任侠ヘルパーの最終回が終わって2週間以上がたちましたね。軽く抜け殻状態の私です。なかなか整理がつかなくて感想が書けずにいましたが、思いついたことを書いてみます。長いです
晶と涼太がタイヨウを離れる日。二人の出発時間に、玄関のベンチに座っている彦一…さりげなく(?)、二人を待ち構えていたのですね。タクシーに乗り込もうとする晶の前で、珍しく落ち着かないような素振りを見せる彦一。「なんだよ、あれだよ…頑張れよ」という彦一の言葉に驚く晶。私も、彦一があんなにストレートに励ましの言葉を口にするとは思わなかったので、びっくりすると同時に、胸がきゅーんとなってしまいました このシーンも、何度もリピしてしまいました。
介護難民を押しつけられてしまったタイヨウ。責任者の行方の手がかりを求めて晴菜と一緒に、介護難民が以前過ごしていた施設を訪れるが、そこはひどい有様で…そんなとき、入居者への振り込み詐欺電話に出てしまった彦一。さすがプロ(!?)なだけあって、専門知識で相手に対抗しますが、自分がこれまで同じことをしていたことが急にリアルに胸に迫ってきたのでしょう。息苦しくなって、窓辺へかけよる彦一。窓辺に立ち尽くす彦一の後ろ姿・・・ここもリピのポイントですねぇ。
その後タイヨウに戻り、食事の提供をする彦一たち。介護難民の老人たちに感謝の言葉をかけられ、仲間の任侠ヘルパーたちが老人たちに優しい言葉をかけているのを見て、その場を飛び出してしまう彦一。自分らはいずれ極道に戻る身なのに、何やってんだ、って気持ちになってしまったんですね。
苛立った気持ちのまま寮に戻ってみると、そこには涼太が…つい涼太にあたり、追い出そうとするものの、涼太は彦一によくやられていたように、自分でほっぺたをキュッとつまみ、泣くのを必死にこらえている。(このシーン、一瞬、涼太が何かの発作を起こしたのかと思ってしまいました)
タイヨウを出るときに言われた「すぐに泣き入れるようなやつに、兄貴なんてよばれたくねーな」という彦一の言葉もあったんでしょうが、涼太にとっては彦一にいつもああいうふうにされることで、気合いを入れたり、気持ちを切り替えるきっかけになっていたのかな。
そんな涼太の姿を見て、さすがの彦一も思わず涼太の手をとってしまいます。そこで数拍おいてから、彦一にすがりついて号泣する涼太…私も一緒に号泣してしまいました
母の病、母との別れ、新しい家族との暮らし、転校、彦一と会えない日々…きっと涼太の心は寂しさと不安でいっぱいになっていたんでしょうね。
彦一は言葉をかけることができず、涼太の頭に手をやります。普通の人なら優しく頭をなでてやるんでしょうが、彦一はなでるというより頭をつかむ感じ
幼い頃に母親が家出し、父も死んで、親戚中をたらい回しにされて育ったという彦一…きっと、母親と別れてからは優しく頭をなでられることもなかったからなんだろうな、と想像すると、涼太の心だけでなく、彦一の寂しくつらかった子ども時代まで想像されて、余計泣けてしまいました。涼太の今の境遇がどんなにつらいものなのか、一番わかっている彦一なのでした。
さて、涼太はタイヨウに泊めてもらい、翌朝かいがいしく老人たちの食事のお手伝いをしているところに、涼太パパがタイヨウに乗り込んできます。
そんな涼太パパと介護について議論する彦一。苛立ちを押さえて涼太パパに話しかけるときの彦一の表情、すごかったです。
そこへ六車登場! 「高専賃(高齢者専用賃貸住宅)」をネタに厚労省や県の役人たちを追っ払っちゃう六車! 六車って、結果的には任侠ヘルパー仲間の中では、りこちゃんに次いでおいしい役でしたよね。
さらにその翌日、タイヨウでは老人たちが悪質な風邪に集団感染! 朝から体調不良の涼太のことを仮病と決めつけていた彦一は、涼太も感染したことに気づき、涼太を抱えて一刻でも早く病院に連れて行こうと必死の行動に…涼太への愛情がもはや隠しきれない彦一兄貴なのでした
涼太を父親に引き継いだ帰り道、偶然通りかかった公園で、彦一は介護難民を押しつけていった男を発見し、とっちめようとしますが、「最初にやつらを捨てたのは誰だ? 家族じゃねぇか、国じゃねぇか」、自分にはそこまで義理はないから捨てたんだ、という男の言葉に愕然となり、つい男を押さえつける力もゆるんで逆に殴られちゃう。このシーンの彦一の一連の表情もすごく良かったと思います。
集団感染のおかげで、皮肉にも老人たちの受け入れ先がすべて決まり、タイヨウは解散することに…そして、和泉は頭の伝言を任侠ヘルパーたちに伝えます。予想どおり、幹部に選ばれたのは彦一…でも、未だに頭が自分たちを介護施設に研修させた真意がつかめず、彦一や五郎たちは苛立ちを隠せません。
タイヨウを去ろうとタクシーを待っていた彦一が舎弟に電話を入れるシーンでは、久々に組長っぽいしゃべりで、ここも激リピ・ポイントです
いざタクシーに乗り込もうとしたとき、彦一が目にしたのは何故か施設に戻ってきたタイヨウの入居者の姿でした。
タイヨウの制服やジャージを脱ぎ捨ててスーツを身にまとい、すっかり帰る用意ができていた彦一たち。でも、帰ろうとする彦一に対し、帰って来た老人たちを目にして、五郎は「飯でも作るか」とすごく自然な態度で、スーツを脱ぎ捨てタイヨウの制服である黄色のポロシャツに着替えます。その背中には龍の入れ墨が…彦一のとは違って、五郎の入れ墨は現代っぽい入れ墨でしたね。
彦一に頭を深々と下げた後、元気に老人たちに話しかける五郎…なんかかっこよかったです。
そのあとのりこと晴菜の居酒屋シーンも良かった。りこが、同世代の女の子とこうやって楽しく食事するなんて、きっと久しぶり…というか、ひょっとしたら初めてのことだったかもしれませんね。このあとのりこの人生のことを考えると、この晴菜とのひとときは、りこが普通の女の子のように過ごせた最後の時間だったかもしれません。
りこが楽しく過ごしている間、彦一は晶のところへやってきました。家族でもないのに、なんで施設に入り込めたかのは全く謎ですが、眠っている晶に向かって、涼太のことを報告したり、自分の思っていることを語っているうちに、いつしか彦一のほほには涙が流れ…
でも、実は晶はいつのまにか目を覚ましていたのでした。
この場面での晶の語りかけがすごく良かった。剛くんの表情もよかったけど、晶の言葉と、このときの夏川さんの声のトーンがすごくよくあっていて、心にジーンと響きました。
そして彦一は施設閉鎖のその日、施設にバリケードをして実力行使で訴えることに。じいさん・ばあさん達は最後までここで面倒を見ると…
でも、任侠ものの彦一たちのその行動は、世間的には反社会的行為にしか受け取られず、機動隊が突入する大騒ぎに発展。
ここからドラマ史上に残るような大乱闘シーンに!
剛くんの運動能力を最大限に発揮した跳び蹴りには痺れまくりでした! 跳び蹴りかましたその直後にすぐに行動できるところなんて、さすがとしか言いようがありません!!
あと、ツボだったのは、それまで名前を呼んでるとこを聞いたことがなかったのに、三樹矢や和泉、おっさん(!)の名前を連呼していたとこかな。本当にみんな「仲間」なんだなぁ、と実感して何かうれしくなってしまいました。
彦一は仲間とともにパンチや頭突き、蹴りのほか、木刀(?)を使って必死に抵抗しますが、やはり数や防具で勝る機動隊には抵抗しきれず、最終的には捕まってしまいます…
思いっきり手錠をかけられるシーンが映り、ドキッとするのもそこそこに、容疑者として連行されるシーンがテレビに生中継されてしまいます…
記憶がまた一時的にとんでいたと思われた晶も、通学前の涼太も、そのテレビの画面に釘付けです。
そしてそこに組の連中を引き連れてりこちゃん登場! 彦一に幹部の席を譲られたりこは、その彦一をやっぱり放っておくことはできませんでした。
「しょうがねぇなぁ、うちのお嬢ちゃんは」とぼやく久米だけど、すっごく嬉しそうだ~
ふたたび乱闘が始まるところで、彦一は警察の車両に押し込められます。でも、それまでの十数秒間の彦一は、むちゃくちゃいい表情でしたね。うれしそうというか…任侠ヘルパーの仲間達が『任侠道』の言葉に恥じない行動を取ったことがすごく誇らしくて、そんな仲間達がいることが嬉しかったのかなぁ…
彦一は主犯格として逮捕されてしまいましたが、新聞報道では彦一の言葉が詳しく取り上げられたり、国のこれまでの介護政策に疑問を問いかけるような記事が出ており、彦一の行動が介護行政を変えるかもしれない期待感が…
そして時は流れ…任侠な世界から離れて介護の道に進むことになった五郎。再び娘と会うことができるようになった二本橋。ますます業務拡大中の六車。チャラ男に戻りつつも任侠精神が宿ったような三樹矢と、そのお目付役のような和泉の姿が写った後、手下を引き連れて現れたりこが会いに来たのは、刑期を終えた彦一でした。
ひっそりと出所してきた彦一がいたのは、かつて仕事をさぼったり、涼太や晶とすごした海岸でした。せっかく会えたのに、すぐに去ろうとする彦一に、組に戻らないかと尋ねるりこ。それに対する「さぁな」という彦一の言葉に、りこはキスという思い切った行動に!
いくら手下達の死角になりそうなところに彦一を引っ張っていったところで、手下達に見られてしまうかもしれない危険を冒してまでそのような行動をとったりこがいじらしかったです。
自分の押さえつけていた恋心を一瞬だけ自由にさせてあげたと同時に、その恋心にけじめをつけた瞬間でもあったようです。
何も言わずに去ろうとするりこの後ろ姿に思わず声をかけた彦一ですが、振り返ったりこは「『おい』じゃねぇよ、頭だろ」と返して、手下達の元に戻っていきます。りこちゃん、かっこよかったー
そしていよいよ再会のとき…
彦一はひまわりの花束を手に、晶の暮らす施設へやってきます。
だけどその日の晶は、彦一どころか涼太のことも忘れてしまっているのでした。
「今日は忘れちゃってるみたい」とにっこり話す涼太の姿に、離れていた間に彼の成長を感じた彦一は「…そうか」と笑みを返します。このときの彦一の表情がなんともいえない表情で、この辺から涙腺がおかしくなり始めました。
冷たい飲み物を勧める涼太のほっぺを久々にきゅっとつまんで、「気が利くじゃねぇか」という彦一と、そのあとのにっこにこスマイルの涼太には萌えまくりでした。
テーブルに置かれた彦一の花束を不思議そうに見つめる晶。「いい天気だなぁ」とつぶやく彦一に、「そうですね」と応じる晶。久々に会った晶は、涼太や彦一のことは忘れてたけど、錯乱することもなく穏やかな表情で彦一は安心したんじゃないかな。たばこを取り出し、ライターで火をつけようとする彦一。そのライターの音に、本来の自分に一瞬で戻った晶…これまで散々彦一のたばこのシーンがあったけど、ここでこうやってつながってくるとは夢にも思いませんでした!
彦一のたばこをとりあげて、いつもの強気な口調で「ここは全面禁煙よ」とにっこりほほえむ晶。
その晶からたばこを受け取り、晶から視線を外した彦一の表情がすごく良かった。晶の記憶が戻ったという安堵、うれしさ…と簡単に言葉にはできないような感情がわずか数秒の間に彦一の心に行きかっている様子がすごく伝わりました。一瞬「彦一泣きそう!?」と思ったのも束の間、参ったなぁという感じで彦一の笑顔がはじけて…そこへ缶ジュースをもった涼太が登場!
「兄貴~」とかけよってきた涼太は見事にすってーんと転んじゃいました。ジュースはころころと地面に散らばる始末。
以前の彦一なら「おいこら、転んでんじゃねぇよ」などと言いそうなところ。だけど彦一は、「おぅい、大丈夫か」と転がったジュースを自ら取りに行きます。やっぱり、彦一自身も何か成長したみたいですね。
彦一、涼太、晶がそれぞれ三方に転がったジュースを拾って、一カ所に集まってくるところは、離ればなれになった家族が戻ってきたように感じられて、すごくよかったです。
そして場面はがらりと変わって、さわやかに自転車を走らせるタイヨウの元所長さん。タイヨウにかけられた封印を取り外すシーンでドラマは終わりました!
何かが再び始まる!という明るい予感に満ちたラストで良かったです。
今まで見てきたドラマの中で、一番心に残った最終回でした。もう文句なしの最終回でした。
まだまだ書き足りないのですが、それは次の記事に書くことにします。
晶と涼太がタイヨウを離れる日。二人の出発時間に、玄関のベンチに座っている彦一…さりげなく(?)、二人を待ち構えていたのですね。タクシーに乗り込もうとする晶の前で、珍しく落ち着かないような素振りを見せる彦一。「なんだよ、あれだよ…頑張れよ」という彦一の言葉に驚く晶。私も、彦一があんなにストレートに励ましの言葉を口にするとは思わなかったので、びっくりすると同時に、胸がきゅーんとなってしまいました このシーンも、何度もリピしてしまいました。
介護難民を押しつけられてしまったタイヨウ。責任者の行方の手がかりを求めて晴菜と一緒に、介護難民が以前過ごしていた施設を訪れるが、そこはひどい有様で…そんなとき、入居者への振り込み詐欺電話に出てしまった彦一。さすがプロ(!?)なだけあって、専門知識で相手に対抗しますが、自分がこれまで同じことをしていたことが急にリアルに胸に迫ってきたのでしょう。息苦しくなって、窓辺へかけよる彦一。窓辺に立ち尽くす彦一の後ろ姿・・・ここもリピのポイントですねぇ。
その後タイヨウに戻り、食事の提供をする彦一たち。介護難民の老人たちに感謝の言葉をかけられ、仲間の任侠ヘルパーたちが老人たちに優しい言葉をかけているのを見て、その場を飛び出してしまう彦一。自分らはいずれ極道に戻る身なのに、何やってんだ、って気持ちになってしまったんですね。
苛立った気持ちのまま寮に戻ってみると、そこには涼太が…つい涼太にあたり、追い出そうとするものの、涼太は彦一によくやられていたように、自分でほっぺたをキュッとつまみ、泣くのを必死にこらえている。(このシーン、一瞬、涼太が何かの発作を起こしたのかと思ってしまいました)
タイヨウを出るときに言われた「すぐに泣き入れるようなやつに、兄貴なんてよばれたくねーな」という彦一の言葉もあったんでしょうが、涼太にとっては彦一にいつもああいうふうにされることで、気合いを入れたり、気持ちを切り替えるきっかけになっていたのかな。
そんな涼太の姿を見て、さすがの彦一も思わず涼太の手をとってしまいます。そこで数拍おいてから、彦一にすがりついて号泣する涼太…私も一緒に号泣してしまいました
母の病、母との別れ、新しい家族との暮らし、転校、彦一と会えない日々…きっと涼太の心は寂しさと不安でいっぱいになっていたんでしょうね。
彦一は言葉をかけることができず、涼太の頭に手をやります。普通の人なら優しく頭をなでてやるんでしょうが、彦一はなでるというより頭をつかむ感じ
幼い頃に母親が家出し、父も死んで、親戚中をたらい回しにされて育ったという彦一…きっと、母親と別れてからは優しく頭をなでられることもなかったからなんだろうな、と想像すると、涼太の心だけでなく、彦一の寂しくつらかった子ども時代まで想像されて、余計泣けてしまいました。涼太の今の境遇がどんなにつらいものなのか、一番わかっている彦一なのでした。
さて、涼太はタイヨウに泊めてもらい、翌朝かいがいしく老人たちの食事のお手伝いをしているところに、涼太パパがタイヨウに乗り込んできます。
そんな涼太パパと介護について議論する彦一。苛立ちを押さえて涼太パパに話しかけるときの彦一の表情、すごかったです。
そこへ六車登場! 「高専賃(高齢者専用賃貸住宅)」をネタに厚労省や県の役人たちを追っ払っちゃう六車! 六車って、結果的には任侠ヘルパー仲間の中では、りこちゃんに次いでおいしい役でしたよね。
さらにその翌日、タイヨウでは老人たちが悪質な風邪に集団感染! 朝から体調不良の涼太のことを仮病と決めつけていた彦一は、涼太も感染したことに気づき、涼太を抱えて一刻でも早く病院に連れて行こうと必死の行動に…涼太への愛情がもはや隠しきれない彦一兄貴なのでした
涼太を父親に引き継いだ帰り道、偶然通りかかった公園で、彦一は介護難民を押しつけていった男を発見し、とっちめようとしますが、「最初にやつらを捨てたのは誰だ? 家族じゃねぇか、国じゃねぇか」、自分にはそこまで義理はないから捨てたんだ、という男の言葉に愕然となり、つい男を押さえつける力もゆるんで逆に殴られちゃう。このシーンの彦一の一連の表情もすごく良かったと思います。
集団感染のおかげで、皮肉にも老人たちの受け入れ先がすべて決まり、タイヨウは解散することに…そして、和泉は頭の伝言を任侠ヘルパーたちに伝えます。予想どおり、幹部に選ばれたのは彦一…でも、未だに頭が自分たちを介護施設に研修させた真意がつかめず、彦一や五郎たちは苛立ちを隠せません。
タイヨウを去ろうとタクシーを待っていた彦一が舎弟に電話を入れるシーンでは、久々に組長っぽいしゃべりで、ここも激リピ・ポイントです
いざタクシーに乗り込もうとしたとき、彦一が目にしたのは何故か施設に戻ってきたタイヨウの入居者の姿でした。
タイヨウの制服やジャージを脱ぎ捨ててスーツを身にまとい、すっかり帰る用意ができていた彦一たち。でも、帰ろうとする彦一に対し、帰って来た老人たちを目にして、五郎は「飯でも作るか」とすごく自然な態度で、スーツを脱ぎ捨てタイヨウの制服である黄色のポロシャツに着替えます。その背中には龍の入れ墨が…彦一のとは違って、五郎の入れ墨は現代っぽい入れ墨でしたね。
彦一に頭を深々と下げた後、元気に老人たちに話しかける五郎…なんかかっこよかったです。
そのあとのりこと晴菜の居酒屋シーンも良かった。りこが、同世代の女の子とこうやって楽しく食事するなんて、きっと久しぶり…というか、ひょっとしたら初めてのことだったかもしれませんね。このあとのりこの人生のことを考えると、この晴菜とのひとときは、りこが普通の女の子のように過ごせた最後の時間だったかもしれません。
りこが楽しく過ごしている間、彦一は晶のところへやってきました。家族でもないのに、なんで施設に入り込めたかのは全く謎ですが、眠っている晶に向かって、涼太のことを報告したり、自分の思っていることを語っているうちに、いつしか彦一のほほには涙が流れ…
でも、実は晶はいつのまにか目を覚ましていたのでした。
この場面での晶の語りかけがすごく良かった。剛くんの表情もよかったけど、晶の言葉と、このときの夏川さんの声のトーンがすごくよくあっていて、心にジーンと響きました。
そして彦一は施設閉鎖のその日、施設にバリケードをして実力行使で訴えることに。じいさん・ばあさん達は最後までここで面倒を見ると…
でも、任侠ものの彦一たちのその行動は、世間的には反社会的行為にしか受け取られず、機動隊が突入する大騒ぎに発展。
ここからドラマ史上に残るような大乱闘シーンに!
剛くんの運動能力を最大限に発揮した跳び蹴りには痺れまくりでした! 跳び蹴りかましたその直後にすぐに行動できるところなんて、さすがとしか言いようがありません!!
あと、ツボだったのは、それまで名前を呼んでるとこを聞いたことがなかったのに、三樹矢や和泉、おっさん(!)の名前を連呼していたとこかな。本当にみんな「仲間」なんだなぁ、と実感して何かうれしくなってしまいました。
彦一は仲間とともにパンチや頭突き、蹴りのほか、木刀(?)を使って必死に抵抗しますが、やはり数や防具で勝る機動隊には抵抗しきれず、最終的には捕まってしまいます…
思いっきり手錠をかけられるシーンが映り、ドキッとするのもそこそこに、容疑者として連行されるシーンがテレビに生中継されてしまいます…
記憶がまた一時的にとんでいたと思われた晶も、通学前の涼太も、そのテレビの画面に釘付けです。
そしてそこに組の連中を引き連れてりこちゃん登場! 彦一に幹部の席を譲られたりこは、その彦一をやっぱり放っておくことはできませんでした。
「しょうがねぇなぁ、うちのお嬢ちゃんは」とぼやく久米だけど、すっごく嬉しそうだ~
ふたたび乱闘が始まるところで、彦一は警察の車両に押し込められます。でも、それまでの十数秒間の彦一は、むちゃくちゃいい表情でしたね。うれしそうというか…任侠ヘルパーの仲間達が『任侠道』の言葉に恥じない行動を取ったことがすごく誇らしくて、そんな仲間達がいることが嬉しかったのかなぁ…
彦一は主犯格として逮捕されてしまいましたが、新聞報道では彦一の言葉が詳しく取り上げられたり、国のこれまでの介護政策に疑問を問いかけるような記事が出ており、彦一の行動が介護行政を変えるかもしれない期待感が…
そして時は流れ…任侠な世界から離れて介護の道に進むことになった五郎。再び娘と会うことができるようになった二本橋。ますます業務拡大中の六車。チャラ男に戻りつつも任侠精神が宿ったような三樹矢と、そのお目付役のような和泉の姿が写った後、手下を引き連れて現れたりこが会いに来たのは、刑期を終えた彦一でした。
ひっそりと出所してきた彦一がいたのは、かつて仕事をさぼったり、涼太や晶とすごした海岸でした。せっかく会えたのに、すぐに去ろうとする彦一に、組に戻らないかと尋ねるりこ。それに対する「さぁな」という彦一の言葉に、りこはキスという思い切った行動に!
いくら手下達の死角になりそうなところに彦一を引っ張っていったところで、手下達に見られてしまうかもしれない危険を冒してまでそのような行動をとったりこがいじらしかったです。
自分の押さえつけていた恋心を一瞬だけ自由にさせてあげたと同時に、その恋心にけじめをつけた瞬間でもあったようです。
何も言わずに去ろうとするりこの後ろ姿に思わず声をかけた彦一ですが、振り返ったりこは「『おい』じゃねぇよ、頭だろ」と返して、手下達の元に戻っていきます。りこちゃん、かっこよかったー
そしていよいよ再会のとき…
彦一はひまわりの花束を手に、晶の暮らす施設へやってきます。
だけどその日の晶は、彦一どころか涼太のことも忘れてしまっているのでした。
「今日は忘れちゃってるみたい」とにっこり話す涼太の姿に、離れていた間に彼の成長を感じた彦一は「…そうか」と笑みを返します。このときの彦一の表情がなんともいえない表情で、この辺から涙腺がおかしくなり始めました。
冷たい飲み物を勧める涼太のほっぺを久々にきゅっとつまんで、「気が利くじゃねぇか」という彦一と、そのあとのにっこにこスマイルの涼太には萌えまくりでした。
テーブルに置かれた彦一の花束を不思議そうに見つめる晶。「いい天気だなぁ」とつぶやく彦一に、「そうですね」と応じる晶。久々に会った晶は、涼太や彦一のことは忘れてたけど、錯乱することもなく穏やかな表情で彦一は安心したんじゃないかな。たばこを取り出し、ライターで火をつけようとする彦一。そのライターの音に、本来の自分に一瞬で戻った晶…これまで散々彦一のたばこのシーンがあったけど、ここでこうやってつながってくるとは夢にも思いませんでした!
彦一のたばこをとりあげて、いつもの強気な口調で「ここは全面禁煙よ」とにっこりほほえむ晶。
その晶からたばこを受け取り、晶から視線を外した彦一の表情がすごく良かった。晶の記憶が戻ったという安堵、うれしさ…と簡単に言葉にはできないような感情がわずか数秒の間に彦一の心に行きかっている様子がすごく伝わりました。一瞬「彦一泣きそう!?」と思ったのも束の間、参ったなぁという感じで彦一の笑顔がはじけて…そこへ缶ジュースをもった涼太が登場!
「兄貴~」とかけよってきた涼太は見事にすってーんと転んじゃいました。ジュースはころころと地面に散らばる始末。
以前の彦一なら「おいこら、転んでんじゃねぇよ」などと言いそうなところ。だけど彦一は、「おぅい、大丈夫か」と転がったジュースを自ら取りに行きます。やっぱり、彦一自身も何か成長したみたいですね。
彦一、涼太、晶がそれぞれ三方に転がったジュースを拾って、一カ所に集まってくるところは、離ればなれになった家族が戻ってきたように感じられて、すごくよかったです。
そして場面はがらりと変わって、さわやかに自転車を走らせるタイヨウの元所長さん。タイヨウにかけられた封印を取り外すシーンでドラマは終わりました!
何かが再び始まる!という明るい予感に満ちたラストで良かったです。
今まで見てきたドラマの中で、一番心に残った最終回でした。もう文句なしの最終回でした。
まだまだ書き足りないのですが、それは次の記事に書くことにします。