2008 No.26 12/6~12/7
作者:アガサ・クリスティー(早川書房クリスティー文庫)
評価・・・★★★★ 4.0
トミー&タペンスのシリーズ2作目で、連絡短編集。
クリスティー作品といえば、灰色の脳細胞と口ひげでおなじみのポアロや、編み物のイメージがよく似合うミス・マープルといった探偵たちが人気ですが、ほかにも若干シリーズ作品があるキャラクターがいます。その中の“1組”がトミーとタペンスです。
幼なじみで夫婦のトミーとタペンスの2人は若く活動的なため、作風もコミカルで明るいイメージかな。私は特にこの2人がお気に入りというわけではなかったのですが、それでも2人がちょっと好きになってしまいました。
この作品で2人は当時の欧米で人気だったと思われるあらゆる作品の名探偵たちのまねをして見せるのですが、ホームズとポアロ以外の名探偵たちを全く知らないため、そのあたりが楽しめなくて残念でした。
短編集としては、いろんなジャンルの事件を解決しているので、飽きずに楽しめると思います。中にはわざと読者が「なんじゃそりゃ~」と叫んじゃうようなお話も混じっており、それはこの2人の探偵ぶりを楽しむ材料となっていて、クリスティーの茶目っ気に思わずニンマリしてしまいました。