<葉桜を吹き渡る風よ記憶せよここにみちのくといふ国のありしを>。
俳人、長谷川櫂さんは東北の被災地に尽きせぬ思いをあえて短歌で表した。
東日本大震災が起きたとき、桜のつぼみはまだ堅く小さかった。満開になっても花を楽しむゆとりを持てなかった人が多かったろう。桜前線が東北を通り過ぎ、葉桜となった今、あらためて被害の甚大さが身に染みる。
震災から今日でちょうど二ヶ月。ライフラインや交通網の復旧が進み、「日常」をほぼ取り戻した地域もある。だが、岩手、宮城、福島の沿岸部では、深い爪痕が癒える気配さえ見えてこない。失われた海岸線、大規模な地盤沈下。街や港の青写真が描けない。多くの人が今も避難所で暮らす。福島第一原発事故も収束への確かな道筋は示されない。あの日あの時から時間が止まったままの人もいるのだ。
長谷川さんにこんな一首もある。
<「求道すでに道である」ならば大津波の瓦礫の原にすでに道あり>。
宮沢賢治の有名な言葉を引いて、道を求め始めた時から、復興に向けて歩み出しているのだと励ます。どれほどの時間がかかるか分からないが、一歩ずつ前へ進んで行きたい。日本中の人々が、みちのくの再建を信じ、力を貸してくれている。
誰もが余裕をもって桜を愛でる日がきっと来よう。
5月11日の河北新報の「河北春秋」から
暗黒の日から二ヶ月が経過いたしました。
被災地の方々の正直な気持ちが「河北春秋」に表現されているのではないかと思い、拝借いたしました。
来年こそ、いや一年でも早く、被災した方々が穏やかな気持ちで桜の花を愛でることができたらいいな、と願わずにいられません。
「がんばろう宮城」「がんばろう東北」の掛け声が一層大きくなっております。
被災地、被災者に、末永い、ご支援、ご声援、宜しくお願い申し上げます。
俳人、長谷川櫂さんは東北の被災地に尽きせぬ思いをあえて短歌で表した。
東日本大震災が起きたとき、桜のつぼみはまだ堅く小さかった。満開になっても花を楽しむゆとりを持てなかった人が多かったろう。桜前線が東北を通り過ぎ、葉桜となった今、あらためて被害の甚大さが身に染みる。
震災から今日でちょうど二ヶ月。ライフラインや交通網の復旧が進み、「日常」をほぼ取り戻した地域もある。だが、岩手、宮城、福島の沿岸部では、深い爪痕が癒える気配さえ見えてこない。失われた海岸線、大規模な地盤沈下。街や港の青写真が描けない。多くの人が今も避難所で暮らす。福島第一原発事故も収束への確かな道筋は示されない。あの日あの時から時間が止まったままの人もいるのだ。
長谷川さんにこんな一首もある。
<「求道すでに道である」ならば大津波の瓦礫の原にすでに道あり>。
宮沢賢治の有名な言葉を引いて、道を求め始めた時から、復興に向けて歩み出しているのだと励ます。どれほどの時間がかかるか分からないが、一歩ずつ前へ進んで行きたい。日本中の人々が、みちのくの再建を信じ、力を貸してくれている。
誰もが余裕をもって桜を愛でる日がきっと来よう。
5月11日の河北新報の「河北春秋」から
暗黒の日から二ヶ月が経過いたしました。
被災地の方々の正直な気持ちが「河北春秋」に表現されているのではないかと思い、拝借いたしました。
来年こそ、いや一年でも早く、被災した方々が穏やかな気持ちで桜の花を愛でることができたらいいな、と願わずにいられません。
「がんばろう宮城」「がんばろう東北」の掛け声が一層大きくなっております。
被災地、被災者に、末永い、ご支援、ご声援、宜しくお願い申し上げます。