農林水産商工常任委員会の県外視察も3日目、最終日となりました。今日はアンテナショップ巡りです。というのも、鳥取県のアンテナショップ「食のみやこ鳥取プラザ」に入居していただいている業者の皆様との契約が来春切れます。契約終了の半年前までに双方が意思表示しない限り、自動更改となります。公金を投入する以上、しっかりとした目的意識が必要だと思います。鳥取県にとって理想のアンテナショップとはどうあるべきか、今、しっかりと議論したいと思いますし、そのために他県のアンテナショップを視察することにしたのです。最初に訪れたのは銀座にある山形県のアンテナショップ「おいしい山県プラザ」です。
生鮮食品のコーナーが充実しているのが、山形県の特色だそうです。「毎朝仕入れ」とうたってありました。岡ひじき、蕗、うんない百菜などが売ってありました。
山形県の銘柄米「つや姫」も売っていました。
地酒も充実しています。
生菓子も売っていました。
二階にはレストランと情報コーナーがありました。レストランは鳥取県と同じ、イタリアンですが、ランチのコースが3300円と5500円、パスタコースが1800円、夜のコースが12600円と、6300円でした。山形牛ほ他、羽黒の山伏豚、酒井港の口細カレイなどの素晴らしい食材を使って会ってるようですが、鳥取県よりはちょっと高めです。
茨城県のアンテナショップ「茨城マルシェ」も銀座にありました。
ですが残念ながら、開店はまだです。レストランの看板には「納豆とんかつ」がありました。
驚いたことに、サラダバーに納豆バーとありました。さすが茨城です。
次に訪れたのは高知のアンテナショップ「まるごと」です。
居酒屋放浪記で有名な吉田類さんは高知県出身。イベントが予定されていました。
ここも食品中心です。
生鮮食品も豊富でした。
地下では焼酎や地酒が売っていました。
観光・ふるさと情報コーナーは、土佐電鉄に委託されています。旅行商品の販売だけでなく、ふるさと情報の提供に力をいれているそうです。
レストランは居酒屋的な感じです。郷土料理の提供に力が入っていました。
次は沖縄県のアンテナショップです。外見から沖縄のイメージを大切にされています。
製作販売で、とても美味しそうです。
ここはレストランではなくイートインです。
沖縄は美味しいものがたくさんあるんだと実感できる品揃えです。
書籍や民工芸品も充実です。
泡盛の品揃えは半端ではありませんでした。
アンテナショップ巡りはまだまだ続きます。
次に訪れたのは福井県のアンテナショップ「食の国」です。銀座にあります。
店内はなかなかセンスのいい造作です。
壁に情報コーナーがありました。福井県のイベントを知らせるチラシが置いてありました。こうした情報の提供こそアンテナショップの使命です。
ここは食品が中心です。
若狭湾で採れた魚介類の干物が売ってありました。鮮魚に比べ、干物は日持ちするので、アンテナショップに向いているようです。
フードインで食の提供をされていました。福井はもちろん、そばです。
日本橋に移動し、プラザビルにある「富士の国やまなし館」を訪問しました。
さずが山梨。ワインの陳列はたいしたものでした。
富士山の登山情報など情報提供コーナーもしっかりしていました。
入り口が二箇所あるのはいいですね。
山口県の「おいでませ山口館」も、山梨県と同じプラザビルにありました。
ここも食品に加え、様々な御土産グッズもありました。
さずが山口県。鉄刺(ふぐの刺身)も売っています。
萩焼もありました。アンテナショップでは、こうしたものは余り売れないとのことでしたが、山口県はどうなのでしょうか。
情報提供コーナーもありましたが、パンフレットの掲示が中心のようです。
IJUターンの相談コーナーもありました。こうした拠点があるのはいいことだと思います。
島根県のアンテナショップ「にほんばし島根館」は、日本橋三越本店前という絶好のロケーションにありました。
紙漉きの体験コーナーもありました。
入り口近くには食品が並んでいます。売れ筋は入り口近くにということなのでしょうか。
観光情報などの提供コーナーは見た中で一番充実していました。
民工芸品のスペースもゆったりしています。
アンテナショップの隣には、郷土料理の店「主水」がありました。相乗効果が期待できそうです。
以上で、アンテナショップ回りは終了。東京本部へ向かいました。
農林水産商工常任委員会の県外は、最後に東京本部に場所を移して、大場本部長、三木市場開拓局長から説明を聞きました。まず三木局長からアンテアショップ「食のみやこ鳥取プラザ」について説明を受けました。以下は概略です。
1階は1億円以上の売上があるが、2階の飲食は低迷気味で、対前年比は4分の3に落ち込んでいる。売上以外の経済効果はテレビに出たり、雑誌の取材を受けたりしていて、1億5000万円と推計している。来年4月に入店業者との契約更改を迎えるが、更新まで6ヶ月に意思表示しないと、自動更改となる。そこで2つのスキーム案を考えている。1階は物販、2階は飲食という現行を続けるか、それとも、2階部分は物販の拡張またはイートインの簡単な軽食スタイルにするかだ。運営事業者協力金は現在、1階は700万円以下は7%、~800万が5%、800万円超は3%と売上比例方式。2階は107万円/月の定額方式を採用している。今後は1階、2階とも売上の6%程度というスキームを検討し、地域情報の発信についてはインセンティブを与えるという形を考えている。
他県のアンテナショップの視察を踏まえて、三木局長、大場本部長と「食のみやこ鳥取プラザ」について質疑と都意見交換をしました。以下はその概要です。
Q 来店の客層はどうか
A 当初はゆかりの人が多かったが、ちょっと遠くからでも野菜などを買いに来てくれている人も出てきている。アンケートでは4割がゆかりの人、6割がその他の人。2階は近隣の会社に務めている人が多い。夜もそう。当初は接待やデートを想定していたが、そうなっていない。そこで、夜は5000円のコースに加え、3000円のコースも入れた。来店客数は増えたが、単価は下がり、売上が増えるということころまではいっていない。
Q お客様の回転数は
A 2月の見直しで、営業時間を短縮したことから夜は1回転ちょっと。
Q 改めてアンテナショップの設置目的を問う。鳥取の情報発信基地なのか、それとも、鳥取の物品を販売するところなのか。ここで買ってももらって、食べてもらって、鳥取に首都圏の人を誘客する施設なのか。物品の販売での情報発信も、鳥取の産物を知ってもらってネット販売などへ繋げていくのか、それとも、首都圏での鳥取の産物の知名度を挙げて、次のビジネスにつなげるのか。はっきりした目的意識が大事だ。
A お客さん目当て、「B TO C」。利用者の声を返していくことが大事。展示的なスペースにして販路拡大にしていく。観光とかのPRの場になっている。期待している。現在はビジネスが優先になってきて、発信が弱くなってきた。「B to B」を目標にしたが、東京本部の販路開拓員がメイン。一般の消費者に鳥取県を感じてもらうこと。
Q 食材を通して、鳥取県をPRしていくということか。県の認知度が低いので、広告が重要だ。
A その通り。
Q 3階との連携は。
A 3階は1階、2階のバックヤード的に使っているだけ。あまりメリットはない。ビジネス・オフィスとしては新橋の場所は良い。
Q 沖縄の飲食はイートイン。それでいいのではないか。百貨店の地下でもあるが、そちらの方がいいかな。
A ティータイムは下のお菓子をツマミとして出しているが、直接の関係はなかった。きたろうカレーを調理して出せる。
Q 地元の食材メーカーをシェフに訪ねさせたのはなぜか。
A アンテナショップでPR試食会というフェアをしたいので回った。
Q 店舗の経営が変わる可能性があるのになぜという声があった。
A バイヤー中心の試食会ですから、必要だった。
Q 1階と2階の連携強化は。サラダが出されたら「このドレッシングは下で変えますよ」という声をかけがあればいいのでは。
A 非常勤職員を2月の見直しから2階レストランに配置した。
Q 何の情報を元にお客さんは来店しているのか。つまり、鳥取を意識しての来店ということか。
A 全く意識されないことはない。鳥取の店ですから、鳥取を意識されていますよ。
Q 売れ筋商品を販路拡大するのが、やはりアンテナショップではないだろうか
A 物を売って、その商品に詰め込まれている情報を発信する。物を売ることで情報を発信したい。量を得るなら関西。東京圏は全国へ、場合によっては世界に情報を発信すべきだ。
Q ならば場所の選定を考えるべきでは
A 他のいくつかの場所を検討したが、飲食店舗ならいいがという。いい物件が見つかるかどうかわからない。また変な物件を掴むことになる。いい物件があれば移転するというくらいの設備投資がいいのかもしれない。
Q 外観も工夫できないか
A 1階は共有スペースもあり、看板も構造上難しい。今の店舗はそのまま運営し、腰を落ち着けて移転先を探したい。