goo

【映画】バッシング

2005年 監督:小林政広 出演:大塚寧々 占部房子 
鑑賞 2006年6月13日@シネ・ヌーヴォ九条 

2004年に起きたイラク日本人人質事件の後、全国的に巻き起こったバッシングを受けて小林が作ったフィクション。目の付け所はいいが、こんな 無愛想で無能なボランティアは見たこと無い!(5点中2.5点)で済ませるのはあまりに「無愛想」。かつて3本「ガーダ」「バッシング」「アダン」をまとめてアップした時、簡略紹介のためこういう表現になったのだが、このたび各映画を独立の項目にすることにしたので、補うため過去文章教室に出したものを以下追加することにした。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
   タイトル:映画で見るパレスチナと日本

最近、大阪市西区のシネ・ヌーヴォ九条で上映された「ガーダ」と「バッシング」は、どちらもパレスチナに関係のある映画で、私は、個人的な興味があったので、両方見た。

    (中略)

一方の「バッシング」は、イラク日本人人質事件への日本での反応に題材をとった劇映画である。女主人公は、匿名の電話やメールによる誹謗・中傷にさらされ、バイトを失い、恋人には去られ、父親も工場をクビになって、酒浸りの末に自殺する。最後に彼女は日本を捨て海外に生きる決意をする。

映画は、苫小牧の荒涼たる風景の中で終始展開し、見ているうちにすっかり気分が落ち込んでしまう。日本独特の、異分子排斥=バッシングの陰湿な破壊力は、映画全体を重苦しい空気で満たし、見る人を圧倒する。

ただ、顔立ちもスタイルもよい女優、占部房子の扮する主人公が無口、無愛想で、むしろ不登校児の特徴をそなえていることが気になる。海外ボランティアには、異文化への理解と伝達能力や意欲が人一倍必要だと思うのだが・・・もしかしたら実在の人物から取材する手間を省いたのだろうか。

この映画は日本より先に海外で大きい反響を呼んだそうだ。批判すべき点はあるにしても、この重いテーマに取り組んだ小林政広氏の勇気をたたえたい。

(文章教室 自由課題2006年6月21日提出、7月5日返還)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

八木先生評:(文末に赤ペンで書いてある)
「”日本独特の”と言う所に、難しい問題があるようですね。はたして日本固有の社会現象と言えるのか、という視点も必要です」

授業中には、20篇近い文を先生が朗読しながら(巨大な肺活量と強い声帯の持主)、随所で批評を述べたり文字の間違いを訂正したりして進んでゆく。「これは欧米でもどこの国でもある」とのこと。最後に「面白そうな映画やね」と言われたが、これはホメ言葉と受け取るべきか、「多分リップサービスよね」と、疑心暗鬼の私だった。

→映画「ガーダ」07/1/22
小林政広作品
→「歩く、人」 8-12-26
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
« 【映画】アダン 【映画】明日... »
 
コメント
 
 
 
文章教室へ (viva jiji)
2008-04-24 20:23:30
行ってらしたのね~、Biancaさん。
なるほど、なるほど。^^

あっ、ごぶさたしております。
でも、ちゃんと読ませていただいております。^^

実は私も1年半だけですが、かなり前に新聞社の
元編集デスクだった方(現在は作家さんで
近所に住んでるの^^)に
文章を見てもらったことがあります。

ハジケてない、私から言わせると、ぜんぜ~ん
面白くない文章を書いたときは、
とても誉められましたが、
本来がハジケているものを書きたい私には、
「ここ、私のいるとこと違う」と感じ、
その時点で受講STOP。(笑)

>リップサービス

だと、私も思います。

かの方々はあまり映画など、観ない・・・みたい。(--)^^
 
 
 
Unknown (Bianca)
2008-04-25 00:19:00
vivajijiさん、コンバンワ、お久し振りです。

文章教室、いらしてたんですか?そちらも新聞社の編集デスクだった方?

>ハジケてない、私から言わせると、ぜんぜ~ん
面白くない文章を書いたときは、とても誉められましたが、

ワハハハ・・・・全くその通り、自分でいいと思ったものが、評価されないということはよくありますよね。多分、新聞の文章は、客観的で正確なことが大事なんでしょうね。大きくはないが遠くまで聞こえる声というものがあるように、遠くまで届く(大勢の人の興味と理解を呼ぶ)文章というものもあるのでしょう。

>かの方々はあまり映画など、観ない・・・みたい。(--)^

それはどうかな、大分沢山の映画を収集していらっしゃると自己紹介にあります。しかし、あまり映画については言及されないんですが。

八木先生は「egoiste」と言うブログの持ち主なので、興味があったら覘いてみてくださいな。(ブックマークからいけます)ついでに「パリ映画日記」と言うブログは、そのお嬢さんのです!
 
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。