V=4/3πr³

詩と物語を紡ぎます

春の調べ

2020-02-13 18:50:00 | poem
   1.不機嫌な朝

 ひんやりと湿っている大気の底で目を覚ましてしまったのが運のつきだ。
 頭が霞むのは990ヘクトパスカルを切った南岸低気圧が沿岸部を舐めている反作用の生臭い風のせいだ。
 ぼたりっぼたりっと大粒の雨まで落ちてくる。ぼたりっぼたりっ。前頭葉にエコーする雨音も低気圧がのたりのたりと舐めている反作用の不安定な『大気』乃ち僕が目覚めた底がひんやりと湿っているからに違いない。

 ヘクトパスカル?
 Correct?
 ヘクトパスカル、ヘクトパスカル!
 Correct?

 じわりじわりっと首を締めるような責任転嫁が蔓延した季節の変わり目。将来はアナウンサー志望なのに醜聞に巻き込まれたお天気お姉さんの爽やかな声。

 爽やかな?
 ヘクトパスカル!
 Correct?
 Correct?

 Negative!
 反吐が出そうに、Negative!





   2.午後

 orchestraは、consertmasterの下、調律を済ませていた。

 我々は未完成で、故に試行錯誤を繰り返し、進化していく。

 日光が、遍く、the third eyeに、neuronに、neurogliaに、熱量を降り注ぐ。

 あとは、同期するだけだ。週末まで待つ必要はない。三寒四温は世の常だ。

 C'est la vie!