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どこに座るか

映画館では、私は後方の右端の席を選ぶ。右側に座ると、頭の左から音や光が入り右脳を刺激すると聞いた。左側に座った時は逆に、左脳を刺激するので、知的に映画を見たい場合は左に座るが、たいていは右側に座ってみる。(この説が果たして正しいかどうか分らないが)

その際できるだけ他の人と離れて座る。若いころと違って、別に痴漢をよけるためではない。ただもう生理的に他人の身体を遠ざけたいだけのことだ。

そうやって、安心して座っていると、後から入ってきて、すぐ前あるいは後ろに座る人がいる。都会のいつも混んだシネコンとは違って、ここでは定員180に対しに20人も入れば多い方である。十分に余裕があるのに、なぜ、他人のそばに寄り添うように座るのか。

東京に住んでいた20年以上前、外国(特に欧米)の若者で、一人でも平気で街の階段に腰を下ろし、旅日記を書いていたりする人を見つけると、その孤独のたたずまいは日本人とまるで違うので実に目立ったものだ。

一方、日本の学校や職場では、大半の人がグループで食事するので、一人でお昼を食べるのは恥かしいのだと聞いたことがある。一人で居ると、人付き合いのできない「人」と見られるとでもいうのか。

サバンナの草食獣は捕食を恐れて常に群らがって草を食む。欧米人が肉食獣で、日本人は草食獣であるのか?

遠い祖先の農村の暮しも、血の中にこの集団的傾向を育んだこととは思うが、群居性をそれと意識せず、それに従う人は、片時も一人でいられず、どこかの群れに属したくてたまらず、たといひとりで観劇に来ても、無意識の衝動で、つい人の傍に座ってしまうということか。
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