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紅葉葵(モミジアオイ)




今の季節、元気よく水辺等に自生しているこの植物の名が分らなかったが、記憶の中を探ってネット検索したら、やはり「紅葉葵(モミヂアフヒ)」だった。
これもタイサンボクと同様、原産地は北米である。英語 scarlet rosemallow、 学名 Hibiscus coccineus。
別名紅蜀葵(こうしょくき)花言葉は温和、穏やかさ、優しさ、努力の賜物。

その花言葉が似合う父は60代半ばの1969年、宮崎の姉の葬式に出て、帰途、車の冷房で体調を崩し、何か月も寝こんだ。その間には、枕元に子らを集めて別れを告げるほど死に近づいたが、危うく助かって、16年後80歳の時は自転車で往診に行くほど元気だった。が、その自転車で転んで骨折したのがきっかけで入院、私立から大学病院へ転院し、不要な手術で衰え、転んで27日後に亡くなった。

処女歌集「浜木綿」(1970刊)と、その再録「萵苣(ちさ)の木」(1980刊)にあり、病床吟と称している。旧表記で、モミジ⇒モミヂ、アオイ⇒アフヒとなっている。
  
  臥しながら見る庭に日々咲きつげるモミヂアフヒの一日のみの花

  はなやげるモミヂアフヒの紅や暑き日照ればその葉萎えて (1969年父の作)
 
46年前、粗末な印刷製本の歌集で初めて目にしたこの名が、実物と結びついて嬉しい。

【17‐12-3追記】
  咲きつぎし紅葉葵の花赤く病む夫の辺にふた月は経ぬ(1971年母の作)
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