日本の花・花を詠んだ句

日本に咲いている四季の花・花を詠んだ句を紹介します♪

山茶花に 心惹るゝ やすらぎも

2024年12月11日 | 冬の花


師走に入り、何かと慌ただしい時季となりました。
くれぐれも体調に気をつけてお過ごしくださいね♡

畑へ行く道中に、50mくらいの山茶花(さざんか)の生垣がございまして・・・
11月中旬過ぎごろから開花がはじまり、ほぼ満開になりました。

道沿いに咲き続く山茶花は、ほんとうに美しくて・・・
いつも見惚れています♡

「山茶花に 心惹るゝ やすらぎも」

昭和時代から平成時代に活躍された女流俳人「稲畑 汀子(いなはた ていこ)」が詠んだ句です。

◎山茶花(さざんか)→冬の季語
◎惹るゝ(ひかるる)→ひきつけられる

高浜虚子のお孫さん、高浜年尾の娘さんとして知られている方ですね。
幼少期から身近に俳句があり、お二人から俳句を学ばれていたそうです。
1979年にお父様から創刊125年の歴史を持つ「ホトトギス」を継承し、
生涯を俳句に捧げ、35年間にわたり主宰を務められました。

俳句を愛し続けて心から楽しまれていらっしゃって・・・
この句からもお人柄が感じられますね♡
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菊の香や 茶に押合ふも 此の日より

2024年11月29日 | 秋の花


小庭の小菊たちが今年も綺麗に咲いてくれました。
今年の夏は猛暑の日も多く心配しておりましたが、なんとか無事に咲き揃いまして・・・
菊の香りに日々癒されています♡

「菊の香や 茶に押合ふも 此の日より」

江戸時代に最も活躍された女流俳人「加賀 千代女(かがの ちよじょ)」が詠んだ句です。

◎菊の香(きくのか)→菊の香り・秋の季語

◎此の日(このひ)→この日

昔から菊の花は「仏境に咲く霊薬」として、
邪気を払い、長寿の効能があると信じられてきました。

平安時代には、旧暦の9月9日に「重陽の節句(ちょうようのせっく)」という、
五節句の行事が行われるようになりました。(現在の10月中旬〜11月ごろ)

菊が美しく咲く時季であることから「菊の節句」とも呼ばれており、
また、「鑑菊の宴」いう菊を眺める宴が宮中行事の一つとされ、
菊を用いた厄払いなどが行われていたそうです。

江戸時代には、庶民の間にも菊の風習が広がり、
「重陽の節句」は五節句の一つとして親しまれる行事になりました。

菊の香りに包まれて・・・
親しい人々が集まり、無病息災を願って菊の花を浮かべたお酒(菊酒)を飲み、
栗ごはんなどを食べてお祝いをされていたようです。

秋の収穫の時季が終わり、
この日の頃から季節は少しずつ冬へと向かい、
だんだん寒くなり、家に集まってお茶を飲む機会も多くなっていく様子を詠まれています。

現在は、「重陽の節句」をお祝いする風習も少なくなりましたが、
菊を鑑賞する菊花展などの行事は、多くの人々に親しまれていますね♡

ちなみに画像のオレンジ色の小菊は、
4年前に近所で開催されていた「菊花展」へ行った際に、
お土産で購入した小さな苗を育てておりまして・・・
その後、毎年お花が終わった後、春に挿し木にして育てています♡
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草むらに もつともらしき 野菊かな

2024年11月09日 | 秋の花


立冬を迎え、富士山の初冠雪も観測されましたね。
季節が急に冬へ近づいたように感じています。
お風邪などひかれませんよう、暖かくしてお過ごしくださいね♡

一昨日の朝、自転車で畑へ向かっている道中で、
たくさんの薄紫色の野菊が咲いているのを見つけました。

昔からあると言われている峠道(街道)を通っておりまして、
道路の両側に森林が続いているような場所で・・・
自生している季節の草花に出会うこともあります♡

「草むらに もつともらしき 野菊かな」

明治時代を代表する俳人・歌人「正岡 子規(まさおか しき)」が詠んだ句です。

◎野菊→秋の季語

子規は、野菊が登場する句をたくさん詠んでいます。
その中でも草むらに咲く野菊を詠んだ句は、
とても親しみが感じられて共感しています♡

◎草むらに はつきりとさく 野菊哉
(くさむらに はつきりとさく のぎくかな)

◎草むらむら 其中に野菊 まじり咲く
(くさむらむら そのなかにのぎく まじりさく)

昔からある峠道に咲いていた可愛らしい野菊たち・・・
長年にわたり愛でられている秋の風景ですね♡
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行きすぎて 金木犀は 風の花

2024年10月19日 | 秋の花


10月中旬を過ぎましたが、今日は季節はずれの暑い一日となりました。
明日は気温が急激に下がり、寒くなるそうです。
寒暖差の大きい時季ですので、体調に気をつけてお過ごしくださいね♡

一昨日ごろから、あちらこちらで金木犀の香りが漂いはじめています。
季節はずれの暑い日もございますが、
オレンジ色の可愛らしい花々と、やさしい香りに秋の訪れを感じています。

「行きすぎて 金木犀は 風の花」

昭和時代〜平成時代に活躍された俳人「木村 敏夫(きむら としお)」が詠んだ句です。

◎金木犀(きんもくせい)→秋の季語

古くから秋の訪れを知らせてくれる花として親しまれている金木犀・・・
画像の金木犀は樹齢30年以上の大木です。
十文字の5mmほどの小さな花が寄り集まって咲いています。

風のように通りすぎてゆく可憐な金木犀の花たち・・・
花は雨が降るとあっという間に散ってしまいますが、
散った花たちが地面をオレンジ色に覆う様子も情緒があり、
その光景も古くから愛でられています♡
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かざおとを かすかにつつみ 彼岸花

2024年10月05日 | 秋の花


お彼岸の頃にいつもの場所で咲く白い彼岸花が、
今年はお彼岸を過ぎても花が咲きませんでした。
このまま花を見ることができないのかも・・・と心配しておりました。

10月になり・・・
畑へ行く道中で、紅色の彼岸花が道沿いに並んで咲いているのを見つけました。
美しい花姿に、しばらく見惚れていました♡

「かざおとを かすかにつつみ 彼岸花」

明治時代から昭和時代に活躍された俳人「松村 蒼石(まつむら そうせき) が詠んだ句です。

◎かざおとを→風音を
◎彼岸花(ひがんばな)→秋の季語・曼珠沙華(まんじゅしゃげ)という別名でも親しまれています。

今年は記録的な猛暑の影響により、各地で彼岸花の開花が遅れていたようです。
いつもの場所の白い彼岸花も花数がかなり少なくなってしまいましたが、
一昨日から少しずつ咲き始めました。

秋の涼しい風にゆれて心地よさそうに咲いている彼岸花たちをみることができて・・・
ほんとうに嬉しく思っております♡
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あさがほや その日に逢ふて 仕廻けり

2024年09月27日 | 秋の花


9月下旬を過ぎて、ようやく暑さもおさまり過ごしやすくなりましたね。
季節の変わりめですので、体調に気をつけてお過ごしくださいね♡

先日、偶然通りかかった道沿いに、美しい朝顔が咲いていました。
全体が爽やかなブルーで星模様がピンクの朝顔です。

「あさがほや その日に逢ふて 仕廻けり」

江戸時代に最も活躍された女流俳人「加賀 千代女(かがの ちよじょ)」が詠んだ句です。

◎あさがほ→朝顔(あさがお)・秋の季語
◎仕廻(しまい)→すっかりかたをつける
◎けり→物事の終わり・結末・決着

その日は朝から曇り空のお天気で、暑さも和らぎ涼しくて・・・
正午過ぎでしたので、一般的な朝顔ですと花が萎んでしまっている時間帯です。

お天気や気温の影響で正午過ぎでもお花を見ることができたのかなぁ。と思っていたのですが、
品種を調べてみましたところ、この朝顔は琉球朝顔(りゅうきゅうあさがお)いう種類の朝顔で、
夕方近くまで咲き続けることができるそうで・・・
お花の特徴からオーシャンブルーという品種の琉球朝顔ということがわかりました。

この朝顔は、花の色が朝はブルーで、お昼ごろには星模様から赤紫色が入ってきて・・・
夕方には全てピンクになって花を閉じるそうです。

偶然見つけた美しい朝顔・・・
早朝や夕方の美しい花姿もぜひ見てみたいと思っています♡

*   *   *   *   *   *   *   *   *
この度の能登半島での記録的豪雨により、
被害にあわれた皆様に心よりお見舞い申し上げます。
被災された皆様の安全と一日も早い復旧を祈念しております。
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山葛に わりなき花の 高さかな

2024年09月12日 | 秋の花


9月になりましたが、連日にわたり厳しい残暑が続いていますね。
くれぐれもお身体に気をつけてお過ごしくださいね♡

昨日も厳しい暑さで・・・
お手伝いに行っている畑の脇道に、見上げるほどの大きな山葛が茂っておりまして・・・
紫紅色の花が、あちらこちらに咲きはじめていました。

「山葛に わりなき花の 高さかな」

明治時代を代表する俳人・歌人「正岡 子規(まさおか しき)」が詠んだ句です。

◎葛(くず)・葛の花・山葛→秋の季語
◎わりなき→理無い・理屈を超えた・理屈では説明がつかない

葛は “秋の七草” の一つとして古くから親しまれていますね。
ひと夏で10mぐらい成長し、まわりをツルでおおってしまうほどの強い生命力があります。
葛の花は茂った葉っぱの中で、ちらちらと見え隠れしていますので、
じっくりと近づいて見ないと見過ごしてしまいます。

厳しい残暑が続いておりますが、
紫の綺麗な花をたくさん咲かせて、秋の訪れを知らせてくれているようです。
帰り道では、萩の花も咲きはじめていました♡
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風のまま 芙蓉の花の ひろがりて

2024年08月25日 | 夏の花


暑い日が続いておりますが、ツクツクボウシの鳴き声が聞こえるようになり、
厳しい暑さが少しずつでもおさまってくれることを願っています。

週に1回〜2回ほどのペースで友人の畑へお手伝いに行っておりまして・・・
夏の時季は10時過ぎには危険な暑さになってしまいますので、
早朝の7時ごろに自転車で畑へ向かっています。

畑の近くのお宅の前に大きな芙蓉(ふよう)の木がございまして・・・
いつも綺麗な花が咲いています♡

「風のまま 芙蓉の花の ひろがりて」

大正時代から昭和時代に活躍された俳人「後藤 夜半(ごとう やはん)」が詠んだ句です。

◎芙蓉(ふよう)の花→夏の季語

芙蓉の花は、早朝に咲いて夕方に萎んでしまう一日花ですので、
美しい花姿にいつも見惚れています♡

畑で育てている真っ白なオクラの花も、ほんとうに綺麗です。
朝の涼しい風の中で、心地よさそうに咲いている花々を見つけますと、
とても嬉しくなりますね♡
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向日葵の 空かがやけり 波の群

2024年08月10日 | 夏の花


残暑お見舞い申し上げます。
連日にわたり厳しい暑さが続いていますね。
くれぐれもご自愛くださいね♡

先日、ひまわり畑で仲良く肩を組んで、笑顔いっぱいの甥っ子と姪っ子の画像が届きました。
夏休みに家族で石川県へ旅行に行っていて・・・
綺麗な向日葵の群生を見つけたそうです♡

「向日葵の 空かがやけり 波の群」

大正時代から昭和時代に活躍された俳人「水原 秋桜子(みずはら しゅうおうし)」が詠んだ句です。

◎向日葵(ひまわり)→夏の季語

夏空に輝くように咲いている向日葵たちは、ほんとうに綺麗ですね。
厳しい暑さの中で、太陽の方を向いて凛として咲く姿に、
ひたむきな強さを感じます。
一夏毎に逞しく成長する二人のことを応援してくれているようですね♡

*   *   *   *   *   *   *   *   *   *
この度の地震により被害にあわれた皆様に、心からお見舞い申し上げます。
被災された皆様の安全と一日も早い復旧を祈念しております。
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ふいと来て 見るもうれしや 蓮の花

2024年07月17日 | 夏の花


電車とバスを乗り継いで30分ほどの場所に大きな蓮池のある公園がございまして、
公園のホームページには、
“先月から蓮(はす)の花が咲きはじめ、毎日新しいお花が咲き続けています。”と掲載されていました。

一昨日も朝から雨がふったりやんだりのお天気でしたが、
9時過ぎに雨があがりましたので、急に思い立って公園へ向かいました。

蓮の花が開花するのは早朝で、午前7時〜9時ごろには満開となり・・・
お昼頃には花が閉じてしまいます。

早朝から雨がふっていましたので、
満開の時間が少しでも遅れてくれることを期待しながら、
10時過ぎに公園の蓮池に到着しました。

「ふいと来て 見るもうれしや 蓮の花」

明治時代を代表する俳人・歌人「正岡 子規(まさおか しき)」が詠んだ句です。

◎ふいと→思いがけず。突然。急に。ふと。
◎蓮の花(はすのはな)→夏の季語

今年も開花が早く、咲いている花の数は少なかったのですが、
偶然にもベンチの前に待ってくれていたかのような大きくて美しい花が咲いていました。

蓮の花は、ほんとうに美しいですね♡
仏教とも深い関わりがありますね。
先日、京都でお義母さんの一周忌と新盆の法要を無事に終えることができまして・・・
ベンチに座って皆んなの笑顔を思い浮かべながら、風にゆれる美しい花たちに癒されました♡
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