今日も暑い一日でしたね。
我が家の朝顔が咲きはじめました。
「富士の空」と「富士の紅」いう名前の品種です。
二つ咲いているのが空、ちらりと見えているのが紅です。
これから夏本番となりますね。
「朝顔や つるべとられて もらい水」
江戸時代に最も活躍された女流俳人「加賀 千代女(かがの ちよじょ)」が詠んだ句です。
◎つるべ(釣瓶)→縄や竿(さお)をつけて井戸の水をくむ桶(おけ)
◎もらい水→よその家から水をもらうこと
早起きをして井戸へ行きますと、釣瓶に朝顔がからみついて咲いていました。
綺麗に咲いている朝顔を取ってしまうのは可哀想(かわいそう)だから、
そのままにして 近所へ水をもらいに行きましょう。
という情景を詠んだ句として知られておりますが、
千代女さんは、自然との共生をとても大切にされていた方でしたから、
すべての生物の源である “水の大切さ”を通して
“命の尊さ“への深い愛情も込められているように感じます。
千代女さんは、お父さんが表具師(ひょうぐし)というお仕事をされていた一般家庭で育った方だそうです。
表具師というお仕事は、掛軸(かけじく)、屏風(びょうぶ)、衝立(ついたて)、額(がく)、画帖(がじょう)、
巻物(まきもの)などの修理をはじめ、襖(ふすま)の新調、張替、障子(しょうじ)貼りなども行うお仕事です。
掛軸や屏風等に俳句や短歌などが記されていたのでしょうか?
幼少の頃から俳諧をたしなみ、12歳の頃に奉公先のご主人から俳諧を学ぶために弟子になり、
その後、16歳から73歳まで活躍し、1700余の素敵な句を残されました。
日常の何気ない風景を詠まれた句は、とても親しみやすくて心癒されますね♡