50のひとり言~「りぷる」から~

言葉の刺激が欲しい方へ。亡き父が書きためた「りぷる」(さざ波)を中心に公開します。きっと日常とは違った世界へ。

「ぼちぼち舞台も跳ねるところ・・・

2015-04-25 20:11:40 | 小説
「ぼちぼち舞台も跳ねるところ。帰りましょう」
「はい」
といった若者を耳に入れながらクモはロビーの椅子を立った。そうして、途端に皮張りのドアが開くと観客たちが押し寄せてきた。追われるようにして街路に飛びだし、ネオン街の闇に迫られていくうちに、
「ぼくは結構しあわせなんだ」
と若者がぼそりと呟いた。そうだともさ君らは・・・・・・。

(つづく)