映画の感想など・・・基本的にネタばれです。
しづのをだまき
【映画】空気人形
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2009年 日本 116分 島根県民会館にて
監督脚本 是枝裕和 出演 ぺ・ドゥナ 板尾創路
原作マンガに「感動」した是枝裕和が9年越しの願望をかなえ映画化。
カンヌの「ある視点部門」で上映されたが、受賞していない。
私の評価は5点中の1.5点。
空気人形とは、男性の性の相手を勤める人形のこと。様々な種類があるが、これは、メイド喫茶のウェイトレスの扮装をし、今にも「ご主人様、お帰りなさいませ」と言いそう。人気の「AKB48」もこういうタイプのグループだ。私は、この種の仮装の女性とそれに群がる男性が生理的に嫌いであり、虫唾が走る。
同じSEX DOLLでも「ラースとその彼女」では形も役割も全く違っていた。男性は人形を恋人と見なす所から出発して、人間に成長して行ったし、社会もそれを暖かく応援した。
是枝監督は実力のある監督と言うが、「歩いても歩いても」もイヤな感じだった。「空気人形」をほめているのは概して男性のようだ。また、主役が韓国の女優だが日本の女優で見たかったという声もある。こんな役を喜んでやるような女優がいたら情けない。
そもそも性欲処理の道具が娼婦であるが、そのまた代用品がドールである。そんな役で出たくないのは誇りある女性にとって当然のこと。「AKB48」に殺到するような頭の空っぽな女の子なら、別かも知れないが。
百歩譲って、内容テーマを別として、映画の作りはどうかといえば、これが、なにやら深刻そうな言葉をしきりと吐いているだけで、ハッとするような事件も無いし、感動も無い。
人形が心を持った途端に、出逢った若い男に恋するというのも陳腐だし「空気人形とは代用品」と言うせりふと共に、世の中の様々な代用品を映すとか。「僕だって、中身空っぽで、空気人形と同じなんだ」と言う男が出てきたり、また、人形製作所では、まるで父親のように慈愛深く語る男性がいたり、「この頃の若い女は」と説教をしながらレイプする中年がいたり、要するに、空気人形という主題を、あっちに向けたりこっちに向けたりして、掌でもて遊んでいる、ご隠居の骨董いじりみたいな映画作りなのだ。いかにも深遠そうな感想とか比喩とかの続出に、コロッとだまされる客もいるのだろうが、有名監督の作品だからと言って、何でも感心するのはよした方がいい。
それとも、この映画は性的に満たされていない男性向けに作られているということか。それならそうと初めから断ってくれれば、月1回の島根県民会館名画劇場も、上映計画を立て直しただろうし、たとい上映されたとしても、いかに時間を持て余している私でも、見に行ったりはしなかっただろう。
とにかく、私はこんな映画、口にするのも思い出すのもいやで、見てから一週間、レヴューも書きたくなかったが、いつまでも心の中に不快感を抱き続けるよりは、吐き出した方がと思い切って書いた。男の情ない一面を見たいという物好きな方は、ご覧下さい。
是枝裕和監督のかかわった作品
→「歩いても歩いても」8-12-14
→「歩いても歩いても」② 8-12-15
→「奇跡」 10-6-19
→「エンディング・ノート」12-9-8
監督脚本 是枝裕和 出演 ぺ・ドゥナ 板尾創路
原作マンガに「感動」した是枝裕和が9年越しの願望をかなえ映画化。
カンヌの「ある視点部門」で上映されたが、受賞していない。
私の評価は5点中の1.5点。
空気人形とは、男性の性の相手を勤める人形のこと。様々な種類があるが、これは、メイド喫茶のウェイトレスの扮装をし、今にも「ご主人様、お帰りなさいませ」と言いそう。人気の「AKB48」もこういうタイプのグループだ。私は、この種の仮装の女性とそれに群がる男性が生理的に嫌いであり、虫唾が走る。
同じSEX DOLLでも「ラースとその彼女」では形も役割も全く違っていた。男性は人形を恋人と見なす所から出発して、人間に成長して行ったし、社会もそれを暖かく応援した。
是枝監督は実力のある監督と言うが、「歩いても歩いても」もイヤな感じだった。「空気人形」をほめているのは概して男性のようだ。また、主役が韓国の女優だが日本の女優で見たかったという声もある。こんな役を喜んでやるような女優がいたら情けない。
そもそも性欲処理の道具が娼婦であるが、そのまた代用品がドールである。そんな役で出たくないのは誇りある女性にとって当然のこと。「AKB48」に殺到するような頭の空っぽな女の子なら、別かも知れないが。
百歩譲って、内容テーマを別として、映画の作りはどうかといえば、これが、なにやら深刻そうな言葉をしきりと吐いているだけで、ハッとするような事件も無いし、感動も無い。
人形が心を持った途端に、出逢った若い男に恋するというのも陳腐だし「空気人形とは代用品」と言うせりふと共に、世の中の様々な代用品を映すとか。「僕だって、中身空っぽで、空気人形と同じなんだ」と言う男が出てきたり、また、人形製作所では、まるで父親のように慈愛深く語る男性がいたり、「この頃の若い女は」と説教をしながらレイプする中年がいたり、要するに、空気人形という主題を、あっちに向けたりこっちに向けたりして、掌でもて遊んでいる、ご隠居の骨董いじりみたいな映画作りなのだ。いかにも深遠そうな感想とか比喩とかの続出に、コロッとだまされる客もいるのだろうが、有名監督の作品だからと言って、何でも感心するのはよした方がいい。
それとも、この映画は性的に満たされていない男性向けに作られているということか。それならそうと初めから断ってくれれば、月1回の島根県民会館名画劇場も、上映計画を立て直しただろうし、たとい上映されたとしても、いかに時間を持て余している私でも、見に行ったりはしなかっただろう。
とにかく、私はこんな映画、口にするのも思い出すのもいやで、見てから一週間、レヴューも書きたくなかったが、いつまでも心の中に不快感を抱き続けるよりは、吐き出した方がと思い切って書いた。男の情ない一面を見たいという物好きな方は、ご覧下さい。
是枝裕和監督のかかわった作品
→「歩いても歩いても」8-12-14
→「歩いても歩いても」② 8-12-15
→「奇跡」 10-6-19
→「エンディング・ノート」12-9-8
コメント ( 3 ) | Trackback ( 0 )
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小気味良い現代批評、全く同感です。テレビを見ても安っぽいお笑いばかり、頭の悪いのを自慢するなんて恥ずかしくないのでしょうか。子供の様なタレント女性、皆、同じ顔、舌足らずの話し方が可愛いなんて男も皆、馬鹿になってしまったのでしょうか。
勉強が出来ても子供の様な自分勝手な青年が多く、心がときめくような自分を持った青年に出会うこともなくなりました。大卒の青年が読書をしたことがないと言います。テレビが総白痴化に拍車をかけているのでしょうか。全く嘆かわしい時代になってしまいました。女性の性も安売りの時代ですね。悪い物は悪いとはっきり言う事も必要かとおもいます。Bianca様頑張りましょう。