Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

過去の別の日記を振り返って②

2022-05-12 23:49:43 | つぶやき

過去の別の日記を振り返って①より

 かつて2006年の師走に別の日記に「熊も日本人も同じ」ということを記した。そこには次のように記されている。

 昨日「小沢昭一的こころ」というラジオ番組を、現場へ行く車の中で聞いた。そこでは、マグロの話をしていた。来年からなかなか食べられなくなるから「年越しにはマグロを食べよう」というご主人と奥方のやり取りを滑稽なやり取りでやっていた。たくさん食べている日本にはマグロの捕獲量を半分にするようにという話をネタにしている。考えてみれば、確かにマグロを食べるのは日本の文化かもしれないが、かつてはよその国まで行ってたくさんのマグロを捕獲してくる、なんていうことはなかったのだろう。当たり前のように鎖国状態だった江戸時代にはありえない話である。だから、マグロをこんなにたくさん食べるようになったのは、そう古いことではないだろう。美味いものを味わったからどんどんそのニーズに応えていった漁業という構図だ。ラジオの中で小沢正一も言っているが、「中国が味をしめて食べだせば、日本では食べられなくなる」という発言は、まんざら嘘ではない。今や中国は消費大国にもなりつつある。

 そんな日本の姿、いや人間の姿を見るにつけ、「こりゃそこらに出没する熊と何ら変わりないなー」と思うわけだ。熊も猿も、美味しいものを味わってしまったから、どんどん外へ外へと行動範囲を広げてきた。日本人が、近海ではマグロがたりないから遠くまで獲りに行くのと同じである。熊ばかりを責められない、そう思っているだろうか日本人は。

というもの。マグロの漁獲量について、水産庁のページに「マグロ類に関する情報」というものがある。昭和35年に世界で約64万トン弱だったものが、平成28年には215万トン弱まで伸びている。世界でその消費量が3倍以上になっている。先ごろも記したが、隣国で仲が悪いということが戦争にも発展する。熊が里に下りてきて、人間は脅かされているように思うが、自然の流れであることに違いはない。

 ところで「小沢昭一的こころ」といえば、ラジオで自然とみみにしていた番組だ。毎日放送されていたから、知らない人はいない(若い人以外なら)。1973年1月から2012年12月まで放送されたというのだから、38年と少し。長野県内では信越放送で放送されていたが、時間帯は夕方前だっただろうか。小沢さんは平成24年に亡くなられたというから、もう10年前のこと。記事を記したころのことを思い出す。

続く


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