調査1日目の最後は、境港管理組合を訪ね、境港リサイクルポートに指定されて1年経った現状をお聞きしました。説明は小倉誠一事務局長からお聞きしました。
・一昨年のリサイクルポート指定に続き、昨年11月11日に国際コンテナ、木材、外航クルーズの3つで日本海側の拠点港に指定された。
・境港はコンパクトな港。外航は昭和北地区=国際旅客ターミナル、昭和港地区=木材・国際コンテナ、竹内団地、江島地区=原木、リサイクル
・全体貨物は年間400万トンで推移していたが、リーマンショックで23%ダウン。国内貿易は回復が遅れている。外航コンテナは昨年1万4386本と過去最大を更新した。
・境港のメリット=①対岸と交易しやすい…1日~3日で韓国、ロシア、上海に行ける②地震・津波に対する高い安全性③高まる陸上輸送の優位性…無料の高速道路整備④強まる北東アジアとの連携⑤これまでの物流・人流の実績
・境港のセールスポート ①北東アジアへのゲートウェイ②トータル物流コストの削減③サービス・競争力の向上
①東アジアへのゲートウェイ=中国航路(週2便)、韓国中国航路(週1便)、韓国航路(週3便)、韓国ロシア航路(週1便)
②トータル物流コストの削減=時間コストの削減
③サービス・競争力の向上=CIQの迅速化
・リサイクルポート 昨年1月に指定
・静脈物流(金属くず、廃プラスチック、古紙)の海上輸送拠点ということ
・全国に23港が指定された。
・昭和南=汚泥炭化燃料、昭和北=金属くず、ゴムチップ、廃プラ、古紙、竹内=RPF 木くず燃料、江島=木くず、RPF
・2025年で30万トンの取扱を目標にした。思いを積み上げた。全体が3倍
・境港の目指す姿
・リサイクル企業の立地が進んだ地域
・トライアル輸送の取り組み
・対岸との取り組みはこれから
RPFを韓国の工場で使ってもらうように働きかけている。
・潜在需要は韓国で多いが、木材はオンドルで使用して、足りない状況だ。
・バイオコークス
・原木を取り扱えば木皮が落ちて、山のようになっている。
・木皮を固めて燃料に再利用するのがバイオコークス
・石炭の代替となるバイオコークスの開発に産官学で取り組んでいる。
・共同研究先は近畿大
・リサイクルポート推進協議会
産学官で構成。企業は13社。規制緩和の検討。セミナーの開催。
主な質疑応答
Q 境港まで高速道路がないが
A 今の交通量は人口減少で確実に減る。境港利用の増加分はどうなるか検討が必要。欲しいは欲しいです。
Q どんな木を輸入しているのか、その用途は
A 建築用合板で北米の木材。ロシア産は化粧用合板。
Q 産廃が集まってくることで、漁港への影響は
A ゴミを集めて回っているわけではない。有用な物を集めている。
Q バイオコークスの事業主体は。醤油など塩分のあるものが困っている。塩分は排除できるのか。
A 当然、塩分が着いたものとして実証実験をしている。民間はサンコウ。
Q 推進協議会が機能してもらわんといかんが
A ルール作りやトライアルをしてりしている。1社だと少ないが、集まりませんか。それを企業メリットにしたい。
雪の降る中、境港の港湾施設を案内していただきました。
国際コンテナターミナルです。
木材が荷揚げされていました。
木材の荷揚げで生じた木皮の山です。
これがバイオコークスの原料になります。
金属くずです。
金属くずの整理をする作業車です。
北朝鮮に輸出しようとしたが、禁輸で出来なくなった冷蔵庫の山です。床に埋めて電気は使わず、保管庫として使うのだそうです。放置されたため、訴訟で撤去させることになったそうです。
韓国に輸出されるRPFが野積みされていました。
・一昨年のリサイクルポート指定に続き、昨年11月11日に国際コンテナ、木材、外航クルーズの3つで日本海側の拠点港に指定された。
・境港はコンパクトな港。外航は昭和北地区=国際旅客ターミナル、昭和港地区=木材・国際コンテナ、竹内団地、江島地区=原木、リサイクル
・全体貨物は年間400万トンで推移していたが、リーマンショックで23%ダウン。国内貿易は回復が遅れている。外航コンテナは昨年1万4386本と過去最大を更新した。
・境港のメリット=①対岸と交易しやすい…1日~3日で韓国、ロシア、上海に行ける②地震・津波に対する高い安全性③高まる陸上輸送の優位性…無料の高速道路整備④強まる北東アジアとの連携⑤これまでの物流・人流の実績
・境港のセールスポート ①北東アジアへのゲートウェイ②トータル物流コストの削減③サービス・競争力の向上
①東アジアへのゲートウェイ=中国航路(週2便)、韓国中国航路(週1便)、韓国航路(週3便)、韓国ロシア航路(週1便)
②トータル物流コストの削減=時間コストの削減
③サービス・競争力の向上=CIQの迅速化
・リサイクルポート 昨年1月に指定
・静脈物流(金属くず、廃プラスチック、古紙)の海上輸送拠点ということ
・全国に23港が指定された。
・昭和南=汚泥炭化燃料、昭和北=金属くず、ゴムチップ、廃プラ、古紙、竹内=RPF 木くず燃料、江島=木くず、RPF
・2025年で30万トンの取扱を目標にした。思いを積み上げた。全体が3倍
・境港の目指す姿
・リサイクル企業の立地が進んだ地域
・トライアル輸送の取り組み
・対岸との取り組みはこれから
RPFを韓国の工場で使ってもらうように働きかけている。
・潜在需要は韓国で多いが、木材はオンドルで使用して、足りない状況だ。
・バイオコークス
・原木を取り扱えば木皮が落ちて、山のようになっている。
・木皮を固めて燃料に再利用するのがバイオコークス
・石炭の代替となるバイオコークスの開発に産官学で取り組んでいる。
・共同研究先は近畿大
・リサイクルポート推進協議会
産学官で構成。企業は13社。規制緩和の検討。セミナーの開催。
主な質疑応答
Q 境港まで高速道路がないが
A 今の交通量は人口減少で確実に減る。境港利用の増加分はどうなるか検討が必要。欲しいは欲しいです。
Q どんな木を輸入しているのか、その用途は
A 建築用合板で北米の木材。ロシア産は化粧用合板。
Q 産廃が集まってくることで、漁港への影響は
A ゴミを集めて回っているわけではない。有用な物を集めている。
Q バイオコークスの事業主体は。醤油など塩分のあるものが困っている。塩分は排除できるのか。
A 当然、塩分が着いたものとして実証実験をしている。民間はサンコウ。
Q 推進協議会が機能してもらわんといかんが
A ルール作りやトライアルをしてりしている。1社だと少ないが、集まりませんか。それを企業メリットにしたい。
雪の降る中、境港の港湾施設を案内していただきました。
国際コンテナターミナルです。
木材が荷揚げされていました。
木材の荷揚げで生じた木皮の山です。
これがバイオコークスの原料になります。
金属くずです。
金属くずの整理をする作業車です。
北朝鮮に輸出しようとしたが、禁輸で出来なくなった冷蔵庫の山です。床に埋めて電気は使わず、保管庫として使うのだそうです。放置されたため、訴訟で撤去させることになったそうです。
韓国に輸出されるRPFが野積みされていました。
昨日の福祉生活常任委員会も、津波対策委員会の報告、鳥取県福祉計画、鳥取県介護支援計画など盛りだくさんで、他の委員会が昼過ぎに終わっていたのに午後3時過ぎまで続きました。その後、エネルギー雇用促進調査特別委員会の勉強会もありました。その後、地域ユニオンなどの旗開きなどがあり、帰宅したのは午前1時でした。
みのり福祉会不正経理問題では、各種の報告書や貸借対照表、損益計算書など様々の書類を11月から、夜な夜な読み込んではエクセルに整理して、理解していく作業がずっと続いていたので、正直、疲労困憊。19日の参考人招致が済んでホッとしました。しかし、まだまだ真相解明にはほど遠く、これからも仕事は続きそうです。
とはえい、今日くらいは朝寝坊しようと思っていると8時前から携帯がなり、「ハンセン病療養所の長島愛生園へ行きましょう」と相談があり、今度は次男がパソコンに使い方を教えてよと電話してきて、最後は有権者の方と会うことになり家を出ることになり、なんやかなで寝坊計画は頓挫しました。日曜日からは米子、真庭で調査のため鳥取を離れます。今月の出張は3回目。どこかで体力を回復しなければと思っています。
みのり福祉会不正経理問題では、各種の報告書や貸借対照表、損益計算書など様々の書類を11月から、夜な夜な読み込んではエクセルに整理して、理解していく作業がずっと続いていたので、正直、疲労困憊。19日の参考人招致が済んでホッとしました。しかし、まだまだ真相解明にはほど遠く、これからも仕事は続きそうです。
とはえい、今日くらいは朝寝坊しようと思っていると8時前から携帯がなり、「ハンセン病療養所の長島愛生園へ行きましょう」と相談があり、今度は次男がパソコンに使い方を教えてよと電話してきて、最後は有権者の方と会うことになり家を出ることになり、なんやかなで寝坊計画は頓挫しました。日曜日からは米子、真庭で調査のため鳥取を離れます。今月の出張は3回目。どこかで体力を回復しなければと思っています。
みのり福祉会不正経理問題で理事長、元理事長、元理事、元事務局長を県議会福祉生活病院常任委員会を招いて、いろいろとお話をお聞きしました。
不正経理事件で疑惑として県の改善命令と、それに対するみのり福祉会の改善報告で指摘されているのは、たくさんのありますが、大きなものは次の5点です。
(1)6件の土地取引で、法人が売買代金を支払っているのに、元理事長や元理事長の家族名義で登記し、しかも、法人と賃貸借して元理事長や、その家族に以上に高額な賃代を支払っている。
(2)香典代の支出のうち、約699万円は法人の関係の薄い人で、議員としての支出。しかも簿外処理されていた。
(3)法人の役人は報酬しか受け取ってはいけなのに、期末手当の支給を受けていた。
(4)各施設区分間、各経理区分間で貸し借りは頻繁に行われ、年度内に精算しなければならないのに、3億円を超えて残額がある。
(5)福祉職員の給与改善のために国から給付を受けた民改費を、借金の返済に充てた
理事長は全部の疑惑を認めたうえで、理事長に就任するまでは、評議員兼幼稚園長であったが、不正の事実は知らなかった。不正支出分は前理事長に返還を請求すると共に刑事告発する。経理上の問題は、厳しい財政状況の中だが、きちんとしていくし、職員の待遇改善にも努める。不正が起こったのは理事長の先決で福祉会の運営がなされ、理事会が形骸化されたこと。理事会、評議員会、監査を三権分立させ、お互いに牽制しあって運営するようにしていくと改善への思いを語られました。
実の父親を告訴するのは苦渋の選択だったと思います。前理事長下の不正を自ら明らかにし、法人の運営を適正化されることを期待したいと思います。甘いと言われるかもしれませんが、「利用者の笑顔のため、職員の笑顔のために頑張りたい」と言われた決意を今は信じたいと思います。
元理事は「理事会は施設長会と一緒に開かれることもあり、どこまでが理事会で、どこまでが施設会かわからないこともあった。「出席して記憶も、議事録に署名した記憶もない理事会なのに、出席して署名したことになっているものがある」「理事会は連絡事項を伝えるような雰囲気で、議論するという感じではなかった」という意味のことを言われ、理事会が形骸化し、前理事長の個人商店のようになっていた法人の運営実態が明らかになりました。
元事務長は疑惑の土地取引について、法人の土地として代金を支出したとの認識だ。なぜ、前理事長やその家族名義で登記したかは、脳梗塞で倒れたこともあり、失念したというのか、記憶にない。法人の土地なのに賃借料はなぜ支払ったかも、わからない。というものでした。その一方で、税務上の処理などは細かな数字まで覚えておられ、本当に失念されていたのか疑問です。また、「現在の専務理事は元福祉保健部長で、監査する側とされる側が一緒であることは問題だ。どういう経緯で採用したのか」と市谷委員が訪ねると、「現職県議の紹介、名前までは覚えていない」と答えられました。
最後は元理事長です。土地取引の疑惑については、土地を売買すると税金がかかるが、福祉施設という公共目的があるから土地収用法に基づいて土地を収用して、補償金を払う形にしようと思い、三角譲渡となったというのです。これって脱税じゃないかと思うんですが、税務当局の指導に従ったとおっしゃるんです。この点は資料もお借りしましたので、税務署に確認しようと思います。また、それに、もし、土地収用法に基づくとなると、公共目的を持つ起業者が土地の所有者にならねばならず、自己名義にする理由にはならないと思いますが、その点、明確な説明はしていただけませんでしたし、細部になると事務局に任せていた。3人体制ではなく、もっと充実させておけば良かったと繰り返すばかりです。
香典も、法人がお世話になった地域の人に線香の1本も手向けたかっただけ。では県議の肩書きはおかしくかとお聞きしましたが、「県議の肩書きだけの香典はない。改善報告が間違っている」と断言されました。また、県の監査に対して、県職員を恫喝するような言動をして、調査を妨害したと県職員から聞いていましたが、これも「一切やっていない」と否定されました。また、専務理事を紹介した県議会議員がだれかという質問もありましたが、「差し支えがある」と名前を明かすことを拒まれました。行政に精通した職員をリクルートしただけなら、名前を明かしても何の問題もないと思います。ここも疑問です。
今後、この参考人招致の議事録を精査し、税務当局、さらには県福祉保健部にも意見が食い違っている部分について、再度、検証をお願いして、真相究明に向けて調査を進めようと思っています。
質疑の内容は以下の県のホームページから、ご覧になれます。
http://www.pref.tottori.lg.jp/item/652642.htm#moduleid315377
不正経理事件で疑惑として県の改善命令と、それに対するみのり福祉会の改善報告で指摘されているのは、たくさんのありますが、大きなものは次の5点です。
(1)6件の土地取引で、法人が売買代金を支払っているのに、元理事長や元理事長の家族名義で登記し、しかも、法人と賃貸借して元理事長や、その家族に以上に高額な賃代を支払っている。
(2)香典代の支出のうち、約699万円は法人の関係の薄い人で、議員としての支出。しかも簿外処理されていた。
(3)法人の役人は報酬しか受け取ってはいけなのに、期末手当の支給を受けていた。
(4)各施設区分間、各経理区分間で貸し借りは頻繁に行われ、年度内に精算しなければならないのに、3億円を超えて残額がある。
(5)福祉職員の給与改善のために国から給付を受けた民改費を、借金の返済に充てた
理事長は全部の疑惑を認めたうえで、理事長に就任するまでは、評議員兼幼稚園長であったが、不正の事実は知らなかった。不正支出分は前理事長に返還を請求すると共に刑事告発する。経理上の問題は、厳しい財政状況の中だが、きちんとしていくし、職員の待遇改善にも努める。不正が起こったのは理事長の先決で福祉会の運営がなされ、理事会が形骸化されたこと。理事会、評議員会、監査を三権分立させ、お互いに牽制しあって運営するようにしていくと改善への思いを語られました。
実の父親を告訴するのは苦渋の選択だったと思います。前理事長下の不正を自ら明らかにし、法人の運営を適正化されることを期待したいと思います。甘いと言われるかもしれませんが、「利用者の笑顔のため、職員の笑顔のために頑張りたい」と言われた決意を今は信じたいと思います。
元理事は「理事会は施設長会と一緒に開かれることもあり、どこまでが理事会で、どこまでが施設会かわからないこともあった。「出席して記憶も、議事録に署名した記憶もない理事会なのに、出席して署名したことになっているものがある」「理事会は連絡事項を伝えるような雰囲気で、議論するという感じではなかった」という意味のことを言われ、理事会が形骸化し、前理事長の個人商店のようになっていた法人の運営実態が明らかになりました。
元事務長は疑惑の土地取引について、法人の土地として代金を支出したとの認識だ。なぜ、前理事長やその家族名義で登記したかは、脳梗塞で倒れたこともあり、失念したというのか、記憶にない。法人の土地なのに賃借料はなぜ支払ったかも、わからない。というものでした。その一方で、税務上の処理などは細かな数字まで覚えておられ、本当に失念されていたのか疑問です。また、「現在の専務理事は元福祉保健部長で、監査する側とされる側が一緒であることは問題だ。どういう経緯で採用したのか」と市谷委員が訪ねると、「現職県議の紹介、名前までは覚えていない」と答えられました。
最後は元理事長です。土地取引の疑惑については、土地を売買すると税金がかかるが、福祉施設という公共目的があるから土地収用法に基づいて土地を収用して、補償金を払う形にしようと思い、三角譲渡となったというのです。これって脱税じゃないかと思うんですが、税務当局の指導に従ったとおっしゃるんです。この点は資料もお借りしましたので、税務署に確認しようと思います。また、それに、もし、土地収用法に基づくとなると、公共目的を持つ起業者が土地の所有者にならねばならず、自己名義にする理由にはならないと思いますが、その点、明確な説明はしていただけませんでしたし、細部になると事務局に任せていた。3人体制ではなく、もっと充実させておけば良かったと繰り返すばかりです。
香典も、法人がお世話になった地域の人に線香の1本も手向けたかっただけ。では県議の肩書きはおかしくかとお聞きしましたが、「県議の肩書きだけの香典はない。改善報告が間違っている」と断言されました。また、県の監査に対して、県職員を恫喝するような言動をして、調査を妨害したと県職員から聞いていましたが、これも「一切やっていない」と否定されました。また、専務理事を紹介した県議会議員がだれかという質問もありましたが、「差し支えがある」と名前を明かすことを拒まれました。行政に精通した職員をリクルートしただけなら、名前を明かしても何の問題もないと思います。ここも疑問です。
今後、この参考人招致の議事録を精査し、税務当局、さらには県福祉保健部にも意見が食い違っている部分について、再度、検証をお願いして、真相究明に向けて調査を進めようと思っています。
質疑の内容は以下の県のホームページから、ご覧になれます。
http://www.pref.tottori.lg.jp/item/652642.htm#moduleid315377
平井知事を知事室に訪ね、2012年度当初予算に対する会派要望書を手渡しました。副知事、統括監、財政課長、教育長も同席されたので、しっかりとそれぞの要望事項を訴えました。というのも、これらの要求項目は県民の皆様からしっかり話を聞かせていただいて作成したもので、県民の皆様の願いや思いが詰まっているからです。長いですがご一読ください。
2012年度当初予算に対する会派要望
会派「かけはし」は2012年度当初予算に対する要望を以下のように提出いたします。県財政が厳しい中ではありますが、雇用創出による県経済の下支え、3.11で露呈した脆弱な危機管理の是正、高齢者や障がいを持った方も安心して暮らせる地域づくりなど、要望は多方面にわたっておりますが、いずれも、県民皆様の声をお聞きして作成したものですので、どうか十分に検討していただき、できる限り対応していただくようお願い申し上げます。
◆今回、新規に要望する事項
【危機管理局】
(1)原子力防災専門職員の採用
鳥取県は昨年12月25日、境港市、米子市と共に中国電力と「島根原子力発電所に係る鳥取県民の安全確保等に関する協定」を締結しました。問題となった「報告と意見」「現場確認」の条項を事実上の「事前了解」「立入検査」にする意味において、また、EPZの拡大で島根原発のオフサイトセンターに派遣しても十分に活躍できるかつ中国電力に対抗しうる高度な原子力防災の知識を持った専門職員を採用されたい。
(2)米子・境港を西日本の防災基地にする研究会設立
航空自衛隊美保基地、陸上自衛隊駐屯地、鳥大医学部附属病院、重点港湾「境港」など防災関係機関が揃う米子市・境港市周辺に東日本及び西日本の太平洋岸並びに瀬戸内側が被災した際の国家級の防災支援基地を誘致するための研究会を立ち上げ、検討を進められたい。
(3)災害時通信網の確保
厚生労働省が主導する広域災害救急医療情報システム(EMIS)が有効に使えるよう災害拠点病院に複数の携帯電話を設置し、加えて、一般病院にも順次、衛星携帯電話の設置が進むような支援制度を導入するとともに小規模医療機関の電話も災害時優先電話に切り替えられたい。
【福祉保健部】
(4)「鳥取発!農福連携モデル事業」の拡充・継続
耕作放棄地を事業所が取得・賃貸借できる農地譲渡のマッチングや経験豊かな農家や退職した農業普及員らを指導者として紹介する人材のマッチングさらに東京、大阪、名古屋各本部での販路拡大のマッチングなど事業所が自ら農業経営に乗り出し、障がい者が自立できる収入を得ることができるよう「鳥取発!農福連携モデル事業」を拡充・継続されたい。
(5)障がい福祉サービス事業所ハートフルサポート事業の拡充・継続
就労系障がい福祉サービス事業所の運営支援を目的とした「運転設備資金融資制度」、新商品開発の支援を目的とした「新商品開発支援事業補助金」を拡充されたい。特に何度も新製品開発に取り組む熱意ある事業所を支援するため、同一事業者が複数回給付を受けられる制度へ改善されたい。
【未来づくり推進本部】
(6)第30回地域づくり団体全国研修交流会鳥取県大会の支援
全国の地域づくりのリーダーが集まるコンベンションという魅力だけでなく、そんなリーダーたちが県内各地で、県内で地域づくりに頑張っている人たちと交流することで、地域に刺激を与えると期待される。
ついては、財政的支援に加え、「県政だより」や「とっとりNOW」などの媒体での宣伝並びに東京・名古屋・大阪の各本部による誘客活動など関係各部による積極的な支援に取り組んでいただきたい。
【病院局】
(7)県立中央病院の長期ビジョン策定
県立中央病院は、千代川河口に位置し、津波災害が予想されることから、周囲を高い防波堤で囲うなどの津波対策が必要、加えて、非常用電源が浸水等で使用できなくなった場合に備え、太陽光発電システムやエコファームなど代替電源の検討も必要となってくる。
ついては、災害対策や施設の老朽化等の問題を視点に県立中央病院の長期ビジョンを策定されたい。
【未来づくり推進局】
(8)「まんが王国とっとり」の推進
まんが王国とっとりの建国イヤーに合わせ、全国のまんが博物館、図書館の全国大会を開催するほか、明治大学が全国最大規模で2014年に開館させる東京国際マンガ図書館の分館を誘致し、まんが王国とっとりのシンボルにしていただきたい。
(9)「温泉王国とっとり」の建国
関金温泉が昨秋、三朝温泉に加えて名湯100選に選ばれた。県内各温泉施設の利用者へのアンケートを実施し、ユニークなオンリーワンの振興計画を策定し、観光客の誘客を進めて「温泉王国とっとり」を建国していただきたい。
(10)腎センターの充実
2012年度から米子医療センター内に整備が始まる腎センターが、腎臓移植を待ち望んでいる透析患者の皆さんにとって有効で、利用しやすい腎臓病患者の中核施設になるよう支援していただきたい。加えて、臓器移植病院、臓器提供病院が増えるよう宣伝活動にも努力されたい。
【水産振興局】
(11)水産業用大型冷蔵庫の代替フロン機への転換支援制度
オゾン層を保護するため、改定モントリオール議定書によりHCFCの生産は2020年までに全廃される。境港で水産関係大型冷蔵庫を持つ企業のうち、5社はNH3など代替フロン冷媒を使った冷蔵庫に更新したが、27社はHCFCを使用している。環境イニシアティブの視点及び水産事業継続の視点からHCFCから代替フロン機への転換支援制度を設けられたい。
(12)フィッシュセレクターに防風防寒対策
境港漁港に新設されたフィッシュセレクター(魚体選別機)は、防風防寒設備がないため、長時間にわたる作業環境に適していない。防風防寒対策を早急に講じて、フィッシュセレクターの利用促進を図られたい。
◆11月補正予算で要望した事項で、新年度予算でも引き続き検討していただきたい事項
【危機管理局】
(1) 原子力防災対策の強化
原子力安全委員会のワーキングチームで防災対策区域の拡大が提案されたが、引き続き、発災時の情報収集・連絡体制の整備、高齢者や障がい者を含む実効的な避難計画の策定、必要な資機材整備など原子力防災対策の一層の強化を図られたい。加えて、行政区画ではなく、被害想定に基づいた防護対策や財政措置になるよう国に強く求められたい。
【商工労働部】
(2)緊急雇用対策
「働くぞ!頑張る企業を応援する鳥取県雇用促進事業」の対象企業拡大を要望したところ、同事業とセットでの新たな企業支援策について、当初予算に向けて検討してみたい」と前向きな回答をいただき感謝している。実現をお願いしたい。「重点分野職場体験型雇用創出事業」については、「専門的技術者等正規雇用促進事業」を新年度も継続願いたい。「ミドル・シニア仕事ぷらざ鳥取」の要員については要望通り、11月補正予算で増員いただき感謝している。三洋の再編に伴う雇用不安が解消するまでは継続願いたい。
(3)運転技能免許や大型二種免許の取得補助制度の新設
大型特殊自動車等の特殊車両免許取得の支援について「離職者対策として有効であれば、2012年度当初予算に向けて検討する」と前向きな回答をいただいた。実現するよう重ねてお願いしたい。バス運転者確保のための大型二種免許取得支援制度の新設は「考えていない」との回答だったが、再度、地域交通網としてのバスの必要性を考え、再検討していただきたい。厚生労働省の教育訓練給付制度については「若者仕事ぷらざやミドル・シニア仕事ぷらざでも周知を図りたい」との回答をいただいた。是非とも実効性のあるものにしていただきたい。
【福祉保健部・農林水産部】
(4)介護保険料や助成金など公的資金が投入されている法人への緊急一斉監査
監査は2年に一度と実施すると回答をいただいたが、県民の信頼回復には一斉監査をして県の毅然たる態度を示すことが肝要だ。再度検討願いたい。公金が投入されているのは社会福祉法人だけでない。大切な税金が有効に使われるよう他分野の法人・団体についても、今回、社会福祉法人に導入された監査制度をモデルとして、監査体制の整備・強化を図られたい。
◆昨年11月に2012年度当初予算で検討していただきたいと要望した事項
【総務部】
(1)予算の繰り越しのインセンティブ
予算は使いきらねば翌年度予算で削減対象にならないかという危惧を県職員の中から払拭するため、頑張って節約して、予算を余らした部局は、余らしたお金の何割かを自由に翌年度予算化できるインセンティブ制度を新設していただきたい。
【文化観光局】
(2)砂丘のボーリング調査
砂丘でボーリング調査を実施し、湧水施設を新設し、新しい観光資源にしていただきたい。
【福祉保健部】
(3)「支え愛」関連事業予算の拡大
「支え愛」の街づくり事業を、地域包括ケアへ福祉政策を転換させる基盤作りとして、来年度以降も継続拡大し、地域での見守りシステムの拡張、共生ホームの進展などを進めていただきたい。また、「支え愛」の拠点整備事業は「新しい」ことを助成の条件としているが、これまで頑張って地域で高齢者を支えてきた団体も評価し、事業の対象としていただきたい。
(4)地域包括ケアを推進するカリスマ職員の育成
地域包括ケアを進めるのは市町村であるが、具体的に事業を支援する事務職・専門職のチームを県庁内に新設すると共に、地域を巻き込んで強力に進めるカリスマ職員を県や市町村に育成するため、海外先進地への留学なども含め、思い切った育成プログラムを企画していただきたい。
(5)地域包括ケアのモデル地区への予算の集中投下
全国的に見ても先進的な地域包括ケアの取り組みをしている市町村をモデル地区に指定、思い切った財政支援等を実施して、取り組みの遅れている地域を刺激し、県内全域で真の地域包括ケアを実現していただきたい。
(6)成年後見支援センターの新設
成年後見制度は高齢者を守る上では有効な制度である。県西部に成年後見支援センターが委託事業として設置されたが、東部、中部にも設置を検討していただきたい。
(7)高齢者向けグループホームの新設
高齢者が、これまで暮らしていた街中や中山間地で一軒家を借家的に使って安価にシェアし、グループリビングを展開する高齢者向けグループホームの新設を検討していただきたい。県単独事業となるが、地域包括ケアの眼目はお年寄りが住み慣れた地域で暮らし続けることにあるので、是非とも研究していただきたい。
(8)介護が必要な高齢者や障がい者の交通機関利用時の助成制度新設
障がい者の外出時タクシー料金の一部を負担する制度を持つ市町村もあるが、高齢者は対象とならない制度が多い。実態調査していただき、福祉タクシーへの助成制度を中心に高齢者、障がい者の交通手段の確保に努力されたい。
(9)五大疾病の専門医等資格取得支援事業の新設
がん専門医等資格取得支援事業をお手本に、県内死亡率の上位を占める心疾患、肺疾患、脳血管疾患、腎不全、糖尿病の5つの疾患についても類似の制度を設け、県内医療水準の向上に努められたい。
(10)歯科医療検診治療車の開発
歯科用レントゲン装置や診療台を搭載した歯科検診車を開発し、元気に長生きしていただくために欠かせない歯と口腔の健康を守れるよう予防歯科に力を入れていただきたい。
(11)病診・病病連携の推進とジェネリック医薬品の使用拡大
病院相互間の連携を高め、急性期、回復期、維持期(リハビリ期)の各ステージに合わせた病院で治療することの徹底を図ること共に、ジェネリック医薬品の使用を求めるジェネリックカードを作成し、ジェネリック医薬品の利用促進を進めて、医療費の軽減に努められたい。
(12)医療人材確保のための実態把握調査の実施
現代医学はコメディカルの存在なしには語れない。理学療法士で実施したいように薬剤師、レントゲン技師、歯科技工士など広範な医療人材に対するニーズ調査を実施して、現状を把握して鳥取県の医療を担う医療人材確保を計画的に進められたい。
(13)若年性認知症患者支援策の充実
若年性認知症は早期発見、早期治療が病状を進行させない上で大きい。シンポジウムの開催などで県民への周知に努めていただきたい。現在は長寿社会課が担当だが、若年性であるがゆえに、就労や子育てなどの独特の問題もあるので、担当課の検討もしていただきたい。
(14)障がい児者用ショートステイ施設の県東部、中部での新設
米子市にある県立総合療育センターが宿泊可能な障がい児のショートステイを実施しているが、県内1箇所での実施のため、県東中部から奥さんを連れて行く親御さんの負担が大きい。県東部と中部にそれぞれ1箇所程度、障がい児者用のショートステイ施設を新設していただきたい。
【県土整備部】
(15)街路灯の整備
中山間地では児童生徒が真っ暗な中、自転車を漕いで、また、徒歩で帰宅することになる。児童生徒の通学の安全を守るため、通学路となっている県道の街路灯の整備をお願いしたい。
【生活環境部】
(16)再生可能エネルギー導入モデル事業に対する十分な資金措置
環境イニシアティブ事業の中心をなる再生可能エネルギー導入モデル地区について、十分な事業費が確保できるように、しっかりと県予算を配分すると共に、中国経済産業局や地方整備局などとも連携して、国土交通省の社会資本整備総合交付金(エコまちづくり交付金)なども活用できるように配慮していただきたい。
【人権局】
(17)地区生活実態把握調査と不動産取引差別調査の実施
適切な対策はしっかりとした実態把握の上にのみ、成立する。人権意識調査の充実に加え、地区生活実態把握調査を早急に実施していただきたい。土地取引についても、宅地建物取引業協会に協力を求めて実態を把握していだきたい。
(18)インターネットのモニタリング監視
ネット上をモニタリングして、問題サイトを早期発見し、被害が発生する前に問題サイトの予防駆除を図れるように人権局、子育て王国推進局、県警、教育委員会が連携してモニタリングするシステムを構築していただきたい。
【危機管理局】
(19)避難所備蓄品の整備
備蓄品と備蓄体制の再点検を進められたい。発電機、飲料水のほか、学校のプールの水を生活用水として利用するためのポンプ、石油ストーブのように単体で使用できる暖房具、マンホールトイレなどの備蓄量を増やされたい。
【農林水産部】
(20)有害鳥獣被害対策で里山の整備
有害鳥獣被害対策のため、実の成る木を植え、昆虫も育つ環境を整え、鳥獣の食べる物がたくさんある緩衝帯を設ける中山間地の環境整備計画を作っていただきたい。絶滅危惧種を殺していいのかという疑問もあり、原則殺処分というツキノワグマの管理計画は見直すべきだと考える。
(21)耕作放棄地で菜の花プロジェクト
耕作放棄地で菜の花を栽培する菜の花プロジェクトを応援していただきたい。菜種油の特産品化などに取り組む「菜の花工房」の活動を支援していただきたい。
(22)竹林整備で竹害を解決
竹の服や竹のシーツ、竹の家具など生活の中で使える竹の価値を見直し、全県で竹林を整備して、遊ぶ竹林、食べる竹林、品物を作る竹林を再生する県民運動を展開していただきたい。鳥大、県産業技術センター、医薬品メーカーなどと協力し、新製品の開発もしていただきたい。
(23)森林施業団地化コーディネーター雇用制度の新設
森林施業団地化推進員配置事業を緊急雇用対策は2011年度末で終了するため、鳥取県の森林施業の将来に必要な森林施業団地化コーディネーターを、直接雇用するための補助制度を新設していただきたい。
(24)60年生以上の高齢級間伐補助制度の創設
森林環境保全整備事業の補助対象を60年生以上の樹木へも拡大していただきたい。
(25)森林ボランティアによる林業の再生
交流会などの森林関係のイベントを展開し、山村地域の住民と、都市部住民の森林ボランティアが協働して林業再生に取り組む制度の新設を検討していただきたい。森林証券制度や地域通貨券「モリ(森)券(地場産品との交換券)」の発行なども検討していただきたい。
(26)高騰する原油に対する助成の上乗せ制度
原油高に困窮する漁業者対策として、直前2年間の平均原油価格に1.15を乗じた額を補填基準額とし、原油価格が補填標準額を超えた時に助成する国の制度はあるが、直前2年間の原油価格が高かったため、補填されない状況に陥っている。原油価格が85円、できれば80円を超えたときには、国の補填額基準額との差額を助成する制度を新設していただきたい。
【教育委員会】
(27)少人数学級の拡大
35人学級を2012年度から実施に踏み切られたことを評価したい。高等学校についても、生徒数の減少を教育環境改善の好機と捕らえ、学級数の削減ではなく、普通科40人、専門科38人の学級定員数の削減に取り組んでいただきたい。特別支援学級も、児童定員を削減するとともに、児童生徒の障害に応じての加配も検討されたい。
(28)経済的に苦しい高校生家庭の負担軽減
県立高校の入学金は廃止していただきたい。生徒会費、PTA会費、学年費、教材費、修学旅行費などの校納金が経済的に苦しい生徒の家庭では大きな負担になっているので、保護者の収入に合わせた校納金の減免制度か、助成制度を新設されたい。
(29)学校施設の非構造物の耐震化
建物の耐震化に加え、照明器具や天井から吊り下げたテレビ、体育館に取り付けたバスケットボールのゴールなど非構造材や設備機械等の耐震化を進め、児童生徒の生命身体を守っていただきたい。
(30)特別支援学校を障がい者の避難所として活用できる体制整備
障がい者を始めとする要介護者のバリアフリー環境が整っている特別支援学校を福祉保健部や危機管理局、県教委の連携の下で、福祉避難所に指定し、一般の避難所の備蓄品に加え、オストメイトや痰の吸引などの機器を備蓄するなどの整備を進められたい。
(31)幼児教育におけるLD等特別支援員の新設
学習障害(LD)の園児や児童に対応して、LD等特別支援非常勤講師を保育所や幼稚園への加配を県単独、もしくは、市町村への補助事業として検討していただきたい。
(32)教育現場の非常勤教員の待遇改善
小中高校の非常勤講師をできるだけ正規職員で雇用するように努められたい。また、非常勤講師は週15時間前後の授業の先生が多く、夏休み等の長期休暇もあるため、年収にすると200万円を切っている人が少なくない。時給単価を国レベルの2790円に引き上げるなど待遇の改善に努められたい。
(33)日本語未習熟児童生徒への配慮
日本語を母国語としない児童生徒に対し、授業の理解を手助けする教員の加配基準を、渡日から3年から、渡日から5年に変更していただきたい。
(34)美術館・博物館の連携強化
県立博物館を中心に、各市町村立及び民間の博物館・美術館の協力を得て、官公庁の役所などで所有する美術品・歴史資料の悉皆調査を実施し、文化財データベースを作成していただきたい。完成後は公開し、各施設で開催する企画展や常設展示で文化財の相互利用を進められたい。また、県東中部の施設に全部入れる因幡共通券、県西部の施設に全部入れる伯耆共通券も検討していただきたい。
(35)不登校と自殺対策
不登校児童生徒の対応をするスクールカウンセラーをマンツウマンで、きめ細かく対応できるように加配していただきたい。うつ病などの精神疾患に対する正確な知識を普及させるために、児童生徒に加え、教師、保護者を対象にした研修会やシンポジウムも開催する経費を計上していただきたい。
2012年度当初予算に対する会派要望
会派「かけはし」は2012年度当初予算に対する要望を以下のように提出いたします。県財政が厳しい中ではありますが、雇用創出による県経済の下支え、3.11で露呈した脆弱な危機管理の是正、高齢者や障がいを持った方も安心して暮らせる地域づくりなど、要望は多方面にわたっておりますが、いずれも、県民皆様の声をお聞きして作成したものですので、どうか十分に検討していただき、できる限り対応していただくようお願い申し上げます。
◆今回、新規に要望する事項
【危機管理局】
(1)原子力防災専門職員の採用
鳥取県は昨年12月25日、境港市、米子市と共に中国電力と「島根原子力発電所に係る鳥取県民の安全確保等に関する協定」を締結しました。問題となった「報告と意見」「現場確認」の条項を事実上の「事前了解」「立入検査」にする意味において、また、EPZの拡大で島根原発のオフサイトセンターに派遣しても十分に活躍できるかつ中国電力に対抗しうる高度な原子力防災の知識を持った専門職員を採用されたい。
(2)米子・境港を西日本の防災基地にする研究会設立
航空自衛隊美保基地、陸上自衛隊駐屯地、鳥大医学部附属病院、重点港湾「境港」など防災関係機関が揃う米子市・境港市周辺に東日本及び西日本の太平洋岸並びに瀬戸内側が被災した際の国家級の防災支援基地を誘致するための研究会を立ち上げ、検討を進められたい。
(3)災害時通信網の確保
厚生労働省が主導する広域災害救急医療情報システム(EMIS)が有効に使えるよう災害拠点病院に複数の携帯電話を設置し、加えて、一般病院にも順次、衛星携帯電話の設置が進むような支援制度を導入するとともに小規模医療機関の電話も災害時優先電話に切り替えられたい。
【福祉保健部】
(4)「鳥取発!農福連携モデル事業」の拡充・継続
耕作放棄地を事業所が取得・賃貸借できる農地譲渡のマッチングや経験豊かな農家や退職した農業普及員らを指導者として紹介する人材のマッチングさらに東京、大阪、名古屋各本部での販路拡大のマッチングなど事業所が自ら農業経営に乗り出し、障がい者が自立できる収入を得ることができるよう「鳥取発!農福連携モデル事業」を拡充・継続されたい。
(5)障がい福祉サービス事業所ハートフルサポート事業の拡充・継続
就労系障がい福祉サービス事業所の運営支援を目的とした「運転設備資金融資制度」、新商品開発の支援を目的とした「新商品開発支援事業補助金」を拡充されたい。特に何度も新製品開発に取り組む熱意ある事業所を支援するため、同一事業者が複数回給付を受けられる制度へ改善されたい。
【未来づくり推進本部】
(6)第30回地域づくり団体全国研修交流会鳥取県大会の支援
全国の地域づくりのリーダーが集まるコンベンションという魅力だけでなく、そんなリーダーたちが県内各地で、県内で地域づくりに頑張っている人たちと交流することで、地域に刺激を与えると期待される。
ついては、財政的支援に加え、「県政だより」や「とっとりNOW」などの媒体での宣伝並びに東京・名古屋・大阪の各本部による誘客活動など関係各部による積極的な支援に取り組んでいただきたい。
【病院局】
(7)県立中央病院の長期ビジョン策定
県立中央病院は、千代川河口に位置し、津波災害が予想されることから、周囲を高い防波堤で囲うなどの津波対策が必要、加えて、非常用電源が浸水等で使用できなくなった場合に備え、太陽光発電システムやエコファームなど代替電源の検討も必要となってくる。
ついては、災害対策や施設の老朽化等の問題を視点に県立中央病院の長期ビジョンを策定されたい。
【未来づくり推進局】
(8)「まんが王国とっとり」の推進
まんが王国とっとりの建国イヤーに合わせ、全国のまんが博物館、図書館の全国大会を開催するほか、明治大学が全国最大規模で2014年に開館させる東京国際マンガ図書館の分館を誘致し、まんが王国とっとりのシンボルにしていただきたい。
(9)「温泉王国とっとり」の建国
関金温泉が昨秋、三朝温泉に加えて名湯100選に選ばれた。県内各温泉施設の利用者へのアンケートを実施し、ユニークなオンリーワンの振興計画を策定し、観光客の誘客を進めて「温泉王国とっとり」を建国していただきたい。
(10)腎センターの充実
2012年度から米子医療センター内に整備が始まる腎センターが、腎臓移植を待ち望んでいる透析患者の皆さんにとって有効で、利用しやすい腎臓病患者の中核施設になるよう支援していただきたい。加えて、臓器移植病院、臓器提供病院が増えるよう宣伝活動にも努力されたい。
【水産振興局】
(11)水産業用大型冷蔵庫の代替フロン機への転換支援制度
オゾン層を保護するため、改定モントリオール議定書によりHCFCの生産は2020年までに全廃される。境港で水産関係大型冷蔵庫を持つ企業のうち、5社はNH3など代替フロン冷媒を使った冷蔵庫に更新したが、27社はHCFCを使用している。環境イニシアティブの視点及び水産事業継続の視点からHCFCから代替フロン機への転換支援制度を設けられたい。
(12)フィッシュセレクターに防風防寒対策
境港漁港に新設されたフィッシュセレクター(魚体選別機)は、防風防寒設備がないため、長時間にわたる作業環境に適していない。防風防寒対策を早急に講じて、フィッシュセレクターの利用促進を図られたい。
◆11月補正予算で要望した事項で、新年度予算でも引き続き検討していただきたい事項
【危機管理局】
(1) 原子力防災対策の強化
原子力安全委員会のワーキングチームで防災対策区域の拡大が提案されたが、引き続き、発災時の情報収集・連絡体制の整備、高齢者や障がい者を含む実効的な避難計画の策定、必要な資機材整備など原子力防災対策の一層の強化を図られたい。加えて、行政区画ではなく、被害想定に基づいた防護対策や財政措置になるよう国に強く求められたい。
【商工労働部】
(2)緊急雇用対策
「働くぞ!頑張る企業を応援する鳥取県雇用促進事業」の対象企業拡大を要望したところ、同事業とセットでの新たな企業支援策について、当初予算に向けて検討してみたい」と前向きな回答をいただき感謝している。実現をお願いしたい。「重点分野職場体験型雇用創出事業」については、「専門的技術者等正規雇用促進事業」を新年度も継続願いたい。「ミドル・シニア仕事ぷらざ鳥取」の要員については要望通り、11月補正予算で増員いただき感謝している。三洋の再編に伴う雇用不安が解消するまでは継続願いたい。
(3)運転技能免許や大型二種免許の取得補助制度の新設
大型特殊自動車等の特殊車両免許取得の支援について「離職者対策として有効であれば、2012年度当初予算に向けて検討する」と前向きな回答をいただいた。実現するよう重ねてお願いしたい。バス運転者確保のための大型二種免許取得支援制度の新設は「考えていない」との回答だったが、再度、地域交通網としてのバスの必要性を考え、再検討していただきたい。厚生労働省の教育訓練給付制度については「若者仕事ぷらざやミドル・シニア仕事ぷらざでも周知を図りたい」との回答をいただいた。是非とも実効性のあるものにしていただきたい。
【福祉保健部・農林水産部】
(4)介護保険料や助成金など公的資金が投入されている法人への緊急一斉監査
監査は2年に一度と実施すると回答をいただいたが、県民の信頼回復には一斉監査をして県の毅然たる態度を示すことが肝要だ。再度検討願いたい。公金が投入されているのは社会福祉法人だけでない。大切な税金が有効に使われるよう他分野の法人・団体についても、今回、社会福祉法人に導入された監査制度をモデルとして、監査体制の整備・強化を図られたい。
◆昨年11月に2012年度当初予算で検討していただきたいと要望した事項
【総務部】
(1)予算の繰り越しのインセンティブ
予算は使いきらねば翌年度予算で削減対象にならないかという危惧を県職員の中から払拭するため、頑張って節約して、予算を余らした部局は、余らしたお金の何割かを自由に翌年度予算化できるインセンティブ制度を新設していただきたい。
【文化観光局】
(2)砂丘のボーリング調査
砂丘でボーリング調査を実施し、湧水施設を新設し、新しい観光資源にしていただきたい。
【福祉保健部】
(3)「支え愛」関連事業予算の拡大
「支え愛」の街づくり事業を、地域包括ケアへ福祉政策を転換させる基盤作りとして、来年度以降も継続拡大し、地域での見守りシステムの拡張、共生ホームの進展などを進めていただきたい。また、「支え愛」の拠点整備事業は「新しい」ことを助成の条件としているが、これまで頑張って地域で高齢者を支えてきた団体も評価し、事業の対象としていただきたい。
(4)地域包括ケアを推進するカリスマ職員の育成
地域包括ケアを進めるのは市町村であるが、具体的に事業を支援する事務職・専門職のチームを県庁内に新設すると共に、地域を巻き込んで強力に進めるカリスマ職員を県や市町村に育成するため、海外先進地への留学なども含め、思い切った育成プログラムを企画していただきたい。
(5)地域包括ケアのモデル地区への予算の集中投下
全国的に見ても先進的な地域包括ケアの取り組みをしている市町村をモデル地区に指定、思い切った財政支援等を実施して、取り組みの遅れている地域を刺激し、県内全域で真の地域包括ケアを実現していただきたい。
(6)成年後見支援センターの新設
成年後見制度は高齢者を守る上では有効な制度である。県西部に成年後見支援センターが委託事業として設置されたが、東部、中部にも設置を検討していただきたい。
(7)高齢者向けグループホームの新設
高齢者が、これまで暮らしていた街中や中山間地で一軒家を借家的に使って安価にシェアし、グループリビングを展開する高齢者向けグループホームの新設を検討していただきたい。県単独事業となるが、地域包括ケアの眼目はお年寄りが住み慣れた地域で暮らし続けることにあるので、是非とも研究していただきたい。
(8)介護が必要な高齢者や障がい者の交通機関利用時の助成制度新設
障がい者の外出時タクシー料金の一部を負担する制度を持つ市町村もあるが、高齢者は対象とならない制度が多い。実態調査していただき、福祉タクシーへの助成制度を中心に高齢者、障がい者の交通手段の確保に努力されたい。
(9)五大疾病の専門医等資格取得支援事業の新設
がん専門医等資格取得支援事業をお手本に、県内死亡率の上位を占める心疾患、肺疾患、脳血管疾患、腎不全、糖尿病の5つの疾患についても類似の制度を設け、県内医療水準の向上に努められたい。
(10)歯科医療検診治療車の開発
歯科用レントゲン装置や診療台を搭載した歯科検診車を開発し、元気に長生きしていただくために欠かせない歯と口腔の健康を守れるよう予防歯科に力を入れていただきたい。
(11)病診・病病連携の推進とジェネリック医薬品の使用拡大
病院相互間の連携を高め、急性期、回復期、維持期(リハビリ期)の各ステージに合わせた病院で治療することの徹底を図ること共に、ジェネリック医薬品の使用を求めるジェネリックカードを作成し、ジェネリック医薬品の利用促進を進めて、医療費の軽減に努められたい。
(12)医療人材確保のための実態把握調査の実施
現代医学はコメディカルの存在なしには語れない。理学療法士で実施したいように薬剤師、レントゲン技師、歯科技工士など広範な医療人材に対するニーズ調査を実施して、現状を把握して鳥取県の医療を担う医療人材確保を計画的に進められたい。
(13)若年性認知症患者支援策の充実
若年性認知症は早期発見、早期治療が病状を進行させない上で大きい。シンポジウムの開催などで県民への周知に努めていただきたい。現在は長寿社会課が担当だが、若年性であるがゆえに、就労や子育てなどの独特の問題もあるので、担当課の検討もしていただきたい。
(14)障がい児者用ショートステイ施設の県東部、中部での新設
米子市にある県立総合療育センターが宿泊可能な障がい児のショートステイを実施しているが、県内1箇所での実施のため、県東中部から奥さんを連れて行く親御さんの負担が大きい。県東部と中部にそれぞれ1箇所程度、障がい児者用のショートステイ施設を新設していただきたい。
【県土整備部】
(15)街路灯の整備
中山間地では児童生徒が真っ暗な中、自転車を漕いで、また、徒歩で帰宅することになる。児童生徒の通学の安全を守るため、通学路となっている県道の街路灯の整備をお願いしたい。
【生活環境部】
(16)再生可能エネルギー導入モデル事業に対する十分な資金措置
環境イニシアティブ事業の中心をなる再生可能エネルギー導入モデル地区について、十分な事業費が確保できるように、しっかりと県予算を配分すると共に、中国経済産業局や地方整備局などとも連携して、国土交通省の社会資本整備総合交付金(エコまちづくり交付金)なども活用できるように配慮していただきたい。
【人権局】
(17)地区生活実態把握調査と不動産取引差別調査の実施
適切な対策はしっかりとした実態把握の上にのみ、成立する。人権意識調査の充実に加え、地区生活実態把握調査を早急に実施していただきたい。土地取引についても、宅地建物取引業協会に協力を求めて実態を把握していだきたい。
(18)インターネットのモニタリング監視
ネット上をモニタリングして、問題サイトを早期発見し、被害が発生する前に問題サイトの予防駆除を図れるように人権局、子育て王国推進局、県警、教育委員会が連携してモニタリングするシステムを構築していただきたい。
【危機管理局】
(19)避難所備蓄品の整備
備蓄品と備蓄体制の再点検を進められたい。発電機、飲料水のほか、学校のプールの水を生活用水として利用するためのポンプ、石油ストーブのように単体で使用できる暖房具、マンホールトイレなどの備蓄量を増やされたい。
【農林水産部】
(20)有害鳥獣被害対策で里山の整備
有害鳥獣被害対策のため、実の成る木を植え、昆虫も育つ環境を整え、鳥獣の食べる物がたくさんある緩衝帯を設ける中山間地の環境整備計画を作っていただきたい。絶滅危惧種を殺していいのかという疑問もあり、原則殺処分というツキノワグマの管理計画は見直すべきだと考える。
(21)耕作放棄地で菜の花プロジェクト
耕作放棄地で菜の花を栽培する菜の花プロジェクトを応援していただきたい。菜種油の特産品化などに取り組む「菜の花工房」の活動を支援していただきたい。
(22)竹林整備で竹害を解決
竹の服や竹のシーツ、竹の家具など生活の中で使える竹の価値を見直し、全県で竹林を整備して、遊ぶ竹林、食べる竹林、品物を作る竹林を再生する県民運動を展開していただきたい。鳥大、県産業技術センター、医薬品メーカーなどと協力し、新製品の開発もしていただきたい。
(23)森林施業団地化コーディネーター雇用制度の新設
森林施業団地化推進員配置事業を緊急雇用対策は2011年度末で終了するため、鳥取県の森林施業の将来に必要な森林施業団地化コーディネーターを、直接雇用するための補助制度を新設していただきたい。
(24)60年生以上の高齢級間伐補助制度の創設
森林環境保全整備事業の補助対象を60年生以上の樹木へも拡大していただきたい。
(25)森林ボランティアによる林業の再生
交流会などの森林関係のイベントを展開し、山村地域の住民と、都市部住民の森林ボランティアが協働して林業再生に取り組む制度の新設を検討していただきたい。森林証券制度や地域通貨券「モリ(森)券(地場産品との交換券)」の発行なども検討していただきたい。
(26)高騰する原油に対する助成の上乗せ制度
原油高に困窮する漁業者対策として、直前2年間の平均原油価格に1.15を乗じた額を補填基準額とし、原油価格が補填標準額を超えた時に助成する国の制度はあるが、直前2年間の原油価格が高かったため、補填されない状況に陥っている。原油価格が85円、できれば80円を超えたときには、国の補填額基準額との差額を助成する制度を新設していただきたい。
【教育委員会】
(27)少人数学級の拡大
35人学級を2012年度から実施に踏み切られたことを評価したい。高等学校についても、生徒数の減少を教育環境改善の好機と捕らえ、学級数の削減ではなく、普通科40人、専門科38人の学級定員数の削減に取り組んでいただきたい。特別支援学級も、児童定員を削減するとともに、児童生徒の障害に応じての加配も検討されたい。
(28)経済的に苦しい高校生家庭の負担軽減
県立高校の入学金は廃止していただきたい。生徒会費、PTA会費、学年費、教材費、修学旅行費などの校納金が経済的に苦しい生徒の家庭では大きな負担になっているので、保護者の収入に合わせた校納金の減免制度か、助成制度を新設されたい。
(29)学校施設の非構造物の耐震化
建物の耐震化に加え、照明器具や天井から吊り下げたテレビ、体育館に取り付けたバスケットボールのゴールなど非構造材や設備機械等の耐震化を進め、児童生徒の生命身体を守っていただきたい。
(30)特別支援学校を障がい者の避難所として活用できる体制整備
障がい者を始めとする要介護者のバリアフリー環境が整っている特別支援学校を福祉保健部や危機管理局、県教委の連携の下で、福祉避難所に指定し、一般の避難所の備蓄品に加え、オストメイトや痰の吸引などの機器を備蓄するなどの整備を進められたい。
(31)幼児教育におけるLD等特別支援員の新設
学習障害(LD)の園児や児童に対応して、LD等特別支援非常勤講師を保育所や幼稚園への加配を県単独、もしくは、市町村への補助事業として検討していただきたい。
(32)教育現場の非常勤教員の待遇改善
小中高校の非常勤講師をできるだけ正規職員で雇用するように努められたい。また、非常勤講師は週15時間前後の授業の先生が多く、夏休み等の長期休暇もあるため、年収にすると200万円を切っている人が少なくない。時給単価を国レベルの2790円に引き上げるなど待遇の改善に努められたい。
(33)日本語未習熟児童生徒への配慮
日本語を母国語としない児童生徒に対し、授業の理解を手助けする教員の加配基準を、渡日から3年から、渡日から5年に変更していただきたい。
(34)美術館・博物館の連携強化
県立博物館を中心に、各市町村立及び民間の博物館・美術館の協力を得て、官公庁の役所などで所有する美術品・歴史資料の悉皆調査を実施し、文化財データベースを作成していただきたい。完成後は公開し、各施設で開催する企画展や常設展示で文化財の相互利用を進められたい。また、県東中部の施設に全部入れる因幡共通券、県西部の施設に全部入れる伯耆共通券も検討していただきたい。
(35)不登校と自殺対策
不登校児童生徒の対応をするスクールカウンセラーをマンツウマンで、きめ細かく対応できるように加配していただきたい。うつ病などの精神疾患に対する正確な知識を普及させるために、児童生徒に加え、教師、保護者を対象にした研修会やシンポジウムも開催する経費を計上していただきたい。
会派要望書は要求内容だけなので説明書を添付しました。要望書は知事、副知事、統括監、財政課長と面談して、じっくり説明をし、何とか実現して欲しいと強く訴えましたが、直接の担当部署にその熱意を伝えたいと、今回からの試みとして提案の背景、全国の状況などを説明した説明書を添付することにしました。一読いたただければ幸甚です。
◆今回、新規に要望する事項
【危機管理局】
(1)原子力防災専門職員の採用
鳥取県は昨年12月25日、境港市、米子市と共に中国電力と「島根原子力発電所に係る鳥取県民の安全確保等に関する協定」を締結されました。まず、この御努力に敬意を表します。本当にご苦労様でした。
鳥取県内を含む周辺地域住民の安全確保がすべてに優先すると前文で確保した上で、安全確保を責務(第1条)とし、情報の公開(第2条、第8条)などを協定という形で法的な責任を中国電力に認めさせたことは大きな前進でありました。残念ながら、「事前了解」とすべきところが、「報告と意見の開陳(第6条)」、「立入調査」が「現地確認(第11条)」に留まっています。今後、改定のさらなるご努力をお願いしたいと思いますが、同時に、鳥取県が中国電力の報告に対して的確な意見を述べ、現地確認に赴いた県職員が正確に事態を把握し、即座に県民の安全を確保するための意見を中国電力に伝えることができれば、「報告と意見」は「事実上の事前了解」に、「現場確認」は「事実上の立入検査」になります。加えて、防災対策区域が拡大されれば、島根原発のオフサイトセンターに県職員を派遣する事態も想定され、原子力発電所の危機管理に精通した専門家が必要となります。
島根原子力発電所では3号機の運転開始が迫り、国が運転開始から40年たった原子炉は廃炉にする方針を打ち出したことから、稼働38年の1号機の廃炉問題も急浮上しています。これらの報告が中国電力から出されたときに、鳥取県として的確な意見を出せるよう準備を始めることは鳥取県にとって焦眉の急です。県として担当職員の採用も予定されていますが、高度な原子力防災の専門知識を持った有能な人材を配置できるように厚遇を以て、採用していただきたいと思います。
(2) 米子・境港を西日本の防災基地にする研究会設立
東京都では都庁と立川防災基地に防災センターを設置し、首都直下型地震に備えています。二カ所に防災拠点を設けたことで、いずれかのセンターが被災しても、被災情報の収集、分析、審議、決定を支障なく続けることができるからです。鳥取県においても、県庁に加え、県西部に防災センターを設けることが必要だと考えます。米子市には県西部総合事務所、陸上自衛隊の駐屯地、JR支社、米子警察署、DMATや救命救急センターを持つ鳥大医学部付属病院があり、境港市の米子鬼太郎空港には航空自衛隊と海上保安庁航空隊があり、境港には大型船が接岸できる岸壁のほか、海上保安部もあり、防災関係機関が揃っていると言っていいでしょう。会派の森岡幹事長が6月議会でパラダイムシフトとして提案したように、立川防災基地のように日本赤十字や内閣府の災害備蓄倉庫を誘致し、各機関を県内だけでなく、東日本及び西日本の太平洋岸や瀬戸内側が被災したときに支援する国家級の防災基地にするための研究会を立ち上げ、検討を始めていただきたいと思います。
(3)災害時通信網の確保
県は厚生労働省が主導する広域災害救急医療情報システム(EMIS)に加入し、22年度予算で整備予算1914万円を予算計上し、衛星携帯電話の整備なども進められてはいます。東日本大震災では、発災6分後に災害医療センターに設置されたDMAT事務局と、災害拠点病院でありながら岩手県で6病院、宮城県で1病院、福島県で2病院が翌日まで連絡がつかなくなり、電話回線やインターネット回線の断裂により、EMISとの接続が一時不能になりました。EMISは災害時の情報収集や救命救急活動に大きな役割を果たすと期待されて、鳥取県でも導入されたものですが、接続ができなければ何の役にも立ちません。衛星携帯電話は音声による連絡だけでなく、EMISの災害時運用のために、衛星経由で通信回線が確保できるよう複数台の設置を進めていただきたい。加えて、一般病院にも順次、衛星携帯電話の設置が進むような支援制度を導入すると共に、診療所など小規模医療機関も発災時は一次救急の対応をしていただくことになるので、NTTと連携しながら受発信抑制から除外される災害時指定電話に切り替えていていっていただきたいと思います。
【福祉保健部】
(4)「鳥取発!農福連携モデル事業」の充実
「鳥取発!農福連携モデル事業」は、「ふるさと雇用再生特別交付金」を活用して4134万円の事業費で2年間実施されました。障がい者を労働力として受け入れて良い農家と農業に取り組んでみたい障がい者をマッチングするこの同事業を利用して22年度は99件4083人が就労し、障がい者が可能な農作業のリスト化が一定程度できたほか、障がい者に農業はできないという思い込みが薄らぎ、農家の障がい者に対する理解が進んだことは高く評価できると思います。この点を考慮され、23年度は9月末までの就労数は36件1679人で、このまま推移すれば、約2割減少と苦戦していますが、交付金事業が今年3月末までに終了したとしても、福祉保健部の概算要求通りの予算を確保し、単独事業として継続していただきたいと思います。
農福連携の着地点は、事業所が自ら農業経営に乗り出し、自立できる収入を障がい者が得ることができるところです。マッチング事業は、今は意味が大きいと思いますが、農家から農作業を就労系障害福祉サービス事業所が受託しているだけでは、事業所は農家の下請けに止まり、最終形ではありません。農作業受委託のマッチング事業に加え、事業所自らが自立して農業を営むことができるような事業所自立支援のマッチング事業にも取り組むべきではないでしょうか。具体的には、事業所が耕作放棄地や耕作者が高齢化して耕作を止めようとしている農地を取得したり、賃貸借したりすることができる農地譲渡のマッチング、豊かな経験や知識を持ちながら自ら耕作することが辛くなった農業従事者、退職した農業普及員や農学者、JA職員を事業所の指導者として紹介する人材のマッチング、県の東京事務所や大阪事務所がデパートやスーパーと事業所を繋ぐ販路のマッチングへとシフトすべきと考えます。そして、販売店への直接出荷、農産物を加工してからの販売など付加価値の高い農業を事業所が取り組めるようになれば、障がい者の給与は増やすことが出来ると考えますので、ご検討をお願いしたいと思います。
(5)障がい福祉サービス事業所ハートフルサポート事業の拡充継続
就労系障がい福祉サービス事業所の運営支援を目的とした「運転設備資金融資制度」は昨年度6件実施され、特定非営利活動法人「鳥取青少年ピアサポート」が鳥取市役所交差点角にケーキショップnononaをオープンするなど、成果が現れ始めています。また、就労系障がい福祉サービス事業所の新商品開発の支援を目的とした「新商品開発支援事業補助金」は、22年9件726万6千円の補助金を給付し、その結果、特定非営利活動法人「夢ハウス」が点字名刺の製造販売をスタートさせるなど、こちらも着実な成果を生んでいます。両事業とも地味ではありますが、非雇用型のB型事業所が、雇用契約を結ぶA型事業所へ転換し、あるいは、障がい者お一人お一人のニーズに合わせた福祉作業所として自立したB型事業所として自立した運営をしていただくためには、下請的、あるいは、家内内職的な作業から脱皮し、独自製品を開発し、製造販売していくことが重要と考えます。2012年度予算案の概算要求では22年度13件に助成したにもかかわらず、10件分しか請求されていません。思い切って限度額や助成額を拡充して継続していただきたいと思います。
工賃(この言葉は使いたくないのですが……)3倍計画のモデルケースとして、よく取り上げられる富山県のフェレスト八尾会は、和紙を使った葉書や栞、アイスクリーム、割烹着やエプロン、さらにはペットボトル入りのお茶など、実に多種多様な独自製品を製造販売されており、お手本にしたいと思います。また、高知の「ワークスみらい」は、オリジナル製品であるケーキとどら焼きがヒットして年商は6億5千万円で、120人の障がい者を雇用しています。大事なことは、フォレスト八尾会やワークスみらいのように、いくつもの独自製品を開発し、販売し、そして、その中から消費者と共に売れる商品を選択していくことです。ところが、両制度とも使えるのは県の現行制度では1回きりです。独自製品の開発は二矢、三矢を放ってこそ、はじめてヒット商品は生まれます。そして、とりあえず一回だけ挑戦したみた事業所よりも、何度も何度も新製品開発に取り組み、何とか自立を目指す熱意ある事業所こそを支援して頂きたいと思うのです。「Heaven helps those who help themselves.」とも言います。新商品開発支援事業補助金を、同一事業者が新たな開発に取り組む場合は、複数回給付を受けられる制度へ改善していただきたいと強く求めます。
【未来づくり推進本部】
(6)第30回地域づくり団体全国研修交流会鳥取県大会の支援
9月29、30の両日、主会場を倉吉未来中心、分科会が県内11市町で開催されます。この大会は全国の地域づくりのリーダーが集まるコンベンションという魅力だけでなく、そんなリーダーたちが県内各地で、県内で地域づくりに頑張っている人たちと交流することになり、地域にいい刺激を与えるだろうと期待されています。しかしながら、その一方で、中途半場なものとなると、集まるのが情報発信力を持っている地域づくりのリーダーたちだけに「鳥取の地域づくりはなってない」と全国に広まってしまう恐れもあります。現在、鳥取県地域づくりセンターを中心に各市町で準備が進んでいますが、各市町によって支援の温度差があり、課題を抱えた分科会もあると聞いています。県による財政的支援に加え、各種の県が持つ「県政だより」や「とっとりNOW」などの媒体での宣伝、東京・名古屋・大阪の各本部による誘客活動のほか、関係各部による積極的な支援に取り組んでいただきたいと存じます。
【病院局】
(7)県立中央病院の長期ビジョン策定
県立中央病院は千代川河口にあり、県の津波予想でも堤防を越えて海水が病院に迫る可能性が指摘されています。災害拠点病院が、津波被害が想定される河川河口に位置することだけでも県民は不安を覚えると思いますが、加えて、災害で電力の供給が途絶えたとき、非常用電源装置が地下階にあるため、海水が堤防を越えて地下階が浸水すれば、非常用電源装置は機能せず、人工心肺などの機器に電源の供給ができなくなり、患者の生命が危険にさらされることになります。しかも、耐震工事は完了したものの、その耐久性は10年程度という設計であり、非常用電源装置を屋上等へ移設することも耐震構造上、無理があると聞いていますので、中央病院の周囲を高い防波堤で囲って現在地で新築するか、移転新築するかの検討は避けられません。中央病院は鳥取県の第一次医療圏、県東部の第二次医療圏にとっては基幹病院であり、県全体あるいは県東部の医療をどうデザインするかとう視野に立って、長期ビジョンの策定を始めていただきたいと思います。また、災害は明日発災するかもしれません。当面、非常用電源が浸水で使用できなくなった場合に備え、屋上に太陽光発電システムか、エコファームなど代替電源の設置を検討していただきたいと考えます。
【未来づくり推進局】
(8)「まんが王国とっとり」推進のため、明治大学マンガ図書館の分館を誘致されたい。
2012年度は、まんが王国とっとりの建国イヤーです。県内には水木しげる記念館や青山剛昌ふるさと館がありますが、全国には長谷川町子美術館や三鷹ジブリの森ミュージアムなど、たくさんの美術館、博物館があり、人気を集めています。国際まんが博覧会に合わせ、全国のまんが博物館、美術館明治大学は全国最大規模をほこる東京国際マンガ図書館を2014年に開館させますが、その分館を鳥取県に誘致し、まんが王国とっとりのシンボル的施設にしていただきたいと思います。
(9)「温泉王国とっとり」の建国
関金温泉が昨秋、三朝温泉に加えて名湯100選に選ばれました。名湯百選は、NPO法人「健康と温泉フォーラム」が、温泉療法医が薦める温泉として選定するもので、79件が指定されています。診療所として存続が決まった岡山大学付属医療センターとも連携しつつ、「現代の湯治場」として地域資源として全国に売り出すためには的確に利用者のニーズを把握することが大事です。男性会社員が団体で賑わった時代から、家族や小グループで温泉を楽しむ時代へと移行しまたが、県内の各温泉地は、この変化に十分に対応しているとはいいきれません。まず、現状を把握することから始めるべきです。県内各温泉施設の利用者へのアンケート調査を実施し、ユニークなオンリーワンの振興計画を策定していただきたいと思います。そして、様々な振興策を実現し、観光客の誘客を進め、「温泉王国とっとり」を建国していただきたいと思います。
(10)新設腎センターの充実
腎移植に関する相談や支援、腎不全に対する指導などをおこなう腎センターは2013年度に米子医療センターに設置される計画だったが、福祉保健部が前倒しで2012年度から整備を進めるよう予算要求をしている。改正臓器移植法が昨年7月に施行され、腎臓移植を待ち望んでいる透析患者の皆さんの福音となると期待されたが、脳死者からの移植は思うほどに進んでいない。設置される腎センターが県臓器移植バンクと密に連携し、腎移植手術推進の中核施設として活発に活動できるように支援し、腎センターを患者さんの利用しやすい施設にしていただきたい。加えて、臓器
移植病院、臓器提供病院が増えるよう宣伝活動に努力していただきたいと思います。
【商工労働部】
(11)水産業用大型冷蔵庫の代替フロン機への転換支援制度
オゾン層を保護するモントリオール議定書の改定を検討するため、ウィーンで1995年に開かれた第7回締結国会合は、フロンガスであるHCFCの生産全廃時期を先進国については2020年までに全廃するよう前倒しすることを決めました。現在、境港で水産関係大型冷蔵庫を持つ企業のうち、5社はNH3など代替フロン冷媒を使った冷蔵庫に更新していますが、27社は現在もHCFCを使用しています。改定議定書で全廃されるのは生産であって、使用までを規制するものではありませんから、2020年までに冷蔵庫を更新しなければならないというものではありませんが、冷蔵庫が故障しても漏れたHCFCの補充ができなければ、継続使用は不可能となります。大型冷蔵施設の改修費は大きな経費が必要であり、各企業への財政的な支援策がなければ境港の水産業の存続にも大きな影響を与えかねないと考えます。視線策が環境イニシアティブの視点及び水産事業継続の視点から、HCFCから代替フロン機への転換支援制度を設けていただきたいと思います。
(12)フィッシュセレクターに防風防寒対策
近年の漁獲減少で漁業生産者は量から質への転換を余儀なくされ、漁獲物の選別による適正価格での取引を希望し、付加価値のある漁獲物は選別機能のある近隣他港(浜田、恵雲、舞鶴等)に水揚げする傾向にありました。そこで、鳥取県営境港水産物地方卸売市場にフィッシュセレクター(魚体選別機)及び付帯装置を設置し、受入販売体制を多様化したのですが、新設されたフィッシュセレクターは、防風防寒設備がないため、長時間にわたる作業環境に適していません。漁業生産者の労働環境を整備することで、水揚量の維持・向上及び高付加価値化による水産資源の有効利用を図っていただきたいと思います。
◆今回、新規に要望する事項
【危機管理局】
(1)原子力防災専門職員の採用
鳥取県は昨年12月25日、境港市、米子市と共に中国電力と「島根原子力発電所に係る鳥取県民の安全確保等に関する協定」を締結されました。まず、この御努力に敬意を表します。本当にご苦労様でした。
鳥取県内を含む周辺地域住民の安全確保がすべてに優先すると前文で確保した上で、安全確保を責務(第1条)とし、情報の公開(第2条、第8条)などを協定という形で法的な責任を中国電力に認めさせたことは大きな前進でありました。残念ながら、「事前了解」とすべきところが、「報告と意見の開陳(第6条)」、「立入調査」が「現地確認(第11条)」に留まっています。今後、改定のさらなるご努力をお願いしたいと思いますが、同時に、鳥取県が中国電力の報告に対して的確な意見を述べ、現地確認に赴いた県職員が正確に事態を把握し、即座に県民の安全を確保するための意見を中国電力に伝えることができれば、「報告と意見」は「事実上の事前了解」に、「現場確認」は「事実上の立入検査」になります。加えて、防災対策区域が拡大されれば、島根原発のオフサイトセンターに県職員を派遣する事態も想定され、原子力発電所の危機管理に精通した専門家が必要となります。
島根原子力発電所では3号機の運転開始が迫り、国が運転開始から40年たった原子炉は廃炉にする方針を打ち出したことから、稼働38年の1号機の廃炉問題も急浮上しています。これらの報告が中国電力から出されたときに、鳥取県として的確な意見を出せるよう準備を始めることは鳥取県にとって焦眉の急です。県として担当職員の採用も予定されていますが、高度な原子力防災の専門知識を持った有能な人材を配置できるように厚遇を以て、採用していただきたいと思います。
(2) 米子・境港を西日本の防災基地にする研究会設立
東京都では都庁と立川防災基地に防災センターを設置し、首都直下型地震に備えています。二カ所に防災拠点を設けたことで、いずれかのセンターが被災しても、被災情報の収集、分析、審議、決定を支障なく続けることができるからです。鳥取県においても、県庁に加え、県西部に防災センターを設けることが必要だと考えます。米子市には県西部総合事務所、陸上自衛隊の駐屯地、JR支社、米子警察署、DMATや救命救急センターを持つ鳥大医学部付属病院があり、境港市の米子鬼太郎空港には航空自衛隊と海上保安庁航空隊があり、境港には大型船が接岸できる岸壁のほか、海上保安部もあり、防災関係機関が揃っていると言っていいでしょう。会派の森岡幹事長が6月議会でパラダイムシフトとして提案したように、立川防災基地のように日本赤十字や内閣府の災害備蓄倉庫を誘致し、各機関を県内だけでなく、東日本及び西日本の太平洋岸や瀬戸内側が被災したときに支援する国家級の防災基地にするための研究会を立ち上げ、検討を始めていただきたいと思います。
(3)災害時通信網の確保
県は厚生労働省が主導する広域災害救急医療情報システム(EMIS)に加入し、22年度予算で整備予算1914万円を予算計上し、衛星携帯電話の整備なども進められてはいます。東日本大震災では、発災6分後に災害医療センターに設置されたDMAT事務局と、災害拠点病院でありながら岩手県で6病院、宮城県で1病院、福島県で2病院が翌日まで連絡がつかなくなり、電話回線やインターネット回線の断裂により、EMISとの接続が一時不能になりました。EMISは災害時の情報収集や救命救急活動に大きな役割を果たすと期待されて、鳥取県でも導入されたものですが、接続ができなければ何の役にも立ちません。衛星携帯電話は音声による連絡だけでなく、EMISの災害時運用のために、衛星経由で通信回線が確保できるよう複数台の設置を進めていただきたい。加えて、一般病院にも順次、衛星携帯電話の設置が進むような支援制度を導入すると共に、診療所など小規模医療機関も発災時は一次救急の対応をしていただくことになるので、NTTと連携しながら受発信抑制から除外される災害時指定電話に切り替えていていっていただきたいと思います。
【福祉保健部】
(4)「鳥取発!農福連携モデル事業」の充実
「鳥取発!農福連携モデル事業」は、「ふるさと雇用再生特別交付金」を活用して4134万円の事業費で2年間実施されました。障がい者を労働力として受け入れて良い農家と農業に取り組んでみたい障がい者をマッチングするこの同事業を利用して22年度は99件4083人が就労し、障がい者が可能な農作業のリスト化が一定程度できたほか、障がい者に農業はできないという思い込みが薄らぎ、農家の障がい者に対する理解が進んだことは高く評価できると思います。この点を考慮され、23年度は9月末までの就労数は36件1679人で、このまま推移すれば、約2割減少と苦戦していますが、交付金事業が今年3月末までに終了したとしても、福祉保健部の概算要求通りの予算を確保し、単独事業として継続していただきたいと思います。
農福連携の着地点は、事業所が自ら農業経営に乗り出し、自立できる収入を障がい者が得ることができるところです。マッチング事業は、今は意味が大きいと思いますが、農家から農作業を就労系障害福祉サービス事業所が受託しているだけでは、事業所は農家の下請けに止まり、最終形ではありません。農作業受委託のマッチング事業に加え、事業所自らが自立して農業を営むことができるような事業所自立支援のマッチング事業にも取り組むべきではないでしょうか。具体的には、事業所が耕作放棄地や耕作者が高齢化して耕作を止めようとしている農地を取得したり、賃貸借したりすることができる農地譲渡のマッチング、豊かな経験や知識を持ちながら自ら耕作することが辛くなった農業従事者、退職した農業普及員や農学者、JA職員を事業所の指導者として紹介する人材のマッチング、県の東京事務所や大阪事務所がデパートやスーパーと事業所を繋ぐ販路のマッチングへとシフトすべきと考えます。そして、販売店への直接出荷、農産物を加工してからの販売など付加価値の高い農業を事業所が取り組めるようになれば、障がい者の給与は増やすことが出来ると考えますので、ご検討をお願いしたいと思います。
(5)障がい福祉サービス事業所ハートフルサポート事業の拡充継続
就労系障がい福祉サービス事業所の運営支援を目的とした「運転設備資金融資制度」は昨年度6件実施され、特定非営利活動法人「鳥取青少年ピアサポート」が鳥取市役所交差点角にケーキショップnononaをオープンするなど、成果が現れ始めています。また、就労系障がい福祉サービス事業所の新商品開発の支援を目的とした「新商品開発支援事業補助金」は、22年9件726万6千円の補助金を給付し、その結果、特定非営利活動法人「夢ハウス」が点字名刺の製造販売をスタートさせるなど、こちらも着実な成果を生んでいます。両事業とも地味ではありますが、非雇用型のB型事業所が、雇用契約を結ぶA型事業所へ転換し、あるいは、障がい者お一人お一人のニーズに合わせた福祉作業所として自立したB型事業所として自立した運営をしていただくためには、下請的、あるいは、家内内職的な作業から脱皮し、独自製品を開発し、製造販売していくことが重要と考えます。2012年度予算案の概算要求では22年度13件に助成したにもかかわらず、10件分しか請求されていません。思い切って限度額や助成額を拡充して継続していただきたいと思います。
工賃(この言葉は使いたくないのですが……)3倍計画のモデルケースとして、よく取り上げられる富山県のフェレスト八尾会は、和紙を使った葉書や栞、アイスクリーム、割烹着やエプロン、さらにはペットボトル入りのお茶など、実に多種多様な独自製品を製造販売されており、お手本にしたいと思います。また、高知の「ワークスみらい」は、オリジナル製品であるケーキとどら焼きがヒットして年商は6億5千万円で、120人の障がい者を雇用しています。大事なことは、フォレスト八尾会やワークスみらいのように、いくつもの独自製品を開発し、販売し、そして、その中から消費者と共に売れる商品を選択していくことです。ところが、両制度とも使えるのは県の現行制度では1回きりです。独自製品の開発は二矢、三矢を放ってこそ、はじめてヒット商品は生まれます。そして、とりあえず一回だけ挑戦したみた事業所よりも、何度も何度も新製品開発に取り組み、何とか自立を目指す熱意ある事業所こそを支援して頂きたいと思うのです。「Heaven helps those who help themselves.」とも言います。新商品開発支援事業補助金を、同一事業者が新たな開発に取り組む場合は、複数回給付を受けられる制度へ改善していただきたいと強く求めます。
【未来づくり推進本部】
(6)第30回地域づくり団体全国研修交流会鳥取県大会の支援
9月29、30の両日、主会場を倉吉未来中心、分科会が県内11市町で開催されます。この大会は全国の地域づくりのリーダーが集まるコンベンションという魅力だけでなく、そんなリーダーたちが県内各地で、県内で地域づくりに頑張っている人たちと交流することになり、地域にいい刺激を与えるだろうと期待されています。しかしながら、その一方で、中途半場なものとなると、集まるのが情報発信力を持っている地域づくりのリーダーたちだけに「鳥取の地域づくりはなってない」と全国に広まってしまう恐れもあります。現在、鳥取県地域づくりセンターを中心に各市町で準備が進んでいますが、各市町によって支援の温度差があり、課題を抱えた分科会もあると聞いています。県による財政的支援に加え、各種の県が持つ「県政だより」や「とっとりNOW」などの媒体での宣伝、東京・名古屋・大阪の各本部による誘客活動のほか、関係各部による積極的な支援に取り組んでいただきたいと存じます。
【病院局】
(7)県立中央病院の長期ビジョン策定
県立中央病院は千代川河口にあり、県の津波予想でも堤防を越えて海水が病院に迫る可能性が指摘されています。災害拠点病院が、津波被害が想定される河川河口に位置することだけでも県民は不安を覚えると思いますが、加えて、災害で電力の供給が途絶えたとき、非常用電源装置が地下階にあるため、海水が堤防を越えて地下階が浸水すれば、非常用電源装置は機能せず、人工心肺などの機器に電源の供給ができなくなり、患者の生命が危険にさらされることになります。しかも、耐震工事は完了したものの、その耐久性は10年程度という設計であり、非常用電源装置を屋上等へ移設することも耐震構造上、無理があると聞いていますので、中央病院の周囲を高い防波堤で囲って現在地で新築するか、移転新築するかの検討は避けられません。中央病院は鳥取県の第一次医療圏、県東部の第二次医療圏にとっては基幹病院であり、県全体あるいは県東部の医療をどうデザインするかとう視野に立って、長期ビジョンの策定を始めていただきたいと思います。また、災害は明日発災するかもしれません。当面、非常用電源が浸水で使用できなくなった場合に備え、屋上に太陽光発電システムか、エコファームなど代替電源の設置を検討していただきたいと考えます。
【未来づくり推進局】
(8)「まんが王国とっとり」推進のため、明治大学マンガ図書館の分館を誘致されたい。
2012年度は、まんが王国とっとりの建国イヤーです。県内には水木しげる記念館や青山剛昌ふるさと館がありますが、全国には長谷川町子美術館や三鷹ジブリの森ミュージアムなど、たくさんの美術館、博物館があり、人気を集めています。国際まんが博覧会に合わせ、全国のまんが博物館、美術館明治大学は全国最大規模をほこる東京国際マンガ図書館を2014年に開館させますが、その分館を鳥取県に誘致し、まんが王国とっとりのシンボル的施設にしていただきたいと思います。
(9)「温泉王国とっとり」の建国
関金温泉が昨秋、三朝温泉に加えて名湯100選に選ばれました。名湯百選は、NPO法人「健康と温泉フォーラム」が、温泉療法医が薦める温泉として選定するもので、79件が指定されています。診療所として存続が決まった岡山大学付属医療センターとも連携しつつ、「現代の湯治場」として地域資源として全国に売り出すためには的確に利用者のニーズを把握することが大事です。男性会社員が団体で賑わった時代から、家族や小グループで温泉を楽しむ時代へと移行しまたが、県内の各温泉地は、この変化に十分に対応しているとはいいきれません。まず、現状を把握することから始めるべきです。県内各温泉施設の利用者へのアンケート調査を実施し、ユニークなオンリーワンの振興計画を策定していただきたいと思います。そして、様々な振興策を実現し、観光客の誘客を進め、「温泉王国とっとり」を建国していただきたいと思います。
(10)新設腎センターの充実
腎移植に関する相談や支援、腎不全に対する指導などをおこなう腎センターは2013年度に米子医療センターに設置される計画だったが、福祉保健部が前倒しで2012年度から整備を進めるよう予算要求をしている。改正臓器移植法が昨年7月に施行され、腎臓移植を待ち望んでいる透析患者の皆さんの福音となると期待されたが、脳死者からの移植は思うほどに進んでいない。設置される腎センターが県臓器移植バンクと密に連携し、腎移植手術推進の中核施設として活発に活動できるように支援し、腎センターを患者さんの利用しやすい施設にしていただきたい。加えて、臓器
移植病院、臓器提供病院が増えるよう宣伝活動に努力していただきたいと思います。
【商工労働部】
(11)水産業用大型冷蔵庫の代替フロン機への転換支援制度
オゾン層を保護するモントリオール議定書の改定を検討するため、ウィーンで1995年に開かれた第7回締結国会合は、フロンガスであるHCFCの生産全廃時期を先進国については2020年までに全廃するよう前倒しすることを決めました。現在、境港で水産関係大型冷蔵庫を持つ企業のうち、5社はNH3など代替フロン冷媒を使った冷蔵庫に更新していますが、27社は現在もHCFCを使用しています。改定議定書で全廃されるのは生産であって、使用までを規制するものではありませんから、2020年までに冷蔵庫を更新しなければならないというものではありませんが、冷蔵庫が故障しても漏れたHCFCの補充ができなければ、継続使用は不可能となります。大型冷蔵施設の改修費は大きな経費が必要であり、各企業への財政的な支援策がなければ境港の水産業の存続にも大きな影響を与えかねないと考えます。視線策が環境イニシアティブの視点及び水産事業継続の視点から、HCFCから代替フロン機への転換支援制度を設けていただきたいと思います。
(12)フィッシュセレクターに防風防寒対策
近年の漁獲減少で漁業生産者は量から質への転換を余儀なくされ、漁獲物の選別による適正価格での取引を希望し、付加価値のある漁獲物は選別機能のある近隣他港(浜田、恵雲、舞鶴等)に水揚げする傾向にありました。そこで、鳥取県営境港水産物地方卸売市場にフィッシュセレクター(魚体選別機)及び付帯装置を設置し、受入販売体制を多様化したのですが、新設されたフィッシュセレクターは、防風防寒設備がないため、長時間にわたる作業環境に適していません。漁業生産者の労働環境を整備することで、水揚量の維持・向上及び高付加価値化による水産資源の有効利用を図っていただきたいと思います。
以下は会派要望説明書の続きです。
◆11月補正予算で要望した事項で、新年度予算でも再度検討していただきたい事項
【危機管理局】
(1)原子力防災対策の強化
本年3月に発生した東日本大震災での福島第1原発事故を踏まえ、原子力安全委員会の作業部会で、原発事故に備えて防災対策を重点的にとる地域を原発から半径8~10kmから同約30kmに拡大すべきだと提案されたことも踏まえ、国への要望を行っていくとの回答をいただきました。セシウムなどが県境で止まってくれるなどありえません。大切なことは行政区画ではなく、実際に被害が及ぶ地域はどこかという視点に立って国民の安全を守っていくことです。その意味から、原子力防災法制の見直しにあたっては、被害が想定される隣接自治体に、立地自治体と同様の権限を付与し、適切な防災対応が取れるように引き続き、国に強く求めていただきたいと望みます。また、高齢者や障がい者、乳幼児へ十分な配慮した実効性のある避難計画の策定や必要な資機材整備など原子力防災対策の一層の強化を図られるように引き続き求めます。
【商工労働部】
(2)緊急雇用対策
三洋コンシューマーエレクトロニクスの事業再編に伴い、鳥取市内で勤務する450人が県外に配置転換される計画が明らかになるなど県内で雇用不安が広がっているとの共通認識に立っていただいていることに安心いたしました。県外企業の誘致、県内企業の新増設のために設けられた「働くぞ!頑張る企業を応援する鳥取県雇用促進事業」の対象事業の拡大を求めたところ、同事業とのセットでの新たな企業支援策を当初予算に向けて検討してみたいと前向きな回答もいただいき、感謝しています。十分検討され、予算化されますよう重ねてお願いをしたいと思います。また、「重点分野職場体験雇用促進事業」の対象分野である建築・土木分野では県独自施策として「専門的技術者等正規雇用促進事業」を設けているとの回答をいただきましたが、同事業は新年度予算でも継続していただきたいと思います。ミドル・シニア仕事プラザの増要員要望については早速、11月補正予算で対応していただき、増員が実現したことに、深く感謝を申し上げます。まだまだ、県下の雇用情勢は予断を許されませんので、状況を見ながら、必要とあらば、さらなる増員をなされるようお願いを申し上げます。
(3)運転技能免許や大型二種免許の取得補助制度の新設
大型特殊自動車等の特殊車両免許取得の支援制度の新設を提案いたしましたが、「離職者対策として有効であれば、2012年度当初予算に向けて検討する」と前向きな回答をいただきました。建築業界の厳しい現状に鑑み、是非とも実現するよう重ねてお願いいまします。また、バス運転者確保のための大型二種免許取得支援制度の新設は「考えていない」との回答は残念でしたが、大型バスを運転できる大型二種免許の保持者は70代が1600人台、60代と50代が1100人台であるのに対し、40代は600人台、30代が300人台、20代が50人台と激減。今から検討を始めねば、地域交通網としてのバス路線は崩壊するのではないかと危惧をしています。回答の通り、本来はバス事業者自らが検討・対応すべき課題であろうと考えますが、県内のバス会社は多くの不採算路線を行政の支援などを得て、やっと運営しているのが現実であり、自助努力だけで運転手を確保することは難しいのではないでしょうか。地方交通網におけるバスの必要性を再認識していただき、再検討していただきたいと思います。厚生労働省の教育訓練給付制度については「若者仕事ぷらざやミドル・シニア仕事ぷらざ」でも周知を図りたい」との回答をいただきました。是非とも実効性のある方法で宣伝していただきたいと思います。
【福祉保健部・農林水産部】
(4)介護保険料や助成金など公的資金が投入されている法人への緊急一斉監査
みのり福祉会、あすなろ会と相次いで社会福祉法人の不正会計事件が表面化し、監督権限のある県の監査機能が十分に機能しているか、県民の間から大きな疑問が出ています。信頼の回復は急務であります。もちろん、県職員の皆さんが真摯に調査なされたと信頼はしておりますが、やはり、福祉法人の会計処理は複雑であり、土地や資本の複雑な操作による不正を見抜くには、極めて専門性の高い知識や経験が必要であると考えます。担当部課の職員に加え、公認会計士、税理士、経済事犯捜査の豊かな経験を持つ警察官らからなる調査チームを編成して、福祉法人に対する緊急一斉監査の実施を再度検討されたい。緊急一斉監査終了後も、常置的な監査体制を設置されたい。両法人で不正に浪費された金額は判明しているだけで10億円を超えます。主に公費で運営していることを考えると、ここは費用がかかっても、監査体制の整備・強化が必要と考えます。
◆昨年11月に2012年度当初予算で検討していただきたいと要望した事項
【総務部】
(1)予算の繰り越しのインセンティブ
予算編成作業の改善が進んでいることは評価するので、さらに努力を重ねていただきたい。かなり意識は改善されたものの、予算は使いきらねば翌年度予算で削減対象にならないかという危惧がまだ職員の中にあるように思えます。そこで、当年度に使いきらなかったとしても翌年度に使う繰り越し制度をもっと柔軟にしていただくと共に、むしろ、予算を厳しく運用して、予算を余らした担当課には、余らしたお金の何割かを自由に翌年度予算化できるインセンティブを得られる制度を設けてはどうでしょうか。「もったいない」との思いで、執行段階でも、税金の使いみちに厳しい目を向けるように職員の意識が変わるのではないでしょうか。
【文化観光局】
(2)砂丘のボーリング調査
鳥取砂丘周辺には戦前、尻なし川がいくつもありました。砂丘の地下には岩盤の層があり、その間を地下水が還流しており、それが湧き出して川となったものだそうです。そこで、砂丘でボーリング調査をして、井戸を掘ってみてはどうでしょうか。砂丘の地下から若水が湧き出れば、それだけで新しい観光資源となるのではないでしょうか。特に鳥取砂丘西側では地元のお父さんたちによる「ももんじょプロジェクトチーム」が白砂青松の景観を取り戻そうと頑張っておられますので、連携して鳥取砂丘の魅力をアップするように、協働して事業展開を考えていただきたいと思います。
【福祉保健部】
(3)「支え愛」関連事業予算の拡大
「支え愛」の街づくり事業は、地域包括ケアへ福祉政策を転換させる基盤作りに寄与していると高く評価するので、来年度以降も継続していただきたいと思います。特に地域での見守りシステムの拡張、共生ホームの進展などを進めていただきたいと思います。ただ、「支え愛」の拠点整備事業は「新しい」ことを助成の条件としてきましたが、これまで頑張って地域で高齢者を支えてきた生き生きサロンなどにも目を向けていただきたいと思います。これらの活動も高齢化の波が押し寄せており、公的支援がないと長年続いていた活動が停止しかねません。来年度以降の公募にあたっては、新しさに注目するのではなく、その地域に本当に必要な事業かどうかで判断していただきたいと思います。
(4)地域包括ケアを推進するカリスマ職員の育成
地域包括ケアを進めるのは市町村ですが、実現のためには県が市町村の体制構築に強力な後押しをすることが重要です。市町村にあれこれ口を出すだけの指導でなく、具体的に事業を支援することができる事務職・専門職のチームを県庁内に作っていただきたい。また、地域包括ケアを進めるのは、施設でも、システムでもなく、人です。そして、先進地には必ず、地域を巻き込んで強力に進めるカリスマと呼ばれる職員が居られます。県が市町村の充実した職員研修に取り組んでいただくことは当然として、海外先進地への留学なども含め、他県ではできないような思い切った育成プログラムを企画していただきたいと思います。
(5)地域包括ケアのモデル地区への予算の集中投下
地域包括ケアの進度は、県内の市町村でまちまちであり、一斉にレベルを上げることは難しいのではないでしょうか。ならば県内市町村の先頭を走る市町村に予算を集中投下して、活動をブラシュアップし、全国のトップレベルに進めることで、他市町村に刺激を与えると共に、すぐに学ぶことができるお手本へと育成されてはいかがでしょうか。琴浦で進められている認知症に対応した徘徊模擬訓練、北栄町で実施されている民生委員、介護施設職員も参加する地域ケア会議を中心にした介護予防活動などは、このモデル地区にふさわしい事業と考えています。一方で、県内の地域包括支援センターの多くは、現実には介護保険認定センターでしかありません。モデル地区をつくることで、真の地域包括ケアを実現していただきたいと強く求めます。
(6)成年後見支援センターの新設
成年後見制度は高齢者を守るうえでは有効な制度です。県内には弁護士、司法書士、社会福祉士 (ソーシャルワーカー)らでつくる成年後見ネットワークが活動しておられますが、皆、本業があるうえ、後見人の報酬は低いのが現実です。違法性の強い高価な品物を売り付ける訪問販売などから高齢者を守るためには、クーリングオフの期間毎に居宅を訪問するなど日常活動が必要で、さらに、本人に浪費癖などがある場合はとても大変です。その結果、1人で10人近い成年後見を引き受けている弁護士もいらっしゃって、ボランティアで進めるのは限界ではないでしょうか。西部に成年後見支援センター(仮称)が委託事業として設置されると聞いていますが、東部、中部でも設置を検討していただきたいと思います。
(7)高齢者向けグループホームの新設
3人から5人の高齢者が、これまで暮らしていた街中や中山間地で1軒家を借家的に使って安価にシェアし、グループリビングを展開する高齢者向けグループホームの新設を検討していただきたいと思います。認知症のグループホームを、障がいのない高齢者へ広げようという提言であり、高齢者向けグループホームは住民主体で運営し、自治会や地域づくり協議会が関わっていく形を想定してはどうでしょうか。昔はどこにでもいた 世話焼きおばちゃん、おじいちゃんにライフサポートアドバイザーに任命して運営の中心に座っていただいてもいいと考えています。国土交通省は、各種の高齢者住宅を来年度から高齢者ケア付き住宅に一本化しようとしていますが、これは市街地向けで、しかも、厚生年金を貰っている富裕サラリーマン層が対象であり、鳥取の中山間地では実効性がないのではないでしょうか。県単独事業とはなりますが、是非とも研究していただきたいと思います。
(8)介護が必要な高齢者や障がい者の交通機関利用時の助成制度新設
介護や補助の必要な高齢者、身障者の利用時に自宅のベッドや車椅子からの乗降などさまざまな介助をする介護タクシーが県内でも走っていますが、運転手は2種免許とホームヘルパーの資格を持たねばならず、なかなか広がらない。通院の乗降介助、または、身体介護として介護保険で利用できる場合もあるが、多くは介護保険で利用できない現金対応であることから、利用が増えない原因と思える。障がい者の外出時のタクシー利用を補助する目的で、料金の一部を負担する制度を持つ市町村もあるが、高齢者は対象とならない制度が多いようなので、まず実態調査していただき、高齢者、障がい者の交通手段の確保に努力されたい。
(9)五大疾病の専門医等資格取得支援事業の新設
6月補正予算で、がん専門医等資格取得支援事業として、がん治療に係る各学会が認定する専門医等の新規資格取得を目指す医師に対して、資格審査に必要となる費用の一部を支援することで、県内がん医療水準のさらなる向上を目指すための費用463万4千円が計上された。現代医学は細分化された専門医による高度医療を可能としたが、医学部が1つしなかい県内においては十分とはいえない側面がある。そこで、がん専門医等資格取得支援事業をお手本に、県内死亡率の上位を占める心疾患、肺疾患、脳血管疾患、腎不全、糖尿病の5つの疾患についても類似の制度を設け、県内医療水準の向上に努められたい。
(10)歯科医療検診治療車の開発
虫歯や歯周病の早期発見、早期治療は自分の歯をいつまでも保つためには欠かせないが、県保健医療計画で掲げた歯科検診率は30%に過ぎない。また、歯科検診は学校や公共施設で簡単な器具で調査されているに過ぎず、歯科用レントゲン装置や診療台を整備した歯科検診車もあってもよさそうだが、目にしたことはない。そこで、県がバスを購入して、歯科用レントゲン装置や診療台を搭載した歯科検診治療車を作ってはどうか。レントゲン車など医科用検診車があるのだから、検討されたらいかがだろうか。元気に長生きしていただくためには歯と口腔の健康は欠かせないことを再認識して、検討していただきたい。
(11)病診・病病連携の推進とジェネリック医薬品の使用拡大
急性期の病院は入院期間が2週間を超えれば保険点数が減ります。急性期病院である県立中央病院と県立厚生病院で3週間以上入院している人の割合は県立中央病院で39.9%。厚生病院で40.4%です。高い医療水準急性期の病院は高い医療水準が求められ、長期間入院していただきことは、医療費の高騰を招くだけでなく、手術など命を繋ぐために一刻を争う患者さんのためにベッドを確保する視点からも安易に認めるべきではないと考えます。このことは県内の民間病院でも同様であり、病院相互間の連携を高め、急性期、回復期、維持期(リハビリ期)の各ステージに合わせた病院で治療することの徹底を図ることが肝要ではないでしょうか。病診・病病連携の推進のための計画を立案し、実施するとともに、ジェネリック医薬品の使用を求めるジェネリックカードを作成し、ジェネリック医薬品の利用促進に努めていただきたいと思います。
(12)医療人材確保のための実態把握調査の実施
9月補正予算に対する会派要望で、医師・看護師だけでなく、薬剤師の医療人材の不足が県内でも極めて深刻と指摘しましたが、県は「2009、2010年度は薬学部6年制化に伴い国家試験受験者が少なかった(2009年度は前年度の44%)ことにより、薬剤師不足を訴える薬局も一部に見られたが、近年薬学部の新設が進み、定員も増加し、2011年度以降、新卒薬剤師の増加が見込まれるので、県下全体では、薬剤師不足が急迫している状況にはない」との認識を示されています。しかし、定員は増加したものの、4年制から6年制への移行による受験生離れ、授業料の上昇による地元歯科大への進学志向の強まりなどから、薬局間の薬剤師争奪競争は異常なほどに過熱しています。新設薬科大や県内薬局経営者を訪れての政務調査で、2011年度卒業生に対して、薬剤師試験に合格しなかった人への勉学資金の供与、500万円に迫る初任給の提示などをお聞きし、県の認識と大きな隔たりがあることがわかりました。理学療法士で実施したいように薬剤師、レントゲン技師、歯科技工士など広範な医療人材に対するニーズ調査を実施し、しっかり現状を把握して、これからの鳥取県の医療を担う医療人材確保を計画的に進めていただきたいと思います。
(13)若年性認知症患者支援策の充実
近年、若年性認知症がクローズアップされています。早期発見、早期治療が、病状を進行させないうえでとても大きいので、シンポジウムの開催などで県民への正確な知識を広げるように努めていただきたいと思います。現在は長寿社会課が担当されていますが、若年性であるがゆえに、就労や子育てなどの独特の問題もあります。担当課が長寿社会課で、いいのかも検討もしていただきたいと思います。
(14)障がい児者用ショートステイ施設の県東部、中部での新設
在宅高齢者向けの福祉施設はショートステイ、小規模多機能、デイサービスと様々なニーズに応えて整備されてきましたが、障がい児者向け施設の整備はまだまだだと感じています。家庭で重度の障害児を見守っておられるところは本当に大変な毎日をお過ごしとお聞きしています。そんな中で特に困っておられるのが、家人が病気なったり、冠婚葬祭があったりしたときだそうです。そんな時に、子どもを数日預かってもらえるようなショートステイができる施設があればありがたいという声をよくお聞きします。昼間は民間で見てもらえる施設もあるようですが、なかなか宿泊できるところはないようです。現在、米子市にある県立総合療育センターが、宿泊で障がい児の面倒を見ておられますが、県東中部から連れて行くのは負担が大きいと嘆く声を何人もからお聞きしました。県東部と中部にそれぞれ一カ所程度、県立総合療育センターのように宿泊ができる障がい児者用ショートステイ施設を県営で設けるか、民間が新設する場合の支援制度を検討していただきたいと思います。障がい児者の中には想定外の行動を取ることがあり、民間は事故を危惧して、なかなか取り組みが進まないのが現状だそうです。是非とも検討していただきたいと思います。
【県土整備部】
(15)街路灯の整備
中学校や高校でスポーツや文化の部活動に頑張っている生徒が多いことは喜ばしいのですが、秋から冬にかけては帰宅するころには、すっかり日が落ちてしまい、中山間地では、真っ暗な中を自転車を漕いで、また、徒歩で帰宅することになるようです。児童生徒の通学の安全を守るために、通学路となっている県道の街路灯の整備をお願いしたいと思います。
【生活環境部】
(16)再生可能エネルギー導入モデル事業に対する十分な資金措置
環境イニシアティブ事業の中心をなる再生可能エネルギー導入モデル地区に、鳥取市川端通り商店街など2カ所が選ばれ、基本計画づくりが進められています。環境と雇用は鳥取県では最大の課題です。その意味で平井知事がマニフェストに掲げ、現在進行中の「環境イニシアティブ事業」は、環境だけではなく、新産業の育成へと繋がり、当新たな雇用も創造するものと期待され、時宜を得たものと言えるのではないでしょうか。そして、その中心的役割を担うのがモデル地区です。それだけに、中途半端なものではなく、これこそが鳥取の環境政策の頂点だというものにしていただきたいと願っています。ついては、十分な予算措置を講じていただきますと共に、中国経済産業局や中国地方整備局などとも連携していただき、国土交通省の社会資本整備総合交付金(エコまちづくり交付金)などを活用して、すばらしい基本計画はできたが、資金供給ができずに計画が頓挫、あるいは縮小したということがないよう万全の対応を取っていただきたいと思います。
【人権局】
(17)地区生活実態把握調査と不動産取引差別調査の実施
的確な対策の立案は、的確な問題把握の延長戦でしかなされないと考えます。5年間隔で実施された地区生活実態把握調査は2005年に実施されて以降、把握調査がなされていませんが、やはり、生活実態の把握は、同和対策を進める上では必要と考えます。
県内の被差別を表記した「鳥取県の地区」という地図が、グーグル社のマップに条例情報を悪用・加工して作成され公表されています。グーグル社と法務局に削除を要請するも、放置されたままにあるのが現状で、新たな差別が生まれる、あるいは助長するのではないかと懸念しています。2010年11月に人権施策基本方針の改定がなされ、本年6月には宅地建物取引上の人権問題に関するアクションプログラムも策定されましたが、やはり、継続されている県人権意識調査だけでは不十分で、きちんと生活実態を把握した上で、施策は立案すべきと考えていますので、地区生活実態把握調査を早急に実施していただきたいと強く求めます。土地取引についても、宅地建物取引業協会に協力を求めて実態を把握すべきと考えます。実態が明らかにならなければ有効な解決手段を模索することができないからだです。土地差別については、アクションプログラムも動き出しており、早急な着手をお願いしたいと思います。
(18)インターネットのモニタリング監視
携帯電話やパソコンでインターネットを使用する場合、犯罪の危険が潜む出会い系サイトやクリック詐欺、さらには、少女ポルノなどの有害サイトのほか、いじめに繋がる学校裏サイトなど様々な問題があります。県青少年保護条例が改正されて、フィルタリングが義務付けられたといっても、それだけでは十分と言えず、やはり、ネット上をモニタリングして、問題サイトの早期発見、被害が発生する前に問題サイトの予防駆除を図ることが重要ではないでしょうか。そこで、人権局、子育て王国推進局、県警、教育委員会が連携し、統一してモニタリングする担当部署を設けていただきたいと思います。
(19)避難所備蓄品の整備
県内でも大規模な災害の発生に備え、必要な物資の備蓄が進められていますが、3.11の経験を踏まえ、備蓄品と備蓄体制の再点検を進めていただきたいと思います。発災当初はガス、水道、電気というライフラインが破壊されるので、復旧するまでの間を耐えるためには、発電機、飲料水のほか、学校のプールの水を生活用水として利用するためのポンプ、石油ストーブのように単体で使用できる暖房具が必要です。また、簡易トイレは断水で使用できなったり、容量が足りなかったりしたケースが東日本大震災では少なくなく、問題になりました。その点、マンホールトイレは、洋式で段差もないため、高齢者には評判が良かったばかりか、容量の問題もクリアーできるので、鳥取県でも備蓄を検討されてはいかがと思います。
【農林水産部】
(20)有害鳥獣被害対策で里山の整備
クマやシカが有害鳥獣となって人間と共生できなくなったのは中山間地が疲弊したからです。奥山、里山で人間がはびこって、クマやシカを追いやった結果でもあります。クマが出没するのは春から夏です。実の成る木を植え、昆虫が育つ環境を整え、有害鳥獣の食べ物がたくさんある緩衝帯を作ることが有害鳥獣対策としては有効と考えます。絶滅危惧種を殺していいのかという疑問もあり、原則殺処分というツキノワグマの管理計画は見直すべきです。京都府の美山町に行くと非常に綺麗な緩衝帯が整備され、しかも、整備したおかげで、鳥獣被害は極めて少ないと聞いています。山が荒れているのが問題の根源です。環境整備計画を立案し、実行して欲しいと思います。
(21)耕作放棄地で菜の花プロジェクト
耕作放棄地で菜の花を栽培する菜の花プロジェクトを応援していただきたいと思います。県内では県防災監だった岩下氏が退職金をはたいて搾油機を買って「菜の花工房」を立ち上げて頑張っておられますが、もう限界と聞いています。東近江市では120ヘクタールもの畑で菜の花が栽培され、大型の菜の花用コンベアーまで整備されています。淡路島では全島を菜の花で埋めるプロジェクトも進行しています。菜の花栽培に人気があるのは、美しい景観を形成できるだけでなく、種まき、花見、刈り取り、種落としなどを市民が自然と触れ合うイベントとして構成でき、しかも、菜種油という特産品を生み、エゴマとの二期作も可能で、地域資源としての価値が高いからだと考えています。「菜の花工房」の活動に助成金を支出するほか、器具の貸与などを検討していただきたいと思います。
(22)竹林整備で竹害を解決
筍や竹材を採るために栽培されていた竹林が放置された結果、周囲の植生に孟宗竹が無秩序に侵入する竹の被害が拡大しています。筍栽培が経済的に成立しなくなり、竹材の需要も減少すると、竹林は管理されなくなっていったことが原因だと考えられます。竹をパウダーにして肥料にするとか、竹炭を竹酢液にするプロジェクトとかなどの計画もありましたが、いつの間にか立ち消えになってしまいました。しかし、竹の服や竹のシーツ、竹の家具など竹は生活の中で使える有用な材です。もう一度、全県で竹林を整備して、遊ぶ竹林、食べる竹林、品物を作る竹林を再生する県民運動を展開していただきたいと思います。鳥大、県産業技術センター、医薬品メーカーなどが協力して、何か突破口になるような製品の開発していただくよう期待しております。
(23)森林施業団地化コーディネーター雇用制度の新設
森林施業団地化推進員配置事業を緊急雇用対策の一環として、平成21年~平成23年度にかけて取り組んでおられますが、本年度で打ち切りとなると聞いています。団地化が十分に進んでいない状況にある中、団地化を推進していかなければ林業の活性化は難しいのではないでしょうか。団地化コーディネーターには森林・林業の基礎知識、作業道の開設や間伐技術の取得、プランニング力等が必要であり、事業全体での実践研修(OJT)でのレベルアップが大切です。研修制度を充実させることに加え、鳥取県の森林施業の将来に必要な森林施業団地化コーディネーターを、直接雇用するための補助制度の新設が必要と考えていただければと思います。
(24)60年生以上の高齢級間伐補助制度の創設
森林環境保全整備事業の補助対象は、原則60年までとなっていますが、県内では60年生以上の木材の割合が増えています。県産材の自給率向上と、高齢級木材の流通を進めるためにも、高齢級の間伐補助制度の新設が必要と考えます。
(25)森林ボランティアによる林業の再生
土佐の森救援隊を参考に、森林ボランティアを林業の再生の一助にしてみてはどうだろうか。森林ボランティアを養成して、土日祝日に作業道や森林の整備(間伐、植樹、山に木質スポンジを戻す運動等)、その他森林関係のイベント(交流会、ボランティア祭り、ログハウス教室、グリーンツーリズム等)の実践活動を展開して、山村地域の住民と、都市部住民が協働作業で共に汗を流すことで、幅広い交流の輪を広げていただきたいと思います。また、森林証券制度を導入して、地場産品との交換券である地域通貨券「モリ(森)券」(地場産品との交換券)を発行し、森林ボランティアの働きに応じて渡し、地域産業の振興、地場産品の消費にも寄与していただきたいと思います。そして、再生する森林は、宮崎県綾町のように照葉樹林を基本としていただきたいと思います。
(26)高騰する原油に対する助成の上乗せ制度
沿岸、沖合漁業とも漁獲高の減少に悩んでいますが、そこに原油高が追い打ちをかけています。国は直前2年間の平均原油価格に1.15を乗じた額を補填基準額として助成していますが、ここ数年は原油価格が高止まりしているため、補填される額が少なく、このため、漁獲高が多く見込める時期以外は、出漁を控える漁民が少なくないそうです。そこで、原油価格が85円、できれば80円を超えたときは、国の補填額基準額と85円、もしくは、80円との差額を助成する制度を新設していただきたいと思います。
【教育委員会】
(27)少人数学級の拡大
35人学級を全学年に広がるかつ団をされたことを評価したいと思います。加えて、適正な学級定数がいくらであるかという疑問もあり、実証的な追跡調査もしていただきたいと思います。高等学校についても、生徒数の減少を教育環境改善の好機と捕らえ、学級数の削減ではなく、普通科40人、専門科38人の学級定員数の減数に取り組んでいただきたいと思います。
特別支援学級についても、現在、1学級の定員は8人であるが、3つの学年以上で構成されている学級では、児童生徒の障害に応じた十分な教育が難しいことから、定員を削減するとともに、児童生徒の障害に応じて、さらなる加配も検討していだきたいと思います。
(28)経済的に苦しい高校生家庭の負担軽減
高校教育は無償化したのであるから、県立高校の入学金も廃止していただきたいと思います。また、県立高校では学校によって大きく違うものの、6000円前後の生徒会費、5000円前後のPTA会費、1万~6万円の学年費、1000円~6万円の教材費、高い学校は9万円にもなる修学旅行費などの校納金が年間で必要になり、経済的に苦しい生徒の家庭では大きな負担になっています。中学生の中には、この経済負担から高校進学を断念する生徒もいると聞いていますので、保護者の収入に合わせた校納金の減免制度、もしくは、助成制度の新設を検討していただきたいと思います。
(29)学校施設の非構造物の耐震化
東日本大震災では1636校で天井材が、410校で照明器具が落下し、怪我をする児童生徒が続出したそうです。天井から吊ったテレビも落下したほか、体育館の天井や壁に固定してあったバスケットボールゴールの固定金具が破損して傾き、体育館に避難していた約400人が隣の校舎へ再度避難したという事例も報告されています。建物の耐震化を進めることは大事ですが、同時に天井や照明器具といった非構造材、さらには、設備機械等についても、県立高校の耐震化を進め、生徒の安全を守っていただきたいと思います。
(30)特別支援学校を障がい者の避難所として活用できる体制整備
東日本大震災では、障がい者が避難所に受け入れられなかったり、避難所の生活に困難が生じたりした事例が見られました。特別支援学校は障がい者を始めとする要介護者にとってのバリアフリー環境が整っていますので、あらかじめ福祉保健部と危機管理局、県教委の連携の下で、特別支援学校を障がい者を主として受け入れる福祉避難所に指定し、一般の避難所の備蓄品に加え、オストメイトや痰の吸引などの機器を備蓄しておくなどの整備を進められてはどうでしょうか。
(31)幼児教育におけるLD等特別支援員の新設
小中学校では学習障害(LD)の児童生徒に対応して、LD等特別支援非常勤講師が加配されていますが、保育園、幼稚園にはそのような加配はしていません。LDと思われる幼児は、早期にきちんとした教育的対応をしてから、就学させた方が、お子さんにとっても、受け入れる学校にとっても、教育的効果が大きいと思われます。県単独事業、もしくは、市町村への補助事業で、保育園、幼稚園へのLD等特別支援員の配置を検討していただきたいと思います。
(32)教育現場の非常勤教員の待遇改善
教育現場では特別支援学級支援やLD等特別支援、小規模サポートは非常勤講師で担われており、小学校現場では教職員定数2641人に対し、非常勤は511人、中学校現場では定数1472人に対し、非常勤175人と多くの非正規雇用がなされていますが、できるだけ非常勤ではなく、正規職員で雇用するように努めていただきたいと思います。また、高等学校の非常勤講師の給与単価は1コマ2540円で、週15時間前後の授業しかなく、夏休み等の長期休暇もあるため、年収にすると200万円を切っている非常勤職員が少なくないと聞いています。せめて、授業単価を国レベルの2790円に引き上げるなど、待遇の改善に努めていただきたいと思います。
(33)日本語未習熟児童生徒への配慮
日本語を母国語としない児童生徒が、授業の理解を手助けするためになされている教員の加配は現在、えも、日から3年を基準になされていますが、3年間では日本語の習得には短く、十分理解できないまま授業を受けている児童生徒も少なくないそうです。奈良県では渡日後5年を基本に特別加配がなされており、児童生徒の日本語能力に応じて、場合によっては、奈良県にならって3年以上の児童生徒でもあった加配をしていただきたいと思います。
(34)美術館・博物館の連携強化
美術館、博物館は学校教育、生涯教育を進める上で重要であるばかりか、観光立県を考える時には、その充実も求めらます。県の各施設のほか、県内の公民館や市町村庁舎などには地元作家から寄贈されたが、いつの間にか作者名も忘れられたような名品がたくさん眠っているように感じます。県立博物館を中心に各市町村と協力して、所有美術品・歴史資料の悉皆調査を実施し、文化財データベースを作成していただきたいと思います。完成後は各施設に公開し、各施設での企画展や常設展示で相互に他施設所有の美術品・歴史資料を展示して、各館の専門性と魅力をアップしていただきたいと思います。また、県東中部の施設に全部入れる因幡共通券、県西部の施設に全部入れる伯耆共通券を制作し、1館で終わるところを、もう1館を巡ってもらえるようにもしていただきたいと思います。
(35)不登校と自殺対策
不登校児童生徒の対応をするスクールカウンセラーをマンツウマンで、きめ細かく対応できるように加配していただきたいと思います。不登校をそのまま放置するといじめなどにつながり、お子さんが命を絶つような最悪なケースも想定されるからです。「うつ病は心の風邪で、治療すれば完治する病気。精神科の受診は何も恥ずかしいことなどないよ」というように誰もが考えることができるように、児童生徒に加え、教師、保護者を対象にした研修会やシンポジウムも開催する経費を計上していただきたいと思います。うつ病は早期に治療を開始すれば、快復も早いが、遅れると自殺へもつながります。児童生徒が十分に睡眠を取れているかなど、担任教師には児童生徒が精神疾患に罹患していないか十分な配慮を求めることに加え、疑われる症状を発見したら、すぐ専門医に受診することができるよう配慮をしていただきたいと思います。
◆11月補正予算で要望した事項で、新年度予算でも再度検討していただきたい事項
【危機管理局】
(1)原子力防災対策の強化
本年3月に発生した東日本大震災での福島第1原発事故を踏まえ、原子力安全委員会の作業部会で、原発事故に備えて防災対策を重点的にとる地域を原発から半径8~10kmから同約30kmに拡大すべきだと提案されたことも踏まえ、国への要望を行っていくとの回答をいただきました。セシウムなどが県境で止まってくれるなどありえません。大切なことは行政区画ではなく、実際に被害が及ぶ地域はどこかという視点に立って国民の安全を守っていくことです。その意味から、原子力防災法制の見直しにあたっては、被害が想定される隣接自治体に、立地自治体と同様の権限を付与し、適切な防災対応が取れるように引き続き、国に強く求めていただきたいと望みます。また、高齢者や障がい者、乳幼児へ十分な配慮した実効性のある避難計画の策定や必要な資機材整備など原子力防災対策の一層の強化を図られるように引き続き求めます。
【商工労働部】
(2)緊急雇用対策
三洋コンシューマーエレクトロニクスの事業再編に伴い、鳥取市内で勤務する450人が県外に配置転換される計画が明らかになるなど県内で雇用不安が広がっているとの共通認識に立っていただいていることに安心いたしました。県外企業の誘致、県内企業の新増設のために設けられた「働くぞ!頑張る企業を応援する鳥取県雇用促進事業」の対象事業の拡大を求めたところ、同事業とのセットでの新たな企業支援策を当初予算に向けて検討してみたいと前向きな回答もいただいき、感謝しています。十分検討され、予算化されますよう重ねてお願いをしたいと思います。また、「重点分野職場体験雇用促進事業」の対象分野である建築・土木分野では県独自施策として「専門的技術者等正規雇用促進事業」を設けているとの回答をいただきましたが、同事業は新年度予算でも継続していただきたいと思います。ミドル・シニア仕事プラザの増要員要望については早速、11月補正予算で対応していただき、増員が実現したことに、深く感謝を申し上げます。まだまだ、県下の雇用情勢は予断を許されませんので、状況を見ながら、必要とあらば、さらなる増員をなされるようお願いを申し上げます。
(3)運転技能免許や大型二種免許の取得補助制度の新設
大型特殊自動車等の特殊車両免許取得の支援制度の新設を提案いたしましたが、「離職者対策として有効であれば、2012年度当初予算に向けて検討する」と前向きな回答をいただきました。建築業界の厳しい現状に鑑み、是非とも実現するよう重ねてお願いいまします。また、バス運転者確保のための大型二種免許取得支援制度の新設は「考えていない」との回答は残念でしたが、大型バスを運転できる大型二種免許の保持者は70代が1600人台、60代と50代が1100人台であるのに対し、40代は600人台、30代が300人台、20代が50人台と激減。今から検討を始めねば、地域交通網としてのバス路線は崩壊するのではないかと危惧をしています。回答の通り、本来はバス事業者自らが検討・対応すべき課題であろうと考えますが、県内のバス会社は多くの不採算路線を行政の支援などを得て、やっと運営しているのが現実であり、自助努力だけで運転手を確保することは難しいのではないでしょうか。地方交通網におけるバスの必要性を再認識していただき、再検討していただきたいと思います。厚生労働省の教育訓練給付制度については「若者仕事ぷらざやミドル・シニア仕事ぷらざ」でも周知を図りたい」との回答をいただきました。是非とも実効性のある方法で宣伝していただきたいと思います。
【福祉保健部・農林水産部】
(4)介護保険料や助成金など公的資金が投入されている法人への緊急一斉監査
みのり福祉会、あすなろ会と相次いで社会福祉法人の不正会計事件が表面化し、監督権限のある県の監査機能が十分に機能しているか、県民の間から大きな疑問が出ています。信頼の回復は急務であります。もちろん、県職員の皆さんが真摯に調査なされたと信頼はしておりますが、やはり、福祉法人の会計処理は複雑であり、土地や資本の複雑な操作による不正を見抜くには、極めて専門性の高い知識や経験が必要であると考えます。担当部課の職員に加え、公認会計士、税理士、経済事犯捜査の豊かな経験を持つ警察官らからなる調査チームを編成して、福祉法人に対する緊急一斉監査の実施を再度検討されたい。緊急一斉監査終了後も、常置的な監査体制を設置されたい。両法人で不正に浪費された金額は判明しているだけで10億円を超えます。主に公費で運営していることを考えると、ここは費用がかかっても、監査体制の整備・強化が必要と考えます。
◆昨年11月に2012年度当初予算で検討していただきたいと要望した事項
【総務部】
(1)予算の繰り越しのインセンティブ
予算編成作業の改善が進んでいることは評価するので、さらに努力を重ねていただきたい。かなり意識は改善されたものの、予算は使いきらねば翌年度予算で削減対象にならないかという危惧がまだ職員の中にあるように思えます。そこで、当年度に使いきらなかったとしても翌年度に使う繰り越し制度をもっと柔軟にしていただくと共に、むしろ、予算を厳しく運用して、予算を余らした担当課には、余らしたお金の何割かを自由に翌年度予算化できるインセンティブを得られる制度を設けてはどうでしょうか。「もったいない」との思いで、執行段階でも、税金の使いみちに厳しい目を向けるように職員の意識が変わるのではないでしょうか。
【文化観光局】
(2)砂丘のボーリング調査
鳥取砂丘周辺には戦前、尻なし川がいくつもありました。砂丘の地下には岩盤の層があり、その間を地下水が還流しており、それが湧き出して川となったものだそうです。そこで、砂丘でボーリング調査をして、井戸を掘ってみてはどうでしょうか。砂丘の地下から若水が湧き出れば、それだけで新しい観光資源となるのではないでしょうか。特に鳥取砂丘西側では地元のお父さんたちによる「ももんじょプロジェクトチーム」が白砂青松の景観を取り戻そうと頑張っておられますので、連携して鳥取砂丘の魅力をアップするように、協働して事業展開を考えていただきたいと思います。
【福祉保健部】
(3)「支え愛」関連事業予算の拡大
「支え愛」の街づくり事業は、地域包括ケアへ福祉政策を転換させる基盤作りに寄与していると高く評価するので、来年度以降も継続していただきたいと思います。特に地域での見守りシステムの拡張、共生ホームの進展などを進めていただきたいと思います。ただ、「支え愛」の拠点整備事業は「新しい」ことを助成の条件としてきましたが、これまで頑張って地域で高齢者を支えてきた生き生きサロンなどにも目を向けていただきたいと思います。これらの活動も高齢化の波が押し寄せており、公的支援がないと長年続いていた活動が停止しかねません。来年度以降の公募にあたっては、新しさに注目するのではなく、その地域に本当に必要な事業かどうかで判断していただきたいと思います。
(4)地域包括ケアを推進するカリスマ職員の育成
地域包括ケアを進めるのは市町村ですが、実現のためには県が市町村の体制構築に強力な後押しをすることが重要です。市町村にあれこれ口を出すだけの指導でなく、具体的に事業を支援することができる事務職・専門職のチームを県庁内に作っていただきたい。また、地域包括ケアを進めるのは、施設でも、システムでもなく、人です。そして、先進地には必ず、地域を巻き込んで強力に進めるカリスマと呼ばれる職員が居られます。県が市町村の充実した職員研修に取り組んでいただくことは当然として、海外先進地への留学なども含め、他県ではできないような思い切った育成プログラムを企画していただきたいと思います。
(5)地域包括ケアのモデル地区への予算の集中投下
地域包括ケアの進度は、県内の市町村でまちまちであり、一斉にレベルを上げることは難しいのではないでしょうか。ならば県内市町村の先頭を走る市町村に予算を集中投下して、活動をブラシュアップし、全国のトップレベルに進めることで、他市町村に刺激を与えると共に、すぐに学ぶことができるお手本へと育成されてはいかがでしょうか。琴浦で進められている認知症に対応した徘徊模擬訓練、北栄町で実施されている民生委員、介護施設職員も参加する地域ケア会議を中心にした介護予防活動などは、このモデル地区にふさわしい事業と考えています。一方で、県内の地域包括支援センターの多くは、現実には介護保険認定センターでしかありません。モデル地区をつくることで、真の地域包括ケアを実現していただきたいと強く求めます。
(6)成年後見支援センターの新設
成年後見制度は高齢者を守るうえでは有効な制度です。県内には弁護士、司法書士、社会福祉士 (ソーシャルワーカー)らでつくる成年後見ネットワークが活動しておられますが、皆、本業があるうえ、後見人の報酬は低いのが現実です。違法性の強い高価な品物を売り付ける訪問販売などから高齢者を守るためには、クーリングオフの期間毎に居宅を訪問するなど日常活動が必要で、さらに、本人に浪費癖などがある場合はとても大変です。その結果、1人で10人近い成年後見を引き受けている弁護士もいらっしゃって、ボランティアで進めるのは限界ではないでしょうか。西部に成年後見支援センター(仮称)が委託事業として設置されると聞いていますが、東部、中部でも設置を検討していただきたいと思います。
(7)高齢者向けグループホームの新設
3人から5人の高齢者が、これまで暮らしていた街中や中山間地で1軒家を借家的に使って安価にシェアし、グループリビングを展開する高齢者向けグループホームの新設を検討していただきたいと思います。認知症のグループホームを、障がいのない高齢者へ広げようという提言であり、高齢者向けグループホームは住民主体で運営し、自治会や地域づくり協議会が関わっていく形を想定してはどうでしょうか。昔はどこにでもいた 世話焼きおばちゃん、おじいちゃんにライフサポートアドバイザーに任命して運営の中心に座っていただいてもいいと考えています。国土交通省は、各種の高齢者住宅を来年度から高齢者ケア付き住宅に一本化しようとしていますが、これは市街地向けで、しかも、厚生年金を貰っている富裕サラリーマン層が対象であり、鳥取の中山間地では実効性がないのではないでしょうか。県単独事業とはなりますが、是非とも研究していただきたいと思います。
(8)介護が必要な高齢者や障がい者の交通機関利用時の助成制度新設
介護や補助の必要な高齢者、身障者の利用時に自宅のベッドや車椅子からの乗降などさまざまな介助をする介護タクシーが県内でも走っていますが、運転手は2種免許とホームヘルパーの資格を持たねばならず、なかなか広がらない。通院の乗降介助、または、身体介護として介護保険で利用できる場合もあるが、多くは介護保険で利用できない現金対応であることから、利用が増えない原因と思える。障がい者の外出時のタクシー利用を補助する目的で、料金の一部を負担する制度を持つ市町村もあるが、高齢者は対象とならない制度が多いようなので、まず実態調査していただき、高齢者、障がい者の交通手段の確保に努力されたい。
(9)五大疾病の専門医等資格取得支援事業の新設
6月補正予算で、がん専門医等資格取得支援事業として、がん治療に係る各学会が認定する専門医等の新規資格取得を目指す医師に対して、資格審査に必要となる費用の一部を支援することで、県内がん医療水準のさらなる向上を目指すための費用463万4千円が計上された。現代医学は細分化された専門医による高度医療を可能としたが、医学部が1つしなかい県内においては十分とはいえない側面がある。そこで、がん専門医等資格取得支援事業をお手本に、県内死亡率の上位を占める心疾患、肺疾患、脳血管疾患、腎不全、糖尿病の5つの疾患についても類似の制度を設け、県内医療水準の向上に努められたい。
(10)歯科医療検診治療車の開発
虫歯や歯周病の早期発見、早期治療は自分の歯をいつまでも保つためには欠かせないが、県保健医療計画で掲げた歯科検診率は30%に過ぎない。また、歯科検診は学校や公共施設で簡単な器具で調査されているに過ぎず、歯科用レントゲン装置や診療台を整備した歯科検診車もあってもよさそうだが、目にしたことはない。そこで、県がバスを購入して、歯科用レントゲン装置や診療台を搭載した歯科検診治療車を作ってはどうか。レントゲン車など医科用検診車があるのだから、検討されたらいかがだろうか。元気に長生きしていただくためには歯と口腔の健康は欠かせないことを再認識して、検討していただきたい。
(11)病診・病病連携の推進とジェネリック医薬品の使用拡大
急性期の病院は入院期間が2週間を超えれば保険点数が減ります。急性期病院である県立中央病院と県立厚生病院で3週間以上入院している人の割合は県立中央病院で39.9%。厚生病院で40.4%です。高い医療水準急性期の病院は高い医療水準が求められ、長期間入院していただきことは、医療費の高騰を招くだけでなく、手術など命を繋ぐために一刻を争う患者さんのためにベッドを確保する視点からも安易に認めるべきではないと考えます。このことは県内の民間病院でも同様であり、病院相互間の連携を高め、急性期、回復期、維持期(リハビリ期)の各ステージに合わせた病院で治療することの徹底を図ることが肝要ではないでしょうか。病診・病病連携の推進のための計画を立案し、実施するとともに、ジェネリック医薬品の使用を求めるジェネリックカードを作成し、ジェネリック医薬品の利用促進に努めていただきたいと思います。
(12)医療人材確保のための実態把握調査の実施
9月補正予算に対する会派要望で、医師・看護師だけでなく、薬剤師の医療人材の不足が県内でも極めて深刻と指摘しましたが、県は「2009、2010年度は薬学部6年制化に伴い国家試験受験者が少なかった(2009年度は前年度の44%)ことにより、薬剤師不足を訴える薬局も一部に見られたが、近年薬学部の新設が進み、定員も増加し、2011年度以降、新卒薬剤師の増加が見込まれるので、県下全体では、薬剤師不足が急迫している状況にはない」との認識を示されています。しかし、定員は増加したものの、4年制から6年制への移行による受験生離れ、授業料の上昇による地元歯科大への進学志向の強まりなどから、薬局間の薬剤師争奪競争は異常なほどに過熱しています。新設薬科大や県内薬局経営者を訪れての政務調査で、2011年度卒業生に対して、薬剤師試験に合格しなかった人への勉学資金の供与、500万円に迫る初任給の提示などをお聞きし、県の認識と大きな隔たりがあることがわかりました。理学療法士で実施したいように薬剤師、レントゲン技師、歯科技工士など広範な医療人材に対するニーズ調査を実施し、しっかり現状を把握して、これからの鳥取県の医療を担う医療人材確保を計画的に進めていただきたいと思います。
(13)若年性認知症患者支援策の充実
近年、若年性認知症がクローズアップされています。早期発見、早期治療が、病状を進行させないうえでとても大きいので、シンポジウムの開催などで県民への正確な知識を広げるように努めていただきたいと思います。現在は長寿社会課が担当されていますが、若年性であるがゆえに、就労や子育てなどの独特の問題もあります。担当課が長寿社会課で、いいのかも検討もしていただきたいと思います。
(14)障がい児者用ショートステイ施設の県東部、中部での新設
在宅高齢者向けの福祉施設はショートステイ、小規模多機能、デイサービスと様々なニーズに応えて整備されてきましたが、障がい児者向け施設の整備はまだまだだと感じています。家庭で重度の障害児を見守っておられるところは本当に大変な毎日をお過ごしとお聞きしています。そんな中で特に困っておられるのが、家人が病気なったり、冠婚葬祭があったりしたときだそうです。そんな時に、子どもを数日預かってもらえるようなショートステイができる施設があればありがたいという声をよくお聞きします。昼間は民間で見てもらえる施設もあるようですが、なかなか宿泊できるところはないようです。現在、米子市にある県立総合療育センターが、宿泊で障がい児の面倒を見ておられますが、県東中部から連れて行くのは負担が大きいと嘆く声を何人もからお聞きしました。県東部と中部にそれぞれ一カ所程度、県立総合療育センターのように宿泊ができる障がい児者用ショートステイ施設を県営で設けるか、民間が新設する場合の支援制度を検討していただきたいと思います。障がい児者の中には想定外の行動を取ることがあり、民間は事故を危惧して、なかなか取り組みが進まないのが現状だそうです。是非とも検討していただきたいと思います。
【県土整備部】
(15)街路灯の整備
中学校や高校でスポーツや文化の部活動に頑張っている生徒が多いことは喜ばしいのですが、秋から冬にかけては帰宅するころには、すっかり日が落ちてしまい、中山間地では、真っ暗な中を自転車を漕いで、また、徒歩で帰宅することになるようです。児童生徒の通学の安全を守るために、通学路となっている県道の街路灯の整備をお願いしたいと思います。
【生活環境部】
(16)再生可能エネルギー導入モデル事業に対する十分な資金措置
環境イニシアティブ事業の中心をなる再生可能エネルギー導入モデル地区に、鳥取市川端通り商店街など2カ所が選ばれ、基本計画づくりが進められています。環境と雇用は鳥取県では最大の課題です。その意味で平井知事がマニフェストに掲げ、現在進行中の「環境イニシアティブ事業」は、環境だけではなく、新産業の育成へと繋がり、当新たな雇用も創造するものと期待され、時宜を得たものと言えるのではないでしょうか。そして、その中心的役割を担うのがモデル地区です。それだけに、中途半端なものではなく、これこそが鳥取の環境政策の頂点だというものにしていただきたいと願っています。ついては、十分な予算措置を講じていただきますと共に、中国経済産業局や中国地方整備局などとも連携していただき、国土交通省の社会資本整備総合交付金(エコまちづくり交付金)などを活用して、すばらしい基本計画はできたが、資金供給ができずに計画が頓挫、あるいは縮小したということがないよう万全の対応を取っていただきたいと思います。
【人権局】
(17)地区生活実態把握調査と不動産取引差別調査の実施
的確な対策の立案は、的確な問題把握の延長戦でしかなされないと考えます。5年間隔で実施された地区生活実態把握調査は2005年に実施されて以降、把握調査がなされていませんが、やはり、生活実態の把握は、同和対策を進める上では必要と考えます。
県内の被差別を表記した「鳥取県の地区」という地図が、グーグル社のマップに条例情報を悪用・加工して作成され公表されています。グーグル社と法務局に削除を要請するも、放置されたままにあるのが現状で、新たな差別が生まれる、あるいは助長するのではないかと懸念しています。2010年11月に人権施策基本方針の改定がなされ、本年6月には宅地建物取引上の人権問題に関するアクションプログラムも策定されましたが、やはり、継続されている県人権意識調査だけでは不十分で、きちんと生活実態を把握した上で、施策は立案すべきと考えていますので、地区生活実態把握調査を早急に実施していただきたいと強く求めます。土地取引についても、宅地建物取引業協会に協力を求めて実態を把握すべきと考えます。実態が明らかにならなければ有効な解決手段を模索することができないからだです。土地差別については、アクションプログラムも動き出しており、早急な着手をお願いしたいと思います。
(18)インターネットのモニタリング監視
携帯電話やパソコンでインターネットを使用する場合、犯罪の危険が潜む出会い系サイトやクリック詐欺、さらには、少女ポルノなどの有害サイトのほか、いじめに繋がる学校裏サイトなど様々な問題があります。県青少年保護条例が改正されて、フィルタリングが義務付けられたといっても、それだけでは十分と言えず、やはり、ネット上をモニタリングして、問題サイトの早期発見、被害が発生する前に問題サイトの予防駆除を図ることが重要ではないでしょうか。そこで、人権局、子育て王国推進局、県警、教育委員会が連携し、統一してモニタリングする担当部署を設けていただきたいと思います。
(19)避難所備蓄品の整備
県内でも大規模な災害の発生に備え、必要な物資の備蓄が進められていますが、3.11の経験を踏まえ、備蓄品と備蓄体制の再点検を進めていただきたいと思います。発災当初はガス、水道、電気というライフラインが破壊されるので、復旧するまでの間を耐えるためには、発電機、飲料水のほか、学校のプールの水を生活用水として利用するためのポンプ、石油ストーブのように単体で使用できる暖房具が必要です。また、簡易トイレは断水で使用できなったり、容量が足りなかったりしたケースが東日本大震災では少なくなく、問題になりました。その点、マンホールトイレは、洋式で段差もないため、高齢者には評判が良かったばかりか、容量の問題もクリアーできるので、鳥取県でも備蓄を検討されてはいかがと思います。
【農林水産部】
(20)有害鳥獣被害対策で里山の整備
クマやシカが有害鳥獣となって人間と共生できなくなったのは中山間地が疲弊したからです。奥山、里山で人間がはびこって、クマやシカを追いやった結果でもあります。クマが出没するのは春から夏です。実の成る木を植え、昆虫が育つ環境を整え、有害鳥獣の食べ物がたくさんある緩衝帯を作ることが有害鳥獣対策としては有効と考えます。絶滅危惧種を殺していいのかという疑問もあり、原則殺処分というツキノワグマの管理計画は見直すべきです。京都府の美山町に行くと非常に綺麗な緩衝帯が整備され、しかも、整備したおかげで、鳥獣被害は極めて少ないと聞いています。山が荒れているのが問題の根源です。環境整備計画を立案し、実行して欲しいと思います。
(21)耕作放棄地で菜の花プロジェクト
耕作放棄地で菜の花を栽培する菜の花プロジェクトを応援していただきたいと思います。県内では県防災監だった岩下氏が退職金をはたいて搾油機を買って「菜の花工房」を立ち上げて頑張っておられますが、もう限界と聞いています。東近江市では120ヘクタールもの畑で菜の花が栽培され、大型の菜の花用コンベアーまで整備されています。淡路島では全島を菜の花で埋めるプロジェクトも進行しています。菜の花栽培に人気があるのは、美しい景観を形成できるだけでなく、種まき、花見、刈り取り、種落としなどを市民が自然と触れ合うイベントとして構成でき、しかも、菜種油という特産品を生み、エゴマとの二期作も可能で、地域資源としての価値が高いからだと考えています。「菜の花工房」の活動に助成金を支出するほか、器具の貸与などを検討していただきたいと思います。
(22)竹林整備で竹害を解決
筍や竹材を採るために栽培されていた竹林が放置された結果、周囲の植生に孟宗竹が無秩序に侵入する竹の被害が拡大しています。筍栽培が経済的に成立しなくなり、竹材の需要も減少すると、竹林は管理されなくなっていったことが原因だと考えられます。竹をパウダーにして肥料にするとか、竹炭を竹酢液にするプロジェクトとかなどの計画もありましたが、いつの間にか立ち消えになってしまいました。しかし、竹の服や竹のシーツ、竹の家具など竹は生活の中で使える有用な材です。もう一度、全県で竹林を整備して、遊ぶ竹林、食べる竹林、品物を作る竹林を再生する県民運動を展開していただきたいと思います。鳥大、県産業技術センター、医薬品メーカーなどが協力して、何か突破口になるような製品の開発していただくよう期待しております。
(23)森林施業団地化コーディネーター雇用制度の新設
森林施業団地化推進員配置事業を緊急雇用対策の一環として、平成21年~平成23年度にかけて取り組んでおられますが、本年度で打ち切りとなると聞いています。団地化が十分に進んでいない状況にある中、団地化を推進していかなければ林業の活性化は難しいのではないでしょうか。団地化コーディネーターには森林・林業の基礎知識、作業道の開設や間伐技術の取得、プランニング力等が必要であり、事業全体での実践研修(OJT)でのレベルアップが大切です。研修制度を充実させることに加え、鳥取県の森林施業の将来に必要な森林施業団地化コーディネーターを、直接雇用するための補助制度の新設が必要と考えていただければと思います。
(24)60年生以上の高齢級間伐補助制度の創設
森林環境保全整備事業の補助対象は、原則60年までとなっていますが、県内では60年生以上の木材の割合が増えています。県産材の自給率向上と、高齢級木材の流通を進めるためにも、高齢級の間伐補助制度の新設が必要と考えます。
(25)森林ボランティアによる林業の再生
土佐の森救援隊を参考に、森林ボランティアを林業の再生の一助にしてみてはどうだろうか。森林ボランティアを養成して、土日祝日に作業道や森林の整備(間伐、植樹、山に木質スポンジを戻す運動等)、その他森林関係のイベント(交流会、ボランティア祭り、ログハウス教室、グリーンツーリズム等)の実践活動を展開して、山村地域の住民と、都市部住民が協働作業で共に汗を流すことで、幅広い交流の輪を広げていただきたいと思います。また、森林証券制度を導入して、地場産品との交換券である地域通貨券「モリ(森)券」(地場産品との交換券)を発行し、森林ボランティアの働きに応じて渡し、地域産業の振興、地場産品の消費にも寄与していただきたいと思います。そして、再生する森林は、宮崎県綾町のように照葉樹林を基本としていただきたいと思います。
(26)高騰する原油に対する助成の上乗せ制度
沿岸、沖合漁業とも漁獲高の減少に悩んでいますが、そこに原油高が追い打ちをかけています。国は直前2年間の平均原油価格に1.15を乗じた額を補填基準額として助成していますが、ここ数年は原油価格が高止まりしているため、補填される額が少なく、このため、漁獲高が多く見込める時期以外は、出漁を控える漁民が少なくないそうです。そこで、原油価格が85円、できれば80円を超えたときは、国の補填額基準額と85円、もしくは、80円との差額を助成する制度を新設していただきたいと思います。
【教育委員会】
(27)少人数学級の拡大
35人学級を全学年に広がるかつ団をされたことを評価したいと思います。加えて、適正な学級定数がいくらであるかという疑問もあり、実証的な追跡調査もしていただきたいと思います。高等学校についても、生徒数の減少を教育環境改善の好機と捕らえ、学級数の削減ではなく、普通科40人、専門科38人の学級定員数の減数に取り組んでいただきたいと思います。
特別支援学級についても、現在、1学級の定員は8人であるが、3つの学年以上で構成されている学級では、児童生徒の障害に応じた十分な教育が難しいことから、定員を削減するとともに、児童生徒の障害に応じて、さらなる加配も検討していだきたいと思います。
(28)経済的に苦しい高校生家庭の負担軽減
高校教育は無償化したのであるから、県立高校の入学金も廃止していただきたいと思います。また、県立高校では学校によって大きく違うものの、6000円前後の生徒会費、5000円前後のPTA会費、1万~6万円の学年費、1000円~6万円の教材費、高い学校は9万円にもなる修学旅行費などの校納金が年間で必要になり、経済的に苦しい生徒の家庭では大きな負担になっています。中学生の中には、この経済負担から高校進学を断念する生徒もいると聞いていますので、保護者の収入に合わせた校納金の減免制度、もしくは、助成制度の新設を検討していただきたいと思います。
(29)学校施設の非構造物の耐震化
東日本大震災では1636校で天井材が、410校で照明器具が落下し、怪我をする児童生徒が続出したそうです。天井から吊ったテレビも落下したほか、体育館の天井や壁に固定してあったバスケットボールゴールの固定金具が破損して傾き、体育館に避難していた約400人が隣の校舎へ再度避難したという事例も報告されています。建物の耐震化を進めることは大事ですが、同時に天井や照明器具といった非構造材、さらには、設備機械等についても、県立高校の耐震化を進め、生徒の安全を守っていただきたいと思います。
(30)特別支援学校を障がい者の避難所として活用できる体制整備
東日本大震災では、障がい者が避難所に受け入れられなかったり、避難所の生活に困難が生じたりした事例が見られました。特別支援学校は障がい者を始めとする要介護者にとってのバリアフリー環境が整っていますので、あらかじめ福祉保健部と危機管理局、県教委の連携の下で、特別支援学校を障がい者を主として受け入れる福祉避難所に指定し、一般の避難所の備蓄品に加え、オストメイトや痰の吸引などの機器を備蓄しておくなどの整備を進められてはどうでしょうか。
(31)幼児教育におけるLD等特別支援員の新設
小中学校では学習障害(LD)の児童生徒に対応して、LD等特別支援非常勤講師が加配されていますが、保育園、幼稚園にはそのような加配はしていません。LDと思われる幼児は、早期にきちんとした教育的対応をしてから、就学させた方が、お子さんにとっても、受け入れる学校にとっても、教育的効果が大きいと思われます。県単独事業、もしくは、市町村への補助事業で、保育園、幼稚園へのLD等特別支援員の配置を検討していただきたいと思います。
(32)教育現場の非常勤教員の待遇改善
教育現場では特別支援学級支援やLD等特別支援、小規模サポートは非常勤講師で担われており、小学校現場では教職員定数2641人に対し、非常勤は511人、中学校現場では定数1472人に対し、非常勤175人と多くの非正規雇用がなされていますが、できるだけ非常勤ではなく、正規職員で雇用するように努めていただきたいと思います。また、高等学校の非常勤講師の給与単価は1コマ2540円で、週15時間前後の授業しかなく、夏休み等の長期休暇もあるため、年収にすると200万円を切っている非常勤職員が少なくないと聞いています。せめて、授業単価を国レベルの2790円に引き上げるなど、待遇の改善に努めていただきたいと思います。
(33)日本語未習熟児童生徒への配慮
日本語を母国語としない児童生徒が、授業の理解を手助けするためになされている教員の加配は現在、えも、日から3年を基準になされていますが、3年間では日本語の習得には短く、十分理解できないまま授業を受けている児童生徒も少なくないそうです。奈良県では渡日後5年を基本に特別加配がなされており、児童生徒の日本語能力に応じて、場合によっては、奈良県にならって3年以上の児童生徒でもあった加配をしていただきたいと思います。
(34)美術館・博物館の連携強化
美術館、博物館は学校教育、生涯教育を進める上で重要であるばかりか、観光立県を考える時には、その充実も求めらます。県の各施設のほか、県内の公民館や市町村庁舎などには地元作家から寄贈されたが、いつの間にか作者名も忘れられたような名品がたくさん眠っているように感じます。県立博物館を中心に各市町村と協力して、所有美術品・歴史資料の悉皆調査を実施し、文化財データベースを作成していただきたいと思います。完成後は各施設に公開し、各施設での企画展や常設展示で相互に他施設所有の美術品・歴史資料を展示して、各館の専門性と魅力をアップしていただきたいと思います。また、県東中部の施設に全部入れる因幡共通券、県西部の施設に全部入れる伯耆共通券を制作し、1館で終わるところを、もう1館を巡ってもらえるようにもしていただきたいと思います。
(35)不登校と自殺対策
不登校児童生徒の対応をするスクールカウンセラーをマンツウマンで、きめ細かく対応できるように加配していただきたいと思います。不登校をそのまま放置するといじめなどにつながり、お子さんが命を絶つような最悪なケースも想定されるからです。「うつ病は心の風邪で、治療すれば完治する病気。精神科の受診は何も恥ずかしいことなどないよ」というように誰もが考えることができるように、児童生徒に加え、教師、保護者を対象にした研修会やシンポジウムも開催する経費を計上していただきたいと思います。うつ病は早期に治療を開始すれば、快復も早いが、遅れると自殺へもつながります。児童生徒が十分に睡眠を取れているかなど、担任教師には児童生徒が精神疾患に罹患していないか十分な配慮を求めることに加え、疑われる症状を発見したら、すぐ専門医に受診することができるよう配慮をしていただきたいと思います。
調査2日目は大分県議会を訪れました。
鳥取県議会の伊藤美都夫議長が「志村議長さんとは議長会でお世話になっています。山陰と大分とは似た感じがある。山陰線と日豊線もそうですね。私たちが若いときは大分、宮崎は新婚旅行で有名で、あこがれの地。議会というものを県民の前にさらけ出し、倫理についても厳しいものがあり、特色があると思います。鳥取県議会も議会改革について試行錯誤をしているところ。勉強させていただきます」と挨拶し、調査をスタートさせました。
伊藤議長の挨拶には、大分県議会の志村学議長が応じていただきました。
「鹿児島は大分から一番離れているところなんです。議長会では国土交通委員会の委員長をしておりまして、伊藤さんは副委員長で、お世話になっています。それで、二カ所視察に行って国土交通省に提言しました。九州広域行政機構を立ち上げます。ですから地方から強く意見を出したい。西九州は新幹線に高速道路があり進んでいるが、東九州は遅れている。そこを何とかしたい。その思いで議会改革にも取り組んでいる。伊藤議長は新婚旅行の話をされましたが、銀婚式、金婚式で来られる人も多いんです。今度は皆さん、温泉に入りに来て下さい」。志村議長は笑顔でそう話されました。
議会改革の説明は議会事務局の坂田議事課長、渡辺秀一局長、岩本正士政策調査課長、政策法務班の鈴木敏郎主幹からお聞きしました。
(1)議会基本条例
①指定の経過
議会改革のための検討組織はH19年5月に「県議会改活協議会」をまず立ち上げた。副議長を座長に5会派から1人ずつ出て1年間議論した。政務調査費は1円から領収書を付け、透明化を図った。5000円から3000円に減額した。一括質問から、一問一答と分割方式を選べるようにした。政策条例を3つ提言し、制定した
H20年から「政策・活性化協議会」を設立した。地方自治法の改正があったので同法に基づく、協議の場にした。ところが、同年6月に教育委員会の不祥事がったことから、「議会のチェック機能強化検討委員会」を議会運営委員会の下に設置した。
当初、「政策・活性化協議会で」議会基本条例を検討していたが、「議会のェック機能強化検討委員会」へ議論の場を移した。H20年末からパブリックコメントを実施し、2月17日に素案を議長に報告した。3月18日に全員協議会で協議し、19日に議会運営委員会で審議し、26日に本会議で全会一致で可決した。
②主な論点・議論
・会派は必要か=会議規則や政務調査費にもあるので、できる規定として定めた
・議員連盟=定義からしないといけない。規定しない
・政務調査費=根拠条例がすでにあるので規定しない
・議員の倫理=倫理条例を別に定めるべきではないか。教育委員会不祥事で議論を始めたことから、具体的な基準が必要となった。
・議員全員の理解=全員協議会を開催した。
③制定による具体的な取り組み
・がん対策推進条例を制定
・13人の委員だった決算特別委員会を議長と監査委員を除く全議員で構成することにした。
・海外調査が議会ホームページで公表
・検討組織の設置
政策研究協議会(H21年~H22年)
議会機能強化検討協議会(H21年~H22年)
新政策構築協議会(H23年~H24年)
議会議論活性化協議会(H23年)
④新政策構築協議会
・H23年7月に設置。24年度末まで。議会の課題検証と、政策機能の強化が目的。
・8、9、10、11月と開催。政務調査費の見直し、政策テーマについて検討協議した。
(1)提案力の向上
①研修会
・地域主権改革推進に係る研修会(H22年7月、本会議で県議全員が参加。市町村議員や県職員も傍聴席で参加。行政企画課長だった田中聖也総務省行政企画官が講師)
・九州広域行政機構説明会(H23年9月、本会議場で県議全員が出席。総務部長、総務部審議監が説明した)
・大分県議会56分勉強会(H3年11月議会から。56代議長が提唱したので、会の名前にした。毎定例会一般質問中日の昼休み、議員の要望を聞いて議長が選定し、各会派代表者会で決定。議員全員と事務局職員が対象)
②調査権の条例への組み込み
・6条に規定したが、深い議論はなかった
③出前県議会
・県内を6ブロックに分けて開催。概ね7人の地元の人が意見発表し、議員と意見交換して2時間半程度。H18年から7回開催。今年度中に6回しようと思っている。
④広報
・1万5千部発行。
⑤議会出前講座
・小中学校を議員が訪問して、
・延べ2300人に説明した。
・昨年は3つの小学校と2つの中学校を訪問した。
⑥議員間討議の活性化
・議会議論活性化協議会をH23年7月に設置。常任委員会の活性化から議論をしている。
・志村議長の提案
新政策構築協議会
議会議論活性化協議会
議員定数の見直し(次の選挙から実施)
・議会事務局の充実強化(条例には規定なし。特に説明するようなことはしていない)
・一括質問は、検討したまとまった答弁が引き出せる VS 一問一答は、急な質問もあり、深い答弁はないが、傍聴者には分かりやすい。
以上のような説明を聴いた後、「綱領や覚書でもかまわないが、なぜ条例でなければならなかったのか」「どこでも政務調査費、倫理、執行部・県民との関係の3つが条例の主な内容。オンブズマンが鳥取では活発、住民訴訟にまで行きそうなった。大分県ではどうか」など多くの質問をしました。
こららの質問に対しては「実は教育委員会の不祥事がきっかけで、監視機能強化のために条例の話が出た。条例は当然の流れでだった」「政調費は平成18年分について訴訟を打たれた。改革の第一歩は政調費となった。領収書は1円以上必要となった。基準マニュアルを作った。裁判では3700万円の返還判決が出た。1会派が納得できないと控訴中」などと回答をいただきました。
議場も見学させていただきました。
議員席の最前列中央に質問者席があり、知事と議員が対面して議論するようになっていました。ここの議会棟も、鹿児島県議会棟同様、ホテルのように豪華でした。県の経済力を示しているようにも感じました。
鳥取県議会の伊藤美都夫議長が「志村議長さんとは議長会でお世話になっています。山陰と大分とは似た感じがある。山陰線と日豊線もそうですね。私たちが若いときは大分、宮崎は新婚旅行で有名で、あこがれの地。議会というものを県民の前にさらけ出し、倫理についても厳しいものがあり、特色があると思います。鳥取県議会も議会改革について試行錯誤をしているところ。勉強させていただきます」と挨拶し、調査をスタートさせました。
伊藤議長の挨拶には、大分県議会の志村学議長が応じていただきました。
「鹿児島は大分から一番離れているところなんです。議長会では国土交通委員会の委員長をしておりまして、伊藤さんは副委員長で、お世話になっています。それで、二カ所視察に行って国土交通省に提言しました。九州広域行政機構を立ち上げます。ですから地方から強く意見を出したい。西九州は新幹線に高速道路があり進んでいるが、東九州は遅れている。そこを何とかしたい。その思いで議会改革にも取り組んでいる。伊藤議長は新婚旅行の話をされましたが、銀婚式、金婚式で来られる人も多いんです。今度は皆さん、温泉に入りに来て下さい」。志村議長は笑顔でそう話されました。
議会改革の説明は議会事務局の坂田議事課長、渡辺秀一局長、岩本正士政策調査課長、政策法務班の鈴木敏郎主幹からお聞きしました。
(1)議会基本条例
①指定の経過
議会改革のための検討組織はH19年5月に「県議会改活協議会」をまず立ち上げた。副議長を座長に5会派から1人ずつ出て1年間議論した。政務調査費は1円から領収書を付け、透明化を図った。5000円から3000円に減額した。一括質問から、一問一答と分割方式を選べるようにした。政策条例を3つ提言し、制定した
H20年から「政策・活性化協議会」を設立した。地方自治法の改正があったので同法に基づく、協議の場にした。ところが、同年6月に教育委員会の不祥事がったことから、「議会のチェック機能強化検討委員会」を議会運営委員会の下に設置した。
当初、「政策・活性化協議会で」議会基本条例を検討していたが、「議会のェック機能強化検討委員会」へ議論の場を移した。H20年末からパブリックコメントを実施し、2月17日に素案を議長に報告した。3月18日に全員協議会で協議し、19日に議会運営委員会で審議し、26日に本会議で全会一致で可決した。
②主な論点・議論
・会派は必要か=会議規則や政務調査費にもあるので、できる規定として定めた
・議員連盟=定義からしないといけない。規定しない
・政務調査費=根拠条例がすでにあるので規定しない
・議員の倫理=倫理条例を別に定めるべきではないか。教育委員会不祥事で議論を始めたことから、具体的な基準が必要となった。
・議員全員の理解=全員協議会を開催した。
③制定による具体的な取り組み
・がん対策推進条例を制定
・13人の委員だった決算特別委員会を議長と監査委員を除く全議員で構成することにした。
・海外調査が議会ホームページで公表
・検討組織の設置
政策研究協議会(H21年~H22年)
議会機能強化検討協議会(H21年~H22年)
新政策構築協議会(H23年~H24年)
議会議論活性化協議会(H23年)
④新政策構築協議会
・H23年7月に設置。24年度末まで。議会の課題検証と、政策機能の強化が目的。
・8、9、10、11月と開催。政務調査費の見直し、政策テーマについて検討協議した。
(1)提案力の向上
①研修会
・地域主権改革推進に係る研修会(H22年7月、本会議で県議全員が参加。市町村議員や県職員も傍聴席で参加。行政企画課長だった田中聖也総務省行政企画官が講師)
・九州広域行政機構説明会(H23年9月、本会議場で県議全員が出席。総務部長、総務部審議監が説明した)
・大分県議会56分勉強会(H3年11月議会から。56代議長が提唱したので、会の名前にした。毎定例会一般質問中日の昼休み、議員の要望を聞いて議長が選定し、各会派代表者会で決定。議員全員と事務局職員が対象)
②調査権の条例への組み込み
・6条に規定したが、深い議論はなかった
③出前県議会
・県内を6ブロックに分けて開催。概ね7人の地元の人が意見発表し、議員と意見交換して2時間半程度。H18年から7回開催。今年度中に6回しようと思っている。
④広報
・1万5千部発行。
⑤議会出前講座
・小中学校を議員が訪問して、
・延べ2300人に説明した。
・昨年は3つの小学校と2つの中学校を訪問した。
⑥議員間討議の活性化
・議会議論活性化協議会をH23年7月に設置。常任委員会の活性化から議論をしている。
・志村議長の提案
新政策構築協議会
議会議論活性化協議会
議員定数の見直し(次の選挙から実施)
・議会事務局の充実強化(条例には規定なし。特に説明するようなことはしていない)
・一括質問は、検討したまとまった答弁が引き出せる VS 一問一答は、急な質問もあり、深い答弁はないが、傍聴者には分かりやすい。
以上のような説明を聴いた後、「綱領や覚書でもかまわないが、なぜ条例でなければならなかったのか」「どこでも政務調査費、倫理、執行部・県民との関係の3つが条例の主な内容。オンブズマンが鳥取では活発、住民訴訟にまで行きそうなった。大分県ではどうか」など多くの質問をしました。
こららの質問に対しては「実は教育委員会の不祥事がきっかけで、監視機能強化のために条例の話が出た。条例は当然の流れでだった」「政調費は平成18年分について訴訟を打たれた。改革の第一歩は政調費となった。領収書は1円以上必要となった。基準マニュアルを作った。裁判では3700万円の返還判決が出た。1会派が納得できないと控訴中」などと回答をいただきました。
議場も見学させていただきました。
議員席の最前列中央に質問者席があり、知事と議員が対面して議論するようになっていました。ここの議会棟も、鹿児島県議会棟同様、ホテルのように豪華でした。県の経済力を示しているようにも感じました。
議会改革推進会議の県外調査は鹿児島県議会からです。午前7時の汽車で鳥取を出て、鹿児島県議会議会棟に着いたのは午後2時。九州新幹線の速さを感じます。
鳥取県議会の伊藤美都夫議長が「基本条例を基本にしながら、住民との設定を大切にしていると議長会等でお聞きしてきました。鳥取県議会では到達点は見えてないが、一歩一歩進めている。改革の議論を始めて5年になるが、多数決をできるだけ廃して、議論している。今日はしっかり勉強させていただきます」と挨拶をされ、調査は開始です。
鹿児島県議会は議会基本条例検討・作成委員会で委員長を務めた永田議員が対応していただくきました。
「議会基本条例を聞かせてくれてということで鹿児島まで来ていただき、ありがとうございます。議会綱領を見させていただきましたが、高い立場から俯瞰されておられ、このままでも、議会条例になるんじゃないかと思います。私たちも参考になる条例を作ってください」という答礼を受けて調査開始です。
議会事務局の平田武志局長から県と議会の説明がありました。
定数は51。金子議長は就任して7年目に入った。自民35、県民連合(民主・社民)7、公明3、共産1,無所属5などなどです。議会基本条例と政策提案力の向上については東條広光議事課長から説明していただきました。
【条例制定の経緯】
H21年8月 日本で始めて議会基本条例を定めた神奈川県議会を視察
H21年12月 議会基本条例検討・作成委員会を設置。委員長は永田議員。
すべての会派から委員を出して10人で構成。13回の会議を9ヶ月間で開催
H22年9月 本会議で可決
【条例化にあたって議論した事項】
議員間討議 第12条で規定
会期 規定せず
付属機関 第14条で調査機関等の設置
一問一答式の導入 規定
知事の反問権 規定せず
【議会改革の具体的な取り組み】
質問者席の設置
賛否の公表
常任委員会の県内行政視察時に委員長が議会活動を紹介
予算特別委員会における総括予算審査方式の見直し
【制定どう変わったか】
議会改革の集大成として条例を制定した。
議員や議会の役割が説明しやすくなった。
提案力の向上については、議会事務局の加治佐幸子総務課長から説明をいただきました。県議は真剣な表情で、説明を聞いています。
【政策立案推進検討委員会】
会派代表者会議で決定。H19年6月から検討を始めた。
12項目を政策提言、2件の議員提案条例を可決した
【研修会】
全員協議会で勉強会を年1回実施している
【県民との意見交換会】
今年度から始まった。任期中に支庁・地域振興局単位で回る。
実行員会は各会派、若手議員、地元議員で構成。若手の3人がワーキングチーム
H23年10月29日 鹿児島地区 議員26人、県民38人
11月27日 大隅地区 議員20人、県民90人
議会広報・議会報告をパワーポイントで説明している。
アンケートの評価は上々。有意義だったと投稿もあった。
県民からの意見1件を知事に提案。一般質問も取り上げられた。
【その他の議会改革】
・災害対策協議会を常置。台風などについて対応
・事務局に政務法務・広報班を設置し、1名増員して議員をサポート
・九州広域行政機構への県議会の関わりは、会派代表者会議において議論している。論点整理のために設置した広域行政懇話会に本会議に参加している
その後、80分、分からない部分はじっくり聞き、意見交換もしました。永田議員は飾らしに、回答をいただき、本当に参考になりました。「なぜ条例にしたのか。綱領や申し合わせではいけないのか」「議会と住民、知事との関係」などなど多岐に渡りました。
最後に議場に案内していただきました。質問者席を議員席の最前列中央に移したのだそうです。でも、本当に立派な議場です。
議会は建物じゃない。議論の中身だ。そう自分に言い聞かせて、鹿児島県議会を後にしました。明日は6時半に起床して、大分県議会に行きます。
鳥取県議会の伊藤美都夫議長が「基本条例を基本にしながら、住民との設定を大切にしていると議長会等でお聞きしてきました。鳥取県議会では到達点は見えてないが、一歩一歩進めている。改革の議論を始めて5年になるが、多数決をできるだけ廃して、議論している。今日はしっかり勉強させていただきます」と挨拶をされ、調査は開始です。
鹿児島県議会は議会基本条例検討・作成委員会で委員長を務めた永田議員が対応していただくきました。
「議会基本条例を聞かせてくれてということで鹿児島まで来ていただき、ありがとうございます。議会綱領を見させていただきましたが、高い立場から俯瞰されておられ、このままでも、議会条例になるんじゃないかと思います。私たちも参考になる条例を作ってください」という答礼を受けて調査開始です。
議会事務局の平田武志局長から県と議会の説明がありました。
定数は51。金子議長は就任して7年目に入った。自民35、県民連合(民主・社民)7、公明3、共産1,無所属5などなどです。議会基本条例と政策提案力の向上については東條広光議事課長から説明していただきました。
【条例制定の経緯】
H21年8月 日本で始めて議会基本条例を定めた神奈川県議会を視察
H21年12月 議会基本条例検討・作成委員会を設置。委員長は永田議員。
すべての会派から委員を出して10人で構成。13回の会議を9ヶ月間で開催
H22年9月 本会議で可決
【条例化にあたって議論した事項】
議員間討議 第12条で規定
会期 規定せず
付属機関 第14条で調査機関等の設置
一問一答式の導入 規定
知事の反問権 規定せず
【議会改革の具体的な取り組み】
質問者席の設置
賛否の公表
常任委員会の県内行政視察時に委員長が議会活動を紹介
予算特別委員会における総括予算審査方式の見直し
【制定どう変わったか】
議会改革の集大成として条例を制定した。
議員や議会の役割が説明しやすくなった。
提案力の向上については、議会事務局の加治佐幸子総務課長から説明をいただきました。県議は真剣な表情で、説明を聞いています。
【政策立案推進検討委員会】
会派代表者会議で決定。H19年6月から検討を始めた。
12項目を政策提言、2件の議員提案条例を可決した
【研修会】
全員協議会で勉強会を年1回実施している
【県民との意見交換会】
今年度から始まった。任期中に支庁・地域振興局単位で回る。
実行員会は各会派、若手議員、地元議員で構成。若手の3人がワーキングチーム
H23年10月29日 鹿児島地区 議員26人、県民38人
11月27日 大隅地区 議員20人、県民90人
議会広報・議会報告をパワーポイントで説明している。
アンケートの評価は上々。有意義だったと投稿もあった。
県民からの意見1件を知事に提案。一般質問も取り上げられた。
【その他の議会改革】
・災害対策協議会を常置。台風などについて対応
・事務局に政務法務・広報班を設置し、1名増員して議員をサポート
・九州広域行政機構への県議会の関わりは、会派代表者会議において議論している。論点整理のために設置した広域行政懇話会に本会議に参加している
その後、80分、分からない部分はじっくり聞き、意見交換もしました。永田議員は飾らしに、回答をいただき、本当に参考になりました。「なぜ条例にしたのか。綱領や申し合わせではいけないのか」「議会と住民、知事との関係」などなど多岐に渡りました。
最後に議場に案内していただきました。質問者席を議員席の最前列中央に移したのだそうです。でも、本当に立派な議場です。
議会は建物じゃない。議論の中身だ。そう自分に言い聞かせて、鹿児島県議会を後にしました。明日は6時半に起床して、大分県議会に行きます。
大学受験のためのセンター試験が終了しました。実は私の娘も受験していました。
私は共通一次世代で、思えば、もう30年前になるんですね。歳を取ったものだと思います。受験勉強は本当に大変ですが、結構、社会人になっても役に立ちますので、受験生の皆さん、安心して下さい。
例えば、数学は、ものごとを考えるとき、本当に役立つと思います。前提条件はこれで、途中、思考を重ねて、最後の結論に至る過程に習熟しておくことは悪くありません。
また、世界史を学んで良かったと思えるのは、時代ごとに世界の各地で何があったのか、ちょっと格好をつけさせていただければ、3次元的な世界観を持てるようになったことだと思います。グローバル化というのは昔からあり、各地域が相互に影響し合っていることが良くわかります。
センター試験が終わっても、これから大学別に前期、後期と受験本番です。センター試験がうまくいかなかった人は挽回できるように、うかくいった人はその優位を最後まで保てるように頑張ってください。あと、1か月余りです。ご健闘を祈ります。そして、できましたら、鳥取大学か、新年度から公立大学に生まれ変わる鳥取環境大へ進学してください。鳥取は住みやすい土地です。若者に優しい街です。皆さんを心から歓迎いたします。
先週は水曜日から金曜日まで、岡山、徳島、高知に県外調査へ行きましたが、土日は友人のお母さんの葬儀への出席などでバタバタして、そして、この月曜日と火曜日は鹿児島と大分の県議会へ、議会改革の調査へ行ってきます。1月は議会休会中なので、少しは本を読んだり、家族と過ごす時間が取れると期待したのですが、どうも難しいようです。ほんと、県議がこれほど忙しいとは思いませんでした。
私は共通一次世代で、思えば、もう30年前になるんですね。歳を取ったものだと思います。受験勉強は本当に大変ですが、結構、社会人になっても役に立ちますので、受験生の皆さん、安心して下さい。
例えば、数学は、ものごとを考えるとき、本当に役立つと思います。前提条件はこれで、途中、思考を重ねて、最後の結論に至る過程に習熟しておくことは悪くありません。
また、世界史を学んで良かったと思えるのは、時代ごとに世界の各地で何があったのか、ちょっと格好をつけさせていただければ、3次元的な世界観を持てるようになったことだと思います。グローバル化というのは昔からあり、各地域が相互に影響し合っていることが良くわかります。
センター試験が終わっても、これから大学別に前期、後期と受験本番です。センター試験がうまくいかなかった人は挽回できるように、うかくいった人はその優位を最後まで保てるように頑張ってください。あと、1か月余りです。ご健闘を祈ります。そして、できましたら、鳥取大学か、新年度から公立大学に生まれ変わる鳥取環境大へ進学してください。鳥取は住みやすい土地です。若者に優しい街です。皆さんを心から歓迎いたします。
先週は水曜日から金曜日まで、岡山、徳島、高知に県外調査へ行きましたが、土日は友人のお母さんの葬儀への出席などでバタバタして、そして、この月曜日と火曜日は鹿児島と大分の県議会へ、議会改革の調査へ行ってきます。1月は議会休会中なので、少しは本を読んだり、家族と過ごす時間が取れると期待したのですが、どうも難しいようです。ほんと、県議がこれほど忙しいとは思いませんでした。
最終日の3日は高知県庁から調査を始めました。
議会棟に入ると耐震のために工事した梁がありました。木で囲ったことで、いい感じです。いずれの官公庁も、しっかり耐震工事して長く使おうちというのが、基本です。なぜそういう発想にならないのか、鳥取市の方針は理解に苦しむばかりです。
議会事務局の鍵山和司局長には鳥取県の友人からもらったという梨のバッジを付けて出迎えいただきました。
定数39ですが、35に減数となりそう。自民21人、共産5人、公明3人、民主党県民クラブ3人(民主1人、社民2人)、県政会3人(保守系)、南風2人、みどりの会1人の7会派。政策条例は14件提出され、11件可決し、3件否決。議会基本条例も作った。10人の新人も入ったので議会改革を進めている。
工賃倍増計画については障がい者就労支援チームの小松仁視チーム長から説明していただきました。小松さんは女性でした。
工賃は5年間で下がったり、上がったりで、トータルで微増。障がい者、その家族の意識は自立ではなく、居場所作りだったが、工賃は上げなくてはという意識の醸成はできた。
33施設に経営コンサルを派遣。これから実践したという施設には商品開発アドバイザーを派遣している。ニラの生産量は日本1。葉を整理、結束する人手がない。23年度から取り組みを始めた。17施設でやっている。
多くは学校などで福祉施設だからと買ってもらっている。一般企業よりも良い商品で勝負すべきなのに、冷凍のパン生地だったりとうまくいっていない。しかも、営業マンもなく販路開拓が出来ていない。そこで、全事業所に工賃倍増計画をつくってもらおうとしている。
A型でも、許可を取って4万円の事業所もある。A型は工賃倍増計画に入っていないが、支援はしていきたい。22年度実績でB型は平均16000円、最高は48000円もある。11万円の人もいる。大手3社からもらっている。最低は4700円しか払えていない。ここは障がいが重い場合は多い。
来年度策定する計画では、事業所は全部B型になる。どんな事業を提供していくのか。頑張る障がい者がいて、しっかりした経営者がいる。そんな事業所を応援したい。
ファーストステージ:経営コンサルを入れ、セミナーを入れ、施設長と就労支援員の意識を変えようとした。
ネクストステージ:企業とのパートナーシップを組む。可哀想だから買ってもらうのではなく、福祉施設は機具など補助金で設置。減価
償却が必要ない分、価格に反映されて市場で評価されるようにしたい。ワークスの100円ケーキが人気。良い品を安くということで、市場で勝ち残ることが大事。来年度は6カ所程度売り場を確保して、ワークス以外にも広げたいと思う。しかし、トータルのプロデュースしてくれる人が必要となる。
平成21年度から社会就労協議会に委託し、企業から下請けの仕事を取ってくるようにした。単発で、複数の仕事が組み合わさって出てくる。企業は何施設も当たらないといけなくなり、そこでストップしていた。受注窓口になり、作業を分割したりして企業の負担を軽減した。そして、検品まで担当している。その結果、信用を得て、通年の仕事、工賃のいい仕事が回ってくるようになった。
発達障がいは環境に配慮すれば働き続けることができるようになった。そこで、食品加工などで作業手作りに来年度から取り組む。高知大に発達障がいの研究プロジェクトチームがあり、連携している。
以下は質疑、意見交換です。
・77施設には生活介護になるのは5カ所もない。残りはB型へ移行する。
・利用料払っているところもあれば、払っていないところもある。授産会計で払うのでなく、積み立てて福利厚生に使っているところもある。
・官公庁からの発注を促進している。入札でも障がい者の雇用があれば配慮している。
・アドバイサー事業は150万円だったので、3人。全国から1本釣りでお願いしている。来年は1000万円の予算になる。
・農業もスピードが必要。農業で工賃を確保するのが大変。タマネギは種で作ればいいか、苗だと高い。専門家を派遣している。直売所は100億円規模。農作業が好きな障がい者もいる。
・県の農業普及員のOBを活用。日に5000円くらいでサポートしてもらっている。
・ハウス農業が中心。露地物で生産している。JAはハウスで東京へ出している。
・ニラを持って帰ると劣化する。作業もちょっと広くないといけない。で、自分でやろうということになった。
・ニラはコストが低く、年中できる。臭いが問題で若い農家は減っている。
・ニラは腰が痛くなる。トマトなど実のなるものが喜ばれる
・園芸で食べている県。苗で病気が出ると保障問題になると止められた。リスクが高すぎる。
・ショウガも日本1。踏み込んでいる農家もある。
議会棟に入ると耐震のために工事した梁がありました。木で囲ったことで、いい感じです。いずれの官公庁も、しっかり耐震工事して長く使おうちというのが、基本です。なぜそういう発想にならないのか、鳥取市の方針は理解に苦しむばかりです。
議会事務局の鍵山和司局長には鳥取県の友人からもらったという梨のバッジを付けて出迎えいただきました。
定数39ですが、35に減数となりそう。自民21人、共産5人、公明3人、民主党県民クラブ3人(民主1人、社民2人)、県政会3人(保守系)、南風2人、みどりの会1人の7会派。政策条例は14件提出され、11件可決し、3件否決。議会基本条例も作った。10人の新人も入ったので議会改革を進めている。
工賃倍増計画については障がい者就労支援チームの小松仁視チーム長から説明していただきました。小松さんは女性でした。
工賃は5年間で下がったり、上がったりで、トータルで微増。障がい者、その家族の意識は自立ではなく、居場所作りだったが、工賃は上げなくてはという意識の醸成はできた。
33施設に経営コンサルを派遣。これから実践したという施設には商品開発アドバイザーを派遣している。ニラの生産量は日本1。葉を整理、結束する人手がない。23年度から取り組みを始めた。17施設でやっている。
多くは学校などで福祉施設だからと買ってもらっている。一般企業よりも良い商品で勝負すべきなのに、冷凍のパン生地だったりとうまくいっていない。しかも、営業マンもなく販路開拓が出来ていない。そこで、全事業所に工賃倍増計画をつくってもらおうとしている。
A型でも、許可を取って4万円の事業所もある。A型は工賃倍増計画に入っていないが、支援はしていきたい。22年度実績でB型は平均16000円、最高は48000円もある。11万円の人もいる。大手3社からもらっている。最低は4700円しか払えていない。ここは障がいが重い場合は多い。
来年度策定する計画では、事業所は全部B型になる。どんな事業を提供していくのか。頑張る障がい者がいて、しっかりした経営者がいる。そんな事業所を応援したい。
ファーストステージ:経営コンサルを入れ、セミナーを入れ、施設長と就労支援員の意識を変えようとした。
ネクストステージ:企業とのパートナーシップを組む。可哀想だから買ってもらうのではなく、福祉施設は機具など補助金で設置。減価
償却が必要ない分、価格に反映されて市場で評価されるようにしたい。ワークスの100円ケーキが人気。良い品を安くということで、市場で勝ち残ることが大事。来年度は6カ所程度売り場を確保して、ワークス以外にも広げたいと思う。しかし、トータルのプロデュースしてくれる人が必要となる。
平成21年度から社会就労協議会に委託し、企業から下請けの仕事を取ってくるようにした。単発で、複数の仕事が組み合わさって出てくる。企業は何施設も当たらないといけなくなり、そこでストップしていた。受注窓口になり、作業を分割したりして企業の負担を軽減した。そして、検品まで担当している。その結果、信用を得て、通年の仕事、工賃のいい仕事が回ってくるようになった。
発達障がいは環境に配慮すれば働き続けることができるようになった。そこで、食品加工などで作業手作りに来年度から取り組む。高知大に発達障がいの研究プロジェクトチームがあり、連携している。
以下は質疑、意見交換です。
・77施設には生活介護になるのは5カ所もない。残りはB型へ移行する。
・利用料払っているところもあれば、払っていないところもある。授産会計で払うのでなく、積み立てて福利厚生に使っているところもある。
・官公庁からの発注を促進している。入札でも障がい者の雇用があれば配慮している。
・アドバイサー事業は150万円だったので、3人。全国から1本釣りでお願いしている。来年は1000万円の予算になる。
・農業もスピードが必要。農業で工賃を確保するのが大変。タマネギは種で作ればいいか、苗だと高い。専門家を派遣している。直売所は100億円規模。農作業が好きな障がい者もいる。
・県の農業普及員のOBを活用。日に5000円くらいでサポートしてもらっている。
・ハウス農業が中心。露地物で生産している。JAはハウスで東京へ出している。
・ニラを持って帰ると劣化する。作業もちょっと広くないといけない。で、自分でやろうということになった。
・ニラはコストが低く、年中できる。臭いが問題で若い農家は減っている。
・ニラは腰が痛くなる。トマトなど実のなるものが喜ばれる
・園芸で食べている県。苗で病気が出ると保障問題になると止められた。リスクが高すぎる。
・ショウガも日本1。踏み込んでいる農家もある。