2006年 仏 監督 ディアーヌ・キュリス 出演 シルヴィー・テステュ ジャンヌ・バリバール DVD
作家フランソワーズ・サガン(1935-2004)の生涯を映画化したもの。
17歳でデビュー作「悲しみよこんにちは」がベストセラーになり巨額の印税を得て、それをあっという間に使い果たす。以後は賭博、スピード運転、麻薬中毒の壮絶な人生が続く。
37歳の女優が、17歳から68歳までを演じている。
サガンといえば映画「悲しみよこんにちは」のジーン・セバーグを思い浮かべるのだが、本当のサガンはセバーグのような明るい格好良い少女ではなかっただろう。むしろ、この映画のように、浮浪児のようにやせこけて薄汚れ、下から盗み見るような目つきの、ピエロの泣き笑いの表情が似合う女性だったろう。
彼女の小説で感じる甘美さは、彼女自身でなく、むしろ周囲の女性にこそ現われているようだ。ペギー(「ランジェ公爵夫人」のJ.バリバール)の死のシーンは美しく、サガンの死を見取るふくよかな付添婦は「叫びと囁き」中の死を髣髴とさせるものがある。
→「愛と言う名の孤独」11-12-8
→「サガン 疾走する生」11-12-5
→「さよならをもう一度」12-10-25