三室戸寺、醍醐寺巡礼は、前日に和歌山県南部に上陸、志摩半島を縦断し東海地方を駆け抜けた台風14号の影響がまだ残る梅雨空の下、前回に引き続き喜六、清八、源兵衛の三人旅となった。
京阪電車宇治線三室戸駅10時半ごろ集合。東へ歩くこと15分三室戸寺到着。拝観受付を済ませ、ゆるやかな坂道を上ると右手の園内に咲く紫陽花が目に入る。三室戸寺はやはりこの時季か。紫陽花目当ての参拝客で賑わっている。
二番の紀三井寺では早咲きの桜を、四番槇尾山でアーモンドの花を見つけ、五番葛井寺でフジを楽しみ、七番岡寺は石楠花、八番長谷寺の牡丹、そして十番のここ三室戸で紫陽花を観る。季節の花に出会えるのも巡礼のご利益か。
本堂の前庭には蓮の花が清らかに咲いている。仏様の前ではやはり西方浄土を連想させる蓮華が似つかわしい。本堂で納経を済ませご朱印をいただき下山する。
京阪電車で三室戸駅から六地蔵駅まで行き、地下鉄東西線に乗換え醍醐駅まで向かう。この辺りは土地勘のある源さんの先導で効率よく巡ることができる。
札所の上醍醐寺准胝堂は2008年夏、落雷が原因による火災でお堂が焼失したため、下醍醐金堂に准胝観音が安置されていて、ここで参拝、納経をすませ、ご朱印をいただく。
源さんは所用のためここでお別れする。清やんと私、喜六は札打を済ませたものの、やはり准胝堂跡へはお参りしたいと思い上醍醐寺へ入山する。
お堂跡をめざして山道を登るが梅雨時季の鬱蒼とした道は思ったより手ごわい。数回の休憩をとりながら登ること1時間、准胝堂跡へあと少しというところに醍醐水があり、一口頂戴する。たっぷり汗をかいたあとの清水、まさに醍醐味である。
今は無き准胝堂跡にお参りをすませ、しばし休息のあと下山する。
西国三十三所、随一の難所といわれる上醍醐に偽りはなかった。あ~しんど。
札打 2012年6月20日
明星山 三室戸寺(みょうじょうざん みむろとじ)
宗派 本山修験宗
創建 宝亀元(770)年
御本尊 千手観世音菩薩
開基 行表和尚
御詠歌 夜もすがら 月を三室戸 わけゆけば 宇治の川瀬に 立つは白波
深雪山 上醍醐寺 准低堂(みゆきさん かみだいごじ じゅんていどう)
宗派 真言宗醍醐派(総本山)
創建 貞観16(874)年
御本尊 准胝観世音菩薩※
開基 聖宝理源大師
※准胝観世音菩薩 「准胝」はサンスクリット語の「チュンディー」の音訳で、”井戸、小泉”の意味。
過去の無量の諸仏を生み出した母なる観音とされている。
御詠歌 逆縁も もらさで救う 願なれば 准胝堂は たのもしきかな
また花咲く春にお付き合い願います。