皆さんからお聞きした要望や願いを会派要望書として県知事に提出しました。
(1)地下水調査への着手
「とっとりの豊かなで良質な地下水を保全し永続的な利用に関する条例」の審議過程では、県に地下水の管理権があることを明記すべきではないかという議論もありましたが、前文で「県民共有の財産」と定めるに止まった理由は、地下水を公水と定め、県に地下水を管理する権限を付与しても、地下水に関する研究は始まったばかりで知見が余りに少ないため、現実には管理することができないのではないか。そればかりか、県に管理権を明記することで、地下水を汚染したり、枯渇させたりした者に対して、被害を受けた地下水利用者らが直接救済を請求する妨げになるのではないかという配慮が働いています。同条例は平成28年末を目途として検討を加えることを明記していることでもあり、鳥取大学や鳥取環境大学と連携して、地下水の研究を本格化するための予算を計上していただくことを望みます。
(2)鳥取版節水涵養施設の開発
鳥取県議会は昨年末、「とっとりの豊かなで良質な地下水を保全し永続的な利用に関する条例」を制定しましたが、残念ながら知見の不足などから涵養と節水、水質に関する条文を付加することは先送りしました。スペインのトレドやイタリアのベネチアなどに残る古代ローマ時代の井戸は、地下水を汲み上げるだけでなく、聖堂の屋根などに降った雨水を井戸に戻す水路が設けられているものが現存しています。また、熊本では加藤清正が開発した菊水地域のザル田が、江津湖に湧き出る地下水を涵養していることも分かっています。雨水を戻しながら地下水を利用するローマ時代の井戸や熊本のザル田は、灌水と節水に関するひとつの回答であり、象徴的システムではないでしょうか。古代ローマの井戸やザル田のような施設を開発し、豊かで良質な地下水のシンボルとしていただくことを望みます。
(3)非住宅用太陽光発電補助金の継続
太陽光発電システムを企業に導入してもらうことが、再生可能エネルギーを普及し、平井県政の掲げる環境イニシアティブを積極的に推進することになると提言を続けて参りましたが、保護施設、障害者支援施設、児童福祉施設、病院、診療所、私立小・中・高等学校、農業施設等の非住宅建築物に出力4KW以上の太陽光発電システムを導入する法人等に、1kwあたり37万円、500万円を上限に必要経費の2分の1を助成する支援制度を新設して予算化していただき、心から感謝申し上げます。3350万円の予算額に対して5.4倍の1億7961万円もの申請があったということは、それだけ補助金が県民ニーズにあったものであり、使い出のいい補助金であったことを示していると考えます。福祉生活病院常任委員会の議論の中で、「この制度はばらまきである」との批判がありましたが、この批判は県民ニーズを無視したものであるばかりか、企業や病院などの法人も県税を支払い、雇用と県民所得を創出する県政を支える大切な存在であることを理解しない意見と言えるのではないでしょうか。こうした意見に惑わされることなく、県民の人気の高いこの制度を新年度も維持し、さらなる拡充を求めます。
(4)太陽光発電事業者向け補助金制度の更なる拡充
太陽光発電所を新設する場合、建設用地が平坦で、かつ、地盤改良が必要としないときは、太陽光パネルを設置し、制御機器に配線するだけでよく、建設を開始して売電を開始するまでの期間は数ヶ月で済み、この間の利子補給額は事業費に比べ、微々たるものだそうです。その一方で、初期投資額に対する年間の想定利益は少なく、長期間の返済期間を設定せねばならず、返済する利子総額は大きくなるものと見込まれます。従って、発電までの利子補給という制度では不十分と考えます。また、系統連携費用も、発電所を都市部に新設しようと場合は、直近まで送電線は来ており、企業にとってのメリットはほとんどないとも聞きます。発電事業は送電ロスが大きいので、発電する場所と電気を消費する場所は出来るだけ近い方が効率的でもあるので、中山間地域よりも、より都市部に発電施設が設けられるよう政策誘導すべきであるとも考えます。加えて、環境イニシアティブを鳥取県に確立するためには、再生可能エネルギーを増やすことが必要ですが、家庭や事業所単位で進めるよりも、発電所規模で増やしていく方が効率的であると言えるのではないでしょうか。以上のような理由から、太陽光発電事業者に対する補助金制度は、発電量を基準に一定額を支給するよう制度設計していただきますよう強く求めます。
(5)太陽光発電機器業者を育成するための助成金の新設
太陽光発電パネルの製造は県内ではなされていませんが、パワーコンディショナーやキュービクルなど太陽光発電用の制御機器は県内でも製造されています。これらの部品は成長産業の分野であると同時に、国際間、あるいは、企業間の厳しいに競争にさらされている。県内で成長が期待される分野であり、製造している企業が発展することが雇用創造にも繋がると考えるので、県民および県内企業が太陽光発電装置を設置するにあたって、県内メーカーの機器を使用した場合は、思い切った補助金等を支給されるよう予算措置を求めます。
(6)郵政グループと連携したPR活動の展開
郵政改革関連法案の成立を受けて10月1日、新生郵政グループが誕生しました。新しい営業展開が新年度から始まりますが、その中でも、郵便局ネットワークを使った新しい広告ビジネスの開始が予定され、鳥取県のPRに積極的に活用してはどうでしょうか。JRタワーに象徴されるように各地に中央郵便局の立地は駅前の一等地ばかりです。大都市圏にPRする場合、こうした郵便局にポスターを掲示したり、イベントを展開したりすれば、宣伝効果は大きいと考えます。早急に因幡・伯耆の両郵便局長会と緊密な連絡を取りつつ、協力を仰いでしっかりと県の発信に取り組んでいただくよう求めます。八頭町の農業生産者は、大阪市の阿倍野区、住吉区の郵便局と提携して物産展を展開しているパイロット事業と取り組んでいる前例もあるので、是非とも検討していただきたいと思います。
(7)郵政グループとの連携強化
公共料金の振り込みや災害時の対応などで、県と郵便局は、連携はしているものの、郵政公社当時と比べ、県との定期的な意見交換会もなくなり、その連携は希薄になっていることを非常に残念に思っています。新郵政グループへの移行で、企業としての柔軟性が高まっていることから、連携を再度強化し、郵便局の営業拠点網を、観光のインフォメーションセンターとして、また、地域への情報発信の拠点としても活用できる方法を検討していただくことを求めます。
(8)「もり人」創設による中山間地の管理
限界集落であったり、交通が不便であったりする農林業の条件不利益地域では、就農を継続するために特別の支援制度が必要であるのではないでしょうか。公的資金の投入による直接支払いには慎重論もありますが、地球温暖化防止、森林の管理、水利の確保、有害鳥獣害対策といった意義と合わせ里山の総合管理を推進する制度が必要と考えます。その意味では県畜産農業協同組合が提唱している「もり人制度」は検討に値するものと考えます。これは、農林業の条件不利地域を指定したうえで、10ヘクタール程度毎に「もり人」を置いて、里山面積に応じ、10アールあたり4万円程度を支給する直接支払い制度を設け、里山の下刈りや枝打ちなどの森林の管理、泥上げなど水路やため池の管理などを担ってもらおうというものです。直接支払い制度について、戸別所得補償制度を巡って、税金のばらまきの典型との批判があることは承知していますが、家庭毎のパン購入費が米穀購入費を上回っているような状況を考えますと、やはり決断すべきではないでしょうか。
「新規就農者の支援策充実」の項でも述べましたが、NPO法人「学生人材バンク」の活躍もあって、鳥大卒業生を中に中山間地に移住して農業をする若者が増えていますので、こうした新規就農者を支援する意味でも、「もり人」制度の導入と必要経費の新年度予算への計上をお願いしたいと思います。
(9)県産米ブランド化の支援
イメージの良い生産地や独特の栽培方法をしている米は人気があり、そうした米を希望する企業や生協に対してJAは要望に応じて地域米を優先して販売しています。JAいなばは24年度、ひとめぼれを若狭地区はタニタ食堂に4,000袋、智頭地区は大阪いずみ市民生協に11,000袋に出荷し、岩美地区はコシヒカリをイトーヨーカドーにも販売しています。タニタ食堂は、計量機器メーカーであるタニタが発刊したレシピ本「体脂肪計タニタの社員食堂」(大和書房)がベストセラーになったため、タニタが東京・丸の内にオープンしたレストランで、ここに採用されてというだけで、知名度は大きくアップします。こうした実績が生まれてきた今こそ、県産米を売り出すべきだと考えますし、JAいなばも「JAいなば産米」との商品名で販売攻勢をかけたい意向をお持ちです。まず、東京、関西、名古屋の各本部の職員および県費で配置されている物産協会職員が、JAと共に有名飲食店を回って試供品を料理長に提供したり、生協、スーパーのバイヤーとの商談に同席したりするなど販促活動を支援していだきたいと思います。加えて、やはり、ブランド化を推進するために、美味しくなければなりませんおで、いなば米の品質向上のためにJAいなばが導入を計画している若狭、岩美、智頭の各地区への高性能乾燥機に対して、応分の支援ができるように新年度予算に必要額を計上して頂きよう求めます。
(10)有害鳥獣対策の推進
山里に深刻な被害をもたらす有害鳥獣といえども、自然環境を形成する生き物であることに間違いはありません。一方で、鳥獣被害は農産物に大きな被害を生じていることに止まらず、鳥獣に襲われたり、交通事故を発生させたりと人命への危険まで生じています。現在、隣接する農家が協力して農地を囲うように設置する場合には補助金が交付され、一定の効果を挙げていると評価できますが、対処療法的で抜本的対策とは言えない面があります。そこで私たちが鳥獣被害の抜本的対策として提案するのが、中山間地を鳥獣の生息地、緩衝帯、人里に分けてのゾーニング管理です。鳥獣の生息地では、枝打ちや下草刈りなどと取り組み、餌となる木の実が豊かになる森に育てます。J-VERを取得して原資を得る、あるいは、この要望書で提言した「もり人」に管理をしてもらうという方法がいいのではないかと考えています。緩衝帯と人里の間には、ワイヤーメッシュの電気金網などの侵入防止柵を設けることも必要です。市町村や農協、2戸以上の農家が主体となって設置する場合には、補助金を給付する制度がありますが、農地を守るために柵を設ける既存の制度に加え、緩衝帯と人里を区別するために柵を設ける場合にも拡張し、新年度予算に計上される侵入防止柵関連予算を増額していただくよう求めます。
(11)新規就農者による耕作放棄地対策
県酪農民連合会から「人農地プラン」の運用にあたっては、マスタープランを策定するなど将来の道標になるように指導支援をしていただきたいと県に対して要望が出されましたが、県農政課・経営支援課は「みんなでやらいや農業支援事業」を活用していただきたいと回答されています。しかしながら、同事業は、土地基盤に関する整備、畜産(耕畜連携除く)に関する事業、集落営農(法人は除く)は対象とならいシステムとなっており、同連合会の要望に応えることができないように思われますので、畜産や集落営農等も加える方向で制度を改善していただきたいと思います。また、がんばる農家プラン事業についても、都市と農山村との交流、農家民宿、加工、販売など6次化を目指した新規就農者を積極的に対象に選定し、農山村への新規定住者を増加させていただきたいと望みます。若者がNOP法人「学生人材バンク」の長年の活動が実を結んで、船岡や河原、日野などの地域に若者が移住するなどの動きがでている。農産物の栽培に加えて、得意のインターネットを駆使して地場産品やその加工品を販売したり、民宿の営業をしたりしていますが、彼らのそうした活動を支援することが、鳥取県の農業の明日を拓くことになると期待しています。この制度変更が実効あるものになるよう新年度予算に必要額を計上されるように求めます。
(12)網掛け施設の網更新支援
害虫防除と紫外線対策として、梨1個1個に袋がけがされてきましたが、10年程前から梨畑をまるまま網で囲ってしまう網掛け施設の導入が進んできています。袋がけに比べ、袋掛け施設は農作業の手間が格段に軽減されるだけでなく、袋がない分、梨一つ一つを直に目で確認して一番適切な時期に収穫することもできるため、美味しい梨の出荷にも貢献するそうです。網掛け施設そのものは20年以上持つとされていますが、網は10年前後が耐久年数とされ、特に昨年は強風による被害も大きかったため、全栽培面積の約1/3が更新時期を迎えていると見られています。「新甘泉」「なつひめ」といった新品種は「やらいや果樹園事業」で補助を得ているものの、在来品種は補助がありません。網代が高騰したため、更新費用は10アール当たり150万円前後にもなり、網掛け施設に問題はないものの、網の更新を諦めて路地に戻す農家も出てきているそうです。JA西部の調査によると、同管内の網掛けをした梨畑の面積は、新品種が911アール、サンゴールド系が321アール、二十世紀など在来種が453アールの計1686アールで、更新費用は2億7900万円と試算され、30%程度の補助とすると予算額は6200万円となりそうです。網の更新は梨産地の基盤維持に大きく貢献するので、更新費の補助を強く求めます。
(13)小水力発電の拡充
県内の水力発電の現状は中国電力が14カ所で計3万5592KW、県企業局が7カ所で計3万6300KW、JAなどが15カ所で計2954KW。このうち、中国電力の4カ所計1732KWとJAなどの分が1000KW以下の小水力発電はとなります。今年度予算では農業農村小水力発電施設導入事業として2億8000万円、農業農村自然エネルギー利活用支援事業として1800万円が計上されているが、環境イニシアティブを確立するために新年度予算でも継続拡充していただきたい。JA等の15カ所の小水力発電所のうち、古布市(平成11年)と新日野上(平成2年)を除き、13カ所は昭和28年から同36年にかけて建設されたもので老朽化しており、改修等に多額の費用が必要で、売電価格が35円に上昇したといっても、単独の改修には無理があるので、補助制度の新設が必要と考えます、また、これらの発電所はJAには重荷となっており、県企業局や市町村への移管はできないかという考えもお持ちなので、移管の検討を求めたいと思います。
(14)酪農ヘルパー事業の支援
酪農は、生き物を相手に365日間休むことなく作業を続けなければならないので、酪農家は家族で旅行することはもちろん、病気をしてもなかなか休むことはできませんでした。そこで、酪農家の長年の願いであった、この厳しい労働条件の改善を実現したのがヘルパー制度で、現在、全国では68%の酪農家が利用しています。酪農家が農作業をできない日にヘルパーが代わって作業を行なう病傷型と、決まった日にヘルパーに来てもらう定休型があり、県内では定休型を90戸が延べ2103日利用し、病傷型は16戸が300日利用しているが、利用料金は決して安くなく、利用料金を軽減することが、利用日数の増加に繋がり、その結果、酪農経営に「ゆとり」が生まれ、酪農への新規就業や就農継続が見込まれるという。従って、酪農ヘルパー事業は継続拡充すべきものと考えます。新年度中は現行制度を継続しつつ、平成25年度以降の新しい制度を模索するため、調査費を新年度予算に計上するよう求めます。
(15)自給飼料増産の支援
国産の飼料米や飼育作物と輸入飼料であるトウモロコシの価格はキロあたり10円~15円の差額があり、飼料の自給の足かせとなっていますので、この差額分を国が負担する制度を新設するように県として国に強く求めていただきたいと思います。県酪農民連合会の県への要望に対して、県畜産課は飼料生産でも戸別所得補償制度や耕畜連携助成制度の対象となり、補助金を得ることが出来ること、さらには農家のコスト削減意欲が減退することを理由に拒絶されたとお聞きしております。戸別所得補償制度では価格差が解消されないから、飼料の自給が進まないのが現状でありますし、政権交代で戸別所得補償制度も先行きが不透明になりました。加えて、耕畜連携助成事業は水田を飼料作物に転作した場合に適用されるもので、水田転作以外は補助金を受け取ることが出来ません。また、農家のコスト意識の指摘が希薄になるとも指摘されていますが、200ヘクタールでも小規模というブラジルのトウモロコシ農家と競争せざるを得ない現状をどうのように認識されているのでしょうか。生産が採算ベースに乗るように集団営農化やコスト削減などに指導しつつ、価格差を埋めるような制度を国に強く求めると共に、県独自の補助金も検討をしていただきたいと思います。
(16)農業会議の財源確保
農業委員の研修等(896万円)、農地法等に基づく法令業務と組織運営費(1360万円)、農地制度改正の周知徹底(1067万円)、県版「農の雇用事業」(8400万円)が平成24年度予算に組まれていますが、農業会議が農業委員会法や農地法基づいて設置された組織であり、農業経営の改革や新規就農者の支援に欠かせない重要な組織であることから新年度予算においも、昨年度並みの予算を確保されるように求めます。現在、県内では約400人の農業委員が58万5千カ所の農地を担当する一方、約1600人の民生委員が58万8千人の世話をしています。もちろん、農地と人間を同様に考えることは出来ませんが、農業委員数そのものが全く足りないのではないかという指摘もあります。加えて、地方自治体の広域合併で公選の農業委員が増え、JAや共済組合、土地改良から選ばれる選任の農業員が増えたことで、地区代表というイメージが強く成りすぎて地域全体の農業問題を考える雰囲気が失われつつあるとか、女性の社会進出が不十分な農村も少なくなく、その結果、女性の農業委員が減っているという批判もなされています。定数、選出方法など農業委員のあり方についても、検討を始めていただくことを望みます。
(17)高度衛生管理基本計画の策定
境港地域では「さかいみなと 漁港・市場活性化協議会」を立ち上げ、高度衛生管理基本計画の策定に向けて意見集約がなされています。これまで各漁港で制定された計画を参考にしてより良い計画にするには、大きい企業や団体だけでなく、地元の中小事業者にこそ視察していただきたいと思います。境港水産振興協会は、昨年8月に策定した青森県八戸漁港と宮城県気仙沼漁港を15人で2泊3日の旅程で視察する計画を立案しておられますのが、1人あたりの旅費は11万円になり、中小事業では負担が難しいとのことです。そこで旅費165万円の助成を求めます。
(18)市場観光利用促進事業
専門ガイドによる境漁港ツアーは平成24年度から開始され、同年10月末現在で、1285人が参加されています。専門ガイド2人を雇用してツアーが実施されていますが、ガイドとして成長することは、水産業PRの担い手や魚食普及の担い手の育成でもあります。中学生以上の612人から300円の参加費を徴収していますが、総事業費522万円にはほど遠く、残りの45%を県と境港市、10%を事業主体である境港水産振興協会が負担しています。新年度も、当年度の同額の234万9千円の当初予算への計上を求めます。
(19)水産業PR活動の支援
東京国際展示場「東京ビックサイト(東京都台東区有明)」で昨年7月20~22日に開催された「ジャパン・インターナショナル・シーフードショー」に境港水産振興協会の公募に応じた7社が出展されました。事業費として100万円が県費で予算化されましたが、1000社以上と商談をし、うち、700社から見積もりの依頼があったと聞いており、かなり大きな反響と言えるのではないでしょうか。境港水産振興協会は再度出展する計画をお持ちのようですから、新年度予算に出展事業費を計上していただくよう求めます。
(20)木材生産の低コスト化
鳥取県は県土の約7割を森林が占める「森林県」であり、森林は木材生産だけでなく、水源の涵養、国土の保全、生物多用性の維持など様々な機能を有していますので、林業が国際競争力を失い、公的資金への依存度が高まって産業としての存在意義が問われるところまで追い詰められているからといって、安易な財政抑制は問題があると考えます。しかも、県内の人工造林の多くが戦後造林されたもので、伐期を迎えています。伐期を迎えた樹木は、木材として搬出し、新たに造林しなければなりませんが、木材価格が低迷している一方、樹木の伐採、搬出経費は変わっていませんので、その結果、切っても利益がないので放置される森林が増えているのが現状です。木材価格の上昇が見込めない以上、森林組合が進める森林の団地化を支援する形で、路網を整備して機械化していくべきではないでしょうか。緑の産業再生プロジェクトによる作業道整備は適用箇所が限定されるため、地域の実情にあった道路網を整備するためには県独自の予算で補完してあげることが必要であり、加えて、高性能林業機械や搬出運搬用機械の導入への支援も大切だと考えます。これらの予算化を森林組合が進める森林の団地化を進める形で新年度予算に事業費を計上していただくよう求めます。加えて、間伐材搬出事業の継続も求めます。
(21)木質バイオマス発電の実現
木質バイオマス発電に使う木材は、燃えればよく、木目や硬度などは問いません。これまで価値のなかった森林内の倒木、間伐材、製材過程で出る木の皮、大鋸屑、端材の用途を生み出すことができます。そこで、県内にも木質バイオマス発電所の建設を提言します。会派の国岡議員が一般質問で提言を繰り返しておりますので、是非とも予算していただいたいと考えます。智頭町では、地域住民が集めた切り捨て間伐材を、智頭町内だけで使える地域通貨で支って集める木の宿場プロジェクトをNPO法人の賀露おやじの会が中心になって進めています。地域通貨を使うことで、地域経済の活性につながることから公的資金導入や寄付金(プロジェクトとでは志金と呼んでいます)集めにも、根拠を与えることができるというメリットもあります。木質バイオマスタウン構想を進める岡山県真庭市では、同様の集荷システムを行政が中心になって進めていますので、実現性は低くないと考えています。木質バイオマス発電所が採算に乗るかどうかは、木材をどれだけ低価格で集めることができるかにかかっていますので、森林組合や関係市町村とも密接な連携を取りながら、鳥取県の実情にあったシステムを創造し、全県的導入に導入できるよう検討していただきたいと思います。
(22)県産材の新しい流通体制の確立
生産から販売まで一貫した流通システムをモデル事業として立ち上げ、ノウハウの収集に努めることが大事ですので、その支援費を新年度予算で計上して頂きたいと思います。木造建築では近年、乾燥材が好まれる傾向にあるため、この需要に対応できるよう20立方メートル程度の木材を乾燥できる乾燥機を3機程度導入する構想を森林組合や木材協同組合連合会でお持ちですので、事業費の一部を助成するための予算を新年度予算に組み込んでいただきたいと思います。また、トットリプロダクツなど県外での需要を喚起するための関東圏や関西圏でのプロモート活動を展開する人たちを支援するため、活動費や市場調査費などの助成も必要であり、新年度予算で検討して頂きたいと思います。また、環境にやさしい木の住まい助成事業は、県産材の需要を支えている評価できる県事業です。新年度予算においても、維持拡充をお願いします。
(23)とりぎん文化会館の改修
とりぎん文化会館1階のエントランスから梨花ホールと小ホールへの移動は、階段がメインで、車椅子が利用できるエレベーターは1基あるだけだが、倉吉未来中心と米子コンベンションセンターでは、複数基のエレベーターがあるほか、足腰に不安を抱える人に優しいエスカレーターも設置されている。エレベーターの新設およびエスカレーターの導入を検討されたい。個室トイレも和式が少なくないが、和式トイレは高齢者や障がい者が利用するには負担が大きいうえ、1階トイレへ行く通路には段差まである。昨年11月、とりぎん文化会館で2100人が集まって中四国身障福祉大会が開かれたが、このとき、多数の方は大変不便を感じられたそうです。鳥取県は「支え愛」豊かな地域ですと誇れるためには、県外の多くの人が利用するコンベンション施設のバリアフリー化は急がれたい。
(24)特別医療対象者(身体障害者手帳1級、2級)の一部自己負担金軽減
身体障害者手帳1級、2級を持っている人は特別医療対象者として、本人の負担なく、医療行為を受けることができます。しかし、障がい者本人が市町村民税非課税であっても、同居世帯員が課税されていれば通院1000円、入院5000円という本人負担が生じます。障害者も高齢化が進んでおり、複数の診療科を受診している人も少なくなく、そうした人は、かかる診療科ごとに本人負担が生じ、医療費が定額のため、場合によっては通常の受診以上の医療費を請求され、生計を圧迫するというケースも生じています。所得制限を設けて本人負担を免除するか、複数診療科を受診しても、自己負担は1回で済むようにするなど新しい制度設計を検討して、障がい者の負担軽減をお願いしたいと思います。
(25)鉄道のバリアフリー化
JRや智頭鉄道など鉄道会社各社の経営合理化に伴い無人駅舎が増加しています。これらの無人駅舎は、視覚・聴覚障害者にとっては、非常に使い難くなっていますので、改善を求めます。放送設備や電光掲示板を設置していたたき、視覚・聴覚障害者等が一人でも安心して利用ができるよう県身体障害者福祉協会が鉄道会社に呼びかけをされていますので、県としても協力して鉄道会社への働きかけを望みます。特に智頭鉄道の筆頭株主は県ですので、力強い働きかけを希望します。また、放送設備や電光掲示板を設置に対する助成措置も検討して頂き、鉄道のバリアフリー化が進むよう新年度予算での予算措置も検討していただきたいと思います。
(26)フードバンクへの支援
食べきれずに毎年500万トンもの食料が捨てられている一方で、その日の食事に事欠く人がいるのが飽食ニッポンの現実です。賞味期限のある食品などをセカンドハーベストジャパンなどの協力を得て、県内の児童福祉施設や精神障害者作業所、生活保護世帯、犯罪から社会復帰した人たちに配っているのが境港の「みもざの会」です。みのざの会はDV被害者のシェルターの運営から活動を始めた団体ですが、みもざの会を巣立っていった母子の皆さんの年収は、子ども手当を含めても200万円を超えない世帯がほとんどで深刻な貧困の状態を目にして、この活動を始められたそうです。しかしながら、みもざの会への公的資金の提供は全くありません。配送する自動車はスタッフの自家用車、ガソリンも時間もみんなスタッフの持ち出しだそうです。島根県では県社会福祉協議会が取り組んでおられるそうで、本来ならこうした公的機関が取り組むべき課題だと思います。加えて、フードバンクは、食べ物を大切にする意識を醸成することができるので、社会教育的な意味もあると考えますので、新年度予算で助成するなどの支援措置を取っていただくよう強く求めます。
(27)腎疾患対策と腎臓病患者支援の充実
県特別医療費助成制度は取得によっては一部自己負担となっていますが、透析医療費は県独自の加算もあり、実質無料で治療が受けられるようになっています。透析患者は2~4回長時間の治療を受けなければならいことから就業もままならい患者が少なくなく、しかも、その通院のための交通費なども大きく、財政的負担が少なくありません。今後も透析医療が無料で治療が受けられるように新年度予算で必要経費を計上されることを求めます。患者が安心して透析治療を続けるためには、透析専門医の存在が欠かせませんが、不足しているのが現状です。また、透析患者は高齢化が進んでおり、公共交通の利便性が悪いところでは通院対策も必要です。特に県中部は送迎をしてくれる病院がありませんで、緊急の課題でもありますので、新年度からの検討を求めます。透析患者対策の基本は、慢性腎臓病(CKD)を悪化させないことです。しかし、CKDは自覚症状がほとんどなく、知らず知らずのうちに病状が進行していることが少なくありません。早期発見のために人間ドックや健康診断での取り組みの強化と、CKDの知識の普及に力を入れて頂くことを希望します。透析を始めた患者にとって、完治するためには臓器移植しかありませんが、県内では脳死患者からの臓器提供が1件あっただけで、臓器移植は全くありません。臓器提供が可能な病院に対して理解を得られるように県として呼びかけるともに、国民健康保険の保険者である市町村に対して、臓器提供の意思表示欄を設けるよう働きかけるよう求めます。
(28)精神障がい者の福祉施策の充実
精神疾患も他の疾病と同様に早期発見・早期治療が重要ですが、なかなか正しい理解が広がらないため、早期発見・早期治療が十分とは言えない状況が続いています。特に若年層での発症が多いことを考えると、中学校や高校などの学校現場で理解を深めるための取り組みが不可欠と思います。学校現場への講師派遣や手引きの配布、教員研修などの事業費を新年度予算に計上していただきますよう希望します。精神障がい者が地域で暮らすためにはOAT、ACT、アウトリーチなど24時間365日対応の支援体制が必要です。県立中央病院、厚生病院の精神科の医療体制の充実と含め、必要な予算を新年度予算に計上されることを望みます。特に、精神障がい者を抱える親御さんには自分が他界した後、子どもが元気に暮らしていけるのかと心配している方が少なくありません。その解決策のひとつがグループホームだと考えます。計画的な整備が進むように必要な事業費を新年度予算に計上されることを求めます。
(29)職業訓練の充実
鳥取県中部建築高等職業訓練校では訓練生が3人しかおらず、猶予期間が終了することから今春から補助金が打ち切られ、休校に追い込まれるのではないかと県建築連合会の皆さんが大変心配しておられます。大工、板金、左官といった伝統的和風建築の職人さんを育てる職業訓練校でも同様の傾向があるといい、これらの職業訓練校が休校に追い込まれると、和風建築技術の継承できなくなり、県産材の消費へも影響出るのは必定である。そもそも、鳥取県のような人口規模が小さな県も、広島県のような大きな県も同一の基準で補助金制度を運用することに無理があるのではないか。雇用確保のためにも、伝統技術の継承のためにも、県産材の需要喚起のためにも、是非とも県独自の補助金制度を考えていただきたい。
(30)地酒支援策の充実
地酒支援策については会派の砂場議員が一般質問で取り上げたところ、担い手育成事業で、三親等以内への除外規定を新年度から廃止することを約束いただくなど、賛同いただきましたことを心から感謝いたします。酒造業は今、大手メーカーが様々な新鋭機器を投入して技術革新の時代を迎えている一方、県内の酒造メーカーはいずれも醸造規模が小さく、このイノベーションに十分について行けていないのが現状です。そこで、県産業振興機構のこれまで以上の支援に加え、酒造用設備・機械の新設や更新に対する補助金制度の検討を望みます。機構は経営改革アドバイザー派遣事業を実施していますが、1社6日間が上限と成っていますが、精米から瓶詰め、殺菌までの長い醸造期間を持つ酒造では6日間では一貫した指導を受けることができませんし、現在の醸造技術アドバイザーは極めて評価が高い方なのですが、県外在住のため各メーカーが自費で招聘すると出費が多く、諦めているのが実情です。6日間と一律に基準化するのではなく、業界の事情に合わせて派遣システムの見直しをしていただきたいと思います。県内の酒造は、酒造好適米使用率が全国一高いなど極めて高品質ですが、伏見、灘などに比べ、ブランド化が遅れて知名度が低く、「知る人ぞ知る」という状態です。しかし、ということは、しっかりPRして消費者の認知度さえ上がれば、将来への展望も開けるのですから、国内外、県内外を問わず、販路開拓やPRを積極的に取り組むことが必要で、県としてもしっかりとした支援をお願いする次第です。「ふるさと産業元気な企業育成支援事業補助金」は酒造メーカーの皆さんに好評だったのですが、今年度から一地域一回の販促活動に限るという制約が課されることとなりました。繰り返し、繰り返し、販促活動を続けることしか認知度を上げる方法がありません。5カ所で5回販促活動をするより、1カ所で5回する方が、効果が大きいことはマーケッティングの常道です。新年度から、この制限を撤廃するとともに、100万円という上限も引き上げる方向で検討頂き、新年度からの予算措置を強く望みます。
(31)災害時の要援護者把握
要介護者を避難させなければならない時は、民生委員やケアマネージャーら要介護者の状況を把握している人も緊急避難しなければならず、場合によっては被災して介護活動ができない状況である場合が少なくない。加えて、個人情報保護法の制定で、どんな要介護者がどこにいるのかという情報を安易に取り出すことができなくなっている。そこで、個人情報保護と人命を守る緊急避難の相克を回避するため、事前に違法性を阻却する緊急避難措置として法的位置づけ等の検討を加えることが必要であると考えます。障がい者等への具体的な支援が急務となっており、障がい者自身の声として要援護者の把握と支援体制そして避難経路、福祉避難所の設置等々も含め、想定される状況によっては、いろいろな意見が出ている。障がい者等の要援護者等も含めた避難訓練についても各市町村等に対して財源支援をもって、障がい当事者の意見を踏まえて平時からの対応整備等について実践的な指導をしていただきたい。
(32)使用しながら備蓄となる組手什の購入
組手什とは智頭材の間伐材や端材で作った自由にレイアウトして収納棚などを作ることができる組み立てキットで、鳥取市のNPO法人「賀露おやじの会」がプロディースしたものです。釘やネジを一切使わず、切り欠け同士をお互いにはめ込むだけで簡単に組み立て抱けるだけでなく、長さも自由に調整できる優れものです。避難所や仮設住宅で使えば、木の感触や香りがつらい避難生活にも潤いを与えることもでき、東日本大震災では国土緑化推進機構の「緑の募金」による復興支援事業に指定され、3万本を東北各地に届けられ、被災者の皆さんから大好評だった実績があります。県産材の活用にもなりますので、組手什を県が購入して避難倉庫の棚として使えば、緊急物資と共に被災地へ組手什を送って被災者の皆さんに使ってもらうこともでき、場所も取らず、一石三鳥でないかと考えます。新年度予算での購入を検討して頂きたいと思います。
(33)NPOへの業務委託の改善
県内での大山王国、未来、学生人材バンクなど事業系NPOが立ち上がり、新しい公共を支えていますが、県の業務委託について問題が少なくないようです。事業委託の積算ですが、人件費が臨時職員の給与をベースとして積算されていますが、NPO職員はボランティアセンターの運営や観光開発、さらには農村へのネットワークなどの専門知識を持っておられ、これらは専門知識としてきちんと評価すべきで、入庁数年の県職員給与の方が高いという現状は問題です。しかも、業務内容ではなく、前年度実績をベースに委託額が決まるため、委託業務が増えているのに、委託額はずっと差し置かれたままというケースが多いそうです。さらに、事務所費などの間接経費を認めない委託の少なくなく、そうなると人件費の一部をこうした経費に回さなければならず、NPO職員の給与が低く抑えられることになっていると言います。NPOの発展は、今後の鳥取県の経済発展や福祉の充実にとって欠かせないものと考えますので、改善は喫緊の課題です。加えて、会計処理は業務委託ではなく、補助金と同様に行われ、個別経費ごとに領収書を添付し、その用途までチャックがなされていますが、一般企業への業務委託では、業務の評価が中心でこのようなことはありませんので、NPOも、一般企業と同様に取り扱うようシステムを改善すべきです。こうした問題の多くは県職員のNPOへの理解不足から生じていると考えますので、新規採用時、10年次、課長昇進時にNPO職員を講師とした研修会を開催し、当事者の言葉でNPOを学ぶ機会を設けるよう強く求めます。
(34)古民家を活用した地域再生活動への支援
旧長谷川邸は明治時代の養蚕農家で、意匠に大変凝っているユニークな近代和風建築であるが、老朽化は否めませんでした。これをコミュニティースペースとして再生して、自分たちで掃除し、修繕したのがグリーンツーリズム用瀬です。理美容と音楽のコラボショーなどのイベントを開催し、地域外からも人が来るようになりました。今後は、地元農家と契約して地元食材を使うほか、クラインガルテンで収穫した作物を利用するなど古民家レストランなど夢は膨らんでいますが、問題は事業費の捻出です。農林水産省の予算を獲得するなど懸命に努力されておられますので、県としても支援策を検討して頂きたいと思います。旧横田医院もアートの展示、終末カフェなどのイベントが鳥取大学生を中心に展開されていますが、地域の核として商店街を再生するプロジェクトとして高い評価しています。一過性のイベントとして終わらせないために、今後の事業展開の検討を県として鳥取市と連携して始めていただきたいと思いますし、その調査費を新年度予算に計上していただきたいと思います。
(35)施設管理業務委託の適正化
県施設の清掃、警備、植栽管理、空調などの設備保守などの業務委託の入札では、総務部発注分だけが、試行要領を設けて、予定価格の2/3~8/10の範囲で最低制限価格を設けることになりましたが、他部や指定管理者発注分には最低制限価格の設定はなく、予定価格の1/2以下という他県の大規模業者も含めダンピング価格で落札されています。建築の最低制限価格は85/100から、90/100に引き上げられ、総務部の最低制限価格も極めて低いと言わざるを得ません。清掃等の業務委託の経費のほとんどは人件費で、委託費の引き下げは就労者の賃金の低下に直結しますし、県内業者のほとんどは中小零細業者で、その経営を圧迫しています。県外業者の中には落札したものの、業務継続が出来ずに途中撤退したり、契約内容を逸脱したりする手抜き仕事が横行しているとの指摘さえあります。そこで、清掃などの委託業務についても統一した発注ルールを作成して、最低入札価格制度を導入するとともに、県内企業への優先発注に務めることを求めます。また、手抜き作業等を許さないために業務評価制度も導入。目に余る場合は入札停止などの罰則をルール化すべだと考えます。これらの改革のための調査費を新年度予算に計上し、できるだけ早く入札改革を実施して頂くよう強く希望します。
(36)私立学校への支援充実
公立、私立を問わず耐震性に問題のある建物で生徒を学ばせるわけにはいきませんから、私立高校の耐震化工事に対する補助率を引き上げることができるように予算措置をお願いします。授業で使用しているマルチメディアを中心とするソフトウエアが、マイクロソフトのOSの更新に伴って互換性の上で問題が生じてきていますので、買い換え費用の一部助成を検討していただきたいと思います。 私立高校へは全国一手厚い支援をしておられますことは承知しておりますが、山陰経済の深刻さと県民所得の低さを考えると、高校就学支援金の県単独の上乗せ措置が必要と考えますので、予算措置を検討頂きたいと思います。教習用自動車に課税しているのは全国でも鳥取県を含め4県だけで他県は非課税で、教材は非課税であることが原則であることを考えれば、課税措置は問題であす。自動車教習所が合宿制教習の普及で、全国競争にさらされていることでもあり、早急に是正して頂きたいと思います。
このほか、11月に要望した13項目を加え、49項目が会派「かけはし」として、知事に対する2013年度当初予算としての要望事項です。
新年は、鳥取市の成人式や市民合同祝賀会、鳥取商工会議所新年会などに参列させていただいた他は、11月定例会をまとめた議会だよりの原稿作成や編集作業、15日に迫った2013年度当初予算案に対する会派要望づくりに時間を費やしています。
日経グローカルや早稲田大学マニフェスト研究所の地方議会改革度ランキングでは、今年度2位に躍進しましたが、その理由は情報公開部門での高得点です、議事録のネット上での公開、本会議と常任委員会のネットでの中継、議員ごとの議案への賛否公開などが評価されたものですが、すべての県民の皆様がインターネットを使える環境に居られるわけではありません。その意味で、議会便りを創刊し、全戸配布を始めたことは意味があると思っています。
ですが、この編集作業は大変なんですね。議員や委員会から出てくる原稿だけでは読者への訴求力がないので、議会の動きや話題などを取材して紙面かしていますが、25年間、朝日新聞に記者と編集者として奉職させていただいた経験を活かして頑張っています。でも、これにかかる時間は半端じゃないんで、とても大変です。
会派要望も院内交渉団体なら40分ですが、少数会派では15分。それで、要求項目も多いので、読めば分かる形にしようと頑張っています。県内の様々な団体や県民の皆様から聞かせていただいた大切な要望事項ですので、1つでも、2つでも多く実現されるように説得力のあるものにしようと背景や現状のデータなども調べています。読者の皆様の中で、新年度予算ではこんな事業をして欲しいなどの要望がございましたら、お教え下さい。会派で議論したいと思います。よろしくお願いします。
穏やかな正月を私は迎えることができましたが、皆様はどんな正月になりましたでしょうか。
皆様のご支援を頂戴して県議となって2回目の正月を迎えています。年末のご挨拶は様々な懸案事項の処理に追われ、ほとんどできませんでした。本当にごめんなさい。「他の県議は年始年末は挨拶回りに飛び回っているのに、しっかりせんと次の当選は覚束ないよ」と何人かの支持者に叱られました。私のことを本当に心配していただいているんだと、ありがたいと思いました。しかし、正直、時間がないんです。
1月15日に知事に対して、2013年度予算に対する会派の要望書を提出し、直接説明致します。この要望書の準備に、この正月は忙殺されています。11月から各種団体や県民の皆さんからご要望をお聞きしています。この要望について県の執行部の皆さんに現状を確認した上で、会派の3人でしっかり議論して、2013年度予算に反映すべきことを絞り込んでいく、作業を致します。
本来なら、この要望を受けて、2月議会で国岡議員が代表質問に立ち、要望の実現を迫るはずでしたが、長谷川議員の会派離脱でできなくなりました。ですから、要望を羅列するだけでなく、これまでに以上に理由や経過も記載し、予算に反映していただくようにまとめたいと思っています。皆様の中で、予算について要望や意見のある方は、どしどしお寄せ下さい。会派として大切に検討させていただきます。
新しき年の始の初春の 今日降る雪のいや重け吉事(よごと)
『万葉集』の最後の歌です。天平宝字3年(759年)の正月、従五位上因幡守として赴任した大伴家持が国府の宴で詠んだとされています。今年一年が皆様にとりまして、この和歌のように吉事が重なる年になりますよう心からお祈り致します。