辛島美登里 「言葉にできない」
満島ひかりCM <人間とチーター/ファイト!/浪漫飛行/ルナルナ>
言葉にできない。
昔、一度だけそれも数時間だけ一緒に遊んだ女の子がいた。
彼女は二十歳前、私は・・・・、いくつだったんだっけ?
まあ、犯罪にならないレベルの歳の差だ。
最後に、真夜中、公園で別れたっけ・・・。
「こんな遊び、あんたにゃ似合わない」
という一言を残して、けらけら笑いながら手を振ってスカートを風に踊るようにして去って行った。
先日、その公園のベンチに座っていた。
暖かった。
砂場で遊ぶ子供たちを見ていた。
はたから見れば、危ない人に見えただろう。
今はそういう時代だ。
「こうちゃん、帰ろう」
ブランコに乗って、子供たちを見守っていた高校生くらいの女の子がその中の一人に声をかけて、手をつないで帰っていった。
私の目の前をすーっと、見事に無視して。
あの横顔、どこかで?
そう思って記憶の引き出しを引いてみたらあの彼女がいた。
ああそうか。
なんとなく甘苦く感じた。
幸せに生きているだろうか?
たった数時間の彼女。
自分は遊びまわっていたくせに、なのに10歳下の弟がちゃんと寝ているか心配していた。
あのあと真っ直ぐ家に帰ったかな?
今ごろ心配したって遅いって・・・。
バカな私。
満島ひかりCM <人間とチーター/ファイト!/浪漫飛行/ルナルナ>
言葉にできない。
昔、一度だけそれも数時間だけ一緒に遊んだ女の子がいた。
彼女は二十歳前、私は・・・・、いくつだったんだっけ?
まあ、犯罪にならないレベルの歳の差だ。
最後に、真夜中、公園で別れたっけ・・・。
「こんな遊び、あんたにゃ似合わない」
という一言を残して、けらけら笑いながら手を振ってスカートを風に踊るようにして去って行った。
先日、その公園のベンチに座っていた。
暖かった。
砂場で遊ぶ子供たちを見ていた。
はたから見れば、危ない人に見えただろう。
今はそういう時代だ。
「こうちゃん、帰ろう」
ブランコに乗って、子供たちを見守っていた高校生くらいの女の子がその中の一人に声をかけて、手をつないで帰っていった。
私の目の前をすーっと、見事に無視して。
あの横顔、どこかで?
そう思って記憶の引き出しを引いてみたらあの彼女がいた。
ああそうか。
なんとなく甘苦く感じた。
幸せに生きているだろうか?
たった数時間の彼女。
自分は遊びまわっていたくせに、なのに10歳下の弟がちゃんと寝ているか心配していた。
あのあと真っ直ぐ家に帰ったかな?
今ごろ心配したって遅いって・・・。
バカな私。