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今日の筆洗

2024年08月20日 | Weblog

かっこいい男性を指して言う「イケメン」が広く使われるようになったのは2000年前後らしい。今もよく聞くから流行語の類いにしては息が長い▼あくまで言葉の印象なのだが、この「イケメン」、どうも軽い。俗語辞典によるとイケメンの「メン」とは面と「MEN」をかけたもの。と、なると顔の良さや外見だけを評価した言葉であって性格や態度は関係ないか。小欄、言われたことはないが、「イケメン」が上っ面なほめ言葉に聞こえるのはそのせいかもしれない▼悲しみ、孤独。複雑な味わいを持つこの役者を二枚目、色男と呼んでも「イケメン」という軽い言葉は似合わない。俳優、アラン・ドロンさんが亡くなった。その名は二枚目の代名詞であった▼映画『太陽がいっぱい』でドロンさん演じるトム・リプリーが殺した友になりすますためサインを何度も練習する場面を思い出す▼恐るべき犯罪者なのだが、見ているとリプリーを応援したくなるのはドロンさんの顔の良さのせいではあるまい。野望とかなわぬ思い。そんな苦しい役柄がよく似合い、大衆の心をつかんだ▼「ダーバン・セ・レレガンス・ドゥ・ロム・モデルン(ダーバンは現代の男のエレガンス)」。出演した紳士服の古いCM。「フランスでCMに出るのは人気のない俳優」と最初は断ったそうだ。気位の高さも往年の二枚目スターにふさわしい。