サイケデリック・ペンタトニック!?

カリメロレコード(架空)の店主の何でもござれの日々の音楽コラム

1992年のジンジャー・ベイカー

2012年12月10日 23時47分14秒 | CREAM/ERIC CLAPTON
2012年11月に「21年ぶりに」来日公演を行ったジンジャー・ベイカー。

21年前の1991年には今治のフェスにて「ジンジャー・ベイカー・バンド」として出演。
こちらはCDと映像が残っている。

しかし調べてみるとその翌年1992年にも来日しているようで、
それが今回紹介するMATERIALの「LIVE IN JAPAN」。
(発表は1993年)

マテリアルはビル・ラズウェル率いるグループ。

■この時のメンバー
・Fody MUsa Suso : Kora,Dousongonni,Guitar,Percussion,Vocal
・Bill Laswell : Bass
・Bernie Worrell : Piano,Hammond Organ,Clavinet,Synthesizer
・NIcky Skopelitis : 6&12 strings Guitars
・Aiyb Dieng : Chantan,Congas,Talking Drum,Percussion
・GInger Baker : Drums

■このCDの録音データ
Shinjuku Pit Inn,Tokyo - August 2,1992
Kyoto - August 5,1992
Imabari - August 7,1992

■曲目(曲名の後ろは収録時間)
01.INOVATION 5:21
02.LEAVING EARTH 6:39
03.DESERT STAR 9:38
04.OUT OF THE DREAMTIME 5:29
05.OBSESSED 10:45
06.INTO THE SEVENTH HOUSE 6:20
07.DOUDOUGONNI SONG 4:46
08.THE RECEIVER 8:06
09.THE CREATOR HAS A MASTER PLAN 8:50
10.THE IMAGE OF THE ONE 2:28

実はこの1992年の面子はほとんど前年来日の時と同じ。

勝手な推測ですが、1991年にフェスに出るにあたってマテリアルよりも
ネームバリューのある「ジンジャー・ベイカー・バンド」で出演し、
その時の演奏が好評だったため1992年も来日公演を行い、
本来の「MATERIAL」名義にしたのではないでしょうか。

ちなみにこちらが91年の演奏(1992年の演奏は残っていないようです)



メンツもほぼ同じなので、1992年のサウンドも同様のエスニック色の濃いもの。

このCD聞いた限りでは、1曲目と10曲目はどうやらイメージソングか、
もしくはオープニング/クロージングテーマのよう?で、LIVEテイクではなさそうです。

2曲目の頭にうっすらと歓声が上がって幕が開けます。
ガムランのような民族楽器のような音のリフ?に、一聴でジンジャーと分かるドラミングが入ってきて、
そこにベースが加わり、グルーヴがスタート。反復するベースラインに英語ではない歌詞や
エスニックな上ものがかぶさります。そこにジンジャー・ベイカーの縦横無尽なドラムが絡みつきます。
(YOUTUBEで聞くことが出来ます→こちらをクリック)

5曲目はこのCDの中で一番長い曲ですが、ドラムとパーカッションのソロ。
ただしクリームのようないわゆるドラムソロではなく、パーカッションと寄り添うようなソロが続くというもの。

個人的なベスト・トラックは9曲目。
ベースから始まる曲で、そのベースラインが好きというのもありますが、
この中で一番モーダルなアフロ・ジャズ・ロックを体感できます。
全体的に格好いいですが、ジンジャー・ファンとしてこういった曲を聴けるだけでもありがたい。




このCD、GINGER BAKERが参加しているというだけで購入しましたが、個人的には大正解な一枚。
ジンジャー・ベイカーが好きで上記のYOUTUBEのようなサウンドもお好きな方は
ぜひ聞いてみていただきたいお勧めのアルバムです。


▼裏ジャケ



▼当方未入手ですが、国内盤のジャケはこちらのよう。解説に何が書いてあるのか気になります。



ということで、本題はというと、2012年の来日公演は実質的に「20年ぶり」の公演でした!!

1991年のジンジャー・ベイカー

2012年12月08日 00時08分40秒 | CREAM/ERIC CLAPTON
2012年11月のジンジャー・ベイカーの来日公演が未だに忘れられずにいますが、

その時の宣伝文句にこういうものがありました。

「ザ・レジェンド! 元クリームのスーパードラマーが21年ぶりに来日」



21年ぶりということは、1991年。

1991年にジンジャー・ベイカー来日していたことを知らなかったので、

単独なのか、何なのかちょっと調べてみました。



調べてみると、1991年の8月17、18日に今治市で「IMABARI MEETING 1991」という

イベントが行われ、それに「ジンジャー・ベイカー・バンド」として参加していたようです。

そしてこれはCDとVHSにもなっているようです!全然知りませんでした!

CDは残念ながら廃盤で高値をつけているようですが、YOUTUBEでは聞くことが出来ます。

そしてなんと映像もYOUTUBEで見ることが出来ました。 




かなりエスニック色の濃いバンドですが、好きです。



CDの収録曲はこちら。※当方未入手。

ジンジャー・ベイカー・バンドは3曲収録のようです。

ディスク:1
1. マージナル・ムーン(近藤等則・IMA)
2. ファイアー・メイクス・ダークネス(同)
3. ドライ・スロート(同)
4. サンダ(同)
5. ハチハル(ネーネーズ with 知名定男)
6. 永良部スンサミ(同)
7. 永良部ゆりの花(同)
8. カチャーシ(同)
9. ワン・サウザンド・ハンズ・ゴッド(ジンジャー・ベイカー・バンド)
10. サンキュー・IMABARI(同)
11. タイフーン・アイランド(同)

ディスク:2
1. さよなら好きになったヒト(ランキン・タクシー&ザ・トロピカルキングス)
2. アタマカラダ(同)
3. ドリョクとニンタイ(同)
4. ティック・タック(ビル・ラズウェル・ドロップ・ゾーン)
5. ドロップ・ボディ(同)
6. ブレイン・ウォー(近藤等則・IMA)
7. メタリック・バンブー(同)
8. HOPPOH(同)


このイベントから21年後に今年の来日があったわけですね!!!


と思ったらなんと1992年にも来日していたようです!?


それは一体・・・というわけでジンジャーネタは続きますww

Ginger Baker来日公演レポ(2012年11月22日1st Show)

2012年12月04日 23時24分16秒 | CREAM/ERIC CLAPTON
2012年夏にジャック・ブルースが来日してCharと屋敷豪太とLIVEを行ったのも記憶に新しいけど、
まさかまさかのジンジャー・ベイカーまで来日!ということでワクワクしながら見に行ってきました!

ジンジャー・ベイカーといえば2005年のCreamの再結成以降はあまり大きな動きがなく、
2009年の生誕70歳記念のLIVEとそれのソフト化があったくらいで、突然の来日のアナウンスにびっくり。

今回の来日は東京でのみ三日間の開催。
場所は東京丸の内のCOTTON CLUB

11月21~23日の三日間の開催で、
それぞれ一日二公演形式。

2012. 11.21.wed - 11.23.fri
[1st.show] open 5:00pm / start 6:30pm
[2nd.show] open 8:00pm / start 9:00pm

※11.23.friのみ
[1st.show] open 4:00pm / start 5:00pm
[2nd.show] open 6:30pm / start 8:00pm

名義は、
GINGER BAKER's JAZZ CONFUSION
ジンジャー・ベイカー・ジャズ・コンフュージョン

というもので、メンバーはジンジャー含めて下記の四人編成。
Ginger Baker (ds)
Pee Wee Ellis (ts)
Alec Dankworth (b)
Abass Dodoo (per)

まったくこのユニットに知識はなかったものの、
ジンジャー見たさに11月22日(木)の1ST SHOWに行ってきました!

平日の18時半に開演ということで、
しかもあまり宣伝もしてないんじゃないかという感じで残念ながら客はまばら。

逆に左手の前の方の席をキープできました。

ステージはシンプルそのもの。
左からウッドベース、パーカッション、でかいドラムセット、
そして右手にサックスの方用の椅子が置かれているのみ。

ただドラムセットがツーバスのセットでタムやらシンバルやらが多くそれだけでワクワク。

定時に暗転し拍手。どこから来るのかと思いきや客席後ろからメンバー登場。
一際背の高い、そしていやにのそりのそり歩く人物!ジンガーベイカーだ!!
もう一目見ることが出来ただけでぐっと胸が高まります!

席について何が始まるのかなと待っているとメンバーと談笑しているジンジャー。
リラックスしているようですが、ベースとドラムだけでいきなり曲がスタート。
そしてサックスとパーカッションが入ってきてテーマを奏でます。

曲名はわからないものの、アフロリズミックなモーダルな曲。
こういう曲が大好きな私はいきなりかぶりつき!
サックス奏者Pee Wee Ellisはかなり巨漢のテナーサックス奏者。
(不勉強ながら後からジェイムス・ブラウンのバンドで活躍した方だと知りました・・・)
熱いブロウを聞かせて、ベースソロへ。そこからジンジャーベイカーのソロ!!

早速あのCREAMやBLIND FAITHで聞くことが出来たドラムソロを聞くことが出来ました!
そこからまたテーマに戻って終了。

その後ジンジャーがMCをとって、メンバーの紹介をしていましたが、
コットンクラブ側のミスなのか肝心のジンジャーの所にMC用のマイクがなく生声でしゃべってました。

次はサックスから始まり、ベースがそれに応えて、次にサックスとベースがユニゾンし、それにドラムが応える形でスタート。マイクがなくて生声だったので聞こえにくかったですが、ピーウィーのブルースだ、と言っていたような気がしますがジャズ・ブルースです。

次はジンジャーのタム回しから始まる曲。
これもジャズブルース調の曲ながらずっとジンジャーがタムタム回しでドラムを叩いていてリズムが面白い。

ここでベースの方がウッドベースからエレキベースに持ち替え、ジンジャーのMCが。最初の「マイクなし事件」の後あわててスタッフの方がマイクを用意して今回は聞こえました。
次の曲は「GINGER SPICE」というらしい。

今度はドラムの重いビートから始まる曲で、
これはワンコード進行する完全にモーダルなアフロ・ジャズ・ロック。
今回の個人的なハイライトでした。徐々に熱を帯びていく感じがたまりません。
ベースの方のソロもよかった。

続いてセロニアスモンクの「Straight, no chaser」。
今度はめまぐるしくコードが進行する。ベースの指の動きに思わず目がいってしまった。

最後は、ピーウィーの「ONE MORE」と言う声で、ジンジャーが「St. Thomas」といって、
おなじみのセイントトーマスがスタートするも、有名なフレーズから始まるのではなく、
ジンジャーがメロディを口ずさんで、最後の四つの音の部分をタムで奏でながらスタートするというもの。
面白い。

いずれの曲もテーマ~サックスソロ~ベースソロ~ドラムソロ~テーマが基本の形式でした。

これにてライブ終了。アンコールの拍手が起こったものの残念ながらそれは叶わず。

今回はもともとの告知の段階で「※Showtimeは45~60分程度を予定しております」と
アナウンスされていましたが、ふたを開けてみると22日の1ST SHOWは全6曲で50分強というものでした。
が、個人的にはやはり生でジンジャー・ベイカーを見ることが出来たというのが非常に大きかったです。


ジンジャー・ベイカーは1939年生まれということで御歳73歳なわけですが、
73歳とは思えないドラミングに圧倒されました。大きなハコではありませんでしたが、キックの強さがまず強烈。ハイハットは叩かず足で常に刻んでスネアとライドシンバルの三点が基本というのを改めて生で見て確認。

やはりシンバルはあまり使わず、タム回しが多いです。
そのタム回しですが、かなり独特なリズムで、ジンジャーの体内時計/リズムで回っていると思うんですが、
どこからあんなヘンテコなおかずが出てくるのか不思議です(褒め言葉です・笑)。

歳なのか計算なのか、一旦プレイ中に手が止まって、「あれ?」と思う瞬間はありましたが、
その後急に叩いて節の中にフレーズを詰め込むということが度々あったので、
これはやはり歳というかそういうリズムでやっているのかと思った次第です。

でも二回右手のスティックを落としかけたのを私は見逃しませんでしたよ!

個人的には客数の少なさや時間の短さに若干の不満は残るものの、
伝説のミュージシャンを目の当たりに出来たことに非常に満足したライブとなりました!!


※SETLISTの紙を見ながらその場で曲を決めていくような感じがありました。
 ほかのライブのSETLISTご存知の方がいればぜひ教えて頂きたいです。

※COTTON CLUBのHPで11月21日のライブの動画がちょっとですが公開されているので、
 行けなかった方もぜひ雰囲気を少しでも味わっていただければと。 ⇒こちらからドウゾ。

▼COTTON CLUBの告知文言
ザ・レジェンド! 元クリームのスーパードラマーが21年ぶりに来日
ジャズ、ロック、アフロ・・彼の人生観が網羅される歴史に残る3日間1939年8月19日英国生まれ、伝説のロック・バンド、クリームの元ドラマー、2つのバスドラムを使用したパイオニア。'66年にジャック・ブルース、エリック・クラプトンを誘いクリームを結成するがわずか2年で解散するも、後続のミュージシャンに多大な影響を与えた。また、クラプトン、スティーヴ・ウィンウッドらとブラインド・フェイスで人気を博し、'70年代初めには自身のバンド、ジンジャー・ベイカーズ・エア・フォースで活動。奇才なドラマーはその後も多様なジャンルで精力的な活動を続け、SAXにピー・ウィー・エリスを迎えた現在の新しいプロジェクトで今回初めてコットンクラブに登場する。ロック、ブルース、ジャズにアフリカン・ミュージックと自ら現地に赴き音楽経験を重ねてきたジンジャー。鬼のようにスリリングなドラム・ワーキングに何が起こるか分からない本公演は、まさに2012年の歴史的事件だ。

▼チラシ



また今回の来日ではライブ以外にレアなドラムクリニックも行われたようで、
こちらのブログに詳細が記載されています。ドラムセットの写真や解説などファンは要チェックです!