T.Shimada's Diary

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福井鉄道200形 デザインコレクション

2007年05月18日 23時56分38秒 | 福鉄電車
 福井鉄道200形203号が、今週水曜から初代標準デザインとなって運行されている。これで、200形は初代から新デザインまで、3代のデザインが揃ったことになる。これらのデザインで運行されている200形は、さながら動く福鉄博物館、といったところだろうか。それぞれのデザインについての歴史を見ると、福井鉄道の歩みが見えてくる。


 初期デザインで運行されているのは、203号。このデザインは、福井鉄道200形が登場した1960(昭和35)年当初からのものである。203号は、201、202号の後、1962(昭和37)年にデビューした。暗色系の地味なデザインながら、それまでの福鉄電車のデザインにない、白いラインのアクセントとヘッドマークが、当時急行専用の優等列車として活躍していたという、威厳さを感じさせる。

 当時のヘッドマークには丸部分に「福井」または「武生」、翼部分に「急」「行」の文字が入っていたが、復元されたヘッドマークには丸部分に「福鉄」とのみ書かれている。これによって急行のみでなく普通電車としても運行することができ、行先表示はこれまでのものが使用されている(当時はもちろん、そのような表示器は無かった)。


 続いて、2代目デザインで運行されているのは、201号。自分たちの世代にとっては、一番馴染み深いデザインだろう。1984(昭和59)年から300形が入り急行運転を担うようになった頃、200形は普通運転にも就くようになった。それに伴い、それまでの「急行専用デザイン」からこのデザインへ変更されたという。実際に2代目デザインが確定するまでは、何回かの試行があったという。


 そして、新たに加わった3代目デザインで運行されているのは、202号だ。2006(平成18)年4月の小型電車の運行開始により、200形以前の電車や300形が次々と廃車、解体されていく中、一番新しい600・610形と200形のみが、現在まで運行されている大型車両となっている。600形は事実上休車状態であり、610形の運行も少ないことを考えると、200形は、特に混雑時をカバーする大きな存在となっているといえるだろう。このこともあり、これからも200形の運行を続けるという福井鉄道の意思の表れだろうか、今年4月より202号が、小型電車と同じデザインに変わった。白をベースとしたデザインは、かつての300形にも似て明るい印象を受け、しかしそれほど浮いた感じでもないように思える。


 福井鉄道200形3代のデザインの背景を紐解くと、実に様々な歴史が見えてくる。デザインの色使いはまた、その当時の社会を反映しているだろうと思う。特に、ヘッドマークまで付けていた頃は、それだけ電車に対する思い入れが強かったと捉えられ、まさに電車が交通の主役であった時代を反映しているといえるだろう。様々なデザインとなった福鉄200形を眺め、それぞれの時代の歴史に思いを馳せるのも良いかもしれない。


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2 コメント

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花形の特権? (T.S(管理人))
2007-05-20 00:38:46
> 深夜急行さま
初めまして。コメントおよびトラックバック、有難うございます。

私も、初代の頃のデザインは本でしか見たことがなかったため、200形3代目デザイン(新デザイン)の登場と同様、もの珍しく感じています。特に初代の頃は、まさに福鉄電車の花形でしたから、思い入れのある年配の方はもちろん、その時代を知らない世代の注目も高いと思います。それ以外にも、三者三様のデザインをまとえるのは、長い間福井鉄道で活躍している200形だけであり、つまりはそれだけ長く福鉄を支えている電車なんだ、という歴史的側面を伝える意味合いもあると感じています。

いずれにしても、福井鉄道がこれだけの事を行ってくれただけに、私自身もこれまで以上に、それぞれの車両を非常に興味深く見入っています。
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初めまして (深夜急行)
2007-05-19 22:17:19
記事を拝見させていただきました。ヘッドマークは「福鉄」表示なのですね。2代目デザインの塗装となって以降の福鉄しか私は知らない世代なので、新鮮な感じがします。
旧型車の置き換え時ほどではないでしょうが、これを目当てのファンで、また沿線が賑わうかもしれませんね。
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