今から6年前の平成16年(2004年)7月18日、福井県を中心に未明から集中豪雨が発生し、当時の福井市や美山町、鯖江市、今庄町、池田町などで、浸水被害や土砂災害、家屋倒壊が発生しました。福井市中心部では足羽川の堤防が決壊し、市街地南部で浸水被害が起こっています。また、JR越美北線の鉄橋の多くが流失するなどの壊滅的な状況から、一時はJRが廃止を検討するという事態にまで発展しました。
豪雨のあった当時、私は大学生でした。高専から編入学してまだ間もない頃で、大学生活にはまだまだ不慣れな時期でした。その中で福井豪雨が発生し、翌日の福井市内の光景を目の当たりにすることになりました。その当時の様子を、自らのサイトの掲示板に記していましたので、ここで公開したいと思います。(記録は、7/18と7/25(7/20の話題)の2日分です。当時のその他の話題も一部入っています。)
※なお、後半に福井大学の福井豪雨アーカイブス展の案内があります。
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2004年07月18日 (日) 19時26分
夏休み?三連休? そして夏の豪雨
1ヶ月以上ぶりに掲示板に書き込み。大学の生活にはある程度慣れたが,期末試験が近くなり,半期の追い込みに追われている。いつになっても,テストには慣れない。
県内の学校では,すでに夏休みに入っているところもあるが,二学期制をとる大学の中には,8月まで授業を行うところもある。8月をはさんで9月まで前期授業をすると,休み中にそれまで習ったことを忘れてしまうので,休み前までに半期分の授業を行う,という理由があるそうなのだが。高専の場合は,今年は早く休みに入る分,8月末に授業を再開するという形でいくそうだ。
参議院選挙も終わり,今日は拉致被害者の問題で大きな課題となっていた曽我さん家族の来日も実現した。また病気での治療目的でとはいえ,何よりも,ジェンキンス氏の来日が実現したことは,この問題を解決するにあたっては大きな事になるのではないだろうか。何より,自分としては家族が望む方向に問題が解決されることを望む。
しかしそれよりも心配事となったのが,今日朝からの豪雨による県内各地の被害だ。新潟県ではすでに集中豪雨によって被害が出ているが,ここ福井県でも,福井市中心部を流れる足羽川の堤防決壊などによる浸水被害や,死者・行方不明者を出すなど,多くの被害が出た。今回の豪雨は県内観測史上最大の規模であるといい,公共交通機関,道路などにも影響を及ぼしている。自然災害の凄まじさを知る事となった,新潟県を含めた集中豪雨。この様な事態にあった場合どのように対処すべきか,また被害を少なくする方法をどう模索すべきか,そういった事を考えられずにはいられない。雨のピークは過ぎたというが,土砂災害や河川の増水の危険性はまだある。明日以降,しばらくは注意したほうがよい。
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2004年07月25日 (日) 00時06分
車窓から見た被災地
先週末の豪雨(平成16年福井豪雨)により,福井県嶺北地方は甚大な被害を受けている。その中であっても,大学は期末試験に向けて授業が続けられており,その通学に利用している福鉄電車から,福井市内の様子を見ることとなった。
7/20(火):連休が終わり,朝方に福井方面への電車に乗る。福井鉄道は前日夜から全線運行に戻り,この日は急行無しの普通のみの運転であった。
福井市(浅水駅)に入ってしばらくはいつもどおりの風景であったが,ベル前駅を過ぎたところから道路が茶色になっているのが見えた。電車が福井新駅に入線したとき,駅のほとんどの部分が泥に埋まっていることに驚く。電車の入線する部分など一部は泥が取り除かれていたが,駅舎では駅員が泥を洗い流す作業を行っていた。駅横には泥に埋まった車も見え,今回の豪雨による被害がいかに大きいかを思い知らされた。
福井新駅から木田四ツ辻-公園口の駅の区間は泥の量が特に多く,住宅街では泥の始末や,ごみの搬出作業が行われ,道路では重機で泥を取り除く作業が行われていた。公園や路地には考えられないほどの泥にまみれたゴミが積まれていて,自然災害の想像を超えた被害に愕然とした。
帰りの電車は予定通りの時間にはこられず,10分ほど遅れて田原町駅に到着。夕方の市内では作業はひと段落したのか,作業に当たっていたトラックや自衛隊の車両が見えた。
…これ以降も木曜までは道路の泥の始末が行われており,夕方には住民とともに作業をしていただろうボランティアの姿などが車窓から見られた。金曜には福鉄電車のダイヤも平常どおりに戻り,市内の主要道路はいつもどおりの通行が可能となっている。
だが,未だゴミや泥の処理,あるいは被害を受けた家屋の補償など,この被害に関する問題は解決していない。泥やゴミの除去作業には,県内外からのボランティアや各自治体からの応援で進んでいるところも多いが,人手の足りないところも多いという。まだまだ復興に時間のかかりそうな所もあるだろうが,一刻も早い復興,そして今回の被害の分析と今後への災害への対策が導かれることを望みたい。
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おりしも今年の同じ時期に、西日本を中心とした集中豪雨が発生し、岐阜県や広島県などで浸水被害、土砂災害などが発生してしまいました。豪雨の原因であった梅雨は明けましたが、豪雨によって緩んだ地盤が崩落する事もあり、なおも注意する必要があります。
福井豪雨から6年経ちましたが、今もなお日本各地で発生する豪雨被害を目の当たりにすると、その時の出来事、災害から得た教訓、万一の備えを忘れてはならないと、改めて思い知らされます。足羽川の復興事業等も済み、当時の豪雨災害の記憶さえも薄らいできていますが、決して忘れてはならない事であると、強く感じています。
○ 福井大学総合図書館で、7月15日から福井豪雨アーカイブス展が開催されています(9月1日(防災の日)まで)。
アーカイブス展では、当時の住民や行政が撮影した写真や動画、新聞記事、あるいは資料が展示されています。足羽川の堤防決壊、山間部での濁流の写真、あるいは破壊された橋を恐る恐る渡って避難する住民の姿などをみると、改めて当時の豪雨の恐ろしさ、すさまじさを思い知らされます。その一方で、他県からの災害救助支援や学生ボランティアの様子も写真で展示されており、復興にむけた助け合いの力の大きさ、助け合い精神の大切さを感じ取ることができます。
そのほか、この企画展では医学部所蔵の医療・防災グッズや、非常持ち出し袋の中身、あるいは防災関連の書籍など、防災についての展示もされています。
防災の日を前に、今一度、福井豪雨について再認識してみてはどうでしょうか?(学外者も、図書館カウンターに申請すれば入館できます。)
<< 案内 >>
福井豪雨映像アーカイブス展 -平成16年7月18日未明の豪雨-
・期間:2010年7月15日(木)~9月1日(水)(防災の日)
・時間:
平日… 午前9時~午後5時
土日祝日… 午後1時~午後4時(7月のみ、8・9月は休館)
・会場:福井大学総合図書館(文京キャンパス)
…カード式の入館ゲートがありますが、学外者でもカウンターに申し出ると入館できます。
(参照:利用ガイド「利用するには」の項)
・関連サイト
福井大学附属図書館
福井豪雨映像アーカイブス展
福井豪雨映像アーカイブス展を開催中です。(福井大学ニュース)
豪雨のあった当時、私は大学生でした。高専から編入学してまだ間もない頃で、大学生活にはまだまだ不慣れな時期でした。その中で福井豪雨が発生し、翌日の福井市内の光景を目の当たりにすることになりました。その当時の様子を、自らのサイトの掲示板に記していましたので、ここで公開したいと思います。(記録は、7/18と7/25(7/20の話題)の2日分です。当時のその他の話題も一部入っています。)
※なお、後半に福井大学の福井豪雨アーカイブス展の案内があります。
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2004年07月18日 (日) 19時26分
夏休み?三連休? そして夏の豪雨
1ヶ月以上ぶりに掲示板に書き込み。大学の生活にはある程度慣れたが,期末試験が近くなり,半期の追い込みに追われている。いつになっても,テストには慣れない。
県内の学校では,すでに夏休みに入っているところもあるが,二学期制をとる大学の中には,8月まで授業を行うところもある。8月をはさんで9月まで前期授業をすると,休み中にそれまで習ったことを忘れてしまうので,休み前までに半期分の授業を行う,という理由があるそうなのだが。高専の場合は,今年は早く休みに入る分,8月末に授業を再開するという形でいくそうだ。
参議院選挙も終わり,今日は拉致被害者の問題で大きな課題となっていた曽我さん家族の来日も実現した。また病気での治療目的でとはいえ,何よりも,ジェンキンス氏の来日が実現したことは,この問題を解決するにあたっては大きな事になるのではないだろうか。何より,自分としては家族が望む方向に問題が解決されることを望む。
しかしそれよりも心配事となったのが,今日朝からの豪雨による県内各地の被害だ。新潟県ではすでに集中豪雨によって被害が出ているが,ここ福井県でも,福井市中心部を流れる足羽川の堤防決壊などによる浸水被害や,死者・行方不明者を出すなど,多くの被害が出た。今回の豪雨は県内観測史上最大の規模であるといい,公共交通機関,道路などにも影響を及ぼしている。自然災害の凄まじさを知る事となった,新潟県を含めた集中豪雨。この様な事態にあった場合どのように対処すべきか,また被害を少なくする方法をどう模索すべきか,そういった事を考えられずにはいられない。雨のピークは過ぎたというが,土砂災害や河川の増水の危険性はまだある。明日以降,しばらくは注意したほうがよい。
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2004年07月25日 (日) 00時06分
車窓から見た被災地
先週末の豪雨(平成16年福井豪雨)により,福井県嶺北地方は甚大な被害を受けている。その中であっても,大学は期末試験に向けて授業が続けられており,その通学に利用している福鉄電車から,福井市内の様子を見ることとなった。
7/20(火):連休が終わり,朝方に福井方面への電車に乗る。福井鉄道は前日夜から全線運行に戻り,この日は急行無しの普通のみの運転であった。
福井市(浅水駅)に入ってしばらくはいつもどおりの風景であったが,ベル前駅を過ぎたところから道路が茶色になっているのが見えた。電車が福井新駅に入線したとき,駅のほとんどの部分が泥に埋まっていることに驚く。電車の入線する部分など一部は泥が取り除かれていたが,駅舎では駅員が泥を洗い流す作業を行っていた。駅横には泥に埋まった車も見え,今回の豪雨による被害がいかに大きいかを思い知らされた。
福井新駅から木田四ツ辻-公園口の駅の区間は泥の量が特に多く,住宅街では泥の始末や,ごみの搬出作業が行われ,道路では重機で泥を取り除く作業が行われていた。公園や路地には考えられないほどの泥にまみれたゴミが積まれていて,自然災害の想像を超えた被害に愕然とした。
帰りの電車は予定通りの時間にはこられず,10分ほど遅れて田原町駅に到着。夕方の市内では作業はひと段落したのか,作業に当たっていたトラックや自衛隊の車両が見えた。
…これ以降も木曜までは道路の泥の始末が行われており,夕方には住民とともに作業をしていただろうボランティアの姿などが車窓から見られた。金曜には福鉄電車のダイヤも平常どおりに戻り,市内の主要道路はいつもどおりの通行が可能となっている。
だが,未だゴミや泥の処理,あるいは被害を受けた家屋の補償など,この被害に関する問題は解決していない。泥やゴミの除去作業には,県内外からのボランティアや各自治体からの応援で進んでいるところも多いが,人手の足りないところも多いという。まだまだ復興に時間のかかりそうな所もあるだろうが,一刻も早い復興,そして今回の被害の分析と今後への災害への対策が導かれることを望みたい。
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おりしも今年の同じ時期に、西日本を中心とした集中豪雨が発生し、岐阜県や広島県などで浸水被害、土砂災害などが発生してしまいました。豪雨の原因であった梅雨は明けましたが、豪雨によって緩んだ地盤が崩落する事もあり、なおも注意する必要があります。
福井豪雨から6年経ちましたが、今もなお日本各地で発生する豪雨被害を目の当たりにすると、その時の出来事、災害から得た教訓、万一の備えを忘れてはならないと、改めて思い知らされます。足羽川の復興事業等も済み、当時の豪雨災害の記憶さえも薄らいできていますが、決して忘れてはならない事であると、強く感じています。
○ 福井大学総合図書館で、7月15日から福井豪雨アーカイブス展が開催されています(9月1日(防災の日)まで)。
アーカイブス展では、当時の住民や行政が撮影した写真や動画、新聞記事、あるいは資料が展示されています。足羽川の堤防決壊、山間部での濁流の写真、あるいは破壊された橋を恐る恐る渡って避難する住民の姿などをみると、改めて当時の豪雨の恐ろしさ、すさまじさを思い知らされます。その一方で、他県からの災害救助支援や学生ボランティアの様子も写真で展示されており、復興にむけた助け合いの力の大きさ、助け合い精神の大切さを感じ取ることができます。
そのほか、この企画展では医学部所蔵の医療・防災グッズや、非常持ち出し袋の中身、あるいは防災関連の書籍など、防災についての展示もされています。
防災の日を前に、今一度、福井豪雨について再認識してみてはどうでしょうか?(学外者も、図書館カウンターに申請すれば入館できます。)
<< 案内 >>
福井豪雨映像アーカイブス展 -平成16年7月18日未明の豪雨-
・期間:2010年7月15日(木)~9月1日(水)(防災の日)
・時間:
平日… 午前9時~午後5時
土日祝日… 午後1時~午後4時(7月のみ、8・9月は休館)
・会場:福井大学総合図書館(文京キャンパス)
…カード式の入館ゲートがありますが、学外者でもカウンターに申し出ると入館できます。
(参照:利用ガイド「利用するには」の項)
・関連サイト
福井大学附属図書館
福井豪雨映像アーカイブス展
福井豪雨映像アーカイブス展を開催中です。(福井大学ニュース)