北陸新幹線福井駅に乗り入れる、えちぜん鉄道勝山永平寺線の高架化について、6月24日の福井県議会にて国(国土交通省)・JRとの協議が開始されたことが明らかになった。新幹線金沢~福井間が年内に認可されるまでに、高架の具体的な構造の結論を出したいとのこと。
えちぜん鉄道(えち鉄)の高架化案は
1.北陸新幹線福井駅部(800m)に、勝山永平寺線を単線で暫定的に接続させる
2. 北陸新幹線の開業後は、並行在来線の高架へ単線乗り入れする構造に改める
というものであるが、高架の付け替えなど、煩雑な工程を含んでいる。福井県はこれまで、国土交通省や、鉄道建設・運輸施設整備支援機構(新幹線の建設主体)などと、構造・施工面の課題を協議していたという。
また高架化案では、新幹線開業後に、並行在来線と勝山永平寺線が福井駅付近でそれぞれ単線となるという問題があり、運行面で課題が生じないかを検討するために新たな協議を開始したという。6月16日には、東京で国土交通省、鉄道建設・運輸施設整備支援機構、JR西日本、県の実務者が出席したとのこと。
福井県の西川知事は、「ダイヤ、線路の使用など運行面でも、新幹線開業時の福井駅の利用形態に関わってくるので、課題の検討を鋭意進めたい」と述べている。
一方、野田県議会議員は、事業費が95億円と想定される高架化でなく、
・福井口駅から田原町駅を経由し福武線に乗り入れる案
とセットで、
・福井口駅から福井駅方面へシャトルバスを運行する
という代替案を提案。これに対し、理事者側からは、費用面のメリットの一方、定時性が損なわれ、またお年寄りや体の不自由な人の負担が大きくなり、困難であるとの認識を示したという。
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新幹線駅の構造を、当初の3階建てから2階建てにしたことで、えちぜん鉄道の高架での乗り入れに制約が生じたのが、そもそもの発端である。構造変更はコスト削減が理由となっているが、高架を2回付け替えるという方法、およびえち鉄三国芦原線のLRT化など、全体として本当に費用が削減されるのか、疑問が残る。また、新幹線開業で並行在来線・えち鉄勝山永平寺線がともに単線となる部分が生じ、運行に制約が生じるという問題もある。これらの問題から考えれば、高架化を諦め、バスに代えるというのも一つの考えるべき妥協案といえるのかもしれない(福井口での乗り換えが必要とのことだが、高架化したとしても、高架化しない三国芦原線からは乗り換えが必要になる)。
一番良いのは、元の3階建ての構造に変えることだと個人的には思っているが、それも無理となると、実際にはどのような形が良いのだろうか。高架化したことで、前よりも利用者が減るようになってはどうしようもない。
(参考)
福井新聞:えち鉄高架化案 国、JRと協議開始(2009年6月25日付け朝刊)
えちぜん鉄道(えち鉄)の高架化案は
1.北陸新幹線福井駅部(800m)に、勝山永平寺線を単線で暫定的に接続させる
2. 北陸新幹線の開業後は、並行在来線の高架へ単線乗り入れする構造に改める
というものであるが、高架の付け替えなど、煩雑な工程を含んでいる。福井県はこれまで、国土交通省や、鉄道建設・運輸施設整備支援機構(新幹線の建設主体)などと、構造・施工面の課題を協議していたという。
また高架化案では、新幹線開業後に、並行在来線と勝山永平寺線が福井駅付近でそれぞれ単線となるという問題があり、運行面で課題が生じないかを検討するために新たな協議を開始したという。6月16日には、東京で国土交通省、鉄道建設・運輸施設整備支援機構、JR西日本、県の実務者が出席したとのこと。
福井県の西川知事は、「ダイヤ、線路の使用など運行面でも、新幹線開業時の福井駅の利用形態に関わってくるので、課題の検討を鋭意進めたい」と述べている。
一方、野田県議会議員は、事業費が95億円と想定される高架化でなく、
・福井口駅から田原町駅を経由し福武線に乗り入れる案
とセットで、
・福井口駅から福井駅方面へシャトルバスを運行する
という代替案を提案。これに対し、理事者側からは、費用面のメリットの一方、定時性が損なわれ、またお年寄りや体の不自由な人の負担が大きくなり、困難であるとの認識を示したという。
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新幹線駅の構造を、当初の3階建てから2階建てにしたことで、えちぜん鉄道の高架での乗り入れに制約が生じたのが、そもそもの発端である。構造変更はコスト削減が理由となっているが、高架を2回付け替えるという方法、およびえち鉄三国芦原線のLRT化など、全体として本当に費用が削減されるのか、疑問が残る。また、新幹線開業で並行在来線・えち鉄勝山永平寺線がともに単線となる部分が生じ、運行に制約が生じるという問題もある。これらの問題から考えれば、高架化を諦め、バスに代えるというのも一つの考えるべき妥協案といえるのかもしれない(福井口での乗り換えが必要とのことだが、高架化したとしても、高架化しない三国芦原線からは乗り換えが必要になる)。
一番良いのは、元の3階建ての構造に変えることだと個人的には思っているが、それも無理となると、実際にはどのような形が良いのだろうか。高架化したことで、前よりも利用者が減るようになってはどうしようもない。
(参考)
福井新聞:えち鉄高架化案 国、JRと協議開始(2009年6月25日付け朝刊)