レストランの壁に沢山の写真が飾ってあった。ロシアの偉大な文学者?音楽家?芸術家?どんな人達なのか、皆目わからない。手前の最下段はプーシキンかドストエフスキー?二列目の下の白い髭はトルストイ?ガイドのリュードミラーさんに聞けば良かったと後悔しています。
ジャガールの絵も数枚ありました。数年前、南仏へ旅行した時シャガール美術館へ行った。夢心地のようなタッチの絵を描くシャガールはてっきり、フランス人だと思っていました。ところが、7月上野で「ロシア・アヴァンギャルドとの出会い」展が開催される記事を読み、シャガールはパリに亡命していたユダヤ系ロシア人である事を知り驚いた。ペレストロイカ以降徐々に復権が進んだそうです。彼の生まれたのはベラルーシ。パリ・ポンピドーセンターの所蔵品でロシア時代に光を当てる…是非行ってみたい。
ヨーロッパ・コレクションを観た。ドガ、ゴッホ、モネ、マティス、など二人のロシア人実業家のコレクションが基盤になっている。パリ印象派が中心です。イコンなどの教会美術を見てきた眼にはとても優しくもの足りない。折角ロシアに来たのだからレーピンの「ヴォルガの船曳」のような迫るものがあるロシア絵画を観たかった。ロシア美術館とかトレチャコフ美術館に行くべきですね。
クレムリンを囲む城壁には20の望楼がある。最も高い塔がこのトロイツカヤ塔で80mあり、この門、トロイツキエ門は皇帝や軍隊が戦いを終え帰還した入り口でした。また1812年ナポレオンがクレムリンに入ったが、大火により追い出された門でもあるのです。尖塔にはルビー色に耀く星が付いています。
赤の広場で一番目立つのがこのカラフルなワシリー寺院です。モスクワ公国の領土を固めたカザン対戦の勝利を記念して、イワン雷帝によって1560年に建てられた。ねぎ坊主のドームはそれぞれが教会になっている。まるでお伽の国、おもちゃのお城のよう。しかし酷い話が裏にはあるのです。イワン雷帝はこの教会のあまりの美しさに驚き、二度とこのような美しい建物が出来ないよう、設計者の眼をくり抜いてしまった。すべてに激しくインパクトのあるロシア、広大な国土、厳しい風土、其処から生まれた民族性そしてロシア正教など非常に感慨深いものがあり、数々の衝撃を受けた旅です。