海月美紗のおでかけ日記

おでかけ大好きです
見つけた小さな“happy”を記録していきます

11月4日(月)普門院·信夫文知摺の紅葉

2024年11月04日 | 神社仏閣
文知摺観音は小倉百人一首の歌枕の地、松尾芭蕉や正岡子規などの文人墨客が多数訪れた。現在は、曹洞宗寺院·普門院。

文知摺石
平安前期の歌人・源融(みなもとのとおる)は源氏物語の主人公・光源氏のモデルの一人。按察史(あぜち)として福島市山口を訪れたとき、長者の娘・虎女(とらじょ)と心を通わせたが、再会を約束しながら1ヵ月後には都に戻っていった。恋心を募らせた虎女は再会を願って「文知摺観音」で百日参りをする。しかし、満願の日を迎えても都からの便りはない。悲しみに暮れる虎女が、ふと観音堂近くにある「文知摺石」に目を向けると、源融の面影が浮かんで消えたという。やがて病に倒れた虎女のもとに歌が届く。「陸奥の しのぶもぢずり 誰ゆゑに 乱れそめにし われならなくに」

河原左大臣の歌碑
小倉百人一首の十四番歌
「しのぶもぢずり」は歌枕の地として広く知られるようになった。

虎女と河原左大臣源融のお墓


松尾芭蕉像
「早苗とる 手もとや昔 しのぶ摺」

正岡子規の句碑
「涼しさの 昔をかたれ 忍ぶずり」

鐘楼堂

手水鉢

文知摺観音堂
信達三十三観音第二番札所

東北最北端といわれる多宝塔

多宝塔の根樫

水月庵
歴代庵主と阿弥陀如来を祀る堂宇


床もみじ
窓の外の紅葉が床板に映り込む


すぐわきの道を何度も通っているのに、境内を散策したのは今回が初めて。こんなにきれいに整備されているって知らなかった。
紅葉が色づき始め、風がさわやか。水月庵の床もみじは見事で、午後の逆光でも十分にきれい。11月20日頃になると真っ赤に色づいた紅葉が息を呑むほど美しいという。

新緑の頃、梅雨の雨上がり、紅葉の季節、雪景色の頃… ここには四季おりおりの美しさを見せてくれる木々や草花がたくさん。
この次に訪れるとき、絵葉書にあるようなきれいな風景が撮れるだろうか…













11月3日(日)ふくしま県南·狛犬めぐり

2024年11月04日 | 神社仏閣
狛犬は獅子に似た日本の獣で想像上の生物、起源はエジプトやインド。
拝殿の前や参道の要所に阿像·吽像が左右一対で並び、邪気を払い、神前を守護する意味を持つ。
 
 
 


南湖神社(白河市)
御祭神:松平定信公
石工:野田平業
建立年:大正11年(1922年)
野田平業24歳時の作品。このあと近隣に名前が知れ渡るようになった。顔がちょっと横に平べったくて鼻が大きくて、表情に迫力がある。流れるような尾っぽと透かし彫りの玉は完璧に美しくて、これはもう芸術作品! 阿像の顔真似をしてるみたいなチビ阿像がかわいい! 



常宣寺(白河市)
石工:三國次郎
建立年:昭和15年(1940年)
常宣寺は浄土宗の寺院、永禄二年(1559年)開山。御本尊は阿弥陀如来。和泉式部が今の白河市表郷地区に庵を結び、阿弥陀三尊を安置したのが始まり。
お寺の門の中、お堂の前にいる狛犬。
口や目で表現されてるキリッとした表情が力強い、たてがみが長くてカールしてるのがおしゃれ。ふ~ん、お寺の中に狛犬がいるんだ!って不思議な感じがした…
 
 


村社 鹿島神社(白河市)
石工:小松寅吉
建立年:明治36年(1903年)
東北のミケランジェロと言われる小松寅吉の最高傑作。ねぶたを連想させる姿と細工が見事。当時の鑿(のみ)でお腹や尾の中を中空に彫るのは至難の業。流れるような毛の表現、見る角度により変化する表情。上から流れた水が中にたまらないように計算されている。
すごい!としか言い様がない。遠くから見ても迫力があって、怖い!とさえ感じてしまう。狛犬ってちんまり坐ってにらみをきかせてるイメージだったんだけど、こんな今にも跳ねて飛び上がりそうな狛犬がいていいんだろうか…



川田神社(中島村)
石工:小松寅吉
建立年:明治25年(1892年)
小松寅吉が自身で奉納したとされている飛翔獅子。21歳のときに小松家の養子となり、その後、布孝を襲名したことを世間に知らしめた作品。それまでの蹲踞型(そんきょがた)からまるで空を駆けているような姿。尾も突き刺すように流れ、たてがみのカールもデフォルメされていて勇ましい。
もう夕方の4時を過ぎていて、夕陽の逆光を浴びた獅子は迫力満点! 後ろから見ても、たてがみと尾っぽが風にたなびいてるのがありありと分かる。今晩は狛犬に乗って空を飛ぶ夢を見そう…




踏瀬熊野神社(泉崎村)
石工:矢吹哲三
建立年:昭和4年(1929年)
台座には石工矢吹哲三の文字が彫られているが、この平べったい顔と大きな鼻は、野田平業作の雰囲気がある。阿像の押さえている玉が籠彫りではないので、平業は狛犬だけ請け負って、哲三が全体の請負人だったのかもしれない。吽像の足下にいるちびっ子の表情がなんとも愛嬌があって愛らしく、たてがみに幼さがあって可愛らしい!


村社 鹿島神社の参道階段途中にある、台座に獅子・牡丹、上部に昇り龍・下り龍の彫刻が施された灯篭。梅沢敬明作。

立派な狛犬や灯篭があり、社殿の中にも龍が絡みつく柱があるらしく、ここは由緒ある神社だろうと思われるのに、なんともぱさっとした野原にぽつんと…
鹿島神社の社の樹木は数年前に伐採されたらしい、なにか理由があるのかもしれない。
県南地方の狛犬や石工の歴史をもっと知りたいと思った。県南までは高速で2時間かかるけど、また狛犬めぐりができるかな…
 
 
おや!この灯篭、よく見ると龍の下にいるのは亀さんではないか!