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映画「永遠と一日」

1998 希仏伊 134分 監督 テオ・アンゲロプロス 出演 ブルーノ・ガンツ イザベル・ルノー 3月10日(土)午後2時より島根県民会館にて鑑賞

★アンゲロプロス追悼・第二弾

病が重く、入院のために旅立とうとしている老人(ブルーノ・ガンツ)。付添婦と別れを告げる。娘とも話をする。そのうちに追想がはじまる。老人の姿のままで、過去の懐かしい場面に現れ、若い日の妻とダンスをしたり、気品のある老母にあったりする。彼は詩人であるので、現実から目を背け、自分の中に閉じこもって生きてきたようだ。今になると、ひたすら愛してくれた妻にすまなかったと思う。

その日、ふとしたことで、アルバニア難民の少年と出会う。売られそうになった彼を救い出し、2時間のバスの旅をする。

老人は家で音楽をかけると、前の家から、同じ音楽が決まって聞こえてくる。どんな人かとさまざまに空想するが、敢えて確かめようとしない。お金を出してことばを買う。それらのことばからさまざまなことを考える。(占いのようだ)

老人が若き日の自分を訪ねるのは、ベルイマンの「野いちご」を、旅に出る前に、人と親しくなると言う点では「特別な一日」を思い出す。その中で、彼が海辺の崖のところで1939年と言う年代と、数人の名前を言うシーンが出てくる。この年代は「旅芸人の記録」にもあった、ナチスの侵入とそれに抵抗した仲間の思い出があるのかもしれない。

しかし大体は彼一人の人生に限られているので、予備知識がなくても分るし、この主人公が彼自身にも思われ、追悼上映にはふさわしい作品だと思う。

ただし、「永遠と一日」とは、聞いてもイメージが湧いて来ない。覚えにくく親しみにくいタイトルだと思う。
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