福祉生活病院常任委員会の県外調査2日目は、王子製紙に続き、サントリー天然水奥大山ブナの森工場を訪れました。
同社の横山大助事務長=写真左、エンジニアリング部門の山本浩也技師長代理=写真右=から説明を受けました。以下は横山事務長の説明の概要です。
今日は今季初めての雪が降った。日本全体を3つに分け、南アルプスの白州、奥大山、阿蘇の三工場があり、奥大山は近畿、中国、四国に供給した。2008年3月生産開始、11月に日経ものづくり対象を受賞、2010年2月にISO14001認証取得、2011年4月にサントリープロダクツに吸収合併。9月に日本緑化工学会賞を、ここにあった植物を使っての緑化したことで受賞した。多様性緑化をこれほど大規模にしているところはない。
生産量は2L6本入りで1500万ケース。2Lは365本/分、500MMは630/分のライン能力が持つ。従業員70人、敷地は29万平方メートル。西日本最大級のブナの森の中にある。ペットも製造している。井戸から汲み上げ、タンクに入れ、濾過し、ボトリングする。この間、水は一切外気に触れない。
生産棟は9000㎡、倉庫棟1万㎡、酢酸ナトリウム三水和物を蓄熱材とした蓄熱層、250トンの雪を入れている雪室、エネルギーはLNGと環境に優しい工場になっている。市場の動きは2008年まで右肩上がり、09年、10年は踊り場状態。リーマンショックとスーパーのタダの水などが影響したのではないか。11年は震災で急増。また踊り場。その中で、サントリーのシェアは上昇している。11年は在庫調整でちょっと減少。江府と1500万ケース、50万トンという約束。そこは守っている。生産に加え、調整・試験でも水は使う。将来の増産に備え80万トンの汲み上げでどうなるか調べる笠良原環境影響調査評価委員会を開催。実際80万トン組みあげる試験もして調査し、専門家の皆さんに議論していただいたが問題はないという返事を頂いた。
サントリーの各工場で使っている水は涵養しようと全国15カ所で7500ヘクタール、奥大山では359ヘクタールの天然水の森を持って涵養に努めている。
質問にも丁寧にお答え頂きました。以下はその概要です。
Q 井戸の観測体制は
A 江府町と環境保全協定を結び、年1回報告している。地下水井の観測井戸を持っている。町は周囲の河川水位や観測井戸のデータを報告し、専門家のモニタリング委員会を開催し、議論している。
Q 取水などの報告は
A 江府町への報告はオープン。技術的なノウハウは別として、取水量は報告するのが当然と思っている。
Q 節水は
A ピンチテクノロジーの考え方、風呂の残り湯を使うような考え方で動いている。製品は一番いい水で使うものの、工場で他の用途で使う水はグレードの低い水でいいと考え、回収して再利用している。水のカスケード(多段階)利用はサントリーの工場ではスタンダードになっている。
Q 公水私水についての考えは
A ミネラルウォーターは汲んだそのままが製品だが、他の工業の方が水の使用量は大きいのではなだろうか。天然水の森は原料である水を創り出す企業活動と思っている。私していないと思っている。環境という意味では公水で、環境を維持する責任はあると思っている。製品に至と私水となるのではないか。ワインを除くと全部の製品は水がないとできない。「水と生きるサントリー」。世の中に水の恵みを提供する企業として、貴重な水を守るという水への思いを持った企業。使った分はお返ししなければという思いがある。
Q 吐水口の面積は。
A みんな14平方センチメートル以上です
Q 地質の調査は
A 大きな地層、台地の形成は調査して評価していただいた。おおむねこういう
Q 増設計画は具体的にあるのか
A 工場進出のときから2ラインの計画があるが、市場状況からは今は1本でいい。。
Q 水の使用の用途は
A 生産のプロセスで使う洗浄水、井戸の洗浄水などで使っている。井戸はローテーションして使っている。
Q 井戸の配置は
A 井戸を掘るのは距離で、これくらいずつ空けようというもの。それぞれが干渉しないようにしている。深さも様々。
Q サントリーは火山の近くに工場が多いが
A 軟水は火山。硬水はカルシウム層を通ってくるので、そういうところでは取水しない。
Q 協議会に参加いただけるか。負担金を設けることに抵抗感があるか。
A 参加するのが社会的な義務だとは思う。ミネラルウォーター税のような形で工場に税金をかけるというようなことは、やめていただきたいと思う。
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