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カリンの木

カリンというどこか少女を思わせるこの名は、「随想録」と僭称した回覧ノートで初めて知った。その友だちは「カリンの木!」という題で始め「OO公園にあるんだって」と、憧れをこめ、生き生きとした字で書いていた。が、13歳の乙女心は不可思議で、出かけて見ることもせず。歳月はたって、40代の頃、デパートの棚に蜂蜜漬けとして現れた。風邪をこじらせていたのでお湯で薄めて飲むと、能書き通り、のどの調子は良くなったが、みは食べられたものじゃなかった。

枝と言い、葉と言い、形も色もたおやかで組しやすいが、渋くて生では食べられない。冷涼の気候を好むとか、道理で鹿児島や神奈川では滅多に見ないはずだ。中国産で「花梨」と書き「豊麗」という花言葉。

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