映画の感想など・・・基本的にネタばれです。
しづのをだまき
【映画】ポエトリー,セックス
2000年オーストラリア、93分 原題 The Monkey's Mask
鑑賞 オンデマンドTV 監督 サマンサ・ラング
出演 スージー・ポーター ケリー・マクギリス
詩を通して恋に落ち、恋心を詩で表現することは、その背後には無意識にせよセックスの欲求があるわけで、それは人を突き動かし、かずかずの行動となって表われる。邦題の「ポエトリー、セックス」は、映画の内容をそのものずばり表現しており、見る前から好奇心をそそる。
海外で「ハイク」が盛んだとは聞いていたが、これほどとは想像していなかった。原題「猿の面」は、寡聞にして知らないが、芭蕉の句にあるそうだ。よくあるように原題をそのまま「ザ・モンキーズ・マスク」としたのでは何が何だかわからないだろう。
作者が自分の詩を朗読することも、海外ではよくあるようだ。
シドニーといえば「プリシラ」で知った街、毎年2~3月に「マルディ・グラ」という世界最大級のゲイ・パレードが行われるそうだ。したがって、ゲイ人口も多いはず、この二つが組み合わさって、そこに殺人事件がかぶる。
スタッフとキャストの大部分が女性なのが、「女と女と井戸の中」で名をはせたサマンサ・ラング監督に相応しい。
ある少女の失踪を探る私立探偵(女)と、少女の詩の教師(女)の間に織り成される、エロティックな関係がサスペンスという形式の元に描かれる。
私はこのボーイッシュな探偵(スージー・ポーター)をとっても美しいと見るのだが、彼女自身は、容疑者のひとり、中年の教師(ケリー・マクギリス)に一目ぼれしてしまい、仕事も上の空でデートにいそしむ。観客は、このドジで間抜けな探偵に、優越感を覚えつつ、色模様を楽しむというしくみ。私は、推理ものはたいてい、最初の5分で人物も筋もコングラカって、説明してもらわないと分からないので、この映画は、単純でよかった。もともと、監督の狙いはそこにはないのだから、私の欲求とピッタリ一致。「女と女と井戸の中」も見たくなった。
ケリー・マクギリスは、日本人には不評を買ったみたい。私の見た記事では、ほめてあるのは一つしかなかった。初めのタイトルで彼女の名前を見たとき、1985年「目撃者・刑事ジョン・ブック」の、あの初々しい若後家を思い出し、アーミッシュの伝統に縛られた、分厚い衣服に包まれた、恋する尼さんのようなイメージしか浮ばなかった。
おお見事な変身振り、そして何という勇敢さ。彼女は「告発の行方」(1988米)では、検事の役をし、それはレイプへの怒りからだそうで、その後幾つか出演、ハリウッドに失望して映画界から身を引いたとか。その彼女が40代半ば近くなって出演したのだから、瞠目してみるべきだろう。監督の力か、ゲイパワーへの共感ゆえか。
ゲイといっても男性と女性ではやはり立場が、力が違い、表現の世界でも表出度が違う。それゆえに、あえてこのような難しい役を買って出たのか。あるいは、知的、つつましさ、美しさなどのイメージを打破して新たに成長しようという挑戦か。美にも色々ある。若さや小さささのみが持て囃される世界にいると分からないが・・・
さて、この原作者ドロシー・ポーターも女性、探偵も、被害者もとなると、こういうのを3Fミステリーというのだろうか?
鑑賞 オンデマンドTV 監督 サマンサ・ラング
出演 スージー・ポーター ケリー・マクギリス
詩を通して恋に落ち、恋心を詩で表現することは、その背後には無意識にせよセックスの欲求があるわけで、それは人を突き動かし、かずかずの行動となって表われる。邦題の「ポエトリー、セックス」は、映画の内容をそのものずばり表現しており、見る前から好奇心をそそる。
海外で「ハイク」が盛んだとは聞いていたが、これほどとは想像していなかった。原題「猿の面」は、寡聞にして知らないが、芭蕉の句にあるそうだ。よくあるように原題をそのまま「ザ・モンキーズ・マスク」としたのでは何が何だかわからないだろう。
作者が自分の詩を朗読することも、海外ではよくあるようだ。
シドニーといえば「プリシラ」で知った街、毎年2~3月に「マルディ・グラ」という世界最大級のゲイ・パレードが行われるそうだ。したがって、ゲイ人口も多いはず、この二つが組み合わさって、そこに殺人事件がかぶる。
スタッフとキャストの大部分が女性なのが、「女と女と井戸の中」で名をはせたサマンサ・ラング監督に相応しい。
ある少女の失踪を探る私立探偵(女)と、少女の詩の教師(女)の間に織り成される、エロティックな関係がサスペンスという形式の元に描かれる。
私はこのボーイッシュな探偵(スージー・ポーター)をとっても美しいと見るのだが、彼女自身は、容疑者のひとり、中年の教師(ケリー・マクギリス)に一目ぼれしてしまい、仕事も上の空でデートにいそしむ。観客は、このドジで間抜けな探偵に、優越感を覚えつつ、色模様を楽しむというしくみ。私は、推理ものはたいてい、最初の5分で人物も筋もコングラカって、説明してもらわないと分からないので、この映画は、単純でよかった。もともと、監督の狙いはそこにはないのだから、私の欲求とピッタリ一致。「女と女と井戸の中」も見たくなった。
ケリー・マクギリスは、日本人には不評を買ったみたい。私の見た記事では、ほめてあるのは一つしかなかった。初めのタイトルで彼女の名前を見たとき、1985年「目撃者・刑事ジョン・ブック」の、あの初々しい若後家を思い出し、アーミッシュの伝統に縛られた、分厚い衣服に包まれた、恋する尼さんのようなイメージしか浮ばなかった。
おお見事な変身振り、そして何という勇敢さ。彼女は「告発の行方」(1988米)では、検事の役をし、それはレイプへの怒りからだそうで、その後幾つか出演、ハリウッドに失望して映画界から身を引いたとか。その彼女が40代半ば近くなって出演したのだから、瞠目してみるべきだろう。監督の力か、ゲイパワーへの共感ゆえか。
ゲイといっても男性と女性ではやはり立場が、力が違い、表現の世界でも表出度が違う。それゆえに、あえてこのような難しい役を買って出たのか。あるいは、知的、つつましさ、美しさなどのイメージを打破して新たに成長しようという挑戦か。美にも色々ある。若さや小さささのみが持て囃される世界にいると分からないが・・・
さて、この原作者ドロシー・ポーターも女性、探偵も、被害者もとなると、こういうのを3Fミステリーというのだろうか?
コメント ( 4 ) | Trackback ( 0 )
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戦闘機F-14トムキャットの轟音と空中戦がいまだに目に浮かびます。我が青春の映画でした。ヴァル・キルマーや後にERで有名になたアンソニー・エドワーズ、ティム・ロビンス、メグ・ライアン、マイケル・アイアンサイド、もちろんトムさんも含めて、今考えるとそうそうたるメンバーでした。
「目撃者・刑事ジョン・ブック」は後にビデオで見たのですが、ケリーは、このアーミッシュの女性の役の次の年にトップ・ガンのあの女性教官の役ですから、その時も大変身だったんですねー
この映画は観ていないのですけど、女性同士の愛情の微妙な心理が描かれてるのでしょうか?ちょっと興味あります。
この映画「女性同士の愛情の微妙な心理が描かれている」かといえば、やや疑問です。というのも、ケリー・マクギリスは、女性といえるでしょうが、片方のスージー・ポーターは、黒革のジャンパーなんか着て、身のこなしもそれらしく、女性というには凛々し過ぎるようで。(でも、顔が、特に緑色の瞳が、たいそう美しいのは確かなんですよ)
ケリー・マクギリスは『刑事ジョン・ブック』と『告発の行方』が印象的で、こんな堂々とした裸体を晒しての本作品に仰天しました。何となくセックスアピールの女優さんのイメージがなかったもので…。
平凡なミステリーですが、雰囲気と音楽が好みの作品でした。
監督さんは女性なんですね。『女と女と井戸の中』は前から気になっていたのですが…。そろそろレンタルしてみようかなと思います。