東京新聞寄居専売所

読んで納得!価格で満足!
家計の負担を減らしましょう!
1ヶ月月極2950円です!
アルバイト大募集中です!

今日の筆洗

2024年11月12日 | Weblog
作家の幸田文さんは14歳のときに父親の露伴から掃除の仕方を教わった。露伴の指導はかなり厳しかったようだ▼『父・こんなこと』によるとはたきの房の先が障子の桟(さん)ではなく紙に触れることを許さない。「おまえの目はどこを見ている」「埃(ほこり)はどこにある」とうるさい。文さんがへそを曲げると「できもしない癖におこるやつを慢心外道という」▼露伴の「はたき指南」より厳しい監視の目にさらされ、お小言と注文を頂戴することになるか。石破首相である。首相指名選挙では野党が一本化できなかったため、石破さん、なんとか当選できたが、少数与党に変わりはない。野党は自民党のはたきのかけ方ひとつにも目を光らせるだろう▼野党が束になれば与党は予算案も法案も通せない状況の中、いかに野党の理解と協力を得るか。自民党はわがまま勝手に国会を運営してきた1強時代が既に恋しかろう。国民民主党にしてもすべて与党の言いなりにはなるまい▼野党から多様な意見を聞いた上で、与野党間で丁寧に議論して、解決策を見いだす。そんな「熟議」の時代に入るのなら歓迎したいが、与野党の批判合戦と冷笑のはざまで「政治」がどこにも進めないような事態は避けたい▼問われているのは野党も同じなのだろう。抵抗だけではこれもまた国民の不興を買う。与党への適度な「はたき」のかけ方というのが難しい。