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サイケデリック・ペンタトニック!?

カリメロレコード(架空)の店主の何でもござれの日々の音楽コラム

jerry garcia & david grisman/so what

2005年05月30日 17時36分06秒 | 洋楽
このCDは、1998年リリースのジェリーガルシアとデヴィッドグリズマンの
双頭クインテットによるもの。

ジャリーガルシアといえば、皆さんご存知グレイトフルデッドのリーダーである。
本体であるデッドではアメリカンルーツミュージックに根ざした音楽性で
長尺のジャムなどで人気を博し、彼らと共に各地を回る熱狂的な
ファン「デッドヘッズ」や可愛い熊のぬいぐるみ「デッドベア」で知られる。
更にソロでは、よりルーツミュージックに接近した作品を多く残した人である。

デヴィッド・グリズマンはというとあまり馴染みがないかも知れないが、
この人の歴史は一つのアメリカン・ミュージックとも言える歴の長い人である。
もともとはブルーグラス畑で活躍していた人でビルモンローなどのバックも
務めているマンドリン奏者である。1960年後半にはピーターローワンらと
ルーツに根ざしているんだけど時代の煽りを受けサイケな方向へ向かって
しまったという感じの、でもそれが奇跡のサウンドを生んだグループ
「アースオペラ」を結成。ここではサックスなど多様な楽器もこなした。
特にセカンドの『アメリカンイーグルの悲劇』は、
どこかジャズロック、プログレッシブなどの香りも漂う名盤である。
その後はこれまた伝説のバンド『ミュールスキナー』を結成。
クラレンス・ホワイトの超絶的なギターも聴くことが出来るバンドで、
ブルーグラスを見事にロック化することに成功し、後進に多大な影響を与えた
偉大なバンドである。更に前述のジェリーガルシアとともに
「オールド・イン・ザ・ウエイ」を結成。最近未発表のライブ音源がリリースされた。
ソロになってからは、「デヴィッドグリズマン・クインテット」として
マンドリンの更なる可能性を求めて活動。70年代の後半にリリースされた
クインテット名義でのセカンドアルバム『Hot Dawg』はジャズチャートの一位を
獲得するなど幅広い活躍を行う。セカンドの名前をとった『Dawg』なるジャンルを
自分自身で創り出し、『Acoustic Disc』というレーベルも創り出し、
ジャンルを超えたミュージシャンとセッションを行い、
今も精力的に活動中である。

ロック・ファンにはグレイドフル・デッドの70年リリースの名盤
『アメリカン・ビューティ』にゲスト参加している人といえば分かるかも知れない。

そんなグリズマンなのでリリースされた音源は半端ではないのですが、
そんな中からこのCDの紹介です(やっと本編突入)。

1998年リリースですが、音源は90~92年の間に録られたセッション音源を
まとめたもので、アルバムのタイトル『so what』という名前からも
分かる通りなんと全編ジャズを元にジャムを行った彼の、二人の中でも
異色作です(「so what」は勿論マイルス・デイヴィスの名曲です)。

1.so what(miles davis)-take 1,3/8/91 6:52
2.bag's groove(milt jackson)-take 5,11/24/92 8:41
3.milestones(miles davis)-take 5,6/2/92 7:55
4.16/16(david grisman)-take 3,11/24/92 6:14
5.so what(miles davis)-take 1,12/6/90 7:49
6.bag's groove(milt jackson)-take 1,6/4/92 8:20
7.milestones(miles davis)-take 3,6/2/92 10:14
8.so what(miles davis)-take 1,6/4/92 7:40
total time-64:06

jaerry garcia-guitar,david grisman-mandolin.jim kerwin-bass,
joe crave-percussion,matt eakle-flute(tracks 2 and 4)

ここでのジェリーは全編アコースティックギターを弾いています。
グレイトフルデッドといえば、ジャム。
ジャムといえば、即興演奏のこと。
即興演奏といえば、ジャズ。
といったように決して相性は悪くない組み合わせ。いやむしろこの組み合わせは
全くもって正解。今はやりのアコースティックスウィングとも違った
スリリングな演奏を聴くことが出来ます。どちらも相当演奏は上手いですが、
とりあえずとっても早い速度で次々とフレーズを繰り出します。
もうどうやって弾いてるのか分かりません。
でもリズム隊もウッド・ベースにパーカッションだし、
このアコースティックなサウンドがなんとも気持ちよく、
それでいてスリリング。いつ聞いても飽きないサウンドは
やはりこの二人だからこそ創り出せるものだと思います。

興味ある人は聞いてみて下さい。おすすめですよ。

こちらで視聴できます。

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9 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
グリスマン (ogata)
2005-06-01 02:23:28
こんばんわ。カリメロレコードの品揃えは豊富ですねぇ。良い具合に偏ってて、解説も詳細で面白いですね。
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Unknown (Matsuoka)
2005-06-01 22:19:57
ogataさん、コメントありがとうございます。凄く最高の褒め言葉を頂きました。ありがとうございます!自分に正直に音楽を聴いていたら、良い具合に偏ってきました(笑)またご来店下さいね。
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ジェリーとマイルス (いのうえ)
2005-06-04 22:02:08
おしさしぶりです! ジェリー及びグレイトフル・デッド初心者の小生は LIVE/DEADの最初の曲 DARK STARでジェリーの奏でる旋律の一部がとてもMILESぽかったので少なからず影響を受けているのかな~と思っていたのですが やっぱり! 一刻も早く聴いてみたいアルバムです。 教えていただき有り難うございました。
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Unknown (Matsuoka)
2005-06-05 22:55:39
いのうえさん、ありがとうございます。映画『フィルモアの最后』でサンタナがイン・ア・サイレント・ウェイをカバーしてましたが、やはりあの時代ロック・バンドもマイルスの影響は受けていたんでしょうね。当然マイルスもロックから影響受けていたと思いますし(特にジミヘン?)。



ところでフェスティバル・エキスプレスのDVDがいよいよ7/29発売だそうで!待ち遠しい!
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なるほど (いのうえ)
2005-06-06 01:55:50
やはりあの頃は怒涛の時代でしたね。そのなかでもやはりマイルスは先見性があったな~と思います。 あのジョン・マックロウリンを起用したBICHES BREWは1969年夏の録音ですからスゴイですよね。でも同年暮れ発表されたLIVE/DEAD のなかの FEED BACK(インストルメンタル)がまたそれと通じるものがあっていいんですね。



日本でのFestival Express のDVD発売、大変待ち遠しいですね!!
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訂正 (いのうえ)
2005-06-06 02:02:49
MILESのアルバムは BITCHES BREW です。(Tが抜けてました。)失礼しました! 
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訂正 ② (Unknown)
2005-06-07 21:50:28
たびたびホントにすみません。勘違いしてました。LIVE/DEADのなかの Feedback はMILES DAVIS とは 曲調全く無関係でした。 MILESの影響を感じたのは、All Good Things : Jerry Garcia Studio Sessions [BOX SET] の DISC 3, 13曲目の Orpheus というインストルメンタルでした。時代的にはBITCHES BREW のもっと後ですね。

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はじめまして (unclem2005)
2005-06-08 00:52:01
このアルバム 最高ですよね。

garciaのjazzの血とでも言うのでしょうか?

楽しそうに、でも 鋭いギターの感性、

グリスマンも凄いし も~し分ないですよね。

あまりjazzは 知らないんですけど。

聞きたくなるアルバムですよね。
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Unknown (Matsuoka)
2005-06-09 01:24:51
いのうえさん、LIVE/DEAD最高ですよね!もう凄すぎなんだけど、心地良くもありで、さすがです。ガルシアのBOX出てるんですね。ノーチェックでした。というかそこまで手が回りません!本家のデッドですらまだまだですから(笑)ジョンは日本では色んな呼び方されてるみたいですね。ちなみに私は「ジョン・マクラフリン」です。マハビシュヌ格好良過ぎです!



unclem2005さん、こちらに来ていただきましてありがとうございます。さすがにこのアルバムも聞いてらっしゃるようですね。私もあんまりジャズは詳しくないんですが、ことあるごとに聞きたくなります。この心地良さ&スウィング感が、 個々の壮絶な技量に裏打ちされているということを感じさせないのが凄いです。軽くやってのけてるみたいですよね。

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