2008 No.27 12/7~12/14
作者:アガサ・クリスティー(早川書房クリスティー文庫)
評価・・・★★★☆ 3.5
クリスティーによる戯曲集。
表題作『ブラック・コーヒー』はポアロが登場。
同時収録作品の『評決』はミステリかと思ったら、ドラマ劇でした。
『ブラック・コーヒー』は旧文庫版と小説版(クリスティーの戯曲を元に別人が小説化したもの)で2度読んだけど、個人的にはそれほどおもしろいと思いません。殺人の動機が人間関係のもつれではなく、○○目当てだからかなぁ。
『評決』は“まぼろしの傑作”とかで、今回初めて文庫化された作品です。私はこちらのほうが気に入りました。
ミステリじゃないけど、ミステリに近い雰囲気のある作品。長い間、不治の病を患っている妻を持つ大学教授・カールに、教え子の令嬢が一方的に熱を上げて、そこから起きてしまう悲劇・・・
自分が良かれと思ってとった行動が、結局悲劇を招いてしまう・・・というちょっとこわいお話。でも、カールの妻のいとこ・ライザが最後の最後でとった行動はいかにも演劇的だけど、わたし的には無かったほうが良かったかも。