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【映画】ひまわり

1970 伊 監督 ヴィットリオ・デシーカ レンタルDVDで今年1月鑑賞 
出演 ソフィア・ローレン マルチェロ・マストロヤンニ リュドミラ・サヴェーリワ

誰が悪いのでもなく、ひとえに戦争が、愛し合う男女を引き裂く悲劇を、露にまでロケして描いたこの映画、甘美な音楽もあいまって根強い人気がある。しかし悲劇とばかり思って見ていると、初めは明るく楽しい雰囲気がつづく。恋人たちがデートしているが、やがて式を上げ、新婚生活を満喫し戯れあう様子は、喜劇かとさえ思わせる。もう戦争は始まっているのに、この呑気さはさすが、イタリアだ。そもそも、ローレンとマストロヤンニの共演する映画は喜劇が多いようである。(「特別な一日」のような深刻なのもあるが)ところが一転して、後半は厳しいロシアの冬の中、敗走する軍とか、帰らぬ夫を待つローレンとか、悲惨さがてんこ盛りだ。雪原で死にかけた彼を助けたロシア妻の功績をはっきりと描いているので、観客も彼女に同情的になる。可愛らしい顔をしているリュドミラの、どこにあの腕力があったのだろうか。

余談だが、シリアで私がいた地域にも広大なひまわり畑があった。収穫すると、叩いて種子を取るために一家総出で働く。普段は大学受験資格(バカロレア)の勉強をしながら役所で事務をとる17歳のナジーラも立派な働き手だった。30年後の今はどういう女性になっているだろうか。

この映画は戦争を憎み、愛を求める精神が溢れている。その点、同じイタリア映画の「炎の戦線・エル・アラメイン」を思い出す。

これまた余談だが、南アで開催中のサッカーワールドカップではそのイタリアもフランスも有力視されていたのに予選で敗退し、残っているのは欧洲3、南米3、アフリカ1に日本。AALA(アジア・アフリカ・ラテンアメリカ)連帯せよ!と言っても、パラグァイは手加減なんかしてくれないだろうな。

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コメント
 
 
 
ソフィア ローレン (ハコベの花)
2010-06-30 00:05:48
私はテレビで2回もこの映画を観ているのに、家で見ると雑用が入って、じっと観ていられなくて、残念ながら観ていないのと同じになってしまいました。
ところで、私の手元に文芸春秋の映画の季刊があります。その中に「心に残る映画スター」というのがあって、日本の男優、女優、世界の男優、女優10名ずつ載っています。ローレンは6位です。私はこの人の顔が怖くて、なぜ美女の中に入るのかわからないのです。人の好みは好き好きなのでしょうね。世界の男優の1位はビアンカさんのお好きな?アランドロンです。確かに太陽がいっぱいのドロンは最高ですね。誰に聞いても一番ハンサムだと言います。2位はグレゴリーペックです。日本の男優の中に森雅之が入っていたのは意外でした。良い映画をゆっくり観てみたくなりました。
 
 
 
間違い (ハコベの花)
2010-06-30 21:12:49
Bianca様
 すみません。人違いをしました。アランドロンが大好きと言った方はビアンカさんではなかったのですね。早とちりをしてすみませんでした。そそっかしくて真に申し訳ありません。
それにしても昔の俳優には個性がありましたね。皆、それぞれ独特な容姿と性格があったような気がします。それを生かす楽しい映画がありましたね。もう一度楽しい映画を観たいのですが、もうむりでしょうね。私が素直で無くなっているのが一番の原因です。
 
 
 
Unknown (Bianca)
2010-06-30 22:01:37
昨夜は2時まで起きてパラグアイ戦を見ていたので、さっきまでボンヤリしていました。お返事が遅れたのはそのせいです。でもそうなんです、「太陽がいっぱい」のモーリス・ロネやマリー・ラフォレは好きですね。若い綺麗な男は嫌いじゃないですが、アランドロンは中年になって段々世間ズレしてきたので。私も若き日の素直な感受性は失われていますよ。特に、世の中が誰も彼も自分より年下になってしまって、今の流行についていけないと、面白いものが減ってきますね。
 
 
 
Unknown (C.C)
2010-07-06 01:47:03
ビアンカさん、こんばんは。「ひまわり」ボロボロ泣くには一番の映画です(笑)駅でマストロヤンニの姿を見て動き出す汽車に飛び乗るソフィア、でそこでマンシーニの音楽が流れと、う~んなんとも言えません。マルチェロとソフィアとマンシーニとカルロ・ポンティにデ・シーカとイタリア映画界最高峰です。(マンシーニはアメリカじんでした)いつも思うのですが、ロシアロケの許可と引き換えにあの原子力発電所を映す事をクレムリンから強制されたのでしょうか??
 
 
 
イタリアン (Bianca)
2010-07-06 18:59:19
えーっ、原子力発電所でしたか。何か殺風景な工場街の背景だったのは憶えていますが。CCさんもボロボロ泣いたりするんですね。理想の男性マストロヤンニがああいう板ばさみになったり、日頃陽気なあの2人がと思うと尚更なんでしょうね。でも、初めの方で徴兵拒否で仮病を使い、それがばれてしまうのを憶えています?イタリアンたら、こういう生死の境目の状況まで喜劇仕立てにしてしまう、何と人間的な人々だろうと思いますね。抵抗精神なのでしょうか?
 
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