おんがくは くうきのなかにきえていく
わたしたちは どこへいくんだろう
春まちどおしい
天窓から光が差し込む
屋根裏の作業部屋におひなさまを出そう
木目込みの立ち雛は
亡くなった母がつくってくれたもの
貧しい時代
雛人形などもてなかった母は
ムジカが嫁ぐとき
お人形をもたせるのがゆめだったらしい
はたちになった年に
まず 女雛ができた
それから・・・ずっとめびなさん、ひとりぼっちだったけど
婚約がととのった年の3月に
おびなさんができた
「ほら、いいおかお。よくにてるでしょ」
って わらった
2年後 初孫のためには
ど~ん と段飾りを買った母!
そのギャップがなんとも・・・
入試のための業務がはいって
おしごと 大変な1週間だったから
パパ ごきげんわるくって くりごと くやみごと
つらいのはわかるよ
でも ムジカのこと責めたって現実は変りっこない
てか
必死でやったら 案外お仕事うまくいったのかもね
「オレ、できるやん」
って思ったら 「なんで 退職せねばならぬのだ?」
っておもったのかもね
「病人あつかいするんじゃねーよ」ってね
そんなこんなで
ムジカのこと 問い詰めて くだまいてたら
パパのおへやの机のうえにあるオルゴールが鳴った
なんかの拍子なんだろうな
ながいことネジまいてないんだけど・・・
曲は「星にねがいを」
結婚式のテーマソングにして
みなさんにひとつづつもってかえったもらった記念のオルゴール
おほしさまは 願いをきいてくれた?
おひなさま
毎年 ちゃんと前向けて飾ってるのに
いつのまにか 肩ふれあって よりそってた
また 前むけても またまた知らない間によりそって
ずうっと ずうっと 毎年のこと
病気に気づかず
ぎくしゃくしてたときも変わらずに
パパのしわざ・・・だった
でも
去年も一昨年も なかったな
今年は はじめからぴたっとくっつけて飾ろうかな
どうしよう
春はもうすぐそこ