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藤城清治 光と影のファンタジー

「暮らしの手帖」や朝日新聞の日曜版などでおなじみの影絵画家だ。

義母と我々計3人で宍道湖の見える県立美術館に行った。87歳の彼女だが、
元々、美しいものを見るのが好きなのだ。幸い、まだ自分の足で動けるし。
平日だが大変な人だった。とくに中高齢者が目立つ。

初期の油絵時代から、つい去年のものまでを並べている。
慶応の学生の頃、戦争中で、少女の像などは軟弱だとして没収されたそうだ。
ノイシュバンシュタイン城の絵とか、アンコール・ワットの絵とか、どちらも背景に建物が、前の方に人が、ドラマティックに描かれている。
スペインの詩人ヒメネスの「ろばのプラテーロ」の詩のそばに掲げた絵がよかった。
それから、愛猫のとら猫「アラメ」、この画家のえがく猫は、全てかれがモデルだと言うのは印象的。やはり、わたしは生き物がからむと感動するらしい。

松江の街とは関係が深く、幾度も写生におとずれているとか。実際見えるはずのない出雲大社も描かれた松江市街図が雄大繊細ですばらしい。

現在83歳だが今もバリバリ現役で、近くサイン会も行われるそうだ。
彼の画風はむかしから殆んど変わらない。厳密に言って、これが芸術かと言えば、
答に迷う。しかし、己の好むところにしたがって一生を貫き、それが多くの人の支持を受けるとは
幸せな生き方だと思うし、そんな人生を見ることはこちらを幸せにする。

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
Unknown (オキヨ)
2008-08-24 02:27:17
藤城清冶の美術館は長野白樺湖畔にもあって以前観た事があります。大きな画面でファンタジーの世界に入り込んだような気がしました。
絵描きって若いですよ。80代頃からあぶらがのって来る例がいくらもありますからね。経過途中で死んでなるものかとおもい長生きするらしいですよ^^
 
 
 
Unknown (Bianca)
2008-08-24 19:21:56
おキヨ様
白樺湖畔、光と影、妖精や小人が大好きな彼の世界に相応しいですね。
>絵描きって若いですよ・・
>経過途中で死んでなるものかとおもい長生きするらしいですよ^^
知人にも少しいますが、絵描きという人種は作家や詩人とちょっと違うなあと感じることが多いです。純粋に自分の世界にのめりこみ、年をとるのを忘れているのですね。素晴しいことです。
 
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