●方法俳句015・音の物質化03・長谷川素逝
○「ますぐなる音の木の実の前に落つ」(長谷川素逝01)
季語(木の実・秋)
木の実がまっすぐに落ちました。ストンという音とともに。木の実が落ちたのですが作者には、「まっすぐな音」が落ちてきたように見えたのです。「音」という抽象を、可視化して物質化しています。
○長谷川素逝(はせがわそせい)(1907~1946)
代表句「ふりむけば障子の桟に夜の深さ」02
季語(障子・冬)
大阪生まれ。三重県津の小中学校、三高を経て京都大学文学部卒。俳句を→田中王城・→鈴鹿野風呂に師事した。1929年、「京鹿子」(野風呂主宰)の同人。→高浜虚子に師事、「ホトトギス」同人。甲南高等学校教授。1937年、日中事変に出征、38年結核を患い内地へ送還され、39年に帰郷。この年に刊行された第1句集「砲車」はたちまち一世を風靡。戦争俳句といえば素逝と称された。1946年没。享年39歳。
長谷川素逝掲載句
2010/12/08 03冬の日ががらすを透り身にあふれ(冬の日)〈色彩・透明〉
2012/07/10 04さよならと梅雨の車窓に指で書く(梅雨・夏)〈五体・指〉
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