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今日の筆洗

2024年11月07日 | Weblog
 大統領選挙に対する米国民の熱心さや思い入れというのは日本人には理解しにくいところもあるか▼『猫のゆりかご』などの米作家、カート・ヴォネガットが1972年の大統領選挙のことを書いている。共和党のニクソンと民主党のマクガバンが争った▼ヴォネガットはマクガバンを支持したが、結果はニクソン勝利。「(だからといって)アメリカは世も末、というわけではありません。わたしの考えではどんな人間も偉大になれる潜在的な可能性を持っています。ニクソンでさえ、もし、失脚したなら」(『ヴォネガット、大いに語る』)。支持者はライバル候補の勝利をどうしても許せぬものか▼民主党のハリス副大統領の支持者はヴォネガットと同じ苦々しい夜を過ごしているのだろう。米大統領選挙はトランプ前大統領が勝利した。国際協調より米国第一を訴える人がホワイトハウスに返り咲く▼勝敗のカギとなったのはやはり経済問題だった。苦しい暮らしの中、有権者は劇的な変化を求め、政策的にバイデン大統領とかわり映えしないハリスさんより、トランプさんの破壊力や無謀さのようなものに期待したかったのかもしれぬ。たとえ、それでウクライナ問題や気候変動などに目をつぶることになっても、である▼トランプさんの勝利で世界はどう変わるか。予測できないのがこの人の政治だったことを思い出した。