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無防備


戸外で写真を撮っていると、たまに声をかけられることがある。

声をかける人の男女比は、3対1くらいで男性が多い。

観光スポットで「撮ってあげましょうか」とか、畑で花を「差し上げますよ」とか言うのは女性。私はなぜかひとり旅の旅人に間違えられるのだが、実は6年来この町に住んでいるのだし、花は撮るだけで持ち帰る気もないので、折角の好意を受けられない。「小さな親切、大きなお世話」ということを、自分の戒めにもしている。

男性の場合は「うまく撮れましたか」「カメラの種類は?僕のはね、云々」「この花の名前は」と、わざわざ携帯電話で問い合わせて教えて下さる方もいる。冬、さくらの並木道で「これは冬芽というのですよ」と教えて下さった方もいたが、人気のない公園での短い会話には何か心に残るものがあった。

考えてみると、ひとりで歩いている大人に声をかけることはなかなか難しいものだ。犬や赤ん坊を連れている人には、声をかけ易いが、カメラを持った人もその類か。また、私はリュックの口を開けっ放しにしていて、「開いていますよ」と言われることがある。開けっ放しと無防備が、これらの例の共通点で、見た人の警戒心を解く効果があるのかも。もちろん注意を怠らぬカメラマンの方が多いだろうが。

シリアのアレッポで、2012年8月20日に銃弾を浴びた山本美香さんは、カメラを銃身に間違われたと言われる。また向うからやってくる敵を味方と思いちがいして、撮影しようと無邪気にカメラを構えて進んだことが死につながったとも。私の場合は、相手が花鳥風月だからその心配はないと思うが、最低限の用心は、周囲の人のためにも、した方が良さそうだ。

→「ヤマホロシ(山保呂之)」14-1-13
→「変な人、その2」 13-9-16
→「古居みずえ、パレスチナの詩」 8-9-24
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