映画の感想など・・・基本的にネタばれです。
しづのをだまき
映画「羊飼いと風船」
2019年 中国 102分 DVDで鑑賞
監督 ペマ・ツェテン 出演 ソナム・ワンモ ジンパ ヤンシクツォ
チベットの大草原。牧畜をしながら暮らす、祖父・若夫婦・3人の息子の三世代の家族。昔ながらの素朴で穏やかな生活をしていたが……。
チベットは中国の自治区。一人っ子政策の下でも、ここは3人まで可らしい。家計は豊かでなく、繁殖用の種羊すら持てない夫は、大きく頑丈な体、酒好きで、けんかっ早い。奥さんはそういう夫に従いつつ、すでに3人いるのに、4人目を妊娠してしまった。コンドームを子供が風船と間違えたからだ。女医に、避妊手術を勧められる。おじいさんが急になくなって、輪廻転生を信じる夫や子供たちは、ぜひ4人目を産んでほしいという。妻は悩んで、尼僧の妹に「私も出家したい」という。妹は、小学校の先生の男友達と、かつて何かあって出家したらしい。彼が書いた「風船」という小説が気になるが、妻は「本なんて嘘ばっかりだ」と言って、炉にくべる。
本を読む層と読まない層、宗教を信じる層と信じない層、中国政府の価値観を織り交ぜつつ、現地人の価値観を示している。
ウィグルで、女性に強制不妊手術を施したという問題があるが、ここでは女性自身が子沢山に悩み、不妊を救いと感じている。
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