Morrissey - Loneliness Remembers What Happiness Forgets [Dionne Warwick Cover Lyric Video]
2023-05-02 | 音楽
Morrissey - Loneliness Remembers What Happiness Forgets [Dionne Warwick Cover Lyric Video]
RAINBOW FOLKROCKS
Razorlight - I Can't Stop This Feeling I've Got
吳青峰 - (......千與千尋)(feat. 佐藤芳明)
AURORA & THE BETRAYERS - "FIRE" OFFICIAL
小山田壮平 - OH MY GOD (Official Music Video)
ちょっと、最近読んだ本の感想でも。
いちご同盟
三田 誠広(みた まさひろ、1948年6月18日-)は、日本の小説家。日本文藝家協会副理事長。日本文藝著作権センター事務局長。著作権問題を考える創作者団体協議会議長。歴史時代作家クラブ会員。武蔵野大学名誉教授(2019年-)
1977年、『僕って何』で芥川賞受賞
〇あらすじ
中学三年生の良一は、同級生の野球部のエース・徹也を通じて、重症の腫瘍で入院中の少女・直美を知る。徹也は対抗試合に全力を尽くして直美を力づけ、良一もよい話し相手になって彼女を慰める。ある日、直美が突然良一に言った。「あたしと、心中しない?」ガラス細工のように繊細な少年の日の恋愛と友情、生と死をリリカルに描いた長篇。
〇レビュー
「四月は君の嘘」、その漫画作品(映画にもなった?)にこの「いちご同盟」という小説は紹介されています。私の高校時代は作者の三田誠広が「僕って何」で芥川賞を獲得した年と被りますから、それ以降作者の小説は何点か読んでいます。なのに多くのファンを獲得しているこの小説についてはその存在を知りながらも、読んでいませんでした。理由は簡単、恥ずかしかったからです。何が恥ずかしかったかというと、この小説がまるで王道の少女漫画のように繊細に描かれたものだと聞いたからです。それに1990年初版だそうですから、すでに社会人になっていた私は小説そのものを読む習慣が途絶えていました。
「四月は君の嘘」という漫画は息子が全巻持っていましたので、借りて読んでいてその内容も知っていました。実はそのストーリー自体も「いちご同盟」に影響を受けて描かれたものだそうです。それで「へえ」と思った私は「いちご同盟」を読んでみる気になったのでした。
その内容については粗筋に譲りますが、「生と死をリリカルに」というところは私の読んだ感想とは違いました。むしろリアルに感じたのです。作者の文体は特に工夫を凝らしているわけではなく、情景を重視しているようでもなし、だから割とスムーズに読んでいけました。ただ、「生と死」に関する部分は結構重いものがあり、そこにリアルさを感じました。特に最後の徹也が良一に投げかける言葉「お前は生きろよ」は非常に現実感溢れる言葉でその一言だけで読者はハッとさせられます。いつか未だ年若い頃に聞いたことのあるような言葉。私の場合はそう思いました。そういうリアルさに加えてこの小説は、主人公の良一の未来の知れない少女、直美に対するともすれば爆発しそうな内に秘めた恋心を非常に丁寧に絡めていきます。読んでみて思ったことは、現実には無理なことではあったのですが、「これは十五の時に読みたかったな」ということです。大人となってしまった私にはある意味客観的にしかこの物語を読めません。だからといってこの物語がつまらないということにはなりませんが、もし十五の時に読んだのならば、自分が良一になりきって物語の世界に入り切っていたでしょう。
この小説はテレビドラマにも映画にもなったようです。今度機会があったら一度観てみたいと思っています。因みに私は「いちご同盟」のいちごを果物の苺だとずっと思っていたのですが、この「いちご」は十五歳の「一五」だということだそうです。それを聞いてああなるほどな、と私は合点がいったのでした。
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ちょっと、最近読んだ本の感想でも。
いちご同盟
三田 誠広(みた まさひろ、1948年6月18日-)は、日本の小説家。日本文藝家協会副理事長。日本文藝著作権センター事務局長。著作権問題を考える創作者団体協議会議長。歴史時代作家クラブ会員。武蔵野大学名誉教授(2019年-)
1977年、『僕って何』で芥川賞受賞
〇あらすじ
中学三年生の良一は、同級生の野球部のエース・徹也を通じて、重症の腫瘍で入院中の少女・直美を知る。徹也は対抗試合に全力を尽くして直美を力づけ、良一もよい話し相手になって彼女を慰める。ある日、直美が突然良一に言った。「あたしと、心中しない?」ガラス細工のように繊細な少年の日の恋愛と友情、生と死をリリカルに描いた長篇。
〇レビュー
「四月は君の嘘」、その漫画作品(映画にもなった?)にこの「いちご同盟」という小説は紹介されています。私の高校時代は作者の三田誠広が「僕って何」で芥川賞を獲得した年と被りますから、それ以降作者の小説は何点か読んでいます。なのに多くのファンを獲得しているこの小説についてはその存在を知りながらも、読んでいませんでした。理由は簡単、恥ずかしかったからです。何が恥ずかしかったかというと、この小説がまるで王道の少女漫画のように繊細に描かれたものだと聞いたからです。それに1990年初版だそうですから、すでに社会人になっていた私は小説そのものを読む習慣が途絶えていました。
「四月は君の嘘」という漫画は息子が全巻持っていましたので、借りて読んでいてその内容も知っていました。実はそのストーリー自体も「いちご同盟」に影響を受けて描かれたものだそうです。それで「へえ」と思った私は「いちご同盟」を読んでみる気になったのでした。
その内容については粗筋に譲りますが、「生と死をリリカルに」というところは私の読んだ感想とは違いました。むしろリアルに感じたのです。作者の文体は特に工夫を凝らしているわけではなく、情景を重視しているようでもなし、だから割とスムーズに読んでいけました。ただ、「生と死」に関する部分は結構重いものがあり、そこにリアルさを感じました。特に最後の徹也が良一に投げかける言葉「お前は生きろよ」は非常に現実感溢れる言葉でその一言だけで読者はハッとさせられます。いつか未だ年若い頃に聞いたことのあるような言葉。私の場合はそう思いました。そういうリアルさに加えてこの小説は、主人公の良一の未来の知れない少女、直美に対するともすれば爆発しそうな内に秘めた恋心を非常に丁寧に絡めていきます。読んでみて思ったことは、現実には無理なことではあったのですが、「これは十五の時に読みたかったな」ということです。大人となってしまった私にはある意味客観的にしかこの物語を読めません。だからといってこの物語がつまらないということにはなりませんが、もし十五の時に読んだのならば、自分が良一になりきって物語の世界に入り切っていたでしょう。
この小説はテレビドラマにも映画にもなったようです。今度機会があったら一度観てみたいと思っています。因みに私は「いちご同盟」のいちごを果物の苺だとずっと思っていたのですが、この「いちご」は十五歳の「一五」だということだそうです。それを聞いてああなるほどな、と私は合点がいったのでした。
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