踊ろうマチルダ/夏の最後の赤い薔薇 @モルタルレコード

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テレビ東京開局60周年特別企画ドラマスペシャル「生きとし生けるもの」 | テレ東・ＢＳテレ東 7ch(公式)

このドラマを観た。

私には不思議に懐かしいような雰囲気の感じるドラマだった。

こういった人間臭いドラマ展開と少し拘りのあるセリフ……。

ああそうだ、昭和の例えば山田太一脚本の匂いがする。

一体誰が？と思い調べてみたらオリジナル脚本「北川悦吏子」とあった。

北川悦吏子といえば、もう恋愛物が定番の脚本家で今までこんなに（いい意味で）昭和臭く時代にマッチしない脚本を書いたことはないような気がする。

でもしばらく考えてみたら、こういう脚本をずっと書いてみたかったのではないか、という推理に行き当たった。

彼女は私と同じ歳だ。同じ時代の空気を吸って来たドラマ好きとしては、絶対に山田太一は外せないし、しかも彼女は山田太一と同じ早稲田大学出身である。何処かにその影響があったとしてもおかしくはないのではないか。

山田太一は作家生活の晩年には渡辺謙を主演にしたドラマを何度か書いている。最後の脚本、ドラマの主演も確か渡辺謙だったような。

この「生きとし生けるもの」も妻夫木聡とのダブルとはいえ主演である。山田太一は昨年11月に亡くなっている。

もしかしたらこのドラマは「山田太一へのオマージュ」の意味もあるのではないだろうか、なんて妄想気味の大胆な推理までしてしまった。

それはまあまあともかくとしてー。

渡辺謙も妻夫木聡もさすがだなあと思わせる演技。

原田知世もいい雰囲気を出している。

意外だったのが娘役の満島ひかりの演技。至って普通。

このドラマでは余り彼女なりの解釈を入れてはいけないと思ったのかもしれない。

妻夫木が湖？（海じゃないような）の青葉繁る樹木が並ぶほとりに、一人で思いにふける最後の最後がちょっと典型的ーと思ったが総じて良いドラマに出会ったなと思った。

因みに音楽は大友良英、朝ドラの「あまちゃん」の音楽を担当した方である。