下地島空港への航空自衛隊・F15戦闘機
常駐配備と軍事利用に反対する声明
新聞報道によると、防衛省は宮古島市の下地島空港にF15戦闘機を常駐配備させることを検討しているとのことです。これは中国の航空機による尖閣諸島周辺への領空侵犯に対処することを名目にしていますが、安倍首相は1月5日、防衛省幹部らに領空・領海の警備態勢の徹底を指示したことにより、防衛省は、13年度予算概算要求に、南西諸島への部隊配備の調査費として数百万円を計上する方針であり、さらにそれを具体化するものとして下地島空港へのF15戦闘機の常駐配備を検討しているものと思われ、南西諸島の軍事要塞化が目的であると考えられます。
下地島空港は、第3種の民間空港で、民間活用しかできないものです。そのうえ1971年に日本政府と当時の琉球政府との間で、「民間空港以外の目的の使用はしない。」とする覚書(以下「屋良覚書」という。)を交わしており、現在空港を管理している沖縄県も「県は『屋良覚書』を踏襲する立場であり、政府も当然これを踏襲すべきである。」と表明しています。
さらに2005年3月、下地島空港が存在する旧伊良部町の町議会で自衛隊を下地島空港に誘致する決議をしたことに対して、住民3,500人が議会に「ノー」を突きつけ、結果としてこれを撤回させた輝かしいたたかいの歴史もあります。
昨年の選挙で政権を取った自民党は、憲法九条を改悪し、国防軍を設置し、集団的自衛権の行使を可能とするなど、日本を「戦争をする国」にしようとしていることは明確であり、尖閣諸島をめぐる領土問題でも自衛隊を増強するなど軍事的に対応しようとする姿勢です。 しかし、領土問題は冷静な外交交渉で解決すべきものであり、軍事的な対応はすべきではありません。南西諸島への自衛隊配備を強行すれば、近隣諸国との緊張を徒に激化するだけで、決して地域の平和を構築することにはなりません。ましてや現在の日米安保条約のもとでは、自衛隊の基地は米軍が自由に使用することが出来る体制になっており、自衛隊が配備されれば、オスプレイも下地島空港に配備される危険性もあります。
軍事衝突が起これば、日本本土を守るための捨石として再び、南西諸島が戦場になりかねません。
私たちは、平和で安全な宮古を次代に引き継ぐことを希求しており、日本政府が下地島空港に航空自衛隊のF15戦闘機を常駐配備することや南西諸島に自衛隊を配備すべきでないと強く求めるものです。
2013年1月24日
宮古平和運動連絡協議会