とりぎん文化会館で「議員向け協働研修会」が開催されたので参加しました。県鳥取力創造課長の岩崎さんが県内の状況を報告した後、人と組織と地球のための国際研究所(IIHOE)の川北秀人代表が「これから地域が生き残るための協働」と題して講演されました。
以下は講演の要旨です。
協働はOS。仕事のやり方です。協働環境を整えるのが行政の役割です。私たちは「指定管理者制度の設計・評価に市民が参加しているか」など19項目で協働の状況を可視化して評価する調査を続けています。今年度は183団体にアンケートし、98.9%の自治体から協力を得ました。それだけ担当者の関心が高いと言うことだと思います。2009年の鳥取県の調査結果を見ると、しくみ化、制度整備はできていますが、評価への市民参加は劣っていると思います。協働の基本原則は、サービス需要が増え、税収が減る状況の中では、協働できることをひとつでもより早く効果的に増やし続けること。八王子市は職員研修は1割は市民と協働して実践している。佐賀県では予算に関するすべての業務について協働を前提に、導入するかどうかを庁内で評価して公表。市民がやった方が良いと思うと知事に提案できるという仕組みまで導入されています。政策策定過程への参加を促す画期的な取り組みとして、日本で始めて「国連公共サービス賞」も受賞しました。静岡県の「ひとり1改革運動」をやっています。ブラジル人向けの税務PRのDVDも作成しました。
田上長崎市長は「協働は発想から。公務員は1人芝居からプロディユーサーへ。1人でやれる範囲は限られているので、市民を巻き込んでいくことが大事」、竹山堺市長は「団体自治から住民自治へ。『基本自治体優先』『自助+補完性』『近接制』の原則を貫かないといけない」などと話されています。雲南市の「小規模多機能」自治の取り組みはおもしろいと思います。幼稚園の放課後の預かり保育(海潮)、旧農協跡地での産直市&100円喫茶(中野)などのユニークな取り組みが生まれています。
指定管理者制度は本来の趣旨どおり導入されているか疑問です。 「多様化する住民ニーズに対応できているか」「より効果的・効率的な対応ができているか」「住民サービスの向上を実現しうる体制になっているか」と考えないといけない。経費の節減等を図ることを目的としています。市民活動の指導はスキルが必要。運営委員会による市民活動センターはやめるべきだと思います。巡回型で出前のようにスキルを届けるのがいいですね。
この後、主催したNPO法人kirariの福井代表、岩崎課長、川北さんがパネラーになってのトークショーとなりました。
私は「協働について自治体職員の意識は、仕事のアウトソーシングを安価にするための仕組みと勘違いしている人がすくなくない。指定管理者も同様ではないですか」と問題提起したところ。川北さんは「そういなっているケースが多いですね」とため息。「協働はプロセスが重要なんです。その過程を評価していく仕組みづくりができれば、職員の皆さんも、市民の皆さんも意識が変わっていくのでは」と話していただきました。