では「被告」としているが、間違い)と面会。本日の東京拘置所は、連休の谷間ということもあり、大混雑。建て直されてから、こんなに混んでいたのは初めて…。ところが、なぜか、10人以上とばして、面会できた…不思議?所在する房舎で面会する人が少なかったりすると、そうなるのかな?

被告人は、日本の司法制度にあきれており、最高裁で争っても、身柄拘束される期間が長くなるだ(上告審で争った時間の一部は刑を終えたこととしてカウントしてくれるが、全部をカウントしてくれるわけではない)と言って、上告について、消極的だった…。現状の制度では、確かに、何とかなるかもしれないと言えないだけに…。でも、再度、チャレンジして欲しい。

守谷市まで高速バスで往復。前は前夜徹夜で高速に乗る前に寝て、起きたら目的地だったけど、今日は行き帰りとも景色を少し、楽しんだ。隅田川の水面(みずも)のきららが眩しかった。それにしても、駒形橋から上野に行く途中の、厨房用品屋さんのでかいシェフ看板は知らなかったので、驚いた。

ところで、【仙台管区気象台が先月30日、黄砂の影響で「雲の状態が確認できず、天気は不明」とした発表内容について、同気象台は2日、先月30日午後3時、同6時、同9時の記録を「天気不明」から「煙霧」に訂正した】そうです。 http://news.goo.ne.jp/news/yomiuri/shakai/20050502/20050502i111-yol.html
 【同気象台では、天気を「快晴」「雨」「曇り」など15種類に分けて記録しており、黄砂や煙などで雲の状態が地上から見えない場合は、「煙霧」とすることになっているという。黄砂で空が一面薄い褐色に覆われた先月30日もそうすべきだったが、誤って「不明」としたという。
同気象台観測課は「黄砂自体が珍しい現象で、煙霧の項目を見落としてしまった」と釈明している。 】
気持ちは分かる…。けれど、不明とする前に、だれかが、不明でいいか立ち止まって考えて欲しかった。天気だからほほえましいで済むけど、先日の管制塔の誘導ミスのような事態はとんでもないことだから。