同じようなことなのだが、水路に対する意識が低いのは、設計を見ていてつくづく思う。ある国道バイパスは、やはりお国直轄で実施される。国が発注だから、当然大手の会社が、設計にも施工にも関わってくるのだろう。よく言われることだが、お国がやってくれれば事務的には確かに地元は楽だし、予算付けも良いから仕事は早いかもしれない。ところが地元へお金が落ちるかどうかという観点では、もちろん地域発注事業の方が地元への還元は大きい。できれば地元の業者に施工してもらった方が地元にとっても良いのだが、そんな簡単な理論ですらお役所の分担で割り切られてしまう。
そうした道路に附帯している付け替え工事のような、とくに水路に対して意識が低いことは前編でも触れた。先ごろもある設計を見ていて思ったのは、道路は見た目は真っすぐでも少しずつカーブしていて必ずしも直線ではない。そこへ水路が付け替えられていておそらく横断図から割り出したのだろうが、測点ごと水路が屈折している。ほんのわずかなことなのだが、屈折していれば継ぎ目には隙間ができる。もちろん漏水しないように施工してくれるのは当然だが、長い目で見れば屈折が多ければそうしたところから最初に漏水するようになる。だからできれば水路は真っすぐにして欲しいのだが、ゴミのようなところに金をかける必要がないから、水路のことなどほとんど頭に無いのだろう、設計上は測点ごと水路が曲がる。もちろん用地買収を限りなく少なくしたいから土地に余裕などもたせない。きちっきちっと水路が曲がるのである。場合によっては測点以外のところでも曲がったりするから屈折だらけ。こんな設計は水路主点ならありえない。繰り返すが水路工事ではないから主たる構造物が主になるのはわかるが、「これはないだろう」と思うほどよく曲がっている。
さらにいけないのはそうした図面を見ても水路関係者がそのことに気がつかない。それは水路の構造についても同様で、前編でも触れたようなこのあたりには無いような製品を利用したり、あったとしても漏水対策にはまったく眼が向いていない。きっと自分たちはお粗末だとはまったく思っていないのだろうが、わたしにしたらこんなお粗末な設計はあり得ない、と思うのだが、いけないのはお国に仕事をお願いしている地元のお役所にもそうした視点がないのが輪をかけているというわけだ。
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