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映画「デンマークの息子」

2019 デンマーク 102分 DVD鑑賞 

原題 Danmarks sønner/Sons of Denmark 監督 ウラー・サリム 出演 ザキ・ユーセフ ラスムス・ビョーグ ムハンマド・イスマイル・ムハンマド

コペンハーゲンの駅前で別れる恋人たち。娘を見送った若者は一服しようとするその一瞬、爆発がおき、23名が亡くなった。という冒頭シーンから始まる。ここは近未来(2024年)のデンマーク。移民を一掃しようという国民英雄党がうまれ党首マーティン・ノーダール(ラスムス・ビョーグ)はトランプを思わす風貌だ。タイトルの「デンマークの息子」とは移民排斥の極右団体の名称である。

前半はイラク移民2世ザカリア(ムハンマド~)が、後半はアリ(ザキ・ユーセフ)が主役。

ザカリアは19歳、母や弟のいる温かい家庭ですくすく育ち、今風の髪型をしている。ある日同胞の苦しい生活を見せられて、民族意識に目覚め過激派組織に加わり、重要な任務を与えられる。先輩格のアリは、ザカリアと家族ぐるみでつきあい、信頼を勝ち得る。そして暗殺決行の日、ふたりはそろって出かけ、アリが見張り役だ。が標的は不在で、戸外を警察が取り囲む。アリは潜入スパイだったのだ。

極右党首の命を救って信頼を勝ち得たアリは、彼が政権を握った日、過激な扇動を中止させようとするが、すげなく拒否される。そしてアリの妻子は、犠牲になる。アリは怒りに燃えて・・・・・・。

右の暴力にも左の暴力にも反対するという言説がかつて日本にあったが、どちらを抑えるかはよく考えねば。一人の人の命は地球より重いからと言って、まず将来の独裁者の命を救おうとして、けっきょく自分が被害者になるの図。ヒトラーと提携したかつての日本人を思い出す。

ザカリアの喋るアラビア語(イラク方言)が、シリア方言と似ており、懐かしかった。暗い画面と終始流れているモーツアルトのレクイエムが、この作品に静かなおもむきを与えている。

→「わたしの叔父さん」21-11-28

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