サイケデリック・ペンタトニック!?

カリメロレコード(架空)の店主の何でもござれの日々の音楽コラム

シューゲイザー

2008年05月31日 09時07分52秒 | 邦楽
古いクイック・ジャパンをペラペラめくっていると(昔のQJは面白かった!)、
ページの欄外にちょっとした告知が。

何でも今度(大分古い話ですよ)一年半ぶりに、
クラブチッタ川崎で裸のラリーズのステージがあると。
で、マイ・ブラやソニック・ブーム好きも必見というようなことが書いてあった。

ふんふん、今でこそなにやら神格化された感があるラリーズですが、
当時もそうなのかも知れないけど、QJ編集部はラリーズの轟音具合が、
シューゲに通じるものがあると思ったんでしょう。で上のような案内を出したと。

でもシューゲイザーが再び盛り上がっているようだけど、
シューゲ好きからみて「裸のラリーズ」はどういう位置付けなんでしょうか?




ラリーズもどきのフォロワーは多いけど、
こういう違った面から評価されると、
また新たなアプローチの音楽が生まれてきそうだけど。

Gary Mcfarland/AMERICA THE BEAYTIFUL

2008年05月30日 23時27分46秒 | 洋楽
和モノファンには、渡辺貞夫がバークリーに留学中に彼と知り合いレコーディングにも参加した、
ゲイリー・マクファーランドのこちらは1968年のアルバム、
『アメリカ・ザ・ビューティフル』。

ジャズ・ロックつながりで、購入しました。
※国内紙ジャケも出ているようですが、今回は輸入版デジパックで。


ジャズ・オーケストラ編成による全6曲

1. オン・ディス・サイト・シャル・ビー・エレクティッド
2. 80マイル離れて
3. サバービア
4. “イフ・アイム・エレクティッド”
5. プロミスト・ランド
6. ドゥー・トゥ・ア・ラック・オブ・インタレスト

参加者がこれまた豪華。

エリック・ゲイル (g)
ウォーレン・バーンハート (p)
スヌーキー・ヤング (tp)
ランディー・ブレッカー (tp)
ジョー・ファレル (ts)
チャック・レイ二― (b)
バーナード・パーディー (ds)
…他
録音:1968年12月 / NYC

こうなると全くジャズを意識して聞けてしまうくらい、格好良い「ロック」です。

特に一曲目!

もう本当にびっくりしました!

冒頭の静寂から、ギターのカッティングが始まったと思ったら、
あれれ!これはひょっとして・・・

そうなんとリップ・スライムの「FUNKASTIC」じゃないですか!





全く知りませんでしたが、リップ・スライム、まんまパクってます。

ん~こんなところからネタを持ってくるとは、リップ・スライム、今更に凄い。

というか、ゲイリー・マクファーランド、感覚がヒップすぎ。

もうリップ・スライムの歌抜きのオケと思ってしまうほどの原曲ですが、
この原曲がもの凄い格好良い!1968年にしてこの感覚。

リップ・スライムを見ていただいて分かるかと思いますが、
まったくジャズではなく、ロック!

この一曲だけでも「買い」な一枚です。


DVD『Ginger Baker In Africa』は良い!

2008年05月15日 13時35分50秒 | CREAM/ERIC CLAPTON
最近クラプトンとスティーブ・ウィンウッドとのジョイント・ライブや、
スティーブの最新作で再びブラインド・フェイスにスポットが当てられているが、
(レココレ最新号はスティーブ/ブラインド・フェイス特集)
全くジンジャー・ベイカーの話題が出てこない!
(リック・グレッチの方がもっと出てこないけど・笑)

クリームの再結成での、力みなぎるドラム・プレイには誰しも心が動かされた筈だが、
もうそろそろヤバイんでしょうか?と心配になってしまいます。

そう、私、ジンジャー・ベイカー大好きなんです!

あんまり周りに好きと公言している人を見たことないですが私は好きです。

全キャリアを通して聞いてきた訳ではないけど、
それでも60年代~70年代にかけてのものはブートも含めて結構聞いてきたはず。

彼のジャズあがりでタムを多様するスタイルはあのサイケデリックな時代にマッチし、
ミッチ・ミッチェルの若くて手数の多い感じやボンゾの重たいドラムとも異なる、
ダイナミックでおおらかで土着的なスタイルが素晴らしい。
あれはやはりジンジャーでないと出来ないのである。

ブラインド・フェイス結成の時に、なぜクリーム解散の時に散々喧嘩別れしたメンバーと
再びエリックが組むことになったのか。

それはやはりザ・バンド的なアーシーさを目指した時にそれを叩けるようなドラマーが、
ジンジャーしかいなかったからに他ならない。
(クラプトンはクリームの時のように叩かないことを条件に出したなんて話もありますが)

そしてその土着的でアーシーな感じは、ブラインド・フェイスの解散後、
クラプトン以外のメンバーやグラハム・ボンドなどなど早々たるメンツを集めて結成した、
「ジンジャー・ベイカーズ・エア・フォース」へと帰結する。

スティーブ・ウィンウッドのジャンルレスな感じにも直結する、
ジャズあり、ロックあり、R&Bあり、アフリカありな感じがエア・フォースである。

ライブ録音の1st、そしてメンバーを大幅にチェンジ(アフリカ人が多い)の2ndと
2枚出して解散してしまったが、断然一枚目が良い!

セカンドはどちらかというと土着的な面が出すぎな感じが個人的にはしてしまいどうも・・・だが、
ファーストは、イギリス人特有の憂いを帯びた感じとジャンルレスな感じが上手く融合し、
あの時のイギリス人にしか出せないブリティッシュ・(ジャズ・)ロックが生み出せている。

そんなジンジャー・ベイカーのDVD(上の写真)が出ていることをご存知だろうか?
(やっと本題)

1971年にアフリカに傾倒していた時に、ナイジェリアに自分のスタジオを作るために
アフリカを訪れた時の模様を収めた53分のショート・ムービー?(ドキュメント?)である。

1971年と言えば、このフェラ・クティとのアルバムが有名。
41DnvsNbrGL._SL500_AA240_

クリーム時代をはるかに凌駕するような驚異的なドラミングが聞ける本作ですが、
おそらくその時の模様と近い映像なのではと言えます。

このDVDにはフェラと出会う場面や、フェラのLIVEシーン(雨の中での魔術的ともいえる演奏)
もありますが、残念ながら二人そのものの演奏は収められたはいません。

でも現地の人とのセッションが最高に格好よく、
そして非常に楽しそうに叩くジンジャーが印象的。

そのDVDのセッションの一部をYOUTUBEから。





もう一つ。
演奏シーンもさることながら、サハラ砂漠をひたすら運転するジンジャーを前半は
追い続けており、そこに非常に独特な彼のイギリスなまりのイントネーションでの、
ナレーションがつくのですが、これがメチャクチャ格好良い!

まるでアメリカン・ニュー・シネマのロード・ムービーのような格好良さ。
当時の一流ロックミュージシャンの私服も見所。
異論はあるかも知れないけど、ジンジャー・ベイカーは非常に男前だと思う。

現地のミュージシャンがもの凄いサイケでグルーヴィーな演奏を奏でていたり、
そうかと思えば昔から伝わる踊りや伝統楽器を映し出していたりと、
もろもろを含めて非常に見ごたえのあるDVDだと思うので、ファンは必見です。

※少しでも興味がないと退屈なDVDではあると思います(苦笑)