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『イノセント・ゲリラの祝祭』

2010-01-16 12:30:28 | 読書
2010 No.3  1/11~14

作者:海堂 尊(宝島社文庫)

評価・・・★★★★☆ 4.5

田口・白鳥シリーズの文庫最新巻です。
今回はミステリー色は全くなく、日本の医療を悪くしてるのは牽引役の厚生労働省とそこに巣くう官僚達である、という強烈なメッセージを感じました。あと一部のおエライ医者の先生方も足を引っ張ってる。
これを医療から社会に置き換えると「日本社会をダメにしてるのは官僚達とその組織(天下り団体含む)と政治家たち」ということになるのかな。

厚生労働省の開く各種検討会やパブコメ、キャンペーンなど、そのままいいことと信じちゃうのは危険なんですね…私はニュースでも人の話でも、すぐに表面どおり受け取ってしまうところがあるので、このような捉え方はすごく勉強になりました。
物事の裏の意味を敏感にかんじられるようにならなきゃなー

本作は読み手によったら全くおもしろくないかもしれません。でも私はおもしろかったです。

海堂先生は小説を通して医療の問題点を一般人にまで伝えようとしてるんでしょうね。
本作では新聞記事の形で次回作の伏線らしきものが盛り込まれてました。それは現実に起こった事故が思い起こされるもので、慎重に描かないとちょっとした怖いネタみたいなのでちょっと心配。
でも、これからも現役ドクターとして、刺激的で勉強になる作品を提供していただきたいです。


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