二本松城は、中世と近世が同居する石垣の城
所在地:福島県二本松市
別名:霞ヶ城、霧ヶ城
城地種類:山城→平山城
築城年代:応永21年(1414年)、天正18年(1590年)、寛永4年(1627年)、寛永20年(1643年)
築城者:畠山満泰、蒲生氏郷、加藤明利、丹羽光重
主要城主:畠山氏、伊達氏、蒲生氏、上杉氏、加藤氏、丹羽氏
天守の現状・形態:天守台のみ残る
二本松城は畠山満泰が築いた中世の山城がはじまり。後年、加藤氏が近世城郭に改修し、さらに丹羽重光が入封して山麓に三の丸御殿や箕輪門を建て、城下町を整備した。つまり、二本松城は山上に中世山城、山麓に近世城郭と2つの顔を持つ城。見どころは本丸、三の丸の高石垣と本丸直下の大石垣。
主な遺構:本丸、三の丸、石垣、屋敷跡、蔵跡、井戸跡
大手門跡、通称は坂下門
三の丸石垣
再建された多門櫓と箕輪門、二階櫓
山麓の御殿表門に再建された枡形になった門、ただし現存する絵図には二階櫓は描かれていない
三の丸内部から見た箕輪門と付け櫓
三の丸へ向かう塀重門跡
箕輪門北側の石垣上に土塀の代わりに植えられた赤松、樹齢は350年を越える
本丸東櫓台石垣
角面の石垣から蒲生氏、加藤氏、丹羽氏の石積みが認められている
枡形虎口、東櫓台
本丸の右にある東櫓台
本丸跡
左側は西櫓台、右側が天守台
本丸跡から城下を眺める
西櫓台
天守台は標高345m
天守台から眺める安達太良山
本丸西側石垣
この整備された石垣の内部に、旧石垣が現状のまま埋め戻され保存されている
本丸天守台石垣
本丸真下の大石垣、野面積み
二本松城に築かれた最も古い石垣のうちのひとつ、築石は野面石(自然石)と荒割石、積み方は古式の「穴太積み(あのうづみ)」
日陰の井戸
本丸南側直下につくられた石組の井戸、井戸の深さは16m、井戸底の岩盤をえぐって北に14m延びていて、今でも豊富な湧き水を溜めている
千葉県印西市の月影の井戸、神奈川県鎌倉市の星影の井戸と並ぶ「日本の三井(さんい)」
搦手門跡
本丸の西側の山道を下りていくと丹羽家の菩提寺・大隣寺がある、春先に見事な枝垂れ桜を咲かせていた
今、二本松城の三の丸跡では菊人形展が行われていて、にぎやかな音楽が本丸まで聞こえている
搦手門跡にはキッコウハグマが群生していた
二本松城には天守台が再現されているけど、天守が築かれていたことは確認されていないとか
でも、山頂の本丸跡と石垣は十分にすばらしくて、次のときは山の中の石段を登ってみようかとさえ思ってしまう…
2024.10.31